三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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衆議院 青少年問題に関する特別委員会

平成24年6月19日(火)

○稲津委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹田光明君。

○竹田委員 本日は、質問の時間をちょうだいしまして、ありがとうございました。

 私は、選挙に出るまで、地元で青少年活動をしておりました。地域の青少対の理事、教育委員会の青少年委員、補導員、学校評議員、ロータリークラブの青少年交換委員と、青少年問題に長年かかわっておりました。その意味で、この青少年特別委員会に所属し、今回質問できることを本当にうれしく思っております。

 まず最初に、大臣は所信で、子どもや若者はかけがえのない今を生きる存在であるとともに、我が国の、さらに世界の未来を担う存在とおっしゃいました。

 私ごとですが、私の家は小さな商売をしていまして、決して裕福ではなかったんですが、私の父の口癖は、商売の失敗は何回でも取り戻しはできるが、教育を失敗したらもう取り戻しができないと、貧しい中、私立の学校に行かせてくれ、また、体が悪いときは送り迎えしてくれて、本当に教育熱心でした。

 その成果があったかどうかは大変疑問なんですが、その意味で、大臣の、子どもの未来に対する思いを改めてお伺いさせていただきたいと思います。

○中川国務大臣 竹田委員のこれまでの生きざまといいますか、子どもや若者に対しての熱意、思い入れ、本当に心から敬意を表したいというふうに思います。きょうも、そうした意味で、いろいろ御示唆をいただいて、新しい政策に結びつけていけるような、そんなお話をぜひいただきたいと思っております。

 先ほどお話があったように、所信の表明では、子ども・若者はかけがえのない今を生きる存在だ、我が国の、さらには世界の未来を担っていく存在であるということを申し上げましたが、同時に、私たち大人の責任として、子どもたちが自分の人生の夢を描いて、それを求め続けて、自分に持っている可能性というのを本当に伸び伸びと発揮していける、自己実現というのが達成できるような、そんな社会の環境を私たちが逆につくっていかなければならないんだというふうに思っております。

 そういう意味でも、子ども・若者育成支援推進法、あるいは子ども・若者ビジョン、こうした基本的な政策、皆さんのコンセンサスでつくり上げておりますので、これを実現していくということで、頑張っていきたいというふうに思っております。

○竹田委員 大臣、ありがとうございます。

 私の子ども時代の昭和三十年代は、日本全体がまだそんな裕福でなく、貧しかったですが、広場に行けば子どもがあふれていて、何となく、これから日本はよくなるんだという、夢というか希望があったような気がします。そういう意味で、今の子どもたちがそういうものがないのは本当にかわいそうだと思っていますので、ぜひ、そういう、夢を持てる社会をつくっていただきたいと思います。

 次に、携帯電話のフィルタリングについてお聞きします。

 子どもたちを有害な情報から守るため制定されたのが、青少年インターネット環境整備法であります。子どもたちの携帯電話が有害なサイトへ接続するのを制限するもので、犯罪などの被害から子どもたちを守るために重要な役割を果たしていると考えます。

 この法律の施行から三年が経過しました。例えば、出会い系サイトによる子どもたちの犯罪被害者の数はどのように変化があったのでしょうか。

○岩瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十三年中の出会い系サイトに起因して犯罪被害に遭った児童数は二百八十二人ということでございまして、いわゆる青少年インターネット環境整備法の施行前の平成二十年と比べますと、約四割ということで、大幅に減少しているところでございます。

 また、平成二十三年中のいわゆるコミュニティーサイトに起因して犯罪被害に遭った児童数は千八十五人でございまして、平成二十年から統計をとり始めておりますが、前年と比べまして初めて減少したところでございます。

 これらは、本法の施行によりまして、関係省庁、都道府県等関係機関や事業者の方との連携のもとで、フィルタリングの普及促進等の諸対策が総合的に進められまして、一定の効果があらわれたものと考えております。

○竹田委員 今お話をお聞きしますと、フィルタリングをやったことによって効果があらわれている、しかも、携帯電話に関しては非常に大きな効果が上がっていると思います。

 その一方、最近はスマートフォンがはやっていまして、スマートフォンですと、無線LANを経由するとフィルタリングが難しい。端末に制限をするソフトをダウンロードすることによって対応策があるようですが、国としてはその点に関してどうお考えでしょうか。

○原口政府参考人 お答えさせていただきます。

 先生おっしゃるとおり、携帯電話のネットワークにおきましては、携帯電話事業者が常にフィルタリングのサービスをやっておりますので、いいのですけれども、スマートフォンにおきましては、従来の携帯電話と違いまして無線LANが接続が可能であるために、一部の事業者はみずから設置する無線LANにはフィルタリングをかけておりますけれども、公衆無線LANも含め、まだまだ不十分な点がございます。

 そういう中で、私ども、昨年十月に、青少年安心安全インターネット環境整備に向けた課題を検討するための検討会を行いまして、その中で、いわゆる事業者なり保護者なり、また利用者なりのとるべき対応というのを取りまとめたところでございます。

 それを受けまして、事業者は現在、二つございまして、一点としては、無線LANそのものへのアクセスをできなくするような機能を、それが端末が持っているか、またはソフトをダウンロードするか、あるんですけれども、そういうようなことをきちんと始めているということと、あともう一点、スマートフォンの契約時に、お客様に対して、端末にフィルタリングソフトを導入することによってそういう対応ができますよということを説明する、そういう対応をしているところでございます。

 それからまた、先ほどの総務省の提言を受けまして、安心ネットづくり促進協議会というのがございまして、そこが、産業界とかPTAとか利用者、あと先生方、そのあたりの皆さん一体となって、フィルタリングの改善とか利用者のリテラシー向上、これに努めていただいているところでございます。

 ただ、とはいえ、先生おっしゃるとおり、まだまだスマートフォンの関係のフィルタリングは普及が不十分でございまして、総務省は、引き続き、関係事業者に対してフィルタリングの改善について働きかけるとともに、利用者のリテラシー向上ということで、PTA等とも連携しながら、地域単位での周知活動に励んでいるところでございます。

○竹田委員 今お話を聞きましたが、やはりスマートフォンも携帯電話同様に今おっしゃられたような対策をどんどん進めていただいて、本当に子どもたちはかけがえのない子どもたちですから、それを被害から守るために尽力していただきたいと思います。

 それでは次に、いじめの問題について質問させていただきます。

 配付させていただきました資料、文部省の、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査をごらんいただきたいと思います。生徒指導上の諸問題、現状でいうと、いじめの認知件数の推移、また、いじめの発生率の推移を一年ごとに見ることができます。

 これを見ますと、十七年と十八年で大きく変わっています。これは何で変わったかというと、十七年と十八年で定義が変わったんです。十七年は、「自分より弱いものに対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」これを、十八年からは「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。」変わりました。

 つまり、いじめられた生徒を主体にした定義に変えたことによって、件数が、二万件から十二万件、十万件ふえたんです。

 十万件ふえたということはすごく大きな問題でして、十万人の子どもたちが、いじめという認定もなく、学校からも誰からも助けられることなく、一人で苦しんでいた。これは大きな問題だと思います。定義を変えて調査をしたから表に出てきたけれども、この十万人は、定義を変えなきゃ表に出てこなかったんです。

 この、十万人の子どもたちが一人で苦しんでいたということに関して、どうお考えですか。

○関政府参考人 いじめの問題への取り組みにおきまして、早期発見、そして早期に対応していくことが大変重要でございまして、子どもたちがいじめられている、そういう児童生徒の立場に立って、学校として、また、関係者が対応していかなければならない、そういう状況にあると考えております。

 そういう意味では、文部科学省といたしまして、学校や教育委員会に対しまして、いじめは、どの学校でも、どの子どもでも起こり得るという認識のもとに、その兆候をいち早く把握するように要請をいたしますとともに、スクールカウンセラーの配置、あるいは夜間や休日を含めた電話相談など、教育相談体制の整備等を図ってきたところでございまして、そういった取り組みを引き続きしっかり行っていかなければならないと考えております。

○竹田委員 聞いているのは、十万人が苦しんでいたことをどう思っているか、どう思うかと聞いているんです。

 十万人が隠れていたわけですよ。これは、十万件が見つかったことが大事なことじゃなくて、十万人が見つけられなかったことが大変なことなんです。それをどう思うかを聞いているんですよ。

○関政府参考人 やはり、学校の教職員また保護者を初め、連携しながら、そういったいじめられているという状況について、早く発見をして、そして、それにしっかり早く対応して、それが解消するようにしていかなければならない。

 そういった面では、そういったいじめられた状況にあった子どもたちについて、認知が十分行われていなかったということは大変残念なことでございますし、そのためにも、平成十八年度に、こういった、御指摘のございましたような、定義を変えるということをいたしますとともに、また、二十二年度には、全ての学校におきましてアンケート調査を行うというようなことを初めといたしまして、定期的に児童生徒から直接状況を聞く機会を設けて、いじめの実態把握に努めるようにしているところでございます。

○竹田委員 いじめられた子どもたちにとってみて、残念なことだったなんて言われたら、たまらないと思いますよ。

 今、アンケートの話が出ましたが、二十一年にいじめに対するアンケート調査をして、十八年に上昇して、その後減少したのが、二十二年度にまた増加しました。この表を見ていただいてもわかると思います。

 以前表面化しなかったのが、またアンケートによって表面に出てきた。ということは、既存のいじめ対策が余り進化していなかったように思いますが、これについてはどう思いますか。

○関政府参考人 いじめの早期発見、そして対応ということにつきましては、常に意識をしながら、そういったことについて十分対応していかなければならないというふうに考えております。

○竹田委員 そういうことを聞いているんじゃなくて、これは定義を変えたらいっぱいふえたわけでしょう。またアンケートをするまでは減っていたわけでしょう、アンケートをしたらふえたわけでしょう。また同じことをやっているわけでしょう。そのことをどうなのかと聞いているんだよ。

○関政府参考人 いじめに関しまして、御指摘のように、それに伴ういろいろな事件なども起きまして注目を浴び、またあるいは、調査を行いますと、そういったときに先ほどございましたように数もふえるということがございますが、ややもすると、それから御指摘のようなことがございまして、数が、認知がしっかり行われていないというようなことにもなりかねないことがございます。

 そういう意味では、いじめが人間として絶対に許されないという意識を学校全体の中に徹底するとともに、そういった把握をしっかりしていかなければならないと思っております。

 そういう意味で、先ほども申し上げましたが、アンケート調査を実施する、あるいは個別の面談、それから個人ノートや生活ノートといったような教職員と児童生徒との間に日常行われている日記等を活用するなど、さまざまな取り組みをしながらその把握に努め、そして、それをしっかり解消していくということが重要であるというふうに考えております。

○竹田委員 何か大きな事件があったからふえたと、何か流行みたいな言い方をするけれども、そんなことはないと思いますよ。

 では、ちょっと話をかえますけれども、最初に述べさせていただきましたように、私はずっと地域のことで青少年活動をしました。それで、多くのいじめの件にかかわってきました。小学校でも中学校でも、公立や私立学校でも、いろいろな学校でいじめの問題に、実際に現場でかかわってきました。

 その中で特に感じるのは、一生懸命対応してくれる先生もいるけれども、残念ながらおざなりな対応をする先生もかなりいる。先生による力の差というか対応が本当に大きいと思います。

 例えば、いじめに対して専門の先生を配置するとか、その辺の教育についてどう思われますか。

○関政府参考人 いじめの問題につきまして、学校の中で、特定の教員が抱え込むことなく、学校全体で組織的に対応していかなければならないと考えております。

 また、特に課題のある学校につきまして、教員の加配を行ったり、またスクールカウンセラーなどを活用しながら、相談機能を充実して、そういった専門の方のお力もいただきながら、学校全体として取り組んでいかなければならないというふうに考えております。

○竹田委員 組織的というのはいい言葉だけれども、実際に対応するのは先生なんですよ。組織全部が対応するわけじゃないので、その生徒と会うのは先生なので、組織的に対応しますなんて、できるわけないと思いますよ。やはりその先生が僕は大きいと思う。

 このいじめの問題は本当に私がずっと力を入れていた大きなテーマで、学校や先生に十分に対応してもらえず、自分の娘や息子が苦しんでいる、そういう状況が今現在多くの方からメールを寄せられます。本当にいじめというのは、そのときだけじゃなくて、そのとき何でもなくても、大人になってからそのことでいろいろな意味の障害が起きる、いろいろなことになる大きな問題だと思うので、簡単な、おざなりな答弁はやめてもらって、親身になってやってもらいたいと思います。

 続きまして、これは大臣にお聞きします。

 大臣所信の中で、困難を有する子どもや若者への支援を行う地域ネットワークづくりに取り組むとありました。

 私も、先ほど申し上げましたように、ずっと地域でいろいろ活動させていただきました。交通安全、火災予防、青少年、何でもやってまいりました。私の祖父は、昔ですから、商売よりもまず村のことをやれと何か村の若い者に言ったみたいで、それを聞いたおじいさんたちが、おまえ、率先してやれと言われて、何でも雑用みたいなことも私は一生懸命やらせてもらいました。

 ですが、そういう人たちが本当に減っていまして、いつも特定の人たちが何かといえば集まるんです。地域のことというと集まるのは、昔からいる私どもとか、あと郵便局長さんとか、そういう人たちに限られていて、その人たちはどの会合でもやる。非常に疲れているという現状がありまして、やはり地域の社会を強くすることが一番大事だと僕は思うんですが、地域の社会に対する国としての支援とか手当てとか、その辺はどうお考えでしょうか。

○中川国務大臣 御指摘のように、家族というもののきずなというのが非常に弱くなってきている。昔は会社もそうだったと思うんですが、家族的な経営の中でそれぞれ人間関係を結んで、一つのコミュニティーというのがあった。あるいは、地域社会自体も崩れ始めてきている。そういう状況であるだけに、やはり国が政策として、社会全体で子どもを育てる、若者に対して寄り添っていくような、そういう政策をつくっていくということ、これが大事なんだというふうに思います。

 国が豊かになっていけばいくほど、そうした意味での必要性というのが、都市化していくという現象の中で一つあるんでしょうけれども、必要になってくるということ、このこともしっかり我々は前提にして政策をつくっていくということだと思っております。

○竹田委員 大臣、ありがとうございます。

 民主党は、本当に、教育も子育ても社会全体で、地域で、社会で子どもを見る、社会で育てる、そういうことを訴えております。その意味で、地域に対する手当てもしっかりしていただいて、地域が活動しやすい、そういう社会をつくっていただきたいと思います。

 これは最後になりますが、ことし一月に視察しました沖縄の視察の件にちょっと触れさせていただきたいと思います。

 現場で精いっぱい頑張っている人や、東京に来る余裕がない人、現場に足を運び、実際の様子を見ることができました。特に、初日の夜には、さまざまな、保護司会の方、NPOの方、里親の会の方など、直接話を聞けたことは本当に大きかったと思います。

 現場で活動している中で本当に一生懸命やっている人は、国に訴えるよりもまず自分たちでやれることをやろう、国に言うのはその後でいいやというぐあいに、なかなか発信しない方もいらっしゃいます。そういう意味では、現場に足を運んで、一生懸命、本当に余裕なくやっておられる方の意見を聞く、またその姿を見る、そういうことが非常に大事だと思います。

 この委員会でも、また機会がありましたらぜひ、沖縄とは言いません、近くでも結構ですから、さまざまなところに行って、実際に活動している方を見て、その方の意見、思いを受け入れる、そういう活動をしてまいりたいことをお願い申し上げまして、最後といたします。

 ありがとうございました。

○稲津委員長 次に、あべ俊子さん。

○あべ委員 自由民主党、あべ俊子でございます。

 きょうは、質問の時間をいただきまして、中川大臣にお尋ねいたします。

 大臣のお地元には青年団がおありですか。また、青年団について御存じのことを教えてください。

○中川国務大臣 私の地元では、かつて青年団が元気にありまして、そういうところで育ってきた人たちが地域のコミュニティーの中心になって活躍をしてきたという歴史がありました。

 しかし、残念なことに、現在、それが途切れてしまいまして、青年団と言われているものは、今、自分の地元にはございません。

○あべ委員 青年団に関して、非常に多かった時期は四百三十万人、一九五一年当時でございますが、いたと言われておりますが、今、十五万から二十万ぐらいではないかと言われているところであります。

 青年団が減った理由を、大臣、どうお考えですか。

○中川国務大臣 一つは、これは青年団だけの話ではなくて、さまざまなコミュニティーの集団というものが減少してきて、それを維持していくのに非常に苦心をしています。地域の婦人会であるとかというのもその一つだと思うんですね。

 減ってきた理由というのはいろいろあるんだろうと思うんですが、昔は、村単位で、農業を中心に生活が成り立っていたということで、それが一つの運命共同体というか、一つのコミュニティーとして生きていた、こういうことだと思うんですね。そんな中から、青年団というのが祭りやなんかでも非常に大きな役割を果たしてきたということなんですが、これが兼業という形になって全部サラリーマンになっていくことによって、そうした、生活をともにしていく、目的をともにしたコミュニティー集団というのがどんどん崩れていった、そういう背景が一つはあるのではないかというふうに思っております。

 同時に、NPOなんかで象徴されるように、地域の集団というよりも、自分たちの生きる世界で同じ共通性を見つけて、そこの中から新たな集団ができて、それで活動を続けるという新しい形態というのも出てきているんだと思うんですね。

 そこのところをしっかり見きわめながら、私たちも基盤をつくっていく、サポートしていく体制をつくっていくということだと思っております。

○あべ委員 大臣がおっしゃるように、地元密着型から通勤型の生活様式になった、また、地方においては、やはり仕事がないから青年そのものが地域にいることができないということもかなり大きかったのではないかと思うわけであります。

 実は、岡山県に青年団がありまして、その青年団の子どもたち、若者が、被災地、岩手県の陸前高田でございますが、三・一一の後に瓦れきの処理に参りました。本当に、田んぼに入った空き缶一つ、これだけでもトラクターがだめになってしまう。それを一つ一つ拾っていこうということで、体育会系の元気な子たちではなかった、進学コースの子たち、高校生でありましたが、行きました。

 行った子たちは、もう本当に一生懸命やりました。途中で弱音を吐く子は誰もいなかった。

 それで、子どもたちは何と言ったかというと、私の人生観は、この瓦れきを一個一個拾うことによって大きく変わった、自分たちはできることはまだまだあるんだということを思い、日本復興に向けて、西日本でありますが、岡山県でありますが、自分たちの意識が変わった。私は、こういう社会教育ということが本当に重要なんだと思うのです。

 そうした中、青年団はその社会教育を大きく担ってきたと思うわけでありますが、大臣、これに関してはいかがでしょうか。

○中川国務大臣 私も全くそういうことだったんだというふうに思います。特に、青年団を卒業して各地域で頑張っている人たちというのは、非常に社会性があって、リーダーシップがとれてということ、これは私も実感として持っておりまして、大事なことだと思います。

 同時に、違った年代層が一つの集団という形をつくって、それで一つの目的に対して進んでいく、この環境というのが社会性を育てていくという一面もあったんだろうというふうに思いまして、そうした意味では、若者の、みんなで一緒にやっていこうよ、そういう集団環境をつくるということについてしっかり考えていきたいと思います。

○あべ委員 そういう中にありまして、この青年団の位置づけでありますが、社会教育法の五条の中で置かれているわけであります。

 きょうは担当の政府参考人がいらしておりますので、青年団の位置づけに関しての、法律の書き込みの部分をちょっと教えていただけますか。

○上月政府参考人 社会教育法上の青年団の位置づけでございますが、社会教育法五条「市町村の教育委員会の事務」の十四号というところに、「青少年に対しボランティア活動など社会奉仕体験活動、自然体験活動その他の体験活動の機会を提供する事業の実施及びその奨励に関すること。」という記述がございます。

○あべ委員 それに関連して、多分、十条、十一条の部分も大きいのではないかと思います。

 そうした中にあって、特に教育委員会が青年団に関しては見ているということで、文部科学省、よろしいでしょうか。そこに関してちょっと具体的に説明をいただきたいと思います。

○上月政府参考人 青年団を含む青少年教育活動あるいは社会教育について、行政的には、教育委員会におきまして、社会教育課、あるいは、その中に専門職員として社会教育主事というものが通例置かれております。そういう専門職員が、そういうような青年団を含め社会教育団体に対する助言、指導、支援を行うことになっております。

 文部科学省といたしましても、社会教育主事、専門職員等に対する研修の中で、青少年のさまざまな問題あるいは青少年の諸活動についての講義等を入れて、そういった活動に資するようにしております。

○あべ委員 資すると言っている中で、実は、ここの部分が各自治体の教育委員会に任せられている。すなわち、各自治体で教育委員会が青年団に対してどのように取り組むかということのばらつきがかなり大きいんだと思いますが、このあたりに関しては、文部科学省はどのように把握していますか。

○上月政府参考人 その点につきましては、社会教育行政の事務というのが基本的には市町村、基礎自治体の事務とされておりましたので、一定地域の多様性に応じて社会教育行政を行うということになっております。

 私どもとしては、共通的な要素、先ほど、研修にさまざまな現代的要素を入れて、あるいは青年団の活動も含む青少年教育活動についても講義等に入れるようにしておりますが、基本的には基礎自治体の中でやっているということの中で、先生御指摘のようなばらつきもあるかなというふうには認識しております。

○あべ委員 そうすると、かなりのばらつきの中で、教育委員会が、本当にそのことに関して、地方における事情を鑑みてやっているだけではない、すなわち、文部科学省におけるリーダーシップの部分がもう少しあっていいのではないかと思うわけでありますが、それに関してはいかがですか。

○上月政府参考人 先ほど申し上げましたように、社会教育につきましては、特に地域事情を踏まえた行政というのが大変大事だということがございまして、基本的には市町村教育委員会の事務として行われるということでございますが、文部科学省としては、国全体の重要な課題についてお伝えしたり、先ほど申し上げましたように、基本的な専門職員についての研修等の中で講義として内容に入れるといったようなことに努めているところでございます。

○あべ委員 地域事情に鑑みて行う社会教育ということになると、やはり担当の方は、社会教育課、生涯学習課になるんだと思いますが、地域の人である必要がありますよね。上月さん、いかがですか。

○上月政府参考人 具体的な職員について、その地域の出身なのかどうかということは、それぞれの市役所等々の採用の状況によるかなというふうに認識しております。

○あべ委員 実は、文部科学省から地方公共団体への出向者についていろいろお伺いいたしました。社会教育、特に地域事情に詳しいポジションのところにも、どうも文部科学省の国の施策を担う方が行っていらっしゃるやに聞いていますが、そのことは、参考人、把握していらっしゃいますか。

○上月政府参考人 文部科学省といたしましては、都道府県から、現実的には生涯学習あるいは社会教育行政に関して、都道府県の要請を受けて人材を出しているところがございます。

 現在、私どもの知っているところでは、いわゆる生涯学習、社会教育に関する行政を行っている都道府県の課長としては、七名行っているというふうに認識しております。

○あべ委員 国から出向していくときに、都道府県の要請というのが、都道府県が本当に文部科学省に知ってほしいところに出ているか、もしくは、文部科学省の方が来ても差し支えがない業務のところに要請があるかというのは、私は非常に難しい部分だと思っております。

 そういうことを考えたときに、都道府県の要請だけではなく、国として、文部科学省が、自分たちとして行かなければいけないところというのを明確に出す必要があると思いますが、いかがですか。

○上月政府参考人 基本的には、都道府県の職員については都道府県がお考えになるということを基本としております。そういった意味では、先ほど申し上げましたように、都道府県の要請を受けて、その要請にかなった者を配置しているということでございます。

○あべ委員 青年団のあり方に関しまして、地域のきずなという観点から非常に重要な部分だと私は思っておりまして、文部科学省からの参考人の方々も皆さん首をぶんぶん振っていただいているわけでございますが、であれば、私は、地方自治体に任せるのであれば、文部科学省における、教育委員会という形よりも、もっと別な形にした方が青年団がアクティブになることもできるのではないかと思いますが、参考人、いかがですか。

○有松政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来お話に出ておりますように、青年団の活動と申しますのは、純粋に、その地域に住む青年たちが地域の実情を踏まえて自主的に行う活動でございます。それが、これも先ほど来お話に出ておりますように、地域のきずなを築く上で大変重要な役割を担っているということ自身は私どももそのとおり考えているところでございますけれども、そういう性格の団体でございますので、民間の自主性、そして地域の実情を踏まえた、いわゆる地方分権ということもございます、地域の自主性を踏まえたそうした民間活動の助成ということをまずは考えていただくべきだろうというふうに思っております。

 それに対して、例えば技術的な助言ですとか人材の養成ですとか、私どもの方から支援できることはあろうかと思います。

 現実に、こうしたいわゆる青年団を含んだ民間団体の実施事業については、例えば、直接であれば、独立行政法人国立青少年教育振興機構が、子どもゆめ基金というのがございますけれども、そうしたところから申請があれば予算の範囲内で事業活動への支援もしておりますし、民間団体へ、さまざまな青少年の体験活動に係る委託事業等に対して青年団から手を挙げていただければ、そちらに委託をいたしまして活動を御支援するというようなこともできます。

 そうした私ども国としての支援策も講じながら、まずは地域の実情に応じた地域での支援に努めていただきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。

○あべ委員 自主性といいながら、では、そこの部分が、教育委員会との連携のところが非常に曖昧な部分もあって、今有松さんがおっしゃった子どもゆめ基金、これは今の与党によって事業仕分けにあったものでございますが、子どもゆめ基金は子どものものでございまして、青年団にすごく直接連携するものではないので。私が文部科学省に事前に資料を要求いたしましたときにこれもセットで来たので、事業仕分けについて文句を言ってほしいというメッセージだったのかどうか私はよくわかりませんが、言っていただくのなら大臣に直接言っていただければいいと思うわけであります。

 いずれにしても、ちょっとここのところの、教育委員会と、さらには、以前ありました教育基本法の部分からかなり青年団に対する位置づけが曖昧になってきたことを考えたときに、また続けていろいろな問題点を指摘させていただきたいというふうに思うわけであります。

 次の話題に移らせていただきます。

 大臣にあらかじめ通告してありますが、刑法における百七十七条の強姦罪でございます。

 この強姦罪に関しまして、性的合意年齢が十三歳というのがございますが、大臣、これに関してはどういうふうに感じられますか。

○中川国務大臣 性犯罪への厳正な処罰と、それから被害者の保護を図る観点から、第三次男女共同参画基本計画におきまして、性交同意年齢の引き上げ等の強姦罪の見直しを検討していくということになっております。

 そういう意味で、若年層の保護が図られるような検討を積極的にやっていきたいというふうに思います。

○あべ委員 積極的に、大臣、どちらの方向に行くんでしょうか、この性的合意年齢に関しましては。

○中川国務大臣 私自身の個人の思いと、それから、この議論をしていく中でそれぞれ専門家も含めた法律上の議論と、それぞれあると思います。私、個人的には引き上げということなんだと思うんですけれども、直接の担当ということでもありませんので、側面からまた議論に加わっていきたいというふうに思っております。

○あべ委員 政府参考人が来ておりますので、この強姦罪の十三歳というのがいつごろ決められたか、答えることができますか。

 ちょっと無理ということでございましたので、実は明治以来変わっていないことでございまして、昔は、ねえやは十五で嫁に行きとか歌にございますように、いろいろなことが早かったわけでございますが、私、中川大臣と同じように、この性的合意年齢が十三歳というのは余りにも低いというふうに思っております。

 性犯罪に関していろいろ議論がされているのは中川大臣も御存じだというふうに思います。この合意年齢、特に児童福祉法に関しては十八歳になっているものに対して、それとは必ずしも連動しないんだという御意見も確かにございますが、では、合意年齢が十三歳でできるのかということを考えたときに、子どもたちを守るという視点から、青少年特別委員会ではしっかりと議論を進めていくべきだと私は思っておりますが、中川大臣、いかがでしょうか。

○中川国務大臣 先ほど申し上げたように、これは刑法ということになりますので、基本的には法務省において検討していただくということでありますが、この委員会でも大いにその議論を高めていただきたいというふうに思います。

○あべ委員 ありがとうございます。

 いろいろな団体から、これは年齢の引き上げをすべきだという意見の方が私のところには多く入っておりますが、なぜずっと放置されてきたのか。立法府にいる我々の大きな責任ではないかと思っているところでありますので、ぜひとも、国会が延長されれば、この青少年特別委員会の中でこの問題に関しても取り組んでいきたいというふうに思います。

 最後の質問になりますが、児童ポルノに関してでございます。

 私、前回、平成二十三年の十月二十五日に青少年問題特別委員会で質問させていただいたわけでございますが、中川大臣、この児童ポルノに関して、何か知っていること、また、思っていらっしゃることがございましたら、お聞かせいただきたいと思います。

○中川国務大臣 基本的には、この児童ポルノというのは、児童の性的搾取、性的虐待の記録であって、児童の権利を踏みにじる、断じて許しがたい行為だというふうに思っております。

 私自身も、いわゆるブロッキングのインターネット・ホットラインセンターに行ってまいりました。そこで、実情、どういうことがネット上にアップされているかというのを見てきたんですけれども、たまらない思いをいたしました。

 だから、そこは、業界の自主規制というようなことを前提に進めているわけでありますが、さらにこの対策というのはさまざまな見地から考えていかなければならないというふうに思っております。

○あべ委員 大変、中川大臣の子どもたちを守ろうという思いが伝わる、いい、すばらしい答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 ところが、大臣がいらっしゃる民主党の児童買春、児童ポルノ禁止法改正案は、私どもの自公案と違って単純所持の禁止が盛り込まれていないんです。大臣、御存じでしたか。

○中川国務大臣 事前にちょっとブリーフをさせて、整理をしてきたんですけれども、一つは、有償かつ反復して取得した者に対して一年以下の懲役または百万円の罰金という規定で、民主党の案があるわけですね。それに対して、自公で出していただいた案については、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持した者、そして児童ポルノに係る電磁的記録を保管した者が一年以下の懲役または百万円の罰金ということでございますので、ここは、話し合いの上で何とかまとめていただいて、法案として成立をさせていただくということでいけるんじゃないかというふうに思うんですね。

 よろしくお願いをしたいと思うんです。

○あべ委員 ぜひ、話し合いをして、私はこれを進めていかないといけないと思っているんですね。

 特に、ことしの六月二日に、スウェーデン大使館の主催で第三回児童の性的搾取に反対する世界会議というのがございまして、このフォローアップセミナーでございますが、スウェーデン国の王妃のシルビア陛下が、児童の性的搾取の問題を否定したり、目を背けたり、傍観することは、子どもたちの性的搾取の貢献する行動の一つであり、今、具体的な行動を起こさないのは、子どもたちを虐待するのと同じことですという強いお言葉をいただいたわけでございます。そのときに、一九九九年にスウェーデンで犯罪化された児童ポルノの単純所持が日本でまだ法制化されていないことにもお触れになられました。

 ということは、単純所持ということはもう国際的にも常識になっているのに、有償、反復、これは議論の余地なしでございます。単純所持に関してしっかりと問題であるということをやっていかなければ、例えば、DVDに載っちゃった、ネットに載っちゃった、有償でない、反復でないからといって、その児童の被害の場面が皆さんのところに行ったときにそれが処罰されないというのは、私は本当に児童虐待になるのではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

○中川国務大臣 何とか話をまとめていただいて、一歩でも二歩でも進めていただくということで期待を申し上げておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

○あべ委員 大臣、一歩でも二歩でも話し合うんですが、どちらの方向に、単純所持の方の、それをどのようにお考えかということは大臣に私はお聞きしたいのです。

○中川国務大臣 恐らく、それぞれの党でさまざまな議論があって、その上で、こうした形で両党の成案というのがまとまってきているんだろうというふうに思います。

 私としては、今の現状でおさめていくというよりも、やはり所持ということに対して何らかの規制をかけていくという、ある意味では国際基準だと思うんですが、それに近づけていくような、そういう合意というのをぜひつくり上げていただきたいというふうに思います。

○あべ委員 やはり、さすが国際派の中川大臣でございます。

 国際的にこの日本が児童ポルノ大国と呼ばれるのは、私は本当に憤慨でございまして、日本とほかにもう一国ございますが、先進国の中では児童ポルノが非常に前面に出ていて、子どもたちの虐待が非常にされているところではないかみたいなことを海外に出て言われるのは、本当に憤慨でございます。

 大臣は国際派でいらっしゃいますから、その辺の日本の位置づけに関して、国際的に日本がどういう立場にあるかということに関しても、ちょっとお答えいただけませんでしょうか。

○中川国務大臣 国際的には、日本の今の現状というものに対して、絶えず批判あるいは改善を求める勧告というのがなされてきたというふうに理解をしておりまして、そういうこともしっかり認識をした上で議論を進めていくべきだというふうに思います。

○あべ委員 大臣、本当によろしくお願いしたいというふうに思います。

 その国際的に批判されている児童ポルノに関して、実は、私が児童ポルノに関して質問した瞬間から、さまざま、ネット上、またファクスも入りました。

 しかしながら、私は、子どもたちを守る、それも、自分たちが本当にわからない、判断ができる状態でない者が、有償、反復でないと罪にならないという、単純所持の部分の禁止が出ない限り、子どもたちを守ることができない。やはり、そういうことに対して子どもたちの人権を守っていくんだというのが、私は、大臣の所信表明にもございましたように、大切な部分だと思っておりますし、ネット上の情報が、情報リテラシーといいますか、そこができていない子どもたちがさまざまな情報をとっていくということは、私は本当に大きな問題だと思っております。

 実は、先般、平野文部科学大臣のところにも、私ども自民党文部科学部会の性教育プロジェクトチームから申し入れをさせていただきました。特に、高校生ぐらいの女の子たちの性感染症が十人に一人ぐらいいるという調査もございまして、やはり性教育をもっとしっかり全面的にやっていかなければいけないという形で、私は、性交渉に関して、勧めるとかそういうことではなく、事実として何があるのかということを子どもたちが知っていくことは重要だと思っておりまして、ここに関しても文部科学大臣にお願いをしたところであります。

 青少年特別委員会といたしましても、子どもたちを守るという観点から、大臣、ぜひ御一緒に頑張ってまいりたいと思います。

 きょうはありがとうございました。

○稲津委員長 次に、池坊保子さん。

○池坊委員 公明党の池坊保子でございます。

 質問に先立ち、私は、ぜひ大臣に申し上げたいことがございます。

 この青少年特別委員会、私は、できましたときからずっと、委員長や理事や委員をしてまいりました。自公政権のときに、子どもたちを取り巻く環境は決して良好ではない、子どもの最善の利益を優先して、日本のような地下資源のない、そして人口密度の多いこの日本が世界に伍していくにはやはり人材育成ではないか、子どもたちにいい環境を与えたい、その願いのもとでこの特別委員会は発足いたしました。

 にもかかわらず、大臣、民主党になってから大臣が何人おかわりになったか、御存じでいらっしゃいますか。九人なんです。私なんか、もう本当に名前すら覚えられません。そして、大臣は兼職をなさるからか、本当にこの委員会が開かれないんですよ。民主党がいかに子どもの問題に対して、これは私は国家戦略だと思います、国家の問題なんですよ、にもかかわらず、このように大切になさっていないということを、私は本当に遺憾だと思っております。

 中川大臣は文部科学大臣もなさいました。どうかこれがたびたび開かれますように、笹木筆頭理事にも私はお願いしたいと思います。極めてこのような大切な、地味だけれども大切なことなくして日本の発展はないということを私は政権与党の方に強く強く申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。

 実は私は、平成二十三年に、児童虐待防止法の一部を改正するために民法を改正して、よりよいものにしたことがございます。午前中に青少年特別委員会で質問し、午後は法務委員会で、合同審査でも私は質疑をさせていただきました。

 この問題に対して私は質問しようと思ったら、これは厚労マターです、だから、厚労の人間が、きょうは厚労委員会が開かれていて大臣が出てこられないから、では政府参考人が答弁いたしますと言われました。私は、冗談じゃないと。この青少年特別委員会というのは、厚労でも文科でもない、一つの縦割りではなくて横断的に子どものことを協議しましょうという委員会ではありませんか。

 中川大臣は見識がおありになるから、しっかりと認識を共有しながら、これからの指針を示していただきたい、その思いのもとで、私は全て大臣に答弁をしていただくようお願いしたいと思います。

 今申し上げましたように、児童虐待の防止を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、親権が子どもの利益のために行われるべきことを明確にした上で、それはどういうことかというと、二年以内の親権の停止制度の創設、そして次は、未成年後見人制度の見直し、法人または複数の未成年後見人の選定を認めることです。三つ目は、施設長等の権限と親権との関係を規定する。これは民法等の一部改正を行わなければいけませんので、平成二十四年四月にこれを行って施行されました。

 これに伴い厚生労働省は、一応、児童虐待はこれの所管ですから、ことし三月、児童相談所運営方針を初めとする児童虐待防止対策関連通知の改正等を行い、どのような事例で親権停止などを行うかを示しました。その一方で、新たに創設された親権の停止制度等を活用し、児童虐待防止対策の最終目的である親子の再統合に向けての介入や支援を行っていくことが求められております。

 そこで、私は中川大臣に伺いたいのは、親子の再統合なのですね。

 親子の再統合というのは、一般的に考えると、子どもと親とが親子関係を回復した上で子どもが家庭に復帰を果たすことです。しかし、専門家の意見の中には、アメリカでは必ずしも子どもの家庭復帰が目標ではなく、子どもにとって最も適切なレベルの親子関係の回復が目標とされているのに対して、日本というのはやはりウエットな国、家庭というのを大切にし過ぎる、それから血というものを大切にし過ぎるのではないかと私は思いますが、日本における親子の再統合は、子どもが家庭に復帰することに重点が置かれ、子どもの要望に沿った関係修復が軽視されている傾向にあるという指摘もございます。

 私は、いろいろなところの施設に参りますと、確かに、子どもは、虐待されても親がいいんです。虐待されて、殴られて、視力を失った子ども、あるいは脳障害を起こした子ども、さまざまな子どもを見てきて、こういう親なんかには絶対会わせたくないと私は思いますけれども、でも、やはり子どもは親が来ると喜ぶんですね。

 それは子どもにとっての事実ではあるのですけれども、再統合したらまた虐待されるという事例がたくさんあるんです。その最後にはやはり虐待死に行き着いてしまうということがございますので、親子の再統合をどのように考えていらっしゃるか、これは極めて重要な問題ですので、お伺いしたいと存じます。

○中川国務大臣 池坊委員には、子ども、あるいは子育てもそうですし、若者の問題もそうですが、一貫してこれに携わってこられて、実績をさまざまにつくられておること、心から敬意を表したいと思います。

 それで、先ほどの問題というのは非常に難しいんだと思います。一言で言えば、中身ということだと思うんですが。

 厚生労働省の、児童虐待を行った保護者に対する援助ガイドラインというのが出ているんですけれども、これで基本的な考え方を示しています。

 この中で、親子の再統合に関しましては、保護者が再び子どもとともに生活ができるようになることは最も望ましいことだということ、これがもう大前提だということなんです。しかし、再び保護者と生活をともにすることが必ずしも望ましくない事例というのがやはり個々にある、それについては、むしろ、保護者と一定の距離を置いて生活することが望ましい。

 考えてみたら、これは当たり前のことを言っているだけの話なんですけれども、そこは、恐らく、経験を積み重ねて、そうした本当の関係というのが見通せ得る専門家というのが、それを見定めた上で、ここで本当に生活をともにすることがいいのか、そうでないのかという判断をしていかなきゃいけないんだろうというふうに思います。表面的な判断ではなかなかここはだめなんだろうというふうに思います。

 いずれにしても、いわゆる良好な家庭環境、家庭そのものをしっかりとしたものにしていくということ、これが基本的な解決方法だというふうにも思いますので、この指導、支援を行うことが必要ということもここで指摘をされております。

 子ども・若者ビジョンの内容を踏まえて、横串を刺して、政府全体としてこれに向かっていきたいというふうに思います。

○池坊委員 大臣がおっしゃるように、私も、家庭の支援、生まれ出た子どもをみんなが大切にする、育てる、それから、親だけに負担を課するのではなくて、親の負担を少なくする、そういう意味では、私は、家庭支援法というようなものをやりたい、つくりたいというふうに思っております。

 今、中川大臣がおっしゃいましたように、きめ細やかな、当事者が抱えている問題を粘り強く聞いて、そして方向を示してあげることが必要で、そのためには、長年の経験と虐待防止対策や家事審判の法令手続に関した専門知識とか、関係機関との連携が求められていると思います。

 ですが、ですがなんです、児童相談所における虐待に対する相談対応数というのは、児童虐待防止法が施行されました平成十二年の一万七千七百二十五件から、平成二十二年の五万五千百五十四件と、三倍以上に増加しているんですね。児童虐待防止対策の最前線を担う児童福祉司の数というのは、平成十二年の千三百十三人から、平成二十二年の二千四百七十七人、何と一・八九倍でしかないわけです。

 総務省の調査によりますと、平成二十一年度における児童福祉司の五六・七%が、経験年数が三年未満で占められているんですね。多くの児童福祉司は、一人当たり年間百件以上の相談に対応しなければならない。百件なんですよ。とても、きめ細やかに相手と相談をしているなんということはできないわけです。

 入りました子どもや保護者に対する支援が十分に行えないどころか、本当に、ないがしろ、秒刻みである。だからこそ、児童相談員が、あるいは福祉司が対応しながら虐待死された事例が起こっております。そのときによくバッシングされるんですけれども、数が少ないんだから、私は、ある意味しようがないんじゃないかと。数をふやさなければいけないんですよ。

 今度、消費増税が成りましたら、七千億が子育てに使われる。でも、これは待機児童の解消になりますので、こっちの方には回らないのではないかと思いますけれども、私は、やはり、児童虐待防止対策において重要な権限と責任を持つ児童相談所の体制の強化、並びに、最前線で頑張っております児童福祉司の専門性や経験を深めるための体制、配置基準の抜本的な拡充を行わない限り、ただ民法を改正、もちろん改正したことはよかったと思います、だけれども、人材の確保、養成、これはきっちりと検討していかなければいけないと思います。これは声を上げないと。

 例えば、養護施設の子どもの一人当たりの面積というのは三・三だったんですね。これは、子どもたちが年々大きくなってまいりますから、四・三でしたか、四・九五か、とりあえず私どもが声を大にして大きくしてまいりましたけれども、こういう人材確保等についてどのように考えていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。

○中川国務大臣 まさに御指摘ありましたように、これだけ社会の状況が厳しいものになってきていますから、人材を確保していくということについては、これは、特に児童福祉司あるいは相談員の体制強化ということについて頑張っていくということだと思っております。

 子ども・若者ビジョン、子ども・若者育成支援推進本部決定というのが二十二年の七月二十三日に行われているんですが、そこでもこのことについては触れてございまして、予算を確保していくということで頑張っていきたいと思います。

 それから、同時に、いわゆる民間の担い手というもの、これも、相当ネットワークを組みながら、現場に対して協力体制をつくっていただけるという状況になってまいりました。特に、保護司、人権擁護委員、児童委員、それから少年警察ボランティア、母子保健推進員等、ほかにもNPO等々からの援助というのがあると思います。こうしたネットワークの中から、研修事業も入れて、さらに、高度なといいますか、専門性のある対応がしていただけるようなことを考えていくということも必要だと思います。

 その辺、両方兼ねての対応をしていきたいというふうに思っております。

○池坊委員 大臣がおっしゃるように、民間の活力をぜひ注げるようなネットワークの構築というのを、リードしてやっていただきたいんですね。

 そうすると、子育ては終わったけれども、次の世代のために何かしたいよとおっしゃるおじいちゃま、おばあちゃまというのはたくさんいらっしゃると思います。私もリタイアしたらそういうことをやりたいなと思っているぐらいで、やはりそういう方々の力がこれから必要になってくる。

 でも、まずは、何よりも行政が、しっかりと人材を確保して、そのコアになっていかなければいけないと思います。大臣はせっかくここの担当大臣におなりになったんですから、こういうことで予算をとってくださったならば、きっと困っている子どもたちの光におなりになると思いますので、頑張っていただきとうございます。

 次は、子どもシェルターについて私は伺いたいと思います。

 家庭に安心して生活できる居場所がない、特に十代後半の子どもたちの緊急避難場所として、子どもシェルターというのがございます。

 具体的に、どんな子どもたちの緊急避難場所になっているのか。家庭での親子関係が崩れ、あるいは虐待に遭い、安全に暮らせない子ども。児童養護施設や養育家庭で育ち、自立したものの、仕事や生活がうまくいかなくなり、住む場所、帰る場所を失ってしまった子ども。それから、少年犯罪を犯して、引き受ける大人がいないために、やむを得ず少年院にまた送られてしまう子ども。

 例えば、少年院にいた子どもが帰ってまいりますと、親はもう引き受けないんですよ。もうこの子はほっておいてください、いいですよと。そうすると、子どもは居場所がなくて、暴力団に入ったり、またしようがなくて犯罪を犯してという悪循環になるんですね。ですから、子どもをしっかりと受けとめてもらうところがあるということが私は必要だと思うんです。

 保護を必要とする児童の緊急避難先としては児童相談所の一時保護所がありますけれども、児童福祉法で保護対象となっている児童というのは原則十八歳未満であり、十八歳以上は対象外なんですね。また、十八歳未満であっても、一時保護所が既に定員に達していることがあって、あきがあっても子どもたち自身も苦手であるとか、さまざまな問題を抱えております。

 私は、子どもたちのために、子どもシェルターというのは大切ではないかと思っております。私、施設なんかに行きますと、本当に、子どもをどうやったら一時避難させてまた働く先を探してあげることができるのかというふうに思い悩むんですけれども、こうした児童相談所の一時保護などでは対応し切れない子どもたちの一時的な場所として、子どもを扱う現場の弁護士さんや児童福祉関係者の間で共有されて、平成十六年に、特定非営利法人カリヨン子どもセンター、カリヨン子どもの家、これは初めは女子寮でした。女性弁護士がなさって、私は本当に敬服をいたしましたけれども、東京都内に設置なさいました。その後、男性のもおつくりになったんですね。

 それを契機に各地で同様の動きが広まりまして、これまでに全国で八カ所開設されております。東京都内には二カ所、そして、神奈川、愛知、京都、岡山、広島、福岡各府県に各一カ所設置されています。これ以外にも、今、北海道、宮城、和歌山、大阪、高知の五道府県で設置の検討が始まっているというふうに聞いております。

 私は、帰るべき家が子どもにないなんというのは本当に悲惨だと思いますけれども、帰るべき家はない、働く目標も持てない、それから、心身の病気で治療しなければいけない子どもたちもおります。虐待の後遺症や知的障害、発達障害などのため、長期的、専門的な援助を必要とする子どもには、治療を主たる目的とするグループホームのような施設をつくる必要があるというような声も上がっております。

 これらのことも含めまして、中川大臣のお考えを伺いたいと思います。

○中川国務大臣 子どもだけではなくて若者全般についても、最近の自殺の傾向一つ見ても、その層の自殺がふえてきているという現状であります。

 先週の土曜日に横浜の若者サポートセンターに行ってきたんですけれども、現状を説明いただいた中で、担当者の皆さんは、こうした、社会からドロップアウトするというか、非常に厳しい状況の中に置かれた若者だとか子どもたちについては、やはり、シェルター、居場所と、それから、寄り添って一緒に生きていくというか、そういう人が必要だ、それと同時に、時間がかかるんだということ、この三つを指摘されました。

 まさに、実情の中から、現実の中から実感として今受けとめておられるコメントだと思って、胸を揺さぶられる思いをしたんですけれども、そういう意味では、この子どもシェルターというのは確実にそうした役割を果たしているんだというふうに思います。

 この中で、特に、一緒に寄り添って、次の人生を子どもと一緒に考え、そして指導して、いろいろなネットワークの中で、先ほど、学習障害であるとか、メンタルな問題を持っているところはやはり専門家に診せていくということであるとか、仕事をどのようにあっせんしていくとか、あるいは少年院や家庭裁判所との関連をどうさばいていくとかいうような、そんなことも含めた総括ケアができるような人材といいますか、そんなものとあわせた形でのこのシェルターのあり方というのは本当に大事だというふうに思っております。

○池坊委員 これも、民間の方のお力によってシェルターというのはできたんですね。特に、父親からDVを受けている母と子を預かっている。だけれども、やはりこれは国がするべきことであるというふうに思いますので、ぜひやっていただきたいと切に希望いたします。

 ひきこもりについて伺いたいと思います。

 六カ月以上にわたり家庭に引きこもっている子どもというのは、推計で二十六万人。ひきこもりの親の会というのがあって、前に私は何度もそういう方々の要望も受けたりもいたしました。

 十代から四十代まで、四十代以上、本当に幅広いんですね。その期間も、半年の人もいれば二十年以上に及んでいる人もいる。さまざまな要因で社会に参画できない人たちで、それは精神疾患や発達障害を背景に持つ人もいるということもわかっておりまして、第一次相談の段階で、医療が必要かどうか、これは発達障害の子どもたちもそうだと思うんですね、早期発見、早期治療によって治る子どももおります。

 政府は、平成二十一年七月に子ども・若者育成支援推進法を制定し、地域において総括的なネットワークを構築して、ひきこもり等の困難を抱える子ども・若者を支援することとしております。また、平成二十一年度からは、ひきこもりに特化した第一次相談窓口として、ひきこもり地域支援センターの設置も進んでいるように思います。

 しかしながら、支援体制というのは本当に地域によって格差があるんです。本格的かつ継続的な支援が行われている自治体というのは少数ではないかというふうに思っております。

 政府は、平成二十二年五月公表のひきこもりの評価・支援に関するガイドラインで、ひきこもりの長期化を防ぐために、当事者の来談、受診をできるだけ早く実現することが重要であると強調しております。

 しかしながら、既に長期間引きこもっている重篤な当事者への対策は不足しておりますし、まずは早急に、ひきこもり当事者に精神疾患があるのかどうかというその人の現状を正確に把握し、そして、それによって、医療機関を初め、教育、福祉、保健、就労、それから精神的なケア、いろいろさまざまな支援の手を差し伸べていかなければいけないんだと思うんですね。だけれども、こうした取り組みが本当にまだまだされておりません。

 こういう人たちがもし再生したならば、きっちりと働いて、働くことの喜びも持つことができる。それは、引きこもっちゃって、親が見ているときはいいですけれども、親が亡くなったら必然的に生活保護を受けなければならないというようなことにもなっていくんですね。ある意味では、本人も不幸せだし、社会的にも希望が見えないというふうに思っておりますので、ぜひ私は、青少年だけでなくて、そういうひきこもり対策というのを国としてしっかりとやっていくべきと考えておりますが、いかがでしょうか。

○中川国務大臣 ますます、そうしたニーズといいますか、それは大きくなってくるんだと思います。

 先ほどお話しした横浜の若者サポートセンターの活動を見ておりましても、さっき御指摘いただいたように、ワンストップで、そこで、例えば精神保健の分野とか医療機関に行って具体的に診てもらう方がいいのか、あるいは、どうも本人が思っている資質と、例えば職業ということに関して本当にマッチングができているのか、それを専門的な目で見てふさわしい職業に誘導していく作業であるとか、一つ一つの個別の例によって対応が違うんですね。それだけにきめ細かく、それこそ寄り添うということだと思うんですが、そういうようなことができる施設というのが一番じっくりと効果が出るというふうなことを改めて実感してきました。

 ただし、これは全体の海原からいくと、この海原を全部それでやろうと思うと大変な財源が要るということも現実であるものですから、そこのところを面的に動かしていくにはどうしたらいいかという課題があるのだと思うんです。

 また一緒に皆さんと議論を重ねながら、どういう仕組みが一番そうした意味で面的なところまでしっかり食い込んでいけるのか、努力をして考えていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

○池坊委員 よく御理解いただいていることを大変力強く感じております。

 ぜひこれに対して力強い予算をとって実行していただけますよう心から願い、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○稲津委員長 次に、宮本岳志君。

○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。

 去る六月十一日、社会保障と税の一体改革特別委員会で、私、総理大臣に、ことしの自殺白書で、若者の就職失敗を理由とした二十代の自殺者の急増に注意が必要というふうに述べられていることを取り上げて、首相の認識を伺いました。総理は私の質問に、若者の雇用対策とあわせ、若年層の自殺対策を今後の自殺総合対策の最重要の課題の一つとして位置づけ、救える命を救っていくという努力に万全を期したいと答弁をされました。

 自殺対策担当の大臣であり、若者支援対策担当であり、そしてかつては文部科学大臣であった中川大臣の御認識をお伺いしたいと思います。

○中川国務大臣 御指摘のとおり、自殺者数というのは三万六百五十一人ということで、平成十年から十四年連続して三万人を超えているということに対して、基本的には、危機感といいますか、この社会の状況に対してしっかりとした認識を持たなきゃいけないというふうに思っております。

 ただ、この二年ほどは減少しておりまして、いろいろな対策を打ってきた、その効果が多少でも出ているんだろうというふうに思うんですけれども、三万一千人を下回ってきました。これも十四年ぶりであります。そういう意味で、さらに頑張っていくということだと思います。

 御指摘のように、二十歳以下の若年層というのが二十二年に比べて増加をしておりまして、これは、先ほどのお話のように、雇用というものと密接に関連しているんだというふうに思います。ですから、基本的には、雇用対策を構造的にしっかりしたものにしていくということ、これが一つ。

 それからもう一つは、先ほどお話の出ていたひきこもりということなども含めて、非常に、社会の今の状況の中から振り落とされてしまうというか、よくセルフエスティームというのですが、自分自身に価値を見出さないと生きる力にならないんだといいますが、その自分自身の価値というのを見失ってしまう若者がやはり依然としてふえてきているということだと思うので、そこのところは、先ほどのきめの細かいサポートセンターのような形のもので寄り添っていくというような施策もあわせて、きめ細かくやっていく必要があるのだというふうに思っております。

○宮本委員 この二年ほど、全体の数は減っているわけですけれども、若者の、しかも就職を原因とする自殺というのはそれこそふえているんですね、この間でいうと。

 それで、これは内閣府に数を出していただきたいんですが、就職失敗を原因とする二十代の自殺者数を、二〇〇七年からの五年間、男女別にお示しいただけますか。

○杵淵政府参考人 お答えいたします。

 警察庁の統計によりますと、就職失敗を原因、動機とする二十代の自殺者数は、二〇〇七年、男性五十一人、女性九人、計六十人。二〇〇八年、男性六十九人、女性十七人、計八十六人。二〇〇九年、男性九十八人、女性二十四人、計百二十二人。二〇一〇年、男性百三十八人、女性十五人、計百五十三人。二〇一一年、男性百十九人、女性二十二人、計百四十一人でございます。

○宮本委員 平成二十一年を機に急増していると言われるとおり、二〇〇七年に六十名だったのが、百五十人とか百四十人という状況になっているんですね。

 それで、急増に注意が必要と自殺対策白書は述べているんですが、注意が必要というような生易しいことではないです。就職の失敗ぐらいで何も死ぬことはと安易に言えるような状況でもないんですね、これは当人たちにとっては。

 それで、みんなの就職活動日記というホームページがございます。その中に「もう就活辞めたい 辛すぎる」という掲示板がありまして、そこには就活真っ最中の学生の苦悩がつづられております。

 ある学生は、四月二十五日の書き込みで、進学校を出て、有名大学を出て、そこそこの学歴があるのに、ああ、ここしかないのかと考えてしまう自分が嫌だ、落ち込んでいる暇があるなら一つでも多くエントリーシートを出すべきということもわかっている、でも、出してもどうせ落ちるんだろうなと思うと気が進まないし、涙が出てくる、お父さん、お母さん、せっかく学費を出してもらっていいところの学校を出させてくれたのに、大手じゃなくてごめんなさい、兄弟そろって就活落ちこぼれでごめんなさい、こう書いているんですね。

 同じく四月二十五日の午前四時三十九分には、別の学生が、毎日不安で眠れません、きょうもまたこんな時間と書き込んでいます。

 四月十八日には、無理なら諦めて死ぬなりフリーターになればいい、それが現実でしょう、もちろん、俺も内定がないのでそうなるかもしれませんがねという書き込みがある。

 同じく四月十八日、周りに内定所有者がたくさんでき始めた、ツイッターもフェイスブックも内定報告を見たくなくてアプリを消した、でも、どうしても授業やゼミで情報が耳に入ってしまう、つらい、面接で自分のことを伝えるのが嫌でうまくいかない、怖い。

 四月十七日、何社落ちたのか、本当に自分はだめなやつなんだな、数え切れないほど落ちて、それでも頑張って、先が見えてきたと思ったらまた奈落に突き落とされて、もう疲れた、お母さん、ごめんなさい、失敗してしまいました。

 四月十日、はっきり言ってとてもつらいです、泣いても現状は変わらないですが、涙が自然に出てきてしまう。

 きわめつけは五月二十三日の書き込みです。正直、大学では勉強とかより捏造スキルと面接スキルを磨き切った方がいいと思うよと後輩に伝えたい、勉強など就活の役に立たない、面接スキルや捏造スキル、つまり、やってもいないことをさもやってきたかのようにうそをつく能力を磨いた方が役に立つ、こういう書き込みまであるんですね。

 大臣、こういう今の就活の理不尽さ、命まで絶ちたくなる学生の苦しみというものをおわかりになりますか。

○中川国務大臣 そのことについても内閣府の方で調査を入れていまして、これは十五歳から二十九歳までの三千人ぐらいの調査で、現在の就職活動などの採用の仕組みやあり方は適切かという問いに対して、そうは思わない、または余りそうは思わないと答えたのが四三・九%に及んでいるということも出てきております。

 これは、企業、産業界ともさまざまにこれから話し合いをしていかなきゃいけないところだと思うんですが、若者の就職活動のあり方だけではなくて、適切な人材を採っていくという意味からも、春一回きりの一斉採用という形から周年採用に切りかえていくような形態が必要なんじゃないか、そんなことも議論が広がってきているというふうに認識をしております。

 一回きりのチャンスではなくて、何回もチャンスはあるんだというふうな形は、今の時代になれば必要なんだというふうに思っておりまして、そういう意味では、さまざまに議論を重ねて、社会全体が新しいシステムに持っていく、そういう必要があると思います。

○宮本委員 相当精神的に追い詰められているわけですね。ここに本当に心寄せる必要があると思うんですよ。

 死を選ばないまでも、就職の失敗が引き金となってひきこもりになる若者も少なくありません。これは、内閣府が二〇一〇年に公表した若者の意識に関する調査では、若者のひきこもりになったきっかけについて聞いているんですけれども、職場になじめなかった、就職活動がうまくいかなかったというのを合わせると四四%になりまして、それがきっかけで引きこもっているという若者も生まれているんですね。

 同時に、経済的な負担も学生たちの将来不安に拍車をかけております。六月十一日の先ほど申し上げた特別委員会で私も指摘したんですが、日本に給付制奨学金がなくて、全てが借金になるため、奨学金を借りた学生の多くは、卒業し、社会人となったその初日から莫大な借金を背負わされている。月額十二万円というのが今最高額なんですが、十二万円を有利子で借りますと、返済総額七百七十五万円ですよ。社会人になった初日に七百七十五万円もの借金を背負わせている国というのは本当にひどいと指摘をいたしました。

 私の質問を見た方からメールが来たんです。

 六月十一日の国会中継を見ました。僕は静岡県で育ち、大学まで県内の学校に通いました。今は就職して三年目です。奨学金は高校と大学で借りていました。現在はそれらの返済が月三万円ほどあります。宮本さんが言ったことと同じことをずっと思っていました。僕は高校、大学に借金をつくりに行ったと思っています。家も貧しかったので、大学は行かず高卒で働こうと思っていましたが、家族の大学には行っておきなさいという言葉で、一応大学進学を決めました。しかし、僕の予想していたとおり、親は授業料を払えず、僕が奨学金とアルバイトでやりくりしました。学生時代も今も、働いて稼いでも奨学金の返済があります。こんなことなら大学に行かなければよかったと思います。

 この若者は、私の質問がうれしかったと言い、今の日本にもこれからの日本にも全く期待していませんが、宮本さんのことは応援しますと。何とも、喜んでいいのか、本当に胸の痛むメールでしたよ。

 高校、大学に借金をつくりに行ったようなものだ、大学に行かなければよかった、こういう若者の声に一体どう応えるのか。これは、文部科学大臣として給付制奨学金の概算要求をされた大臣ですから、お答えいただきたいと思います。

○中川国務大臣 私も、給付型の奨学金については、どうしても実現をして、芽出しの一歩もしたいということで頑張ったんですけれども、なかなか壁がその当時厚かったということなんですが、一穴はあけたんですね。

 給付型という丸々にならなくても、所得連動返済型の無利子奨学金制度、こういうのができました。これは出世払い奨学金、私が名前をつけたんですが、出世払い奨学金で、ある程度、卒業してからしっかりと所得が一定のところで返してもらうというところまで待ちましょう、実質的には給付型と同じような効果を持っていくんじゃないかということで、ここについては大幅な拡充が行われておりまして、これを様子を見ながら、もう一頑張りしていくということだと思います。

○宮本委員 大臣、僕は、あの質疑でも安住大臣の答弁を聞いて、本当にふんまんやる方なかったんですよ、今大臣のおっしゃった出世払い奨学金という表現なんですね。

 この所得連動返済型奨学金というのは、年収三百万に達しなければ猶予するという制度でしょう。つまり、三百万になったら返させるという話で、払わせるんですよ。出世払いと言うけれども、年収三百万が出世なのか。そんな、三百万ぐらいで出世と言われたら、本当にみんな頭にきますよ。

 だから、ちゃんと安心して学べる、こんな、大学へ行かなきゃよかったとか、借金つくりに行ったようなものだと若者に言わせないような、ちゃんとした給付制奨学金をつくるべきだ、このことを重ねて申し上げて、きょうは時間が来ましたから、私の質問を終わらせてもらいます。

○稲津委員長 次に、小林正枝さん。

○小林(正)委員 新党きづなの小林正枝でございます。

 限られた時間の中で質問の時間を賜り、関係各位に御礼申し上げます。

 先般行われました大臣の所信について、まずお伺いしたいと思います。

 中川大臣は、所信の中で、子どもや若者が健やかに成長し円滑な社会生活ができるよう、環境を整備し、支援を行うという姿勢を述べられました。私も、大臣がおっしゃられたこの考え方に賛意を示します。私自身、この委員会の委員の一人として、青少年の健全育成のために、微力ではございますが、尽力していきたいと考えております。

 そこで、具体的にお伺いしたいのですが、子どもが健やかに成長して円滑な社会生活を営むためには、教育や福祉、保健、医療などといったさまざまな分野での具体的な施策が必要になると思います。

 政府は、関係省庁や地方自治体と連携して諸施策を実施するとお考えのようですが、具体的にどのような分野で、どのようにネットワークを用いて、どのような対策をとろうとされているのか、お尋ねいたします。

○中川国務大臣 御指摘のように、この子ども・若者育成支援施策というのは、広範囲で、政策としては多岐にわたっておりまして、私の仕事というのは、これにしっかり横串を刺して総合的な政策立案が具体的に進められる、そういう指導力を発揮していくことだというふうに思っております。

 具体的には、内閣総理大臣を本部長として全閣僚から構成される子ども・若者育成支援推進本部というのが設置をされておりまして、これが平成二十二年七月に、子ども・若者育成支援施策の大綱であります子ども・若者ビジョンを策定しました。これを、それぞれの省庁が課題として持って、政府一体となって実現していくという体制、こういうことが一つであります。

 例えば、厚生労働省が設置している児童虐待防止対策協議会、あるいは文部科学省が設置しております子どもを見守り育てるネットワーク推進会議なども、内閣府も参画しまして、関係省庁や民間団体と連携をして取り組んでおります。

 こうした省庁のネットワーク、それから地方自治体とのネットワーク、そしてまた民間とのネットワークの中で、目標にしているこの子ども・若者ビジョンを具体化していくということで頑張っていきたいというふうに思っております。

○小林(正)委員 続きまして、子ども・若者が円滑な生活を営むためには、私は、不幸にしてニートやひきこもり、不登校の状態になってしまった子どもたちに対しても支援することが欠かせないと考えています。

 ある調査によれば、若者の二割以上がひきこもりや不登校などの経験を有しているとも言われております。こうした子どもたちに対する有効な対策の一つに、焦らず学校復帰をなし遂げるということもあると思いますが、メンタルケアを含めた、どのような施策を講じられているのか、お教えください。

○中川国務大臣 そうした子どもに対して、一つの場所と時間、それから、一緒に歩むといいますか寄り添っていく指導者、専門家といいますか、そういうものを組み合わせてきめの細かいケアをしていくということ、このことがやはり、社会復帰、あるいは、もう一度自分自身に対して自信が持てて、夢を追える人生に組み立てていけるということだと思います。

 そのためにも、こうしたセンター、さっき申し上げた、私、横浜のサポートセンターへ行ってきたんですが、このセンターなどを中心にして、教育、福祉、保健、医療、雇用あるいはNPO等々、ネットワーク化をしていくということ、若者に対して、どこのところがサポートとして必要なのかということを専門性の中で選びながらサポートしていくというような、そんなシステムというのは非常に有効だというふうに思いました。

 ただし、そこで、専門員のお話によると、やはり時間がかかる、一人の若者がそうした形で卒業していくのに一年、二年という歳月がかかっていくということでありまして、そこのところも加味した形の制度づくりというのが必要なんだというふうに思います。

○小林(正)委員 大臣の答弁を聞きながら、私も現場が大事ということはモットーにしておりますので、横浜サポートセンターの方に時間をつくってでも視察に行ってみたいと思っております。ありがとうございます。

 子どもの貧困対策についてお伺いしたいと思います。

 ユニセフの調査によりますと、先進三十五カ国のうち、十八歳未満の日本の子どもの貧困率は一四・九%、ワースト九位であるという残念な結果が報じられていました。いわゆる小泉構造改革の結果、格差と貧困は非常に深刻な問題となり、とりわけ、二〇〇八年リーマン・ショック以降は、子どもの貧困率がどんどん上昇しているのが現状であります。

 そこで、政府の基本的な姿勢をお尋ねいたします。

 EUでは、二〇〇二年に、EU各国において二〇一〇年までに貧困率を減少させることを合意しました。また、イギリスでは、二〇二〇年までに子どもの貧困を根絶する数値目標を掲げました。政府として、子どもの貧困を防ぐための基本法を制定するとか、貧困率を下げる具体的数値目標を示すとか、何らかの具体的な施策を明示いただけないでしょうか。

○石井政府参考人 議員御指摘のとおり、ことしの五月に公表されましたユニセフの報告書によりますと、子どもの相対的貧困率は一四・九%であり、本当に、御指摘のとおり、先進諸外国の中でも高い水準となっております。その背景としましては、所得の低い非正規労働者として働いている親の増加などが考えられるところでございます。

 御指摘の子どもの貧困を防ぐための基本法の制定については、厚生労働省ではこれまで検討したことはないわけでございますが、ただ一方、貧困や格差の実態を総合的、継続的に把握するため、各国の指標を参考としながら、客観的な貧困・格差指標を開発するための検討を進めることといたしております。貧困率に関する数値目標についても、今後の検討課題と認識をいたしているところでございます。

 引き続き、さまざまな貧困の実態を把握しながら、子どもに対する支援策の充実に取り組んでまいりたいと考えております。

○小林(正)委員 ユニセフの報告書では、各国の子育て政策や福祉政策も比較検討しております。その中で、子どものための施策に対する公的支出は、日本は対GDP比で一・三%となっており、これは、三十五カ国中、下から数えて七番目です。

 私は、親に対する子育て支援策だけでなく、子どもを幸せにしていくための子どもの支援策をもっと手厚く考えていくべきだと思いますが、厚生労働省の御見解をお伺いします。

○石井政府参考人 ことし五月に公表されましたユニセフの発表によりますと、日本での家族関連の公共支出の対GDP比は一・三%、平均が二・二%でございまして、先進諸外国と比べて低い水準にございます。

 親の経済力や幼少期の生育環境によって人生のスタートの時点から差が生じて、世代を超えて格差が固定化されていくようなことがないように、子どもの貧困対策に取り組むことは大変重要だというふうに考えております。

 このため、児童手当の支給などの経済的支援や、保育サービスの拡充、一人親家庭の就業、自立に向けた総合的な支援など取り組んできたところでございますが、今後とも、子どもに対する支援策を充実させて、子どもの貧困防止に取り組んでいきたいというふうに考えております。

○小林(正)委員 子どもの貧困は、何といっても、家庭の所得が少ないことに起因いたします。とりわけ日本では、一人親世帯の貧困率が五〇・八%と著しく高いのが実態であります。

 これを解消するには、所得の再分配をすることも一つの方法ではないかと考えます。しかし、日本の場合、子どもを持つ生活困窮世帯では、税金や社会保険料などといった負担が多く、もらえる手当や還付というのが少ないのが実情であります。今現在は、所得再分配前よりも所得再分配後の貧困率が高くなるという逆転現象が生じています。

 これは主に税制に関する問題も含んでおりますので、中川大臣にお伺いするのはややちゅうちょいたしますが、ぜひ、この実態も御認識されて、関係省庁と御協力いただき、改善を図っていただきたいと思う次第です。御答弁をいただけましたら幸いです。

○中川国務大臣 御指摘のように、こうした貧困率というのが深刻だということだけでなくて、悪化しつつあるということがありまして、ここについては、確かな政策でもってこれを支えていかなければならないというふうに私も思っております。

 税制あるいは社会制度の中で、こうした家庭、特に一人親家庭への支援等々、取り組んでいくということでありますが、同時に、例えば子ども手当という議論がありました、今、名前が変わりましたが。そうした考え方の根底にあるのは、やはり、子どもの家庭環境がどうであろうと社会全体で子どもを育てていくというような仕組みを日本もしっかりとした形でつくっていくということが、将来に結びついた安心感と、それから、子ども自体がそれこそ伸び伸びと育っていく基盤になっていくんだということ、これがベースにあるんだと思うんですね。

 そこのところを見失わないように、しっかりとした社会基盤というのを皆さんと一緒に議論していくということが大事だと思いますので、これからも頑張っていきたいと思います。

○小林(正)委員 時間が迫ってまいりましたので、まだ幾つか質問は残っているのですが、私の考えについて述べさせていただきたいと思います。

 自殺対策につきましては、先ほど宮本議員の質問にも詳しいデータが述べられておりましたので、私はここでは質問を省略いたしますけれども、若者の自殺の原因は多々あると思います。生きるモチベーションが持てない、生きるためのコストが高くなっている、そういった経済的な要因や格差、貧困がきっかけとなっていることは、近年の傾向として否めないと思います。本当に困ったときに利用できる制度やシェルター、心を開いて相談できる窓口、そしてライフスキルを高められる教育といった急を要する対策はメジロ押しだと思います。

 政府は、平成十九年に閣議決定された自殺総合対策大綱を五年をめどに見直すとされておりました。ぜひ若者の自殺対策を強く意識した世代別の施策も盛り込んでいただきますように望んで、私の質問にかえさせていただきます。

 ありがとうございました。

○稲津委員長 次に、吉泉秀男君。

○吉泉委員 社民党の吉泉秀男です。

 十分という限られた質問時間でございます。四項目にわたって事前通告させていただいたわけでございますけれども、里親制度等に絞って質問をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。

 政府の方は、平成二十二年の一月、子ども・子育てビジョンで、いわゆる里親の委託率を二十六年度までに一六%に引き上げる、こういう目標設定をしているわけでございます。この間、それぞれ努力をしながら、里親のところで育つ子どもさんが多くなっている、このことについては敬意を表させていただきたい、こう思っておりますけれども、ただ、日本の場合、施設の方が九割、そして里親が一割、こういう状況になっておるわけでございます。諸外国から比べると本当に低い、そういう状況になっています。

 諸外国と比較をして本当に低い、その原因というものについてどういうふうに捉えているのか、まずお聞きをさせていただきたいと思います。

○石井政府参考人 お答え申し上げます。

 里親につきましては、今議員御指摘のとおり、私ども、ビジョンに沿いまして目標を定めまして、引き上げるべく取り組んできておりまして、その結果、平成十四年度末では七・四%の委託率が、平成二十二年度末では一二・〇%まで高まってきております。しかしながら、諸外国と比較をいたしまして低い、見劣りがするというのも事実でございます。

 ただ、日本国内を見てみましても、これは都道府県別に見て随分差があるというのも事実でございまして、実績を上げて高くなってきているところは、やはりそれなりの里親委託が進むような支援の手を差し伸べている、里親が安心して子どもさんを引き受けることができるような体制をつくっているということがございます。

 諸外国の状況との比較でどこまで正確なことが言えるかは難しいところでございますが、その辺は宗教的な問題もあろうかというふうに考えております。

○吉泉委員 ありがとうございます。

 ただ、今の里親の関係なんですけれども、登録制度を持ってやっているわけでございますけれども、この内容を見ますと、里親で六千百二十一世帯が登録をしているわけですけれども、現実に担っているのは四割もいっていない。さらには、専門の里親の場合についても、五百七十二世帯に対して百五十五世帯。そして、親族関係の里親の方は大変高い、そういう状況になっておりますけれども、養子縁組を求める里親のところについては一千八百四十に対して二百一世帯、こういう一つの状況があるわけですね。登録制度を持ちながらも、なかなかそのところに対してミスマッチがある。

 その中で、取り組みの課題として、登録里親の確保に力を入れるんだというふうな一つの方針を出しているわけでございますけれども、この現状について、登録をする親は多いわけだけれども実績にこれがなり得ない、この原因をどういうふうに分析していますか。御答弁をお願いします。

○石井政府参考人 登録をしたけれどもなかなか結びつかないということの背景としましては、一つは、親御さんの方が、子どもをとられてしまうのではないかという懸念から、里親の方に委託を望まないという場合もございます。また、里親自身とのマッチングで、なかなかその調整がうまくいかない、地域とか、あるいはその難しさ、困難性の話を聞かされてちゅうちょするケースもあるということだというふうに理解をいたしております。

 したがいまして、そうしたところの溝を埋めるべく、私ども、里親支援というものに力を入れていかなければいけないというふうに考えております。

○吉泉委員 それはわかるわけでございますけれども、その点が諸外国は高い、この件について少し分析もしながら、今言われましたそういう分析した点について克服していくために努力をしていかなきゃならない、こういうふうに思っているところでございます。

 その中において、それぞれ、里親に出しても家族との交流は大変大事なんだろうというふうに思っておりますし、さらには、施設においても家族の交流といった部分が、週末なり月二回とか、そういう点が私は実親から見れば必要なんだろうなというふうにも思っております。

 そんな状況から見ると、非常に、里親の委託時から見ると交流が全然ないというものが約七割を超えておりますし、そしてまた全体的に、施設の方にお預かりをさせている状況でも交流がない、こういうところについて、やはり積極的に、家族との交流というものについては必要であるんだろうというふうに思っておりますし、そんな中でうまく私は里親制度が生きてくるものだなというふうに思っております。

 交流がなされない、こういうところについては、それぞれ市町村、県、さらにはそこの施設等の問題があるんだろうというふうに思っていますけれども、この点についてどういうふうに理解をしているのか、お伺いさせていただきます。

○石井政府参考人 お答え申し上げます。

 里親の中で、今議員御指摘のように、週末里親とか季節里親とか、そういうものを含めて推進していくことが大変重要だというふうに思っております。

 特に、施設におられるお子さんの中で家庭的生活を体験することが望ましい児童さんに対しては、例えば夏休みあるいは週末などを利用して養育里親へ里親委託を行うといったようなことを進めていくことが必要ということで、実は私ども、そういうものは地方に対して推進すべくという形で通知は出しているところでございます。

○吉泉委員 私たち、本委員会において、二〇一〇年の四月に宮島参考人から、先生自身の相談所での経験なり、そういったことについてお伺いをさせてもいただきました。さらには、研究者としての海外での調査、こういったところについても大変興味深い報告を受けたわけでございます。

 そうした面の中において、単に数値目標、これはいいんだろう、今の一二から一六%まで上げていくんだ、そのための一つのいわゆるお金の問題なり、いろいろな課題はあるんだろうというふうに思います。しかし、要は、やはり心ですね。実の親、それからお子さん、それから新しく里親、この三人のそれぞれのきずな、この部分をどう深めていくのか、こういうところが大変大きな課題、さらには大事な問題だろうというふうに私は思っております。

 そんな面で、それぞれ専門的な立場での一つの職員なり、そのところが日本においては圧倒的に少ない、そういう感じもしています。そしてまた、児童相談所の方においても、さらには市町村、県についても専門職が少ない、こういうふうに思っております。

 その専門職に対する、施設の増員、さらには研修等について、どういうふうにことし考えて、そして里親制度を充実していくのか、その方針についてお伺いをさせてもらって質問を終わらせていただきますので、よろしくお願いします。

○石井政府参考人 里親に委託されるお子さんにつきましては、虐待などの経験によって心に傷を負っている場合があるわけでございまして、里親にとって育てづらさがさまざまな形であらわれやすいという状況はございます。

 このため、各地方自治体で、里親を支援するために里親に対する研修を行っておりまして、これはどんどん進めていただくように、私どもは常に会議などで申し上げているところでございます。

 そのほか、児童相談所の里親担当者などが家庭訪問等を実施してきているわけでございますけれども、平成二十四年度の予算におきまして、児童養護施設そして乳児院に里親支援専門相談員、こういう方々を配置いたしまして、児童相談所と連携して定期的な家庭訪問などを実施する体制を整備したところでございます。

 引き続き、子どものニーズに応じた多様な里親を設けつつ、なおかつ、支援体制をしっかり固めていきたいというふうに考えております。

○吉泉委員 どうもありがとうございました。

 大変、ほかの事前通告させていただいたことを質問できなかったということに対しておわびを申し上げながら、終わらせていただきます。ありがとうございました。

○稲津委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
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