三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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参議院 災害対策特別委員会?◆塀?野委員、上野委員、山下委員)

平成24年3月23日(金)

○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう質疑に入ります。
 鹿児島県桜島の火山対策について伺いたいと思います。前回の本委員会でも桜島の火山対策伺わせていただきましたが、改めて調査に行ってまいりましたので、大臣に御報告を兼ねまして質疑をさせていただきたいと思います。
 私が伺いましたのは桜島の塩屋ケ元という地区であります。資料を準備をさせていただきました。一ページ目御覧いただきたいと思います。
 大臣が行っていただきましたところが黒神埋没鳥居というところでありまして、そこを含む地域ということになります。その集落でAと記してあるところが集合場所であります。Bと記してあるところが避難舎、小屋であります。そして、Cが避難する港ということでありまして、川元信雄町内会長や古別府消防会長など、この町の皆様方と一緒に避難の動線、歩いて回りました。
 どうしてここに私が行きましたかといいますと、この塩屋ケ元地区は昭和火口の真正面にありまして、四キロの地区であります。大臣御覧になったかと思います。火山の音がごろごろごろごろ聞こえるようなそういう音で、ここの対策なしには本当に桜島の対策はないだろうと、その思いからここを歩かせていただいたところであります。
 まず、確認をしたいと思います。この塩屋ケ元地区の住民の方々の避難の方針、どのようになっておりますでしょうか。

○副大臣(後藤斎君) 避難の部分でいえば、警戒レベルの程度によって当然違います。全体的な防災対応につきましては、鹿児島市防災会議で策定をしました鹿児島市地域防災計画で定められているところでございます。
 いわゆる気象庁から噴火警戒レベル四の噴火警報が発表される、この前提は、基本的には居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生すると予想される、若しくは可能性が高まった場合という場合でございます。この際には、鹿児島市防災計画では、防災無線、消防車両によって地域住民に対し島内又は島外避難準備情報を発表するとともに、お年寄り、入院患者等のいわゆる災害時要援護者の方々に避難行動を開始するという形になっております。
 そして、今先生が御指摘の塩屋ケ元と、並びに昭和火口から二・五キロという、より近い有村地区におきましては、ほかの地域とは違ってバス等により島内に指定された避難先に避難させるという形で、ほかの地域よりも、準備段階で通常あるべき噴火レベル四の場合であっても、島内又は島外、島内の指定された避難先に避難をさせるということが決められているというふうに承知をしております。

○秋野公造君 レベル四のうちに避難をすればいいということになるかと思いますが、気象庁に伺いたいと思います。
 桜島の噴火は、必ずレベル三、四、五と段階を経て切り替わるということを言い切れますか。また、レベル四とレベル五の間、あるいはレベル三とレベル四の間、時間的な余裕が十分あると認識してよろしいですか。お答えください。

○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えします。
 桜島では、現在、噴火警戒レベルを三にしてございますが、例えば大正噴火、昭和噴火を例に取りますと、現時点でかなり観測網も強化しているということで、噴火警戒レベルを四から五に段階的に引き上げるということについては可能と考えてございます。しかしながら、可能性は高くないものの、火山活動に短時間で急激な変化があった場合には噴火警戒レベルを三から五に引き上げる場合も想定してございます。
 さらに、先生御質問の、桜島における噴火警戒レベルを四から五へ引き上げる時間的余裕でございますが、これに相当する規模の事例も少なく、一概には申せません。気象庁としましては、噴火警戒レベル四及び五共に可能な限り早期に噴火警戒レベルを引き上げ、噴火までの避難準備あるいは避難に必要な時間を確保できるよう努めてまいりたいと思います。

○秋野公造君 レベル四で避難を担保することができないという答弁だと思いますが、桜島の火砕流のスピードは遅いと考えていいですか。

○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えいたします。
 火砕流は、高温の火山ガスと多量の火山灰、軽石などが一体となって流れ下る現象でございます。そのスピードにつきましては、時速百キロメートル以上の高速で流れ下る場合もございます。
 以上です。

○秋野公造君 レベル四のうちに避難をすることが保証されていないというような状況の中で、避難舎、避難小屋ですね、避難舎の在り方あるいは避難の港の設定の仕方、そういう観点から質問をしたいと思います。
 もう一度、資料を見ていただけますでしょうか。
 この塩屋ケ元地区では、Aと書いてあります、図の中で示しておりますこのAのところが集合場所になっておりまして、住民の皆様方はここに集まっていただきまして、万が一のときにはバスか船で避難をするということになっております。空き地、更地の状態であります。そして、その避難小屋、火砕流や土石流から、あるいは噴石から守ることができる避難小屋はBの位置に造られております。そして、さらに坂をずっと下るような形でC、港に行くということになりますけれども、この避難小屋、A地点から非常に離れているというだけではなく、坂の途中にあります。そして、津波が起き得るということを考えたときに、港に逃がしてしまった場合、これ津波が襲ってきたようなときがあったときには取り返しが付かないようなことというのはあるわけであります。
 そして、この避難小屋、避難舎につきましては、これは南岳の噴火が起きたときに建てられたものでありまして、昭和火口を確認することはできません。その意味では実態に、今の計画上、避難小屋のあるべき場所にないということを私は言い切れると思いますが、これは住民の皆様方にとっては非常に不安であります。避難小屋に入ったものの、外の状況が全くどうなっているか分からないような状況の中で、次の手ということを打つことができません。その意味では、今ある集合場所にしっかり、昭和火口の噴火が起きているわけでありますから、避難舎をしっかり建てていくべきである、そのように思いますが、大臣の見解求めたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 先般、私もこの写真にある埋没鳥居、ここまでは行ったんです。そこから先が見過ごしてきまして、現状を確認することができなかったのは残念なんですが。
 御質問があるということでちょっと調べてみましたけれども、今の一時集合場所として設けられている場所については地域防災計画に定められていないんですね。地区住民が避難の際の共助の観点から恐らく独自にそこを設定されて、そこへ集まろうということになっているんじゃないかというふうに想像ができるんです。
 それで、制度としてはもちろん地域で、いわゆる鹿児島市を中心にして地元からの要望を確認をしていただいて、ここへ向いて改めて避難小屋を持っていって、ここを避難所として指定をしていくというようなことで内容を整理していただければ、国の方としてもその上で相談をさせていただいて対応ができるというふうに思っておりますので、その点も含めてよろしくお願いをしたいと思います。

○秋野公造君 住民は、恐らく昭和火口が見える場所ということ、それからバスで避難をするということでこのA地点、空き地のところに集合しておりますので、これは現時点では実態に即していることだと思います。だから、住民が自主的に決めたのかもしれませんが、それは避難の在り方に関しては非常に実態に即した形になっておりますので、どうか鹿児島市の方からお話がありましたら避難舎建てていただきますように、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 次のページ、見ていただけますでしょうか。
 そこから近いところ、宇土港という港があります。ここも同じように、先ほどの塩屋ケ元と同じように漁協から船が迎えにまいりまして、船で避難をするということになっておりますが、Dと示しております。ここ、防波堤が新たにできている状態でありまして、漁船は当然漁港として使っているわけでありますからこの漁港内に入ることができるわけでありますが、実際に迎えに来る船が、この防波堤ができた後にも本当に入ることができるのかという不安が住民の中にあるようでありました。その確認をしたいと思います。

○副大臣(後藤斎君) 今、先生御指摘の宇土地区の四十四世帯、百人の住民の方、避難港は宇土港にあるということで、先生が引いていただいたこの防波堤は、平成十三年に波浪等から港湾の保全を目的に設置されて十年ちょっとが経過をしたというふうに承知しております。
 通常、先ほどもお話をしましたように、大きな火山が起こった場合、島内又は島外ということで、島外の場合は、宇土地区の場合は、先生御指摘のとおり大きなフェリーが避難船というふうな形で、船が入れません。そういう意味では、地元の漁協の方々と協力をし、三百六十一隻、鹿児島市漁港並びに東桜島漁港等々で漁船の数があるというふうにお聞きをしておりますが、この防波堤が造られたことと併せて、宇土港、この周辺部が深水が非常に浅いということもあって漁船を使って実際避難をなさるという計画にしているようでありますので、ある意味では、この防波堤というのも、先ほどの津波ではございませんが、非常に高い波のときには当然その湾の中を穏やかにするという本来の目的もございますし、漁船というある意味では小回りの利く避難手段で島外に出ていくというルートを防災計画では作られているというふうにお聞きをしていますので、避難迅速という観点では、むしろ漁船という部分で対応しているということで、この防波堤が大きな障害になっているというふうには承知はしておりません。

○秋野公造君 漁船は来るかどうか分からないという、つまり津波が起きたりしたときはそういったこともあり得るわけでありますが、自らの漁船を使うといったようなオプションもしっかり与えておくべきだと思いますが、この地域、両地域とも漁船を使った避難訓練、一度も行っていない状況であります。何隻来るのかとか、どのように乗るのかとか、そういった現状では混乱が起こり得ると思いますが、見解だけ求めたいと思います。
 漁船を使った避難訓練は必要だとお考えになりますか。

○副大臣(後藤斎君) 必要だと思います。

○秋野公造君 どうか技術的支援をお願いします。
 続きまして、ロードスイーパー、前回も質問をさせていただきまして、国においても強力に開発支援を行っていくと力強い答弁をいただいたところでありますが、改めてロードスイーパーの現物、見させていただきました。様々なお声をいただきました。回転数を上げて灰をしっかりかき上げていく能力を増していくということでありますが、どうも鹿児島市の皆さんにとっては吸引型、掃除機で吸い込むような、そういったような形も希望をしているようであります。
 そして、私は素人でありますから、ちょっと素人の意見として割り引いて聞いてほしいんですけれども、かき上げるあの歯ブラシのような、歯ブラシではないんですが、先が少しこうなるようになっているんですが、もう少し密度を狭めてみたり、あるいは、よく折れるという話もありますから硬い素材を使ってみるとか、単にかき上げる回転数を上げるだけではなく、かき上げるブラシ自体の開発とかいったようなことも行うべきではないかと提案をさせていただきますが、あの答弁の後の進捗状況だけ教えていただきたいと思います。

○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、降灰除去車両につきましては、実際に降灰があった場合、地域で非常に期待をされているという中で、なかなか技術的にも更に向上させていかなきゃいけない部分があるというふうに私どもも受け止めているところでございます。
 そういう中で、技術開発というものは極めて重要な役割を果たすというふうに認識しておりまして、これまでも先ほどございましたようにブラシの回転力のアップであるとか、それからかき上げ能力であるとか、散水をどういうふうにするか、こういったことについて技術開発に努めてきたところでありますが、特に御指摘のように小型の車両については更に技術開発を進めていく必要があるというふうに思っております。
 そういう中で、御指摘のような形でブラシの密度であるとか強さであるとかこういったことも含めて、現在、どういった性能をより向上させなきゃ、どういう項目の性能を向上させなきゃいけないのか、あるいはそれをどういうふうに進めるのかといったことの今整理をしている段階でございまして、これを新年度から、実際に製造をしております民間の会社と一緒になりまして協力を得て本格的な技術開発に取り組んでまいりたいと、そんなふうに考えているところでございます。

○秋野公造君 吸入形式の方もどうかよろしくお願いをいたしたいと思います。
 このロードスイーパーの購入でありますが、委員の皆様方も覚えていらっしゃるかと思いますが、一月一日から十二月三十一日の間に降灰量が非常に多いときの補助対象となっているということで、三月まで何とかそのロードスイーパーの納入を遅らせていただけないかという要望がかなり強かったことを覚えていらっしゃるかと思いますが、なかなか八月ぐらいの段階で、大臣おっしゃっていただいた風向きで、鹿児島市のどうしても冬よく灰が来る方と夏来る方、こっちはなかなか判断が遅れてしまいます。七月、八月に灰が大きく降るとなると、その時点で降灰量が増えるというような判断をして、補助対象になるかどうかを判断して車を買うというような状況にあることを考えると、このロードスイーパー自体がなかなかすぐに注文をして購入することが困難な状況の背景を考えるならば、年内に納入というのはなかなか難しい状況なんだろうと思います。
 ですから、ここは何か弾力的な運用というものを求めることができないか、国交省の見解を求めたいと思います。

○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように降灰除去事業、これは活動火山対策特別措置法等に基づいて、ちょうどその年の一月一日から十二月三十一日までこの降灰事業を行った、これに対して補助をさせていただくと、そういう仕組みとなっているものでございますが、この場合、一月一日から十二月三十一日までの車両、設備関係も購入費も含めて対応させていただいているということになるわけでございます。
 御指摘のように、じゃ、十二月三十一日以降どうかということがあるわけですけれども、例えば現状においては、状況によって一月まで出させていただくというような工夫をさせていただいているわけですが、そういった場合、設備、車両等についても、私どもも自治体の状況を、あるいは計画的にやっていくようなものもあろうかと思います。そういう意味では、自治体の状況をよく伺いながら計画的な車両の購入、こういったことについてもよく相談をして努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○秋野公造君 確認をしたいと思います。リースは補助対象になりますか。

○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 リースも対象になってございまして、既に実績としても、これは平成二十二年、鹿児島市と垂水市においてもこういった車両の借り上げ等についても対象とさせていただいているところでございます。

○秋野公造君 もう一つ、桜島の砂防ダムの景観が悪いといったような要望も非常にあったところでありますが、そこに対して何か環境省、コメントできますでしょうか。

○政府参考人(渡邉綱男君) 桜島につきましては、霧島錦江湾国立公園ということで国立公園として指定をされております。
 この国立公園の特別地域内におきまして、お尋ねのありました砂防ダムなどの工作物を設置する場合には環境大臣への協議が必要となっております。砂防ダムあるいは治山ダムは国土保全、災害防止のために非常に公共性が高い施設ということであります。一方で、位置や規模によっては自然環境に及ぼす影響も大きい場合があるという施設でございます。
 そういうことから、施設の必要性と自然環境への影響の度合いを勘案いたしまして、構造物の規模を調整いたしましたり、構造物の外観を周囲の景観と調和したものとすることなどによって、できる限り国立公園の自然景観への配慮がなされますよう調整を図っているところでございます。

○秋野公造君 今国立公園の話をしましたが、桜島と、あと新燃に委員派遣で行かせていただいたときに、野生生物の食害の話も要望の中で出ていたと思います。
 かつて屋久島の調査に行かせていただきまして、ヤクシカが非常に貴重な、世界遺産に登録をされている屋久島の貴重な植生をがぶがぶ食べているような状況を報告をさせていただきました。平成二十二年十月十五日提出の質問主意書で、屋久島は自然公園法における生態系回復事業の実施を行うべきであると求めましたが、その後、検討いかがなっておりますでしょうか。

○政府参考人(渡邉綱男君) 環境省におきましては、屋久島国立公園におきますヤクシカの食害防止対策ということで、平成二十一年度から、ヤクシカの捕獲によります生息密度の管理、あるいは植生保護柵の設置によります絶滅危惧植物の保護などの対策を試験的に実施してきたところでございます。
 今般、これまでの実施状況を踏まえまして、ヤクシカによって影響を受けた生態系の維持回復を図ることを目標として、この三月十六日に屋久島生態系維持回復事業計画を環境省と農林水産省が共同で策定をしたところでございます。この計画に基づきまして、今後、優先度の高い地区での捕獲の促進、あるいは山岳部での食害影響調査などの具体的な取組を農林水産省、鹿児島県、屋久島町などの関係機関と連携協力してしっかりと推進していきたいと思います。

○秋野公造君 これは三月十六日に法定化されたということでよろしいですか。

○政府参考人(渡邉綱男君) 自然公園法に基づく計画として策定をいたしました。

○秋野公造君 ありがとうございました。
 同じく長崎県西海国立公園の九十九島海岸の漂着ごみも調べに行ってまいりましたが、この漂着ごみは災害と同じようなスキームの中で様々な取組が行われていますが、地域ニューディール基金、自公政権のとき、平成二十一年から二十三年まで、この海岸管理者が分かれていて非常に補助が難しかったものを、一気に使いやすい基金をつくったんですが、残念ながらこれはなくなってしまいました。非常に残念なことでありますが。
 私は、先ほどからずっと国立公園聞いておりますが、国立公園だけはこういったスキームというのはしっかり残しておくべきではなかったかと思っています。環境省の見解、問いたいと思います。

○政府参考人(関荘一郎君) 漂着ごみ対策につきましては、海岸漂着物処理推進法に基づきまして、地域計画の策定等、各都道府県におきまして適切に対処いただいているところでございます。また、財政支援としまして、先生御指摘のように、平成二十一年度の補正予算におきまして平成二十三年度までの三か年の基金として創設いたしました地域グリーンニューディール基金を御活用いただいているところでございます。
 この基金につきましては、先生の今のお話のように、東日本大震災の影響を受けて延長する都道府県を除きまして、原則としまして平成二十三年度で終了することとなっておりますけれども、国立公園内も含めた海岸漂着物対策は引き続き重要な課題と認識しております。環境省といたしましては、今後どのような対応が可能かにつきまして、御指摘も踏まえまして検討してまいりたいと考えております。

○秋野公造君 ごみはどんどん来ますので、どうか急いで検討していただきたいと思います。
 緊急被曝医療の強化について求めたいと思います。
 東日本の震災に伴う福島原発事故から一年がたちました。震災後、何度も福島県立医大、訪ねさせていただきましたが、今でこそ福島県立医大は緊急被曝医療機関として全国を牽引することができるような状況になりましたが、震災直後はやはり人材が不足な状況である、ホール・ボディー・カウンターがあっても十分に使いこなすことができないような状況である、すなわち国が定めた緊急被曝医療体制はこの福島の発災においては十分機能しなかったということが総括して言えるかと思います。
 だから、公明党としても、昨年の四月二十八日、首相官邸の方に、緊急被曝医療体制を強化すべきである、第三次被曝医療機関を、今のたった二つではなくて、具体的な名前も挙げて、しっかりと全国で応援をする仕組みをつくっていくべきであるということを強く申し上げをさせていただきました。その後の検討、いかが相なりましたでしょうか。

○政府参考人(久住静代君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、今回残念ながら緊急被曝医療体制はほとんど機能しなかったというのが実態でございます。私どもは、二月二十四日に開かれました原子力施設等防災専門部会の下にあります被ばく医療分科会におきまして、緊急被曝医療体制についての提言を取りまとめました。
 もちろん、初期、二次被曝医療機関の体制についても検討いたしましたけど、先生御指摘の三次被曝医療機関につきましては三つの提言をまとめてございます。
 まず一点目は、地域性や搬送距離等を考慮した被曝医療機関ブロックの細分化による迅速で実効的な体制の検討と三次被曝医療機関の指定の在り方を見直すこと。それから二点目は、各々の地域において三次被曝医療機関は指導的役割を果たすとともに、初期、二次被曝医療機関とのネットワーク、あるいは三次被曝医療機関間のネットワーク機能の充実を図り、地域の高度先進医療や線量評価の人的、施設的資源を有効に活用することが重要であること。三点目に、放射線と人の健康にかかわる国内唯一の総合的な研究機関である放医研につきましては、被曝医療研究機関としての業務の重点化等、所轄庁におきまして検討が望まれるというような条項を取りまとめたところでございます。

○秋野公造君 私たちは、この緊急被曝医療体制の強化を何度も求めてきました。具体的には、三次被曝医療機関を増やして安心できる体制をしっかりつくっていくべきだということを、これ国会でもう何度言ったか分からないわけでありますが、そのたびに文部科学省は、原子力安全委員会が防災指針を作らないから前に進めないんですと、原子力安全委員会が決めていただかないと私たちは何にもできないんですということをずっと言い続けましたが、今の久住先生のお話を伺いますと、原子力安全委員会から文部科学省に対して緊急被曝医療の強化を行うべきであるという明確な指針は示されたということでよろしいですか。

○政府参考人(久住静代君) 私どもは、昨日の第十四回安全委員会におきまして、今回、防災指針の見直しということで全般的に防災ワーキンググループというものを立ち上げまして、ただいま御紹介いたしました被ばく医療分科会の提言につきましてもその中に盛り込んでございます。関係省庁にこの旨を通知するという手続を昨日取りましたので、先生御指摘の文部科学省におかれても緊急被曝体制の見直しを検討されることと思います。
 ただ、一つ付け加えておきたいと思いますのは、今回の福島の経験を踏まえますと、被曝医療機関は一般防災災害医療機関との連携が必要でございまして、やはり緊急被曝医療を所管する文部科学省と、それから医療を所管する厚生労働省との綿密な連携が必要であると考えております。

○秋野公造君 私も、先生、全科対応が必要だと思います。文科省にしっかり求めていきたいと思います。
 最後に、高速道路を用いた津波対策について伺いたいと思います。
 東日本の震災では、高速道路を使って二百三十名の住民が避難をできたという事例がありました。その事例を基に様々な提案なされております。例えば、南海地震に備えたい宮崎県西都市、吉野さんという市議や高鍋町の徳久さんという町議からも、東九州自動車道の西都インター近くの高速道路ののり面というのは避難に非常に向いているといったような提案というのがあって、こういった話というのは恐らく全国的にもあるんじゃないかと思います。
 災害に強い地域をつくるに当たって、既存の施設をつくって防災を強化していく、その観点から高速道路ののり面を使って避難誘導路を造っていくという考え、いかがお考えでしょうか。

○政府参考人(菊川滋君) お答え申し上げます。
 先生から今御指摘ございましたように、東日本大震災では、これは釜石でしたか、三陸縦貫道路、できているところでございますが、そこが避難場所として使われたとか、あるいは仙台の仙台東部道路が浸水を食い止めるとか、そういった高速道路の副次的な防災機能というのを発揮いたしました。
 こういったことを踏まえまして、国交省で高速道路のあり方の検討委員会を設けておりましたが、昨年七月に緊急提言をいただきまして、高速道路と避難場所といったものを一体的に整備するといった、こういう道路と防災施設の連携というんですか、これを積極的に進めていくべきではないかと、こういった提言をいただいたところでございます。
 今先生から御指摘があったような幾つかの自治体から高速道路を避難場所として活用するという要望も来ております。西都市の方からも西日本高速道路会社の方にそういう協議が参っております。引き続き関係する地方公共団体と協議をいたしまして、前向きに対応を検討していきたいというふうに考えております。

○秋野公造君 終わります。
 ありがとうございました。

○上野ひろし君 上野ひろしでございます。よろしくお願いいたします。
 前回の質疑においても地域の災害対応力の低下という議論をさせていただきました。高齢化、それから過疎化といった点に加えて、災害が発生したときに、まさに地域で様々な活動に従事をされる建設事業者の方々の対応力の低下という話をさせていただきました。それも踏まえて、本日、具体的に何点か質問をさせていただきたいと思います。
 東日本大震災発生から一年を契機にいたしまして、私の地元の建設事業者の団体、群馬県建設業協会でありますけれども、地域の建設事業者の災害応急対策力の低下の現状について調査を行いました。それによれば、十年前に比べて、災害対策基礎人員、災害が発生したときにまさに対応する人員が二四・八%減少している、建設機械の総数が二〇・七%減少しているということでありました。
 これは十年前と比較可能な企業においての減少率でありますので、先ほど青木委員からもお話がありました、そもそも建設事業者の数自体も減っているということで、地域の建設事業者の災害対応力が大変低下をしているということではないかと思います。
 こうした数字を見ても、実際に災害が起きたときに、例えば道路の啓開作業でありますとか復旧・復興作業、これに当たる建設事業者は大変厳しい状況にあるということだと思うんですけれども、その現状についてまずどう認識をされているのか。それから、災害対応だけではなくて、地域の経済を支えるという意味でも建設事業に携わる方は大変重要な役割を担っていると思うんですけれども、建設産業を所管する立場として、津島政務官いらっしゃっておりますので、どう今後建設業界の活性化を図っていくのか。併せてお答えをいただければと思います。

○大臣政務官(津島恭一君) ただいま建設産業のことについて御質問、そしてまた御心配をいただきました。
 まさしく建設産業は、住宅、社会資本の整備の担い手として、同時にまた地域経済、雇用を支える、そしてまた災害対策、除雪といった地域を維持するための事業を担う国土の守り手として重要な存在であるという認識は先生と一緒だと思っております。
 しかし、これまでの建設投資の減少など険しい経営環境が続く中で、従業員数や機械の保有台数が減少するなど、地域を支えてきた建設産業が疲弊してきております。災害対応を含む地域社会の維持の支障を来すということも、これも当然懸念されることだと思っております。
 一方、全国的に災害に強い国土構造を再構築していくためには、地域の特性に応じた地域づくり、国土づくり、これを担う存在である建設産業の存在が不可欠だと考えております。
 このため、地域に貢献できる技術と経営に優れた企業が生き残り成長できるように、入札契約において地域に貢献している企業の適切な評価に努めるとともに、除雪、河川等の維持管理につきましては地域維持型契約方式の導入を進めているところであります。
 また、元請や下請、この企業に対する金融支援を実施するほか、経営相談等の整備等を行っているところであります。
 今後も、建設産業が災害対応を担うなど地域を支えていくことができますように、その活性化に努めてまいりたいと考えております。

○上野ひろし君 ありがとうございます。
 今申し上げた調査の結果についてはお手元にお届けもさせていただいていると思います。是非、それも踏まえてしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 加えて、今の調査を踏まえまして幾つかの提言が出されております。それについても個別に確認をさせていただきたいと思います。
 まず、東日本大震災の発生の後、国でありますとか県、それから市町村、複数の関係機関から建設事業者に対して出動の依頼があったということで、随分現場の方では混乱が生じたケースもあったというふうに聞いてございます。
 そもそも、今申し上げたように、建設事業者の人員でありますとか機械、そういった資源が大変限られているという中で、どこかが一元的にその限られた資源をどこに投入したらいいのかというのを判断をして、かつ、その情報が錯綜することのないように、しっかりとした連絡体制も構築する必要があるのではないかと思うんですけれども、その状況の認識と対応についてお伺いしたいと思います。

○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、国土交通省では、全国の地方整備局、あるいは事務所、これは道路や河川を管理する事務所でございますが、こういったところで建設業の団体の皆様、あるいは建設業の企業の皆さんと、いざというときの円滑な対応ということで協定を締結させていただいております。さらに、先生御指摘のように、都道府県あるいは市町村においても同様な協定を結ばれているところでございます。
 こういった協定の下に、今回も、東日本大震災では、例えば東北建設業協会連合会等との協定を基に地元の建設会社の皆様方の協力が得られたということで、厳しい条件の中でも、状況の中でも、くしの歯作戦などが機能し、初動の対応ができ、一定の評価が得られたというふうに認識しているところでございます。
 ただ、一方で、先生御指摘のように、実際に災害協定に基づいて初動対応をするという場合には、いろんなところからの協定があるわけでございまして、こういったものについて、あらかじめ関係者間で調整をしルール化しておくことが極めて重要、とりわけ規模が大きな災害ほどこういったことが重要になると私どもも認識しております。
 現在、地方整備局では、それぞれの地域ごとに、名称はいろいろございますが、関係の都道府県、自治体等も入ったりする防災連絡会、これは名称いろいろございますが、そういった場がございます。そういう意味では、こういった場を活用しまして、いざというときにあらかじめ備えておくという、効率的な災害対応が行えるような取組をできるだけ速やかに進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○上野ひろし君 是非、現場で混乱が生じないように適切な対応をお願いしたいと思います。
 続けてお伺いをしたいと思います。
 被災地において、まさに災害の発生の後、復旧・復興作業を行う人員、機械が不足をしている場合、ほかの地域から輸送していくということが必要になるのではないかと思います。その際に、そういった移動が円滑になるように、例えば道路通行許可の手続、また有料道路の無料通行措置などを迅速に行う必要があるのではないかと思います。
 東日本大震災の発生の際の対応はどうだったのか、また、今後どのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。本日は、これは幾つかの省庁にまたがる問題であるというふうに聞いておりますけれども、警察庁の政府参考人の方がいらっしゃっておりますので、お答えできる範囲でお願いしたいと思います。

○政府参考人(石井隆之君) 東日本大震災におきましては、広域に人員や物資を輸送する必要がございましたことから、高速道路を中心として緊急交通路の指定を行い、一般車両の通行を禁止して災害応急対策に当たる車両が円滑に被災地入りできるようにしたところでございます。特に、建設機械や資機材を輸送する車両には、交通規制を開始した翌日、これは三月十三日からでございますが、緊急交通路の通行許可証を交付して、道路啓開や復旧事業に支障がないように努めてまいりました。
 警察庁におきましては、先般、東日本大震災の教訓を踏まえ、大規模災害に伴う交通規制の在り方についてマニュアルを取りまとめたところでございますが、このマニュアルでは、災害応急対策にかかわる民間事業者の車両の中でも特に道路啓開や重機運搬を行う車両などについては、災害発生直後から緊急交通路の通行を認めることとしております。さらに、このような建設関係車両につきましては、事前の登録制度を導入して災害発生後速やかな対応をできるようにしたところでございます。
 今後、それぞれの地域の建設業者の方々が災害応急対策に使用する車両について、この事前登録が円滑に進むよう都道府県警察を指導してまいりたいと思っております。

○上野ひろし君 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いいたします。
 今質問の際に申し上げた有料道路の無料通行措置について、これは国土交通省かと思います。東日本大震災の際には円滑な対応に努められたというふうに聞いてもおりますけれども、津島政務官いらっしゃっております、引き続きしっかりとした対応を御検討いただけるようによろしくお願いいたします。
 次に、燃料の確保といった問題についてお伺いしたいと思います。
 今回の震災におきましても、震災の発生後、燃料の確保といった問題は大変に大きな議論があったところかと思います。災害の発生時におきまして、例えば道路の啓開作業、先ほど来申し上げております、そういったことに従事をされる建設事業者の方々に対して必要な燃料をしっかりと確保されるといったことは、その後の復旧・復興作業を円滑に進めていくという意味でも大変大事なのではないかと思います。
 東日本大震災のときの状況も踏まえまして、今後どのように対応されるのか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(安藤久佳君) お答えさせていただきます。
 まさに東日本大震災の際には、東北の被災者の皆さん方を中心にいたしまして、ガソリンを中心といたしました石油製品の供給に大変当初支障を来したということで、私ども大変大きな反省と教訓、これを今後生かさなければいけないという思いでおります。
 今後、この国会にも新たな法案を今提出をさせていただきまして、平時から緊急時におきます石油製品の安定供給をどのように図っていくのか、あるいは二十三年度の第三次補正、来年度予算におきまして、それぞれ拠点になります精油所、油槽所、ガソリンスタンドといったところに現実の製品の備蓄をどう進めていくのかといったようなことにつきまして、できる限りの対策を平時から講じていきたいと思っております。
 その際、特に大事なのは、今先生おっしゃいましたように、各省間の連携と、それと地元のそれぞれの地域の実情に応じた優先供給をどのように行わせていただくのかということだと思っております。まさに先生御案内のとおり、群馬県におきましても、石油の販売業者の皆様方あるいは県との間で災害を想定をいたしました協定を結ばさせていただいております。こういったところに、今おっしゃられましたような建設業者を始めとする復旧復興活動に従事される方々を優先順位の高い形でできるだけ位置付けていただきたいというふうに私どもお願いを、あるいは調整を今させていただいております。
 起きてはいけないことでございますけれども、そういうときに備えまして平時から万全の対策を取って、建設業者を始めとする復旧復興活動の御支援に支障を来さないようにしていきたいと思っております。

○上野ひろし君 ありがとうございます。しっかりとした対応をよろしくお願いしたいと思います。
 続いてお伺いいたします。
 東日本大震災発生の後、通信網が被災をしたという状況がありました。まさに被災地で災害対応業務を行っている建設事業者の活動に支障が生じたという話も聞いております。出動する、どこに行くという連絡が通信手段がないために徒歩でされたというふうな話も聞いておりますけれども、まさに現地で啓開作業、また復旧・復興作業に当たられる建設事業者の緊急時の通信手段をきちんと確保していくということが大事なのではないかと思うんですけれども、どのように対応されていくのか、お伺いしたいと思います。

○政府参考人(鈴木茂樹君) お答えさせていただきます。
 災害時には携帯電話などの通信インフラが被災等により利用できなくなる場合に、そうした事態に備えて被災地域で復旧活動等にかかわる方々の連絡手段の確保に取り組むことは、委員御指摘のとおり、大変重要なものと認識してございます。
 東日本大震災では、携帯電話が利用できない際に、業務用の移動通信システムであるMCA無線、あるいは簡易無線、それから衛星通信といったものが被災地で活用されたというふうに聞いております。また、総務省で保有する衛星携帯電話等の無線機器を自治体に無償で貸与するという取組もしてきたところでございます。
 総務省といたしましては、各地域の方々に比較的災害に強い各種の通信手段を今後に備えて整備、御活用いただけるように情報提供などを行いますとともに、災害時には自治体の対策本部などを通じまして、復旧活動に当たる方々の取組を支援できるよう、無線機器の貸出し体制の強化に努めてまいりたいと思います。
 また、総務省では、昨年、通信事業者など関係者による検討会を開催いたしまして、今後の大規模災害時の通信確保に向けて国や通信事業者などの各主体が取り組むべき事項を取りまとめました。それを踏まえまして、総務省としては、通信事業者の設備の安全・信頼性対策の強化、それから通信混雑の対策技術の研究開発なども進めてまいります。
 今後とも、引き続き大規模災害時における通信確保に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

○上野ひろし君 ありがとうございます。是非しっかりと対応をお願いしたいと思います。
 今、答弁の中で衛星携帯電話という話もございました。総務省さんはお手持ちの分を貸与されたという話もお伺いしましたけれども、各省庁に随分またがった問題であるというふうにも聞いております。是非、通信を所管する総務省さんとしてしっかりと各省庁をまとめた上で対応をお願いできればと思います。
 建設関係で最後にもう一問お伺いしたいと思います。
 建設事業者自身が災害対応力を高めていくという意味からも、国や地方自治体の公共事業の発注におきまして、災害対応業務に従事をされた事業者の災害出動実績というのをきちんと評価をしていくということが大事なのではないかと思います。是非そういった取組を国、また地方自治体の方で進めていっていただければ、各事業者もしっかりと災害対応に日ごろから備えていくということにもなるのかと思います。
 その辺りについて、今後の対応をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、地域の建設企業は地域に密着していまして、災害時の対応とかあるいは除雪対応、そういったものを担っていると。そういう意味におきましても、地域にとって極めて大きな役割を果たす重要な存在であると認識しておりまして、私どももこうした企業が成長できるよう環境を整備することが重要であると考えているところでございます。
 このため、入札契約に関しましては、公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針というのがありまして、これ、平成二十三年八月に閣議決定しておりますけれども、ここで総合評価落札方式の評価項目として、災害時に迅速な対応をしたかどうかと、こういったことにつきまして評価項目を必要に応じて設定するということにしたところでございまして、このことは地方公共団体にも周知しているところでございます。
 なお、国土交通省の直轄工事につきましては、総合評価落札方式におきまして、こうした考え方の下で、災害協定を締結しているかどうかとか、あるいは協定に基づく活動実績がどうかとか、こういったことについて地域への精通度あるいは貢献度を評価しているところでございます。
 今後ともこのような取組を積極的に推進し、災害時における重要な役割を担う地域の建設企業の適正な評価に努めてまいりたいと考えております。

○上野ひろし君 ありがとうございます。是非、各自治体に対する要請等も含めて、今後もしっかりと対応をお願いしたいと思います。
 最後に、時間がないので、まとめて一問、質問させていただきたいと思います。
 環境省さん、いらっしゃっていると思います。下水処理場における汚泥の問題についてお伺いしたいと思います。
 全国の下水処理場において、放射性物質を含んだ汚泥、またその焼却灰が処理をされずに保管場所に積み上がっている問題があるというふうに聞いております。私の地元、群馬県でありますけれども、前橋市の水質浄化センターでその処理が問題になっているというのもつい最近も報道されたところでございます。
 このような状況をどのように把握されているのか。また、八千ベクレルという基準以下のものについてもきちんと国の方で方針なり対応策を示さないと、結局はその処理が進まないのではないかというふうに思うわけでありますけれども、その辺の見解をお伺いしたいと思います。

○政府参考人(伊藤哲夫君) 放射性物質が検出され、従来の処分、利用ができなくなった下水汚泥につきましては、各下水道管理者において新たな処分、利用先の確保に取り組んでいる一方、処分、利用先が見付からない下水汚泥についてはやむなく下水処理場内などで保管を行っていると、こういう状況にございます。その保管量につきましては、国土交通省の調査によれば、本年二月十七日時点において、全国十二都県、合計約十万トンとなっているというふうに承知しております。
 放射性セシウム濃度が一キログラム当たり八千ベクレル以下の下水汚泥につきましては、これは廃棄物処理法が適用されまして、従来と同様の処理方法で安全に処理することができると、こういったことを環境省は明らかにこれまでもしてまいりました。しかしながら、八千ベクレル以下のものであっても、処理が現実には進まずに保管せざるを得ないものもあるということは我々も十分承知しております。国としても、関係自治体と連携して、安全性の周知に加えまして、これらの廃棄物を受け入れることができる処理施設への働きかけを行っているところでございます。
 放射性物質を含む下水汚泥の早期の処分に向けまして、関係自治体などの協力を得ながら、環境省、そして国土交通省を中心に関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと、こういうふうに考えております。

○上野ひろし君 ありがとうございます。
 八千ベクレル超のもの、これは国が責任を持ってということだと思うんですけれども、八千ベクレル以下のもの、これも今実態的には処分が進まないで積み上がっている、保管場所もなかなかなくなってきている、また積み上がっていること自体が周囲の方々からは心配もされているということなのだと思います。是非、処理が実効的に進んでいくように国としても積極的に対応をお願いしたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 一月十八日、当委員会で桜島と霧島山・新燃岳の火山噴火災害の視察を行いまして、私も一緒に行かせていただきました。
 私自身、鹿児島県には何度も訪問をさせていただいたことがあるんですが、桜島に渡ったのは今回が初めてでありました。桜島からの火山灰による被害の様相、例えば農業や漁業の生産物に降った灰がくっついて商品価値が下がってしまったり、子供たちが窓を閉め切った教室の中で遊ばなければならないなど、現地では様々な御苦労があることがよく分かりました。
 それから、新燃岳のある霧島山の周辺五市二町でつくる環霧島会議の各首長さんの皆さんにお話を伺いました。私が感心いたしましたのは、この環霧島会議が年二回きっちり行われていること、それから、そこで二〇〇九年に作った霧島火山防災マップが昨年の噴火の際とても役に立ったというお話でありました。これ、活火山とはいうものの、この霧島山は三百年もの間本格的な噴火がなかったということで、住民の皆さんはもう美しい山と、とても噴火なんか考えられないというふうに意識をされていたようですが、それでも、万が一ふるさとの山が噴火したらどうなるか、専門家の協力も得て防災マップを作ろうと環霧島会議で議論し、作成されたそうであります。
 いただいた防災マップを見ますと、今後、噴火口となる可能性の高い四か所はここだという地図、それから規模の大きな噴火が起こった場合の災害区域予測図、これは四パターン、それから噴火で起こる現象として、噴石、火砕流、熱風、溶岩流、降灰、火山泥流などが記され、いざというときの心得などが分かりやすく示されておりました。
 噴火で起きる現象には、三宅島や伊豆大島などほかの火山が噴火した際の写真が、もし起こればこうなりますよということで挿入されておりまして、この防災マップが作られて約二年後にその写真と同じ現象が目の前で起こったということで、ある町長さんはこのハザードマップに基づいて熱風の避難勧告を住民に出すことができたと語っておられました。
 実は、二〇〇〇年の北海道有珠山の噴火災害の際も有珠山火山防災マップが事前に住民に周知されておりまして、それが力となって、気象庁から噴火二日前に発表された緊急火山情報に基づく住民約一万六千人の避難が的確に行われて死傷者は出なかったというふうに聞いております。
 そこで防災担当大臣に、ちょっと通告にはなかったんですけど、感想で結構なんですけれども、私は、首長と行政が専門家と一緒になってこの火山防災マップを作成する過程で、もしふるさとの山が噴火したらどうなるのかという具体的なイメージを持つことができる、作成の過程で、それが実際の噴火に際して大変大きな力となる、火山防災マップというのはそういう効能があるんだと感じたんですが、感想を、御認識を伺いたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 本当に適切な御指摘をいただいておるんだというふうに思います。
 私も桜島あるいは霧島、この間入って、協議会の活動を見て改めてそのことを認識したのと、それと同時に、やはり一つの山に常時専門家がそれを分析して時間的な経緯の中で観察を繰り返していくという体制と、さっきお話の出た、行政とそれから住民それからその周辺の専門家が組んでいくという、この体制というのは本当に大事だということ、同感でございます。大事な政策をそういう形で進めていきたいというふうに思っています。

○山下芳生君 ところが、全国の火山防災体制はなかなか思うように進んでいないなと思っております。
 そこで、ちょっと数字で結構ですが、日本にある活火山百十のうち、火山噴火予知連絡会によって監視・観測体制の充実の必要があるとされている活火山は四十七火山ありますけれども、その四十七火山ごとに火山防災協議会の設置、それから火山ハザードマップの作成、それから具体的な避難計画の策定、それぞれどうなっているか、お答えいただけますか。

○国務大臣(中川正春君) 四つの要因といいますか、四つの政策をセットで進めなければならないというふうに思っているんですね。
 先ほどお話が出ました火山防災協議会ということ、それからハザードマップの整備、それから噴火警戒レベルの導入火山というものに対しての技術的な、いわゆる研究者としての知見をそれに反映させるということ、それからもう一つ、最後に、具体的で実践的な避難計画の策定ということですね。こうした基準でいきましても御指摘のとおり非常に心細いものでありまして、常時監視・観測体制の必要がある四十七火山のうち、十の火山において火山ハザードマップがまだ作成されていないという状況であります。
 こうしたことを前提にして、二十三年一月に設置をしました火山防災対策の推進に係る検討会というものを設置をしておりまして、それで検討をして、今般、火山防災協議会の設置推進ということと火山ハザードマップの整備促進を内容とした取組の方向性について御意見をいただいておりまして、三月中にこれを取りまとめて発表をさせていただくという予定にしております。
 この検討会の取りまとめの趣旨に沿ってより具体的な検討を行いまして、火山ハザードマップの作成のための指針、これを作成するとともに、その成果の普及や技術的支援などを行うことによって更にしっかりとした取組をしていきたいというふうに思っております。

○山下芳生君 大事なことだと思います。
 私、その際、何で進まないのかといろいろ聞きますと、最大の問題として、自治体に人手が足らない、火山対策になかなか手が回らない実情があるということがあると思うんですね。政府のアンケートによりましても、各市町村の防災担当職員数は一人か二人のところが約五割を占めております。しかも兼務、兼任でありまして、なかなか火山対策に専門的にかかわれない。それから、火山によっては複数の県や市町村にまたがっているために、なかなかこの関係団体が集まることができない、一人、二人ではですね、ということもあるようです。
 そこで、いろいろ今の検討会の指針も踏まえて実際に実施していく上で、やっぱり市町村、県任せではなかなかしんどい面があると思うので、ここはやはり特別な手だてが必要ではないかと。大臣が直接足を運んで、あるいは一か所一か所、国が直接支援チームを送るなど、体制面で国がイニシアチブを発揮するということが大事だと思うんですが、この点いかがですか。

○国務大臣(中川正春君) 国の方でもちょっと調査をしまして、二十三年五月に内閣府が都道府県に対してアンケート、アンケートといいますか、調査をやっております。それによると、火山ハザードマップを整備するための関係機関の連携体制、これが整っていないということ、それから火山災害の経験がない、あるいは噴火活動の兆候がないために、そこまでの切迫感といいますか、必要性が感じられないというふうな反応が返ってきたとか、あるいは専門家と行政の連携ですね、この辺のトータルな形ができていないというふうなこと、いろいろそうした指摘がございます。
 桜島やあるいはさっきの新燃の例でいくと、あの噴火があったときにやっぱり国の方から直接担当がその地域に出向きまして、関係の地方自治体それから研究者含めて一つの協議体、これはコアグループと呼んでいますが、地元では、そうしたものを中心につくって、それから更に広域的にというふうなことをやってまいりました。
 国としても、そうしたところを必要に応じて直接働きかけながら、この協議会の組立てというのをやっていきたいというふうに思っております。

○山下芳生君 それ、大事だと思うんですよね。火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣東大名誉教授が、マグニチュード九の大地震の後では火山噴火の危険性が高まる、歴史上、世界では大震災の後に火山が爆発していると、最近もNHKで報道されていましたけれども、今がまさにそういうことなので、やっぱりここでこれまで遅れていた体制をこの機に確立するということは、国のイニシアチブを発揮してやるべきことだと思います。
 ちょっともう時間がありませんので、順番、二、三問飛ばしまして、次に、昨年の台風十二号による紀伊半島大水害について質問したいと思います。
 今回の大水害では新宮川のはんらんによって大きな被害がもたらされました。実は、奈良、和歌山、三重を流れる新宮川流域には十一の発電専用ダムがありまして、被災した流域の住民や自治体からはダム放流による人災だとの厳しい声が上がっております。これに対して、十一のダムのうち六つのダムを持つ電源開発株式会社、Jパワーはこう言っております。そもそも発電専用ダムには洪水に備えた事前放流の規定はない、上流から流れてきた分はそのまま放流したが、流れてきた以上の放流はしていない、こういう説明をしているわけですね。しかし、大雨洪水警報が出た後で本格的放流を始めたダムもありまして、私自身、あちこちの被災現場でJパワーに対する怒りを住民から聞いたわけであります。
 私は、今回の水害被害とダムの放流についてきちんと検証して、今後の発電ダムの運用改善を行うべきだと考えておりますが、政府として今回の新宮川のダムからの放流と水害被害との関係についてどう評価しているのか、それから、検証を踏まえて、発電ダムの運用改善、しっかりと行わせるべきではないか、この二点、お答えください。

○副大臣(奥田建君) 検証と、そしてこれからの運用ということについて御質問いただきました。
 これからの運用ということについてまず私の方からお話しさせていただきます。
 台風十二号の後、紀伊半島大水害と地元の方では呼んでほしいということをおっしゃっておりましたけれども、国と三県の合同の検討会、合同会議というもので、各省庁全部そろっての災害の対応というものを会議で諮ってまいりました。
 その中でも、委員御指摘の、治水じゃないけど、発電ダムであるけれども、治水に対して貢献できることはないのか、あるいはやるべきことがないのかということを問題提起をいただきまして、そしてまた各県で取り組んでいる事例なども紹介いただいて、そして今現在は、ダム管理者、学識経験者、そして国と三県が入って、この紀伊半島にかかわるダム操作に関する技術検討会、これを開始しております。四月まで四回開催する予定で、今現在、二回が終わっておるところでありますけれども、この中から、しっかりとダム操作、そして情報伝達の現状確認、こういったことをもって、しっかりと洪水前にダム水位を従来以上に低下させること、こういったことを検討し、五月に中間報告としてまとめ、また地元の皆さんにもその結果というものを御相談申し上げる予定でおります。

○山下芳生君 今の話で、もう検証も含めてやっていただいているので、私は非常に大事だと思うんですね。これまで発電用ダムというのは治水には関係ないんだと、流れてきたものを流しているだけであって何の責任もないという態度だったのを、そうはいったってもっとできることあるだろうということで、技術的にも検討が始まって、そういう洪水のおそれがある前には今まで以上に水位を低下させるということも、今Jパワーの方からもそういう意見が表明されつつあるということでございますので、やっぱり私はそういうことを、みんなで知恵を合わせてできることをやるというのが大事だと思うんですね。
 Jパワーは全国の十一の水系に三十三の発電専用ダムを持っております。それから、ほかの電力会社などが持つ全国の発電専用ダムは六十五水系三百二十三に上るわけでして、今回の新宮川流域だけの問題ではありません。ですから、今回、電力事業者も交えて、関係自治体が集まって洪水対策の見直し、知恵出しが議論されている意義は大変大きいと思っております。そこで、検討会でもダムの運用の技術的な検討だけではなくて、降雨量予測の強化あるいは情報伝達方法の改善なども総合的に検討されております。
 やはり、災害時の被害を最小化する減災という考えに立つならば、河川洪水の対策としてはダムの運用と併せていろいろなことができることいっぱいあると思うんですね。したがって、私はこれ各省庁縦割りではなくて、ここはやはり防災担当大臣がイニシアチブを発揮して各水系での総合的な洪水対策に取り組んでいくべきじゃないかと、まだまだやれることはいっぱいあると、それに乗り出すべきじゃないかと思いますが、大臣いかがですか。

○国務大臣(中川正春君) 御指摘のとおり、このダムの運用だけに限らず、様々な分野で省庁の枠を超えて横串を刺してトータルの防災計画を作っていくというのが私の役割だというふうに思っておりまして、そういう意味で積極的に乗り出していきたいというふうに思っております。

○山下芳生君 最後に、この和歌山県新宮市で、何回も行っているんですけれども、聞いた話を踏まえて一点提案させていただきたいと思うんですが、新宮川水系の本流、熊野川の右岸、和歌山県新宮市相筋地区の堤防損壊と浸水被害についていろいろ意見を聞いて、現地を見てまいりました。
 この相筋地区といいますのは、熊野川と背後の山の間に挟まれた細長い住宅地でありまして、四百五十世帯中八割が床上浸水をしてしまいました。住民の皆さんの話では、台風十二号が来る前、一昨年、この同地区の右岸の堤防の補強工事が完了したんですね。しかし、その工事を住民の皆さんずっと毎日見て、このやり方では危ないんじゃないかというふうに感じていたというんですよ。もう長年、熊野川と付き合って暮らしている方々ですから、よく分かるんでしょうね。いろんなことを河川事務所に言ったそうです、問題点を。要望したんですが、なかなかそれが聞き入れられずに工事は完了したと。実際、十二号が来て増水して、心配したとおりに残念ながら水の勢いが増して堤防がえぐられて、あわや決壊寸前というところまでなっちゃったんですね。
 したがって、今回の堤防の損壊の本格的な改修がこれから始まろうとしておりますが、その計画を作るに当たっては、私は事前に地元の住民の皆さんに、こんなのでどうでしょうかと説明を行って、いや、もっとこうしたらどうだという地元の住民の要望もちゃんと踏まえて、今度は本格的な改修計画を作り改修事業に当たるべきだと、こう思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のこの新宮市の相筋地区につきましては、今回の台風十二号で、未曽有の洪水ではありましたけれども、おっしゃるように堤防の損壊というのがございまして、ひとまず緊急対応が必要だということで九月十九日まで、これは完了したところでございます。この後、本格復旧に向けて、現在、激甚災害対策特別緊急事業あるいは災害復旧ということで進めているところでございます。どのような形で復旧をしていくのかと、それからさらには再度災害防止ということが重要になります。こういったことについて現在、工法の検討、あるいは工事の手続、段取り、こういったものについて準備を進めております。
 これまで地方自治体等の関係の皆様方には、災害復旧の方針について説明をし、御意見を伺って進めているところでございますが、今後、早急に地元の住民の皆様方にも説明をさせていただき、十分御意見を伺った上で早急に対応を進めてまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。

○山下芳生君 終わります。

○委員長(松下新平君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
 国土交通大臣の入室を待ちますので、委員の皆様はしばらくの間お待ちください。
 暫時休憩いたします。

   午後四時二分休憩

     ─────・─────

   午後四時八分開会

○委員長(松下新平君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。
 
    ─────────────

○委員長(松下新平君) 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院災害対策特別委員長村井宗明君から趣旨説明を聴取いたします。村井衆議院災害対策特別委員長。

○衆議院議員(村井宗明君) ただいま議題となりました豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 我が国の豪雪地帯は、国土の半分を占め、これらの地域では、冬季の恒常的な降雪、また、近年に見られるような豪雪により、地域住民の日常生活及び地域の社会経済活動は大きな影響を受けております。
 豪雪地帯対策特別措置法は、かかる豪雪地帯において、雪害の防除その他産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策を樹立し、その実施を推進することにより、産業の振興と民生の安定向上に寄与することを目的として、昭和三十七年に議員立法により制定されたものであります。
 その後、議員立法により、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の道府県代行事業による整備などの特例措置及び配慮規定等が追加され、これらの規定により、当該地域の雪害の防除や生活環境の改善等に多大な貢献がなされております。
 しかしながら、豪雪地帯においては人口減少及び高齢化が進み、雪下ろしや雪かきなど、地域の除排雪の担い手不足は深刻となっており、今冬期も、高齢の方を始め多くの方が除排雪作業中に亡くなられております。また、空き家については、雪下ろしがなされないために倒壊する事案が発生するなど、近隣の住民にとって重大な問題となっております。
 さらに、新エネルギーという観点から、近年、雪冷熱エネルギーの活用促進が図られておりますが、我が国が現在置かれている状況及び将来のエネルギーの在り方を考えれば、このような取組を更に進めることが強く求められております。
 このような状況に鑑み、豪雪地帯対策の一層の充実強化等を図るため、豪雪地帯に対する配慮規定等を追加するとともに、本年三月末に期限切れとなる特別豪雪地帯における特例措置の有効期限を、更に十年間延長することを内容とする本案を提案する次第であります。
 次に、本案の主な内容について御説明いたします。
 第一に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯の住民が安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図るため、建設業者の組織する団体その他の営利を目的としない団体等との連携協力体制の整備その他の地域における除排雪の体制の整備を促進するよう適切な配慮をするものとすること。
 第二に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯において、積雪による空き家の倒壊による危害の発生を防止するため、空き家について、除排雪その他の管理が適切に行われるようにするために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。
 第三に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯における雪の冷熱をエネルギー源として活用した施設の整備その他の取組が促進されるよう適切な配慮をするものとすること。
 第四に、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の改築を道府県が代行することができる期限を平成三十四年三月三十一日まで、また、特別豪雪地帯における公立小中学校等の施設等に対する国の負担割合の特例措置の適用期限を平成三十三年度まで、それぞれ延長すること。
 以上が、本法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

○委員長(松下新平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(松下新平君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、平山幸司君から発言を求められておりますので、これを許します。平山幸司君。

○平山幸司君 私は、ただいま可決されました豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  平成十八年豪雪、平成二十二年度豪雪及び今冬の大雪による被害に見られるように、近年、我が国における豪雪被害は、多くの犠牲者を始めとする甚大な人的被害及び社会的、経済的被害をもたらしており、豪雪地帯における市民生活は極めて厳しい状況にある。豪雪地帯における安全で安心な市民生活を確保し、地域経済の発展を図ることは喫緊の課題であり、かかる見地から、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 豪雪地帯における生活は、地域が主体となり、住民の助け合いの精神によって営まれていることから、除排雪における町内会、自治会等の地縁による団体の果たす役割は極めて重要であり、除雪機械の購入費などを含む、かかる団体が実施する除排雪に要する費用に対する市町村による補助について、国としても必要な財政上の措置を講ずること。
 二 地域における除排雪においては、除雪ボランティアが重要な役割を担っているが、円滑かつ安全な除排雪作業のためには、十分な除雪技術と経験が必要となることから、除雪ボランティアの確保と併せてその資質の向上、ボランティアと地域をつなぐコーディネーターの養成等受入体制の整備が不可欠である。このため、かかる地方公共団体の取組に対して支援措置を講ずること。
 三 道路の防雪施設整備については、地域の実情に応じて国による補助が行われており、また、雪崩の発生を予防するための雪庇の排除についても、費用の一部を国が補助できることとされているが、近年、大雪による道路交通の麻痺という問題が頻発していることから、地方自治体が交通を確保できるよう、また、雪崩による道路閉塞等への被害を未然に防ぐことができるよう、国として必要な財源を確保し、更なる制度の拡充について検討すること。
 四 農道は農作業のみならず日々の生活のための道路としても利用されており、その除排雪は住民の生活にとって極めて重要であることから、豪雪地帯において地方自治体が行う農道の除排雪についても、地方の負担の軽減を図ること。
 五 本来所有者が適正に管理すべき空家について、地方公共団体が空家の積雪による倒壊等による危害の発生を防止するための管理を適切に行うことができるようにするため、国は、空家の除排雪その他の管理、管理に要する費用の負担の在り方等について指針を示すとともに、必要な財政上の措置等を講ずること。
 六 近年の我が国の豪雪被害に鑑み、必要な施策を適時適切に行うために、本法による施策の効果について、三年後を目途として検証し、その結果を当委員会に報告するとともに、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

○委員長(松下新平君) ただいま平山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

○委員長(松下新平君) 全会一致と認めます。よって、平山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、前田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前田国土交通大臣。

○国務大臣(前田武志君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。

○委員長(松下新平君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○委員長(松下新平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
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