三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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文部科学省

大臣就任記者会見

平成23年9月2日(金)

大臣)
 改めて、文部科学大臣を拝命しました中川正春です。よろしくお願いします。
 あれからもう1年たったのかなと、今日も感慨深い気持ちでおるのですが、2年前に副大臣として、皆さんと御一緒させていただきました。
 文部科学省という役所は、さっき申し上げたように、日本の元気を引っ張っていくんだというぐらいの気持ちで、明るく前向きに仕事をしていきたいというふうに思っています。
 たまたま、私も2年前の印象では、ここで頑張っている官僚の一人一人も非常に楽天的で、明るい、そういうまっすぐな仕事をしていく人たちだというふうに感じました。なものですから、今回こうした形で再び、今度は大臣というポストで戻ってきましたので、そのみんな一人一人の力を精いっぱい、私自身が引き出して、日本のために、今この大災害の後、様々な課題を持っているこの日本のために頑張っていくんだということだと思いますので、よろしくお願いをします。
 それで、恐らく質問が出てくるんだろうと思うんで、今日の指示事項のお話をまずさせていただきます。
 全部で7項目あるんですが、1つは、東日本大震災の被災地における児童・生徒等の学びの場の確保、それから就学支援、心のケア等に努めるとともに、東京電力福島原子力発電所の事故に関する放射線量のモニタリングの強化及び適時適切な情報提供、それから校庭等における放射線物質の除染の推進等に全力を尽くし、国民の不安の解消を図るということ。
 それから2つ目は、東京電力の福島原子力発電所の事故による損害に対し、原子力損害賠償紛争審査会の和解仲介体制の整備など、迅速な賠償が講じられるよう関係大臣と協力して対応するということ。
 それから3番目が、厚生労働大臣と連携・協力しつつ、新卒者等に対する相談支援を強化するため、キャリアカウンセラーによる就職相談、就業力向上のための支援プログラムの充実など、新卒者等の雇用に関する対策を推進をするということ。
 それから4番目が、高等学校等就学支援金制度を着実に執行するとともに、大学の奨学金を大幅に拡充するなど教育にかかる国民の負担を軽減して、すべての意志ある人が教育を受けられる仕組みを構築すると。また、高校無償化については、平成24年度以降の制度の在り方について、政策効果の検証をもとに必要な見直しを検討すると。
 それから5番目、将来の日本を支える人材を育てるために教員の資質や数を充実することなどにより、質の高い教育を実現をする。
 それから6番目、内閣府特命担当大臣(少子化政策)に協力をして、待機児童の解消対策や幼保一体化をはじめとする「子ども・子育て新システム」の構築を推進する。
 それから最後に7番目、大学や研究機関の教育力・研究力を強化して、科学技術の力で世界をリードすると、そういう目標を掲げてやるようにということでありました。
 私からは以上です。

記者)
 官邸での会見にも重なると思いますけれども、副大臣のときから約1年たちまして、今の文部科学行政の課題の現状認識と、それから大臣として、どんなところに特にお力を入れて取り組んでいかれるお考えか、お聞かせください。

大臣)
 1つは、総理大臣の方から指示、それからそれぞれ指摘のある課題というもの、これに全力で打ち込むということです。
 それからもう1つは、これは私なりに感じていることなんですが、日本が外向きに気持ちを持っていくための様々な施策というのが、恐らく文部科学省からも幾つも考えていくことができるんだろうというふうに思うんです。
 世界から日本を見ると、以前の経済大国という認識といいますか、イメージから非常に大きく変化をしていっていまして、経済は非常に今、苦労しているといいますか、円高もあって、そして人口の構成が変わってきていますから、消費ということに対して非常に縮んでいく、若年層というのが少子化で縮んできている、全体のパイが縮んできている、そういうこともありまして、いわゆる量から質へ向けての課題ということなんだろうと思うんですけれども、実はそれ以外に日本の技術力、それから文化、文化なんかは「クールジャパン」という言葉に代表されるように、アニメだとか、それから我々の生き様、ファッション、生活文化、食べ物、いわゆる日本の料理等々、ライフスタイルも含めて、非常にこれまでとは違った、あこがれみたいなものが出てきているということを実感しています。
 実は、先般、日本語教育学会という、世界の日本語教育に携わっている教育者が2,000人以上集まったんですけれども、その大会に参加する機会がありました。日本語を勉強したいという人たちは増えているんですね、350万人から、もっと増えているということです。昔、ちょっと前は70万人というようなところから出発したのが、非常に今広がりつつあるということ。
 それから、彼らのさっき申し上げたような日本に対するあこがれ・イメージというのが非常に期待感を持って変わってきているということ。どちらかというと発展途上的な日本のイメージから成熟社会で、かつライフスタイルを重んじるような、そういうような評価に変わってきているということ、これは物すごく私はうれしかった。また、元気があったんですね、みんな。そんなものを見るたびに、私たちもそうした価値観を持っているんだということを自分自身で、この国で気が付くといいますか、自信に変えて、それでもっと外向きに、そこのところをアピールするということがあっていいんだろうというふうに思うんです。
 そういう意味で、日本の文化、あるいはスポーツもそうですし、それからさっき申し上げた日本語そのものもそうですし、それから日本でつくられるいろんなコモディティーですね。便利な、あるいは非常に科学技術が結集されているような、そういうものづくり、あるいはそのイノベーションにかかわっていくプロセス、あるいは教育の中身、こういうものを外に向いて発信をしていくということ。あるいは、その発信をする力を持って、今度は国の国民の気持ちを喚起していくというか、そういう在り方があっていいんじゃないかと、そういう取組をしたいなという思いがありまして、それは私自身のここ1年、具体的な政策にまとめてやっていきたいというふうなことです。
 それから、子どもたちについては、ゆとり教育の見直しからはじまって、35人学級に広げていこうということであるとか、あるいは学校の先生の質というものをもう一回問いかけていこうと、これは前々から課題があって、ずっと継続しながら一つ一つ広げています。要は、ちゃんとした予算をとれるかということでありますので、これは私の仕事だと思っています。頑張っていきたいというふうに思います。
 それから、もう一つは科学技術でありますが、これはちょっと会見でも申し上げたように、復興計画がこれから出てきます。特に、東北地方に関連して、この基礎科学的な、我々が受け持っていく基礎科学的な部分をベースにしながら、あの地域の特色を生かした科学技術の構想といいますか、これをしっかり組み立てていきたいというふうに思います。
 三次補正の中で、できればその資金というのを長期的に使えるように基金化をして、戦略的に復興計画の中に組み込みたいというのが私の思いであるし、これまで?木大臣が取り組んできていただいた政策でもあるというふうに、私は理解をしています。そこのところをしっかり継承しながら、これもまた頑張っていきたいというふうに思います。そういうところです。

記者)
 今の科学技術に関するところですけれども、総理は今日の夕方の会見の中で、古い原発は廃炉にすると。それから、新しい増設は難しいということをおっしゃいました。
 それで、「もんじゅ」を初めとする文部科学省の核燃料サイクル部門、原子力部門、この研究・開発について、その意義とそれから今後について、大臣は今どのようにお考えになっていますか。

大臣)
 私は2つの観点で考えていかなきゃいけないんだろうと思います。
 1つは、さっきお話の出たように核燃料サイクル、これをどう見直していくか。もう一つ、その背景は、エネルギーのベスト・ミックスといいますか、これの見直し、でき得る限り核に依存しない体系、これは現実的に考えなきゃいけないと思うんですね。代替のエネルギー、自然エネルギーを中心に、それが技術的にどこまで達成可能かという、そのことを前提にしながら核に依存する部分というのを減らしていくというふうな、恐らく道筋になっていくんだろうと思うんですが、そういうような議論というのを政府全体、それから国民の中でも、あるいはまた、野党の皆様も含めて議論をしていく場をつくって、エネルギーの中長期計画というのを、まず前提にしてつくるというということが大事だと思うんです。そこを前提にして、燃料サイクルをどうするかということをまず考えていかなきゃいけないということが一つと。
 もう一つは、リスクだと思います。「もんじゅ」の場合、もう一度、このリスクについて、特にナトリウムをどうマネージするか、これをリスク低減していくかということは、私としてはもう一度慎重に考えながら、そのリスクはアセスしたい。それが克服していけるような技術革新なり、あるいは展望なりというのを見た上で判断をしていきたいというふうに思います。

記者)
 先ほど総理の指示事項の中で、高校無償化に関しまして、24年度以降の政策効果の検証をもとに、必要な見直しを検討するという項目がございました。これは三党合意といったことを踏まえた考えだと思いますけれども、もともとの高校無償化法には、3年後の見直しといったことがうたわれておりますが、24年度以降の検証をもとに検討ということから見ますと、24年度を含む場合は、3年後といったものの若干前倒しといったものが見直し期間の中に含まれていると思われますけれども、大臣のお考えとしては、どの点をスタート、起点というふうにお考えなのでしょうか。あるいは今後どのような見直し、公明党が例えば求めている「特定扶養控除」の復活ですとか、そういったことなんかも踏まえた見直しを考えていらっしゃるのか。

大臣)
 まだ、そこまで具体的な見直し項目とか中身まではいっていません。今やらなきゃいけないのは、これを導入したことによって、どういう効果が生まれているかということを検証することだというふうに思います。そのことをベースにして、見直しの議論に入っていくということですから、一つ、まず検証をさせてくださいということになると思います。

記者)
 その関連なんですが、いずれにしても、現在の形の高校無償化制度では継続は難しいというふうにお考えでしょうか。

大臣)
 いや、それはさっき申し上げたように、これからの話し合いです。私たちが検証した結果、やっぱり、ここは本当に大事なんだとか、あるいはここが非常に有効に機能しているんだということがあれば、それはそれで皆さんに理解してもらって進めていくということですから、中身について何をどう見直していくかというのは、本当にこれからの課題になるというふうに思います。

記者)
 先ほどの核燃料サイクルの件なんですけれども、「もんじゅ」が持っているナトリウムのリスク、このリスク軽減ができない場合については、どのような判断があり得るのでしょうか。

大臣)
 これは、一部、専門家の皆さんに検証をしっかりしてもらわなきゃいけないというふうに思います。私たちで政治的に判断するということではなくて、具体的に、客観的に検証をしてもらうということと、それからもう一つは、さっき申し上げたように、もう一つ背景に、エネルギーの中長期計画をどうしていくかということがありますから、それとの兼ね合わせの中で、最終的には政治判断をしていくということになると思うんです。
 だから、私が求めたいのは、そういう意味ではリスクをもう一度検証をしたいというふうに思っています。

記者)
 先ほども少し出てきましたけれども、まず三次補正と来年度概算要求、それが目下の目の前の目標としてあるかと思うんですけれども、先ほどのお話にあった今後の被災地の復興ですとか、もしくは少人数学級ですとか、大臣として今の段階として、こういったものに力を入れていきたいと思うことはございますか。

大臣)
 中身で、いろいろなことが指摘されていますよね。例えば一人一人が主体的にものを考えられる体系の授業をもう少しすべきじゃないかとか、あるいは、私もそんな体験があるんですが、日本の中でディベートというか、議論をするということについて、なかなか教育の分野で鍛えるということがなかったがために、議論がけんかになってしまうというふうなことがあるんじゃないかとか、いろんな指摘があります。
 そういうものをどうやって工夫しながら教育課程の中に組み込んでいくか、あるいは、またそういうような視点で教育の中身をつくっていけるような指導者、専門家というのをどう組み込んでいくかとか、そんな課題はあるんだろうというふうに思います。
 それからもう一つ、これは災害ということで、日本中が一度、原点に戻ってというふうな話にもなったんですが、災害に関連する防災教育というものについて、これについてもしっかりと教育課程の中に入れてやっていくということ。
 それからもう一つは、それだけではなくて、普段の対応ですね。事があったときに、それぞれの教育現場でどう対応していくかということについて、もう一回見直していくというふうなこと。
 また、もっと言えば、都市計画や何かでいろんな見直しがあるんだろうと思うんですが、学校の位置、安全性というか、そんなようなものも含めて見直すというような努力が必要なんだろうというふうに思います。そういう意味では防災、あるいは災害というものに対する教育というのが、もう一つ大きなポイントになると思います。

記者)
 また「もんじゅ」に戻ってしまうんですが、「もんじゅ」は今現在、修復作業が進められていまして、技術的には来年の春にも40パーセントの出力試験は可能だと。今後の作業スケジュールについての考えをお聞かせください。リスクについて、専門家による検証が必要だということであれば、このスケジュールは一旦凍結するということでよろしいんでしょうか。

大臣)
 凍結をしなければならないかどうかということについても、専門家の中で一度議論をしてもらいたいというふうに私は思っています。
 ただ、再開する、しないということについて、もう一方でさっき申し上げたように、エネルギーサイクル、燃料サイクルのトータルな議論があるので、これは同時並行的にやっていかないと、なかなか納得のいくというか、日本の社会全体の中での位置づけというのが決まってこないんだろうと思うんで、もう少し私も時間をいただいて、その辺の見極めをしたいというふうに思います。
 今のところは再開に向けての作業は続けてくださいということだと思います。

記者)
 専門家による検証委員会を設置したいということでよろしいですか。

大臣)
 検証委員会は、今、一般の軽水炉の、いわゆる民間でやっているような検証の中に、この「もんじゅ」も入れていくのか、それとも、いわゆるストレステスト、これを入れていくのか、それとも別個考えていくのかというのは、これはちょっと、それこそ文科省だけで判断することじゃなくて、政府全体として考えていきたいというふうに思っています。

記者)
 無償化に関連してですけれども、先ほども官邸で伺いましたが、朝鮮学校への適用の審査に関して、自民党が撤回を求めておりますけれども、これに対する御所見を改めて伺います。

大臣)
 今、もう調査が始まっています。あのときのということは、この朝鮮学校の無償化を朝鮮学校にも適用していくという判断をしたときには、朝鮮学校の話だけじゃなくて、インターナショナル・スクールであるとか、あるいは民族学校であるとか、様々な形態の学校に対しても、あるいは日本の国籍を持っていない子どもたちであっても、日本で教育の機会というのをつくっていこうという、そういうことで、その子どもたちを対象に考えて範疇(はんちゅう)を広げていったということで、その中に朝鮮学校というのがあったわけです。
 そういう意味合いでやっていたのが、それからもう一つは、外交的・政治的な考え方の判断というのをその中に入れないというような、いわゆる客観的基準によっていきましょうと、こう言っていたんですけれども、それにしても、延坪島のような事件というのはとんでもない話だということになって、そういう意味で日本の国民の反発も大きかったものだから、そこで混乱があってはならないということで、一時止めたということですよね。
 その経過の中で、北朝鮮の状況が延坪島以前の、この事業を開始したレベルに治まってきたのと同時に、六カ国協議に向けての話し合いも始まってきたということであるのでという判断で、恐らく菅・前総理は調査を続けるようにということだったんだと思うんです。それを受けて調査をしているわけです。
 私は、その調査の結果といいますか、その調査自体の中で、厳しく客観基準がしっかり守られているかどうかということを詰めていくということで、いろんなメッセージを発していくことに対して、朝鮮学校の中で行われている教育についても、オープンにして表に出して改善をしてもらいたいというところがあるとすれば、それは今度のシステムなり、この制度の中でそれが可能になってくるということもありますので、そんなことも含めて調査を続けていくということにしたいと思っています。

記者)
 原発のことで伺いたいんですけれども、そもそもなんですが、今日、野田総理大臣の会見で、さっき幹事の方もおっしゃっていましたけれども、新たな原発の建設はしないというようなことを明言されているんですが、一方で、高速増殖炉核燃料サイクルを仮にやるとすれば、「もんじゅ」というのはあくまで研究炉ですので、つまり実証炉や商用炉というのを建設しないといけない。これは新たな原発をつくるということに該当すると思うんですけれども、そうすると、これは核燃サイクルを縮減する野田首相の発言と相反することになるんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうか。

大臣)
 ここは、本当に核燃料サイクルをどのように位置付けていくのかというのは、これは文科省だけの話じゃなくて、政権として、あるいはさっき申し上げたように、野党も含めて国民的議論をしなきゃいけないところだろうというふうに思います。その上で、「もんじゅ」をどうするかという議論でないと、さっきの総理の話の是か非かということだけで決められる問題じゃないんじゃないかなというふうに思っています。

記者)
 もう一つ関連して、では「もんじゅ」について言うと、中川大臣はナトリウムを冷却剤として回しているわけなので、ここのところに今のままではリスクが高過ぎるんじゃないかという認識をお持ちなわけでしょうか。

大臣)
 以前から、「もんじゅ」がスタートするときから、そこの問題は指摘をされていまして、それは克服できたということでスタートしたんだというふうに思うんですね。それが漏れてしまったわけだから。
 あれは、それこそ金属疲労みたいなケアレスミスみたいな設計の中での話だったんだけれども、逆に漏れてしまった後、収拾できるのかと。漏れるか漏れないかということについては、精緻な検証をして大丈夫だということで始めたんだろうと思うんですけれども、仮に今回みたいな想定外みたいなことが起こって、それがリスクになった場合に、どう対応できるんだというようなことも含めて。

記者)
 津波とかのことをおっしゃっているわけですか。

大臣)
 これはストレステストにも通じる話だと思うんですけれども、そんなことも含めて、私は検証する必要があるんだろうというふうに思います。

記者)
 福島県の学校内のプールの授業とプールの排水の件でお伺いしたいと思います。文部科学省の方で、6月にプールを使用しても問題ないという見解を出されていますが、実際は福島県の学校のほとんどで、学校のプールで授業を行っておりません。この件について、大臣はどのようにお考えかお聞かせください。
 もう一点ですが、いまだに郡山市の学校などでは地域住民の反対の声を考慮して、排水をできていないところがあります。この件について、どういった対策、あるいは力を入れていくか、お聞かせください。

大臣)
 そういう質問が出るというので、私もこれまでの文科省の対応を調べてみたんですが、文科省としては、福島県内の学校の屋外プールの利用について、6月16日に福島県教育委員会等に対して、事務連絡を発出しています。
 その具体的な内容というのは、1つは、学校の屋外プールの利用については、飲料水の暫定規制値の見直しの結果を踏まえる必要があるということ。プールの水は水道水で、飲料水として基準の確認をするという、そういう意味だと思うんです。
 それから2つ目が、一方で、最近の福島県の水道水中の放射線物質は、不検出、検出されていないということであることから、児童・生徒等がプールの水から受ける線量は、極めて低いということを認識していると。
 3番目が、屋外プールの利用に当たっては、プールの水のモニタリングを、当初は月に2回以上行い、仮に放射性物質が確認された場合は、文部科学省において児童・生徒等の受ける線量を推計するということ。この3つを前提にして行政を進めてくださいと。さらに、問題が起きたときには、文科省の窓口で対応しますということで発出をしています。

記者)
 校庭についてなんですけれども、文科省としては、当初は校庭の利用基準に際して、毎時3.8マイクロシーベルトを超えたら屋外利用を制限してくださいと。年間換算にして20ミリシーベルトということで、それに対して保護者から批判が結構集まってきて、その後、文科省として、年間1ミリシーベルトを目指すということと、最近になって、1マイクロシーベルトを除染の目安にするというふうに対応が今変わってきているところですけれども、これまでの一連の文科省の学校の放射能汚染対策についての取組の御評価と、そして今後の取組について、大臣としてのお考えは。

大臣)
 恐らく文科省としては、事故が起きた直後ということは、事が起こったときと、それからそうでなくて、いわゆる平準なときというか普通のときというか、それを国際基準で違った形で対応したんだというふうに、私は理解しています。
 最初は、事が起きたというか、その事故があったときの応急対応として、20ミリシーベルトという基準を出したんだと思うんですが、これもその範囲があって、それの範囲が、あれは100ミリだっけ。

文科省)
 1から20です。

大臣)
 いやいや、国際基準で20ミリとしたときの範疇(はんちゅう)。20から100の中の20をとったんじゃなかったの。

文科省)
 ええ、今大臣が言われたように、事故時は100ミリシーベルトから20ミリシーベルトという考え、その後は、20から1ミリシーベルトということです。

大臣)
 そういうことですね。今度、それが平常時になったという認識の中で1ミリシーベルト、これは普段の、これまで日本の中でもこの基準を使って、1ミリシーベルト以下だということでやってきた。その数値を使って、それぞれ学校の状況というのを安定化させる。あるいは除染すべきところは、その基準を使って除染をしていくということで、基準を下げてきたというふうに理解をしています。
 ああいう事故が起こって、その状況というのが、いわゆる汚染された、それこそ20ミリシーベルト以上の汚染された状況というのは、ずっと長期で続いていくという中では、これは20ミリシーベルトの数値を使い続けるというのは間違っている、それは間違っていると思うんだけれども、現状のように、平常に帰っていく中では、20ミリを1ミリに下げて平準化以下でやっていきなさいということでいいんだろうというふうに思っています。

記者)
 先ほどの2点目のところで、郡山市の学校で地域住民の声を考慮して、プール水の排水をしていないところがあるという話で、この件についてどういった対策をとられているか。

大臣)
 そのプールは汚染されているんですか。

記者)
 そうです。昨年9月からずっと流していないので。

大臣)
 いや、実際にその数値を測って、モニターして。

記者)
 具体的に市の教育委員会とかがやった結果、やはり濃度がある汚染水ということで。

大臣)
 どれぐらいあるんですか。

記者)
 それはちょっと確認はしていないんですが。

大臣)
 私も確認します。確認します。それで、それを確認した上で、やっぱり対応は市町村だよとか県だよと言っていないで、私たちもそれをどうするかということについては、力を出していくということにしなきゃいけないと思います。

記者)
 「もんじゅ」の問題で、今話として、中長期的にエネルギー政策を見直すことであったり、検討委員会を立ち上げるというような話では非常に理解ができたんですけれども、来年度の予算に向けて、特に現地では、もう一回再開するのかどうか、来年度の研究費をつけてくれるのかどうかというところが短期的な決断、あるいは判断を今待っているような状況かと思うんですけれども、先ほど同時並行的にも進められるというふうにおっしゃいましたが、短期的な決断として、今止まっている「もんじゅ」をどうしようというお考えでしょうか。

大臣)
 私は予算をつけるべきだと思っています。それを続けていきながら、中長期的なその方針と、これは政府全体で決めるわけです。それからもう一つは、リスクのアセスですね、これをやっていくべきだというふうに思っています。それが出た時点で判断したらいいんだと思うんで、今の時点では予算はつけていくべきだというふうに思います。

記者)
 今の「もんじゅ」に関連してなんですが、専門家が検証する必要があると。それは具体的には、検証委員会というものを設置するのか。先ほどどういう形になるかはまだ分からないということなんですが、どういうふうにお考えになっていますか。

大臣)
 国民と同時に、それに携わる人たちが納得ができるようなメンバーで検証していきたいというふうに思っていまして、中身については、まだ私も就任早々なので、そこまで詰めて具体的にどの人に任すかとか、あるいはどういう権限を持った形で検証するかというのは、まだそこまで具体的な構想には至っていません。

記者)
 先ほどの総理指示の中で、大学新卒者の就職支援と、それと大学教育の向上、大学の教員の資質や数の充実などがありました。新卒者の就職難というのは、景気だけのせいではなくて大学生そのものの、大卒者の力が問題というふうな認識も広がりをみせております。大学教育の今の問題点は、どのあたりにあると大臣はお考えでしょうか。

大臣)
 これは、時代背景の違いもあるんだろうと思うんです。違いというか、変化もあるんだろうと思います。昔は、大学を卒業して企業が採用しても、その人たちがすぐに役に立つなんて到底考えていなかった。もう一回、企業の中で教育して、企業教育が一つのキャリアとして生かされてきたということだと思うんですが、この数年の間に日本の企業の中にそうした余裕がなくなってきて、それを全部外部化するという流れができたんだと思うんですよね。
 そのことによって、大学では、いわゆるアカデミックな、学問的なというよりも、すぐ役に立つ実学的な、いわゆるアメリカタイプの大学というようなことが期待されて来始めたんだと思うんだけれども、日本の大学というのは、そんな対応をしていないんじゃないかな。していないというか、なかなか中身が変わらないというところに一つの行き違いといいますか、お互いのイメージの違いがあるんじゃないかなというとらえ方を、私はしています。これはどちらの方がいいのかというのは、もう少し関係者の皆さんと議論してみたいですね。その中で方向性を決めたいと思うんです。

記者)
 政務三役のメンバーはまだこれからということだと思うんですけれども、副大臣や政務官の人事については、どのようなお考えをお持ちでしょうか。

大臣)
 明日、相談することになっています。

記者)
 大臣御自身は、現体制の副大臣や政務官を、一部はちょっと残したいとか、そういうふうなことはお考えになっているでしょうか。

大臣)
 まだ、そこについて、総理やその周辺の意向を確認していないんです。残せるのかどうかとかね。というのは、これまでは大臣の意向で、ある意味で一本釣りで来てほしいということで決めていたようだけれども、今回はそういう形ではなくて、ちょっとトータルで官邸の方で調整して、そこからこちらへ向いて話が来るような、そういうようなことに変わってきているということらしいです。今日、私はその話を聞いたんだけれども。

記者)
 それに関していいますと、政策形成過程に関してなんですけれども、政調の機能をより重要化するということで、自民党・総務会の復活ではないかというふうな見方もあるんですけれども、大臣がむしろ副大臣でいらした時には政策会議があってですね、そこで政務三役が中心となった、内閣が政治主導で法案を提出するという流れだったと思うんですけれども、その辺が大分、政権が変わることによって変わってきたなという印象を持っているんですけれども、大臣はこの流れというのはどういうふうにお考えでしょうか。

大臣)
 私は副大臣をしていたときに、この役所の中に入って、これとこれとこれはしたい、あるいはマニフェストという課題がありましたから、このマニフェストの実現に向けてということで、川端大臣に頑張っていただいて、高校無償化を中心にいろいろ実現をしてきましたよね。
 ところが、ずっとそのままいると、何となく、この人たちにみんな影響されて、自分の気持ちが乾いてくるんです。ところが、それが国会の方に戻って、部門会議。部門会議に戻って、国会議員の議論を聞くでしょう。そうすると、正直あのとき「ああそうなんだ、私のふるさとはこっちなんだ」という思いがして、みんなきついことを言うし、批判もあるし、するんだけれども。
 その中で、こんなことがあればいいなと思ったのは、そこから、ただ批判するだけじゃなくて、あるいはストレスをためていくだけじゃなくて、そこからやっぱり政策が立案されて、方向性だけを、こんな新しい事業をやっていこうよというようなものが出てきて、それが今度は私たちの思いになって役所へ向いて伝わると。それで、役所の知恵で具体的なものに仕上げてくると、そういうプロセスは要るんだろうと思います。それが政治主導の本質なんだろうなというふうに、以前感じたことがありました。
 だから、今回も政調というのは、そういう意味で非常に大事なんです。やっぱりいろんなアイデア、それから議員というのは、それぞれ住民、あるいは国民と直に接していますから、そこから出てくるいろいろな企画力というかな、そんなものが、やはり議員というのは、そういう意味ですばらしいですよ。いろんなものが出てくる。それを政策にして具体化するというのが官僚の皆さんの知恵ですから、政策に翻訳していくわけですから、我々はそれの司令塔に立って事業が活性化していくという、そういう意味での政治主導というのを実現していきたいなというふうに思います。
 そういう意味で、そんな対立的では全然ないので、それでまた大事なんですよ、その政策を議員が論じるというのは、と思っています。

記者)
 中川さんは、副大臣の時代を含め、外国出身の子どもたちに対する教育について熱心に取り組んでこられました。大臣としてどういうふうに取り組むかということに対して1点お尋ねします。
 もう一点は、教員免許更新制について、今、中央教育審議会で議論を進めているところですが、大臣としてのお考えをお聞かせください。

大臣)
 日本語教育については、その体制というか全体のシステムについて副大臣のときに感じたのは、体系化していなかったなと。やはり戦略的に、文科省だけじゃなくて、外務省、具体的には国際交流基金がやっていたんですが、そういう媒体、あるいは、いわゆる専門家集団というか、さっき申し上げたような、日本語教育学会に集っている人たちであるとか、そういうようなものを、そこで積み上げてきたノウハウとか、それからシステムとかというものを体系化して、それで戦略的に現場に下ろすということ。
 特に、海外の日本語教育戦略というのが、発展的に展開をするということが必要だろうし、そういうニーズがあるというふうに思っています。そのことによって、日本が外向きになっていくんじゃないかなというふうに思いました。頑張っていきたいというふうに思っています。
 それから免許の更新制、これはずっとやりたい、やりたいと言いながら、それから今日の記者会見でも、「与野党のねじれがあるから」というふうに前置きをして質問をしてくれましたけれども、そういうこともあるので、野党も理解がしてもらえるような、一緒にできればつくり上げていきたいというふうに思います。

記者)
 少人数学級の関係なんですが、先ほどの記者会見の35人学級に広げていきたいというようなお話がありましたが、今後の予算編成等でどのような方針で臨まれるか、改めてお聞きします。

大臣)
 去年は、もともとの目標から半分に削られてしまいましたから、去年もそうなんだな。だから。

文科省)
 今年は1年です。

大臣)
 今年は1年きり。1学年1年。このスピードを何とか早めていきたいというふうには思います。

記者)
 ちょっとお願いなんですけれども、最初に読み上げられた総理からの指示、これは前の?木大臣のときも一応我々に示していただいたので、その中身というものは。

大臣)
 そういう話が出るだろうと思って用意をしてありますので、後で配布をさせていただきます。

記者)
 先ほどの「もんじゅ」の専門家による検証なんですけれども、例えば検証の結果をいつごろまでに出したいという、遅くともいつごろまでにというめどがあればというのが1点と。
 あと、三次補正の中で、基金をつくって復興計画を目指すというお話が出ましたけれども、もう少し具体的なものがあれば、御説明をお願いします。

大臣)
 後の方の話ですが、今具体的なものをつくって準備をしつつあるんですけれども、私自身が、それではなかなか財務省を納得させられないというふうに思うものですから、もうちょっと頑張れと、今発破を掛けています。
 そういうものは、地元のいろんな復興計画と兼ね合わせながら納得のいくものであると同時に、1年、2年で組み立てられるものじゃなくて、文科省の場合は基礎研究部分にどうしても入っていきますから、それがやっぱり5年とか10年というスパンになってくるので、是非とも、そういうことがびしっと研究者にとっても理解ができて、その上で研究に取り組めるような、そういうシステムをつくりたいなというふうに思っていまして、そういう意味で基金化なので、具体的にはこれから、また示していきたいというふうに思います。

記者)
 あと検証の結果はいつごろまでに。

大臣)
 まだそこまでいっていない。まだいっていない。これから政府全体で取り組んでいきたいというふうに思います。

記者)
 指示書にもありました「すべての意志ある人に」ということについて、大臣のお考えをお尋ねしたいんですが、例えば高校なんですが、とある県では、県教委の指導のもと、基本的に定員割れしている高校であれば、高校には入試の点数いかんによらず入れなさいということを指導している地域もあります。
 その結果、どうなるかというと、入って、1学期が終わるころには、1年生の半分が中退をするという学校もありました。彼らは結局、高校中退というまま、就職も得られず社会の底辺にということが実際起きています。
 一方、大学もAO入試が広がる中で、実際学力を問わないまま入っていく方が増えてきて、その結果、大学の教育そのものにも重大な影響を及ぼしつつあります。
 果たして、「意志ある人」というのは、では一体何なのだろうかと。答案用紙に自分の名前を書けば、手を挙げれば、それは意志のある人なのでしょうか。大臣のお考えを、せっかくなので、最初なのでお尋ねしたいと思います。

大臣)
 そういう矛盾は起きてくるんでしょう、恐らくね。だけれども、教育というのは、逆に言えば意志ある人をつくる、そういう勉強したいという気持ちをつくり出していくことなんだろうというふうに思うんですよ。だから、そこは、その理想を追い求めながら中身を考えていくということだと思います。
 さっきのような現象というのは、親が言ったから、仕方なく高校に来てやったんだとかいうような話が世間には山とありますけれども、そういうようなことではなくて、勉強というのは楽しいんだと、学ぶというのは非常に自分の人生にとって、自分自身の持っている能力というのを出し切っていく一つの手段なんだというふうなことを、どこかで教えたいですよね。それを、やっぱり小学校とか、それこそ幼児教育から小学校、中学校にかけてつくり出していくという努力は必要なんだろうと思うんですけれども。どうやったらいいのかというのは、それは私にもまだ、ここという答えがあるわけじゃなくて、みんなが専門家が寄ってたかって、いわゆる質の向上と言われている部分の多くはそこなんだろうと思います。頑張っていきたいというふうに思います。

記者)
 震災関連で、国家予算の大枠が完全にシフトしていくことが考えられて、一方で、文化とかスポーツの予算とか抑制される可能性もあると思うんですけれども、その中でどういう方向性をもって文化とかスポーツの政策というのをやっていくのかというお考えがあれば。

大臣)
 「元気出そう、日本」ですよ。だから、やっぱり予算が必要なんだということを訴えていきたいし、また、それを具体的に予算の中で説明ができるように、みんなで知恵を出していきたいというふうに思います。

記者)
 ちょっと文科行政と離れて恐縮なんですけれども、大臣とも親しい岡田前幹事長が閣僚にされなかったことについて、大臣から感想などあれば。

大臣)
 これがすべてじゃなくて、また、岡田さんの果たす役割というのは確実に出てきますよ。人事というのは、これで終わったわけじゃないということを期待してください。
 また、これからずっと私おりますので、これから1週間に2回、週に2回ということらしいですが、ひとつよろしくお願いをします。ありがとうございました。

(了)
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