三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

  • Profile
  • 活動報告
  • 政策について
  • かわら版
  • 事務所案内
活動履歴
  • メニュー
  • 活動履歴
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • ホームへ戻る
事務所案内

中川正春事務所

〒513-0801
鈴鹿市神戸7-1-5

059-381-3513

地図はこちら

国会事務所

〒100-8981
東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館519号室

03-3508-7128

地図はこちら

内閣府特命担当大臣

参議院 予算委員会 会議録(部分抜粋/山本委員、秋野委員)

平成24年3月16日(金)

○委員長(石井一君) 次に、山本博司君の質疑を行います。山本君。

○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 本日は、社会保障の集中審議ということで、年金制度と子育て支援、そして公明党が主張します新しい福祉社会についてお伺いをしたいと思います。
 まず初めに、年金制度についてお聞きをいたします。
 これまでの議論の中で、公明党は、社会保障について議論するのであれば、まず社会保障の全体像を示すべきである、特に年金改革については、政府が今回の一体改革と同時に改革案と財源を示すことが議論の前提であると、このように訴えてまいりました。しかしながら、今回決定をした社会保障と税の一体改革、民主党がこれまで反対をしてきた現行制度の改善案ばかりでございます。肝心の年金改革法案、来年に先送り。まさしく民主党が八年間提唱をして、議論をして、まとめることができなかった。一年間でできるか、全然そういう部分は負わないわけでございます。
   〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
 そこで、厚生労働大臣にお聞きをいたします。
 今回の大綱では、公明党が主張してきた二十五年から十年への年金の受給資格期間の短縮、また、低所得者への年金加算などを取り入れて現行制度の維持強化を打ち出しています。なぜこの現行制度を改善することになったのか、その理由をお伺いをしたいと思います。

○国務大臣(小宮山洋子君) 今、新しい年金制度については、度々申し上げているように、来年度の通常国会に提出すべく党の方とも議論をしているところです。
 これは、やはり全体に新しい年金制度が必要だということは、御承知のように、国民年金がなかなか構成の人員も変わって未納、未加入が増えているというようなこと、それから働き方も変わって、夫一人が働いているんじゃないということ、信頼されていないということから、私どもは最低保障年金と所得比例年金ということを申し上げ、皆様方は今のも、改善すればいいと。それはそれで、ゴールを目指して国民的な議論をしていけばいいというふうに思うんです。
 ただ、公明党さんがずっと御指摘をされていたように、今の制度の改善が必要なところは、それは一つ一つやっていく必要があると思いましたので、新しい年金についての議論とは別に今の制度の改正ということはしっかりと取り組みたいということで、御党も御主張されていたことも今回出させていただいているということでございます。

○山本博司君 今回改善をされることになる現行制度、民主党は今まで何というふうに言ってきたかと。自公政権がこの年金改革を断行した二〇〇四年、民主党は徹底的にこの現行制度を批判をしていました。特に、野田総理も二〇〇四年の八月四日の衆議院財務金融委員会で、年金改革は明らかに破綻している、そう国民の不安感をあおっていました。
 三月十三日、この予算委員会でございますけれども、我が党の木庭幹事長の質問に総理は、現在の年金制度は破綻するということではございませんと、こう明確に答弁をされております。二〇〇四年当時は破綻をしている、今は破綻していない、その認識の変化はいつあったんでしょうか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 現行の年金制度がマクロ経済スライドであるとか、あるいは基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げることを決めていることなど、あるいは平成二十一年の財政検証でも、将来にわたり年金財政の給付と負担の均衡が図られていることは確認をされているということなどから、破綻をしているということは、これは言えないというふうに思います。
 ただし、二〇〇四年のころの問題意識とも共通していることは、課題は間違いなくあるんです、改善しなければいけないこと。それは、人口構成や産業構造が大きく変化をしている中で、一つには、将来の年金財政の見通しについて国民の信頼が得られていないということ、それから、夫が終身雇用で妻が専業主婦という、こういう古いモデルを前提に制度がつくられていること、それから、国民年金において非正規雇用の増大や未納・未加入者の問題が大きくなっていること、当然この先には無年金、低年金の問題に対応しなければいけないということも出てまいります。というような課題があるということは、これ間違いございません。それをもってちょっと強く言ったのが二
〇〇四年でございますが、破綻をするということではございません。

○山本博司君 それは反省をしているということですか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 問題意識の根幹は変わっていません。課題があるということは間違いないと思います。

○山本博司君 この具体的な形の改善案、早く決めてそのスタートをするのであれば、多くの人たちが救済をされたはずなんです。やっぱり認識が甘いということが言えると思います。
 特に、次の記録問題ということでお伺いをしたいと思います。
 民主党はマニフェスト二〇〇九において、この年金記録問題、国家的プロジェクト、こういうふうに位置付けて二年間集中的に取り組むと、このように言ってきましたけれども、進捗状況は一体どうなっているんでしょうか。

○国務大臣(小宮山洋子君) いわゆる宙に浮いた年金記録であるおよそ五千万件、これらの未統合記録につきましては、これまでねんきん特別便などの取組によって解明作業を進めてきました。その結果、直近の平成二十三年十二月時点では、およそ千六百十五万件が基礎年金番号に統合済みです。既に亡くなられているなど一定の解明がなされた記録がおよそ千五百四十五万件、特別便等によって解明作業が進展中の記録がおよそ九百六十八万件、今後更に解明を進める必要がある記録はおよそ九百六十七万件まで減少しているというのが現状です。

○山本博司君 これは三千五百万件がまだということなんです。二年間もう過ぎてしまいました。マニフェストの違反じゃないですか。
 この二〇〇九年のマニフェストの中に年金通帳の交付ということを言われております。この年金通帳、これは断念をされたんでしょうか。今どうなっていますでしょうか。

○国務大臣(小宮山洋子君) 年金通帳は、納めた保険料、そして受け取る年金額、いつでも御自身で御確認いただくためにマニフェストでも年金通帳ということでお示しをしてやってきたものですが、この年金通帳の在り方につきましては、有識者による検討会を開きまして、公聴会ですとかアンケート調査などを基にして検討していただきまして、昨年十一月にインターネットを活用して年金通帳の実施に関する提言をまとめていただきましたので、今後、この提言を踏まえまして、インターネットを活用したe―年金通帳、これは仮称でございますが、この実施に向けて準備を進めていきたいと思います。

○山本博司君 民主党はその当時、このインターネットを使うというところに関して、高齢者とかパソコンの不慣れな人に対してこれ批判をしていたのが民主党さんじゃないですか。おかしいじゃないですか。この年金通帳は断念されたんですか。

○国務大臣(小宮山洋子君) インターネットを使ったものをベースにしながら、それを持っていらっしゃらない方には紙で出すということも並行して検討を今しているところでございます。

○山本博司君 結局、言っていることと違うということですね。やはり、今民主党さんが言われていること自体非常に疑問点が多いということでございます。今、この年金制度のことに関しまして国民にとって一番知りたいことというのは、この現行制度と民主党が主張する新しい改革案を比較して一体国民がどれだけの負担をするのか、そしてどれだけの給付を受けることができるのか、これが一番大きな課題であると思うわけでございます。
 今の、今日の議論も含めて、国民的な合意に向けて実現可能な案を提出して検討できる議論の土台をまずつくることが一番大事だと、こう思いますけれども、総理の見解をお聞きしたいと思います。

○国務大臣(岡田克也君) 今委員、負担と給付の額ということを言われました。それはもちろん基本的なことではございます。ただ、例えば生活保護というのもあります。このままいけば、年金に未加入とかあるいは非常に低額しか受け取れない方が増えていけば、それは生活保護という形で別の形で国の支出をしなければならないということにもなります。ですから、負担と給付だけではなくて、もう少し大きく見て、そして全体の制度の優劣ということを議論する必要があるというふうに私は思っております。そのためにも、これは超党派でしっかり議論する場が要るのではないかと思います。
 私、二〇〇五年のときに、先ほど二〇〇四年のお話されましたけれども、民主党の代表として、衆参の年金等社会保障制度協議会を設置をいたしまして、いい議論も大分行われたと思うんですね。しかし、残念ながら郵政解散によって途中で中途半端に終わってしまいました。あのときにもう少しきちんと続けることができたらなという思いは今私ございます。
 是非各党で、国会でやるか、あるいは国会の外でやるか、いろんなオプションはあると思いますけれども、国民の立場に立ってどういう制度がいいかということをしっかり議論する、そういう時期に来ているんじゃないかと、こう思っておりますので、今までいろいろ御無礼はあったかと思いますけれども、そこはお許しをいただいて、よろしくお願い申し上げたいと思います。

○山本博司君 実際この公表された試算の中では、今の消費税五%よりもプラス七・一%増えてしまう、そして最低保障年金をもらえるのは月額七万円は四十年先であると、様々な課題があるわけでございます。しっかりこの点を含めてやっていただきたいと、こう思う次第でございます。
 次に、社会保障の充実という観点から今日はお聞きをしたいと思います。
 我が党は、一昨年、平成二十二年十二月に新しい福祉社会ビジョンというのを発表いたしました。この新しい福祉社会ビジョンは日本の新たな福祉社会像の方向性を示すもので、年金、医療、介護などの社会保障制度の機能強化とともに、社会の新たな病理的側面に対応する新しい福祉の理念の下、孤立から支え合いの社会の総合的な対応策を提言をしております。
 我が国は今、超高齢化、また人口減少社会の到来で、将来に対応する見通しが不透明さを増しております。そして、ここにも、パネルにも出ておりますけれども、(資料提示)貧困、格差の拡大、雇用の二分化、社会的引きこもりの増加、高齢単身世帯の増加など課題に直面をしているわけでございます。今大きな問題となっております孤立化も大きな課題です。しかし、家族構造の変化や児童虐待、家庭内暴力といった問題を抱える家族の増加、うつ病や発達障害、自殺の増加といった問題に対して、現状は社会保障制度を含む十分な対応ができていません。
 こうした新たな課題に対して、我が党は支え合いの社会の構築ということを目指しております。特にソーシャルインクルージョン、日本語では社会的包摂というふうに言われておりますけれども、安心した生活ができなくなる要素を取り除いて、年齢、性別などを問わず、あらゆる人々が社会参加を続けられる取組について指摘をしております。
 今日は、こうした新しい福祉に関する個別の課題に関しましてお聞きをしたいと思います。
 まず、難病対策に関しましてお聞きをします。
 今回の大綱の中では難病対策に関する項目が明記をされております。しかし、その内容は引き続き検討するという、こういう項目でございます。難病患者の方々の声にこたえていないということを多くの方から聞くわけでございます。民主党政権になってから新しくこの難病に指定をされた数は幾つあるのか、このことをまずお聞きをしたいと思います。
 そして、難病相談・支援センター、今現状、こうした難病の方々が相談を、支援をするという、そういう意味では大変大事な役割のあるセンターでございますけれども、その予算が、自公政権時代は二億六千万円の予算がございましたけれども、今、平成二十四年度の予算では一億六千万円と大幅に減額をされているわけでございます。今難病患者の方々にとりましても大変大きな課題でございます。今、法整備に向けて具体的に推進をされているということでございますけれども、いつまでにどのような結論を出すのか、お伺いしたいと思います。

○国務大臣(小宮山洋子君) 難病につきましては、平成二十一年十月に十一疾患を追加したところでございます。難病につきましては、今までいろんな政策が取られてきましたけれども、これは抜本的に法を整備をしていく必要があるということで今検討させていただいています。
 難病対策につきましては、医療費助成、治療研究の推進、福祉サービスの充実、就労支援など、いろいろな課題がございます。政権交代後、平成二十二年四月に新たな難治性疾患対策の在り方検討チームを設置し、厚生科学審議会の難病対策委員会を昨年九月から合計九回開催いたしまして、さらに、より専門的に検討するために二つの、医療ワーキンググループと看護・介護等ワーキンググループを設置をいたしまして、今見直しを精力的に進めているところです。
 今年二月に閣議決定されましたこの大綱では、難病の医療費助成についても、今申し上げた法制化も視野に入れて、助成対象の希少・難治性疾患の範囲の拡大を含めて、より公平、安定的な支援の仕組みの構築を目指す、このことを明記いたしました。今後もこの方針に沿って抜本的な見直しをできる限り早期に実現したいと思っています。
 なお、平成二十四年度予算案では、医療費助成である特定疾患治療研究事業については、平成二十三年度予算二百八十億円から七十億円増額をした三百五十億円を計上しているところでございます。

○山本博司君 この難病に関して、医療費助成に関して一千二百億円掛かっているわけでございます。世界で五千から七千というふうに疾患がございますけれども、この難病指定、百三十の今指定でございますけれども、全然動いていないわけです。多くの難病患者の方々はその研究の指定ということを来ているわけですけれども、この二年半、民主党政権になって難病の指定が全くないということがございます。現状としてやっぱり大変困っていらっしゃるわけです。
 そういう中で、ちょうど自公政権時代に難病のそうした研究の予算を四倍に、百億円に拡大して研究の一つのものが広がりました。平成二十一年度からこうした難治性の疾患克服研究事業という研究奨励分野、今二百十四の疾患まで広がっているわけでございます。ところが、この研究事業が三年間で、今年三月では終了するわけでございます。この二百十四の疾病の方々、疾患の方々は、何とかその研究を続けてもらいたい、様々な形でそういう要請をいただいているわけでございます。先日も、再発性多発軟骨炎の患者の方々、木庭幹事長と一緒に厚生労働省に十万人の署名を持ってお願いに参りました。今厚労省の中でグルーピングをして単独のそうした研究の事業を、研究の内容を減らすんではないかという、そういう心配が難病の会の方々はたくさんあるわけです。
 この点、今どうするのかということをお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小宮山洋子君) グループ化もしておりますけど、今御指摘の件など非常に希少で必要のあるものについては、引き続きできるような形で今取り扱いたいというふうに考えています。

○山本博司君 それでは、具体的にそれを推進をしてやっていくということでよろしいですね。
 次に、同じように難病の方々とやはり制度のはざまで大変困っていらっしゃる問題が引きこもりということでございます。
 社会的な引きこもりということで、今平均年齢が三十歳前後というふうに言われております。長期間、十年もそうやって若者が引きこもってしまうということで社会問題化している状況もございます。厚労省の調査では二十六万人、総務省では七十万人という形で、多くの方々がいるわけでございますけれども、この点に関しまして、それぞれ中川大臣、厚労大臣から現状と対策をお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(中川正春君) 大変重要なポイントを示唆をしていただいておると思います。これだけ変化のある社会、そして複雑な価値観の中で生きていく社会の中では社会的な包摂ということが非常に大切だということ、我々もそれを肝に銘じてやっていきたいというふうに思っています。
 平成二十二年の二月に統計が出ているんですが、全国の十五歳から三十九歳の者を対象として内閣府が調査を実施いたしました。ずっと段階があるんですけれども、自室からほとんど出ないという者、これが四・七万人ですが、それからずっと見ていって、ふだんは家にいるが自分の趣味に関する用事のときだけ外出する、こういう人たちも含めていきますと何と六十九・六万人という皆さんが引きこもりという状況になっております。
 人間関係がうまくいかなかったことだとか、職場や学校などになじめないとか、あるいは小中学校のころに我慢をすることが多かったり不登校を経験したりしていたという、そういう背景の中でのことなんですが、この六十九・六万人というのは非常に深刻な状況であるというふうに認識をしておりまして、しっかりとした対策を立てていくということだと思います。

○国務大臣(小宮山洋子君) この引きこもりは御本人にとっても御家族にとっても大変重要な問題で、しっかり対策を取らなければいけないというふうに思っています。
 引きこもりの方々に対しましては、これまでも都道府県の児童相談所、精神保健福祉センター、保健所、市町村、こうしたところで相談支援を行っています。また、厚生労働省、内閣府では引きこもり相談の研修を行って今専門家の育成を行っているところです。
 平成二十一年度からは、都道府県や指定都市に引きこもりに関する専門の相談窓口としてひきこもり地域支援センター、この配置を進めまして、現在、三十二の自治体で三十四か所が開設をされています。また、平成二十二年度には、ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン、これを策定いたしまして関係機関への配付とか周知を行っていますので、まだまだこの分野、緒に就いたばかりだという認識は持っていますけれども、しっかりと皆様の御意見も伺いながら効果的な支援をしていきたいと考えています。

○山本博司君 この引きこもりの方々、家族会という形でKHJ家族会ってあるわけですけれども、私も中国、四国を回らさせていただいております。特に今、お手元の資料にこのひきこもり地域センターがございますけれども、予算は国が二分の一、それから県が二分の一でございます。やはり、第一次的な対応ということで、家庭訪問を中心とした支援とか、またそういった方に対して具体的に居場所づくりをどうしていくとか、また様々な形での相談ということでは大変大事な役割の部分でございます。ただ、なかなか財源が厳しいということで、私も地元の県会議員の方々と県に行き、また公明党の県会議員の方に質問をし、そして一つ一つ、四国には全県が設置をされましたけれども、まだまだ半分の状況なわけでございます。
 やはり、こうした引きこもりの家族の方々というのは全く支援がないわけです。唯一このひきこもり地域センターというのが、そこで具体的な相談に乗り、そしてこうしたアウトリーチという、実際なかなか出てこれないですから、そこに精神保健士の方とか行っていくという、アウトリーチ、訪問支援をするということが大変大事なんですけれども、まだまだそれができていないということなんです。これは是非強化をしていただきたいんですけれども。

○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるとおり、私もまだまだだと思っています。
 ようやく、ひきこもり地域支援センターで今年度から家庭訪問、アウトリーチによる相談支援を始めまして、国庫の補助額をほんの少しですけれども増額をさせていただきました。でも、まだまだ足りないと私も思っています。
 是非これから実施状況をしっかりと把握をした上で更にこの部分は強化をしていきたいと思いますので、財源の確保も含めて内閣の中でしっかり相談をしていきたいというふうに思います。
   〔理事川上義博君退席、委員長着席〕

○山本博司君 この引きこもり、やはり社会にどう復帰させていくかというのが大変大事でございます。
 引きこもり外来ということで、十年間、精神科医として社会参加のプログラム、これをずっとやってこられた方がいらっしゃいます。この十年間の中でそういった方に対する精神療法とか薬物療法とか、また居場所での交流とか、体力の回復に伴う様々なそうしたプログラムでございますけれども、外来を受診した人の、二百十名おりますけれども、百七十四名が社会に参加することができた、そして七三%の方が初めてそうした引きこもりから脱却をできたという、そういう部分がございます。ただ、まだまだこうした引きこもり外来という制度もほとんど少ないということでございます。
 総理、今総理自身が分厚い中間層の構築ということを言われておりますけれども、こうした七十万人とも百万人とも言われる若い青年をどう社会に復帰していくか、そういう意味で大変大事だと思っておるんですね。総理、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 引きこもりということは、御本人あるいは御家族のその心情をおもんぱかると大変大きな問題だと思いますが、その中で、その御本人の意欲と能力が発揮できない状況というのは、これは社会にとって損失だと思います。
 先ほど、引きこもりのための対策が徐々にでありますけれども進んでまいりました。ようやくアウトリーチまで出てきたということでございますが、そういうことを進めながら、やっぱり引きこもりがだんだん解消されていくことは分厚い中間層の復活につながるという、そういう視点からも大事だということを委員の御質問を聞きながら改めて認識をしましたので、厚労省としてもこれから取組を強化すると思いますが、私もその動きを後押しをしていきたいと思います。

○山本博司君 是非とも推進をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、発達障害の方々に対してお聞きをしたいと思います。
 今、私も全国回らせていただいておりますけれども、発達障害で大変困っていらっしゃる方々の声、また家族の方々、支援者の方々の声をたくさん聞きます。今実際、この発達障害、自閉症とかADHDとか学習障害とか、こう言われている方々、百万人とも二百万人とも、いるんではないかと言われております。
 実際、こういった実態の調査はされておりません。十年前に小学校、中学校でされたときに六・三%の数字が挙がっておりますけれども、大変厳しい実態でございます。そして、そうした支援の制度もありませんから、例えば、早期の発見、早期の療育が大事なんですけれども、専門のお医者さんがいない、特に児童の精神科医の方がいない、行っても診断書を何か月間も掛かってしまう、こういうこともございます。また、学校では、支援員の方とか特別支援教育とか、そういう制度がやっと支援法ができてスタートをしたわけですけれども、まだまだ支援員の方が少ないという課題もございます。そして、就労ということになりますと、まだまだそういう支援が福祉の政策の中でもない。
 やっと今回、障害者自立支援法の改正とかまた障害者基本法が超党派で、公明党も推進をしましたけれども、成立をし、そしてそこに、障害者の範囲に発達障害ということが明記されました。これからがスタートでございますけれども、例えば学校教育の中で学校教育基本法に発達障害ということが明記されていないんです。何とかそういったことを推進していただきたい、こういうことを言われております。厚労大臣と文科大臣にお聞きしたいと思います。

○国務大臣(小宮山洋子君) この発達障害ある方に対する支援については、平成十六年に超党派の議員立法で成立した発達障害者支援法、これに沿って乳幼児期から各時期についての支援の充実に今取り組んでいるところでございます。このとき私も内閣委員会にいまして、一緒にこれを作るのに参画をさせていただきました。地元でも非常に力を入れている方があって、私も先日もその施設に行っていろいろ実情も伺ってきたところでございます。
 発達障害者の支援センターによる相談ですとか、発達障害児の早期発見、早期支援のための巡回支援事業の実施など、きめ細かな支援を今しているところです。就労支援につきましては、ハローワークに専門の相談員を配置をして、発達障害の方を雇用した場合の助成を実施するなど取組をしています。
 さらに、平成二十四年度予算案では、巡回支援事業の実施自治体の拡大を図るということが一つ、また、今回の震災を踏まえた発達障害の特性に配慮した防災拠点の整備、そしてハローワークに配置する専門の相談員数の拡充、この経費を来年度予算に盛り込んでいます。
 また、今委員から御紹介いただいたように、発達障害、従来から精神障害の範囲に含まれていて障害福祉サービスの給付の対象になっていましたが、障害者基本法ですとか障害者自立支援法、児童福祉法の改正によりまして法律の対象となる障害児者として明確に位置付けられましたので、これによりまして発達障害の方が障害福祉サービスを利用しやすくなると考えています。
 引き続き、文部科学省など関係省庁と連携を取りながら発達障害の方の支援に更に力を入れていきたいと考えています。

○国務大臣(平野博文君) 先生御指摘のように、この問題は、いかに早く発見するか、見付けるかということが非常に大事な要素でございます。今日までも、自閉症の発達障害、この定義がいろいろな定義がございます。そういう中にあって特に教育現場におきましては、そのことをいかに早く発見をするか、それによっていかに丁寧にそのことについて対処するかと、こういうことが大事でございます。したがいまして、小学校、中学校、高等学校において発達障害のある児童生徒への特別支援教育の充実は極めて重要であると認識をいたしております。
 発達障害のある児童生徒に、早期から実態を把握をし、その状態に照らして一人一人の教育的ニーズに応じた適切な教育を行うことができるように、三点の考え方で対処をいたしております。まず一つは、通級による指導の充実など教職員の定数を改善をいたします。二つ目は、特に日常生活における介助あるいは学習指導等の支援を行う特別支援教育の支援員の配置の拡充をいたします。三点目、早期からの教育相談。保護者との、保護者においても自分の子供がそういう状態になっているかということもなかなか分かりにくいということもあるものですから、保護者と連携した実態把握、支援方策を検討する学校内における委員会の設置等々、あるいはコーディネーター、教員の専門性をより高めていくと、こういうことで体制整備を図っているところでございます。
 特に、今回におきましても、二十三年度、二十四年度におきましても幼稚園、小中学校、高校におきましても、特別支援教育支援員の配置に係る部分につきましては約二千七百人を増やして拡充をしているところでございます。

○山本博司君 まだまだその対策というのはこれからだと思いますので、是非とも推進をお願いをしたいと思います。
 今、発達障害は超党派で議員連盟ができております。今日、実は昼休みに発達障害の議員連盟の方と四月二日の行事の件で打合せをされました。
 総理は、四月二日、どんな日か御存じでございますか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国連が定めた世界自閉症啓発デーであると。今胸を張って言えたのは、通告があったので予習ができました。ありがとうございました。

○山本博司君 世界自閉症啓発デーということで、ちょうど平成十九年に国連で決定をして、全世界がこの自閉症の応援をしていこうということでいろんなイベントが行われているわけでございます。ライトアップも約二千か所で、四十八か国ですか、行われているということでございます。様々やはり国を挙げて、アメリカなんかは物すごいお金を掛けてやっているわけですね。
 今、発達障害の連盟の方、百五十名おられますけれども、やはり国を挙げてこうした発達障害の方々の支援、国会でもこの四月十日に自閉症の映画の鑑賞会を持つ予定で今計画をしております。二年前にもこの国会で自閉症の方々の支援ということでの上映会をやりました。是非、総理、この発達障害に対する取組を、決意をお聞かせいただきたいと思います。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 山本委員におかれましては、議員連盟の副会長として本当にこの問題に一生懸命取り組まれておりますけれども、やっぱり大事なことは、それぞれのライフステージにおいてきちっとした支援をしていくことだと思うんですね。子供のころの対応、教育の対応あると思います、若いころになったときの就労の問題があると思います、等々ですね、そうしたものを包括的に支援できるように心掛けていくことが大事だと思いますので、この問題については私自身も、社会的包摂という概念、とても大事な概念だと思いますので、光が当たるように、もっと光が当てられるように予算的にも対応できるように取り組んでいきたいと思います。

○山本博司君 是非とも、総理、お願いをしたいと思います。
 次に、孤立死の問題ということでお伺いをしたいと思います。
 今年に入ってから立川市、さいたま市、札幌市など孤立する事例が各地で相次いでおります。今回の事例では、独居の高齢者や単身世帯ではなくて、世帯主である親や姉が先に死亡したために、同居していた子供、障害がある子供とか妹が衰弱死したのではないかと言われております。救える命があったのではないかと思うと大変に痛ましいと思います。
 公明党は、この問題、地元の市会議員の方と連携を取り、集まりまして、事例ごとの経緯、また取組、問題点を検討してまいりました。この孤立死の問題に対して政府としてどのように取り組んだのか、まず御報告をお願いしたいと思います。

○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるように、やはりこの孤立死は、特に都会の中で隣のことが分からないというそういうこともあるかと思いますので、地域住民の方たちが見守る必要があり、それをどう支援していくかということにもっと知恵を出し、また支援も徹底していかなきゃいけないと思っています。
 今、独り暮らしの高齢者などについては、民生委員ですとか社会福祉協議会による見守り、それから相談支援、これが実施をされています。このほか、厚生労働省では、各市町村で地域包括支援センターなどを活用をして、地域住民による見守り活動などの支援ができるようにネットワークの構築などを今進めているところです。
 また、最近の孤立死の事例を受けまして、二月二十三日に地方自治体に対して通知を出しまして、電気、ガス会社等の事業者との連携強化を徹底をして、新たに地方自治体の福祉担当部局に情報を一元的に受け止める体制、これを構築するように要請をしたところでございます。
 是非、地方自治体で生活困窮などによって生存の安否ですとか健康状態が疑われる方の情報把握、これを行うための方法の検討を行い、また関係機関とも調整を速やかに進めて、こうしたことがなくなるように努力をしていきたいと思います。

○山本博司君 今回の事例では、電力やガス、水道などの共通してライフラインが止まってしまって公共料金が滞納をされていると、こういうケースが多くあったわけでございます。もし滞納しているという情報を自治体が共有していれば防ぐことができたと、こう思われるわけでございます。
 この電気・ガス事業を所管しているのは経産大臣、また水道事業を所管をしている厚労大臣、お聞きをしたいと思います。今、電気、ガス、水道、この事業者が、利用者が生活に困窮をして料金を滞納、停止する、こういう状況があった場合に自治体に情報提供すると、こういうことは現状で可能になっておりますか。

○国務大臣(枝野幸男君) むしろ、可能というよりも、平成十四年に福祉部局との連携について各電気事業・ガス会社あてに通達を出しているところでございまして、料金未払による生活困窮者と把握できた場合には、是非早期に福祉部局に連絡するよう要請しているところでございます。

○国務大臣(小宮山洋子君) 地方自治体の水道部局に対しまして、本当に生活に困って料金を滞納している水道利用者に対しましては機械的に給水を停止しないこと、また福祉部局との緊密な連絡連携体制を構築することを通知をしていまして、まだ一部ですけれども、自治体では既にその連絡体制をつくっているところもありますので、それを更に広げられるようにしていきたいと思います。

○山本博司君 現状では情報提供は可能で通知も出してやっていらっしゃると、こういうことでございますけれども、現実には、個人情報保護、この問題が壁となって情報提供がされていない場合が多いというふうに言われております。実際、二〇一一年の厚労省の調査によりますと、自治体への情報提供は、電力会社では七%、ガス会社では四%にとどまっています。水道部局は四四%。ですので、電気、ガスなどの民間業者は本人の承諾がないと、この個人情報という問題がハードルとなって情報提供ができないと、こうされているわけでございます。
 配付した資料の中に個人情報保護法の内容が書いております。第十六条、第二十三条に、人の生命、身体、財産の保護のために必要があって、本人の同意を得ることが困難であるときに第三者に情報提供を行うことが可能であるという、この個人情報、十六条、二十三条の条文の解釈がございます。ですから、現行の個人情報保護法の解釈でも民間事業者はその情報を自治体に提供できるということなんです。
 ですから、これは再度徹底をするということをやっていただきたいんですけれども、いかがですか。

○国務大臣(枝野幸男君) 特に電気事業者等からの連絡が少ないという実態もあるようでございます。
 御指摘のとおり、恐らくこの場合、二十三条ではなくて十六条の方に該当するんだというふうに思いますが、明らかに個人情報保護の適用除外に該当する、つまり、困窮が原因によって料金が止まっている等と把握できたときというのは、その情報を使うということについて個人情報保護法の適用除外の対象であるというふうに思いますので、既に本年二月の埼玉における生活困窮者の餓死事件等を踏まえて厚生労働省から通達が出され、それについて重ねて経済産業省として電力・ガス事業者に対し周知を図ったところでございますが、重ねて御指摘いただきましたので、この個人情報保護法の例外に当たるんだということも改めてガス・電気事業者に通知をしたいというふうに思います。

○山本博司君 是非とも、この孤立死を防ぐということのこの体制、これを全力で行っていただきたいと思います。
 この個人情報保護という問題に関しては、これは大震災での災害弱者、障害者の方々の安否確認というのがこの個人情報という問題がハードルとなってなかなかできなかったというのは、私も何度もこの予算委員会で質問をさせていただきました。命を守るという観点から、この個人情報保護法の在り方に関しましてもう一度見詰め直すことが必要ではないかと、こう考えております。
 こうした孤立死の課題も含めまして、大事なのは、地域の見守りシステムの再構築ということが必要ではないかと思います。子供支援ネットワークとか地域包括センター、民生委員、児童委員などの子供や高齢者、障害者を見守る既存の制度、これをもう一度見直していくと。そして、電気とかガスとか水道、郵便、新聞、飲料等の民間事業者から情報提供するというこの新たな取組を視野に入れて、総合的なやはり地域見守りシステム、この再構築が必要ではないかと思う次第でございます。
 今回も様々な話は各省からお聞きをしますけれども、それぞれがばらばらに情報が行っていて、具体的な形というのはなかなか先に進まないということがございました。これは総理、各省一体となってやはり政府が取り組まないといけない、国がこのことを取り組まないといけない。このことはいかがでしょうか。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は、これ、孤老死の問題だけではないと思うんですよね。というのは、ある郊外の団地に行ったときに、お二人の老夫婦の御家庭ですが、ずっと家賃滞納が続いて立ち退き寸前という状況だったんですけれども、後でそういう見守りのサービスのおかげで分かったということなんですが、お二人とも認知が進んでいたと、同時に。ということで、その年金をお子さんがずっと流用しちゃってしまっていて、お二人がまさに立ち退き寸前というケースもありました。
 というようなことが、孤老死の問題もありますけれども、いろんなことが今地域の中で起こり得るという状況の中で、地域と民間とが連携をしながら見守っていくシステムということが大事だと思いますので、それはやっぱり国がちょっと全体を見ながら後押しをすることも必要かもしれませんので、地域包括ケアシステムというのはまさにその一つの方向だと思いますが、そういう中であらゆる問題に対応できるようにしていくことが大事ではないかと思います。

○山本博司君 大変この問題を含めて大事な問題だと思いますので、しっかり対応をお願いしたいと思います。
 今日、今お話をしたように、難病の方々とか引きこもりの方々とか発達障害の方々とか、そうした孤立死という、制度と制度のはざまで本当に大変な御苦労をされている方々、たくさんいらっしゃるわけでございます。これ以外にも、うつ病とか、また虐待、またDV、様々な課題がございます。こうした悩みや苦しみ、こういったことを取り除いて、希望を与える政治、今ほど求められるときはないと思います。この課題の解決に向けて政府は全力で取り組んでいただきたいと思います。
 今回、社会保障の大綱を見ましたときに、第一部第一章で社会保障改革の基本的な考え方ということに、孤立、孤独の広がりなどの問題に直面してと、こういうことは指摘をされておるんですけれども、具体的な対策が低所得者への施策以外には見付けることができなかったわけでございます。
 私たち公明党は、昨年の二月二日、衆議院の予算委員会で石井政調会長が当時の菅総理に対して、この新しい福祉社会ビジョン、このことを取り入れてしっかりやるべき、こういうお話をさせていただきました。菅総理はその答弁では、この福祉ビジョンに関して、同じような、軌を一にしてたくさんあるということで前向きに答弁をしていただきました。しかし、具体的な施策には反映されておりません。
 この一年間、私たちは提案をして、様々な形でこういった方々の課題に対して取り組むべきであるということを訴えたわけでございますけれども、この社会保障の充実という、約一%、二・七兆円の中にはこういった問題が入っていないわけです。障害者の方々も約七百六十万人の方いらっしゃいますけれども、前回の岡田副総理の答弁ではそうしたものに入っていない。やはりこういった課題、様々困っていらっしゃる方がいらっしゃる課題に真正面から取り組んでいく、それが一国の総理のやはり決意だと思うんですけれども、この認識に関しまして総理の認識を伺いたいと思います。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党が公表をされました新しい福祉社会ビジョンは、これは、共助の精神にのっとり、充実した中福祉中負担を実現するなどの考え方に基づきまして、年金、医療、介護、子育て支援、貧困・格差対策などについて幅広い改革が提案をされておりますけれども、これは私どもの一体改革の大綱とも共通する点も多いと私は考えております。
 そして、特に御党のビジョンの中で注目されるのは、いわゆる制度の谷間にある皆さんに光を当てた社会的包摂としての概念、そして、それに基づいた包括的、継続的支援をすることの重要性がうたわれていることだと思います。
 そのことについては、まず、我々の一体改革の大綱を言う前に、日本再生の基本戦略というのを昨年の十二月にまとめているんです。その中に、一人一人を包摂し誰も排除しない社会の構築に取り組むことを盛り込んでいます。という意味においては、その点についての認識も私は共有できると思いますし、一体改革でいうならば、これ社会的包摂といった考え方を念頭に、例えば貧困・格差対策として生活支援戦略を策定をするということとか、難病も障害者の定義に含めるなども盛り込んでおり、これも、御党とも十分協議をしながら、更なる取組を検討できるというふうに考えております。

○山本博司君 この後、ちょっと子育ての支援に関しましては、児童手当に関して最後にお聞きをしたいと思います。
 この三党協議の結果、新しい手当の名称、公明党が主張しました児童手当ということで修正の合意がされました。年度末までに見直さない場合には手当の支給を待つ児童の保護者に多大な迷惑を掛けると、こういうことでございましたけれども、速やかな修正が求められております。
 厚労大臣にお聞きしますけれども、修正合意を踏まえてしっかり対応していくということでこれはよろしいんですね。

○国務大臣(小宮山洋子君) これは、三月末までに合意をしないと本当に多くの皆様困られる中で、三党でぎりぎりの合意をしていただいたと思っていますので、その成立をお願いをして、政府としてはしっかりと施行をしていきたいと思っています。

○山本博司君 今回、名称が児童手当と、こういうことになったことでございまして、民主党がマニフェストの一番に主張しております子ども手当、これが変わったと。満額二万六千円も支給されない。これ、名実ともに崩壊したと思うわけでございますけれども、総理は、この修正合意、このことに関しまして、どう思われますか。

○国務大臣(岡田克也君) まず、合意ができたことは本当に良かったというふうに思っております。
 我々としては、例えば手当、控除から手当へとか中学生にも交付されるというところなどは従来の児童手当とは変わったところだと思いますが、いずれにしても、各党が合意されて、早く新しいこの児童手当が支給されるということは非常に重要でございます。
 いろんな思い、我々もあります。ありますけれども、しっかりと子供及びその保護者の立場に立って合意いただいたこと、大変有り難いことだと思っております。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 最大の意義は、毎年毎年、これ制度についての議論を行ってまいりましたが、恒常的な制度になったということは大変意義があると思いますので、与野党間の合意を踏まえて適切に対応していきたいと思います。
○山本博司君 これで質問を終わります。後の同僚に替わります。

○委員長(石井一君) 関連質疑を許します。秋野公造君。

○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますように、関連質疑をさせていただきます。
 私からは、国民皆保険を守るために、医療改革について質問をさせていただきたいと思います。
 衆議院では我が党の坂口副代表、御質問をさせていただきましたが、資料を御覧いただけますでしょうか。(資料提示)被用者保険には、中小・小企業のサラリーマンが加入する協会けんぽ、それから大企業のサラリーマンが加入する健保組合、公務員等が加入する共済組合があります。協会けんぽの加入者は三千四百八十万人ということで、国民皆保険の一翼を担っているわけでありますが、中小・小企業が多いということで、事業者数の四分の三以上は従業員九人以下という状況であります。
 緑のところを見ていただきたいと思いますが、協会けんぽの加入者の標準報酬額は三百七十万円、健保組合は五百三十六万円、共済組合は六百六十六万円の報酬の差があるにもかかわらず、保険料率は、年度は異なるものの、協会けんぽが一〇パー、大企業が加入する健保組合は平均七・九二六%、共済組合は七・〇六%と、同じ医療を受けるにもかかわらず、収入の少ない人が多くの保険料を払う仕組みをどのようにお考えになりますでしょうか。──待ってください、二枚目の資料も見てください。
 各政権も、これまで協会けんぽの収支が悪化するたびに様々な対応を行ってきました。平成四年からの資料でありますが、平成四年から平成九年にかけて財政が悪化したときは、平成九年には医療費の患者負担二割、平成十五年にまた悪化したときには患者負担を三割に引き上げ、同様に、平成二十二年には国庫補助率を一三%から一六・四%に引き上げました。それでも、右下を見てください、三年連続もはや保険料を上げなくてはならないような状況に追い込まれております。
 こんなことは過去にはなかったんです。非常事態が起きている。このままでは国民皆保険制度を守ることができない、私はそのように思いますが、厚労大臣の見解を求めたいと思います。

○国務大臣(小宮山洋子君) 協会けんぽ、御紹介いただいたように中小零細企業の被用者の方が加入をされていますが、現状を見ますと、二十三年度も、東日本大震災ですとか円高の影響などによって中小零細企業の報酬が下落傾向にあります。他方、医療費の増加によって、保険給付費ですとか拠出金の負担が増大をしている。こうした事情によりまして、二十四年度の保険料率は、御紹介いただいたように一〇・〇%に引き上げる予定で、これは大変厳しい状況にあるというふうに認識しています。

○秋野公造君 国においても対策は検討されているようでありまして、私が提出をしました協会けんぽの安定的運営に関する質問主意書に対して、高齢者医療に要する費用の在り方についての検討に期待をしているようであります。これについては既に試算がなされていると思います。
 仮に、高齢者医療制度改革会議の取りまとめどおりに合意が得られたとすれば、協会けんぽの収支は最大幾ら改善をしますか。

○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の高齢者医療制度改革会議の取りまとめでは、協会けんぽへの財政影響、これは平成二十五年度で六百億円の負担減と見込んでいます。

○秋野公造君 毎年、この表を見ていただくと、一千億から二千億財政が悪化していく中で、六百億では足りないんです。来年、早くも単年度収支も準備金も赤字に転落するような状況の中で、もう三年連続保険料が上がっていますので、全く上げるような状況にはないということをどうか認識をしてほしいと思います。
 このままでは、法律に書かれてあるように、国庫補助率を一六・四%から二〇%に引き上げる以外にもう手はないような状況まで追い込まれているような状況にあると私は思いますが、大臣、平成二十三年五月十九日の社会保障改革集中検討会議に、厚生労働省は医療保険制度の機能強化策として、協会けんぽの財政基盤の安定化、強化ということを明確に提示をしておりますが、この見解に変わりはありませんか。

○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員が御紹介いただいた基本的な認識は、現在ももちろん変わっておりません。

○秋野公造君 ならば総理、どうしてこんな大きな話が社会保障・税一体改革大綱の中に全く入っていないんですか。消費税を上げてもこれは使わないということになりますか。社会保障・税一体改革大綱に協会けんぽの安定的な運用について記載をしなかった理由について答弁をください。総理。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) 成案を検討する際には、今厚労大臣がおっしゃったような協会けんぽの財政基盤の安定化、強化と明記がございました。その後、大綱では消えているという意味でありますが、御指摘だと思いますけれども、政府・与党での検討を踏まえまして、高齢者医療の支援金の負担の在り方と併せて協会けんぽの財政健全化策も検討することになっていますので、その中で検討するという意味でございますので、そのお考えというのは生きている、厚労省からの御主張、御要請というのは生きているということでございます。

○秋野公造君 総理、今私は、高齢者医療の費用の在り方について検討した場合、マックス、収支は幾ら改善しますかという質問を厚生労働大臣にさせていただいて、マックス六百億という結果なんです。この一体改革の大綱の中はそこまでしか入っていないんです。そこから先をどうするんですか。そのことを私は聞きたかったんです。この中には全く、今のは不十分な答弁であります。
 厚労大臣、総理から全く突き放されているような状況だと思いますが。

○国務大臣(小宮山洋子君) そんなことはないというふうに思います。本当にこの財政基盤の強化というのは大変重要な課題だと思っています。
 協会けんぽにつきましては、現在、三年間、二十二年度から二十四年度までの財政再建の特例措置として、国庫補助率の引上げ、それから、後期高齢者支援金の三分の一を財政力に応じた負担、総報酬制にするなどの措置を講じております。協会けんぽの国庫補助率の在り方については、高齢者の医療費の負担の在り方などと併せて二十四年度までに検討を行うこととしておりまして、昨年も医療保険部会で検討をしています。
 一体改革の大綱では、保険者の財政力に応じた負担とする、今三分の一入れているんですが、その総報酬制をもっと全体に入れることも検討したいと。そのことが、さっき総理がおっしゃいました高齢者医療の方にも総報酬制と、こういう中に、今総理がおっしゃったのはそのことで、三分の一にしているところを更にそこを広げるというような検討をさせていただきたいということでございます。
○秋野公造君 今お答えいただいたのは、先ほど厚労大臣が二問目にお答えいただいたマックス六百億の話になるんです。ですから、これでは足りないから、私は、社会保障・税一体改革の大綱の中できっちり御議論をしていただかないとその次の話がもうないんですよという話をしているんです。
 もしも今おっしゃられた総報酬割を完全に実現をすることができれば、マックス、国が不要となる国庫補助、予算は幾らになりますか。

○国務大臣(小宮山洋子君) これは、後期高齢者支援金につきまして全面総報酬割を導入する場合は、協会けんぽの支援金負担に充てられる国庫二千百億円、これが二十五年度捻出されるということになります。

○秋野公造君 二千百億円あれば、今の協会けんぽに対する国庫補助率を一六・四%から二〇%できるというシナリオですね。
 そんな事実も含めて、協会けんぽをしっかり安定的に財政運用を果たしていく。厚労大臣、お約束をしてください。

○国務大臣(小宮山洋子君) これは、国民皆保険を維持していく上でも御指摘のように非常に重要なことでございますので、あらゆる方策を講じましてしっかりとやっていきたいというふうに思います。

○秋野公造君 総理に申し上げたいと思います。
 協会けんぽが崩れますと国民皆保険制度も崩れてしまうことになります。協会けんぽが崩れると中小・小企業の雇用にさえ影響が出てくるということになります。今、非正規の話をしていただいておりますが、ここを大事にしないと今御検討されていることも全部無駄になってしまうということをどうか御認識をいただいて、社会保障・税一体改革大綱の中できっちりと検討をしていただきたいと思います。

○内閣総理大臣(野田佳彦君) はい、よく分かりました。

○秋野公造君 サービス付き高齢者住宅について伺いたいと思います。
 国土交通大臣は、社会保障・税一体改革大綱の取りまとめに積極的にかかわりましたでしょうか。この社会保障・税一体改革大綱の中で、サービス付き高齢者住宅については充実させるという一行しか書いていないということを私は非常に残念に思っています。私は、このサービス付き高齢者住宅、もっともっと大きな可能性を含んでいると思います。
 鹿児島県の日置市で、低所得者の方でも安心して暮らすことができる、ふきあげタウンという、家賃減免制度が付いた、国民年金の方でも安心することができる、そんなサービス付き高齢者住宅が日本で初めて全戸対象とした形でオープンをいたしました。こういった先進事例を国土交通省はしっかり頑張ってくださったわけでありますが、こういった取組がもしも全国に広がっていくならば、もちろん年金の不安というのは本当に大変な状況にありますが、国民年金でも暮らすことができるんだという制度をきっちりつくっていくことができるならば、それは年金不安を取り去る一つのきっかけにはなるはずなんです。
 そういう意味では、こういう低所得者向けのサービス付き高齢者住宅をもっともっと先進事例を大事にしながら普及をさせていく、この考えに見解を求めたいと思います。

○国務大臣(前田武志君) 秋野委員の御指摘のとおりでございまして、この広島の事例というのは、多分、サービス付き高齢者向け住宅の制度が、(発言する者あり)あっ、鹿児島のですね、サービス付き高齢者向け住宅の制度ができる直前のモデルケースになったのだろうと思いますね。こういった例も踏まえて、昨年度からサービス付き高齢者向け住宅の制度を創設いたしました。
 ここにはかなりのものを反映させているつもりでございまして、私も大臣就任以来、持続可能な町づくり、その一番の焦点は、やはりその町にいて在宅のまま医療も、そして介護もサービスが受けられる、言わば地域包括ケア、先ほど来議題になっている、こういったものが受けられるような町づくりをやっていこうということで進めておりまして、先般は船橋市の高根台というところに行ってまいりました。そこでは、一種のPPPの手法を用いてURの住宅をリニューアルして、そして賃貸の方々はそのまま新しいところに入り、高層化して、そして余裕を生じたところに民間の大きな病院がそこに来るというような、そういう新しい試みも今応援をしているところでございます。

○秋野公造君 前田大臣、もう一つ提案をしたいと思います。
 医療との連携というのも非常に重要だと思います。ほかの資料の中には、特養の代替として、そんな角度でしか入っていないものもありますが、例えば透析を受けているような高齢者にとって、そのアクセスなどを考えたときに、例えばの話ですが、透析を専門とする医院などがサービス付き高齢者住宅などを整備していただいたりすると、それは高齢者、特に透析をしているような高齢者にとっては非常に有り難い存在になり得ると思います。
 その意味では、先ほど申し上げたような低所得者対策にもなり得る、あるいは医療のアクセスを良くしたり医療の質を上げていくようなことにも大きな効果を持ち得る可能性があるこのサービス付き高齢者住宅、様々な先進事例を積み重ねていただきながら、社会保障と税一体改革大綱に記されている内容をもっともっと膨らませていく、官僚の方にも現場にもっと見に行っていただいて、様々なアイデアというものを糾合しながらこの社会保障と税の一体改革大綱を膨らませていく、そのことについて見解を求めたいと思います。

○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 先ほどは船橋市の高根台の私が見てきたケースを御紹介いたしました。これは大きな病院ということですね。委員が言われるように、その土地の医院であったりそういったものも対象にして、そういう、私は医職住と、こう言っているんですが、ショクはジョブの方の職ですね、医と職とそして住、これを一体としたような町づくりを進めようということで、実は政策官を指名してそういうプロジェクトチームを発足して今取り組んでおりまして、その一環でこの間見てきたというようなことでございまして、委員の言われるような方向で町づくりを進めていきたい、こう思っております。
○秋野公造君 総理、どうか前田大臣の、しっかりかかわっていただいて、更に充実をさせていただきたいと思います。
 最後に、総務大臣に伺います。
 国は、国有地の有効利用策として、医療、介護、子育てといった新成長戦略に資するもの、そういったものに対しては、国の土地を売却するだけではなくて、定期借地権の設定を定めました。私は、この対策、すばらしいことだと思っています。土地を買う能力はないけれども、貸し出してくれるのであれば、医療や介護やあるいは子育て、そういったものの役に立ちたい、そう思っているような事業体というのはたくさんあるわけであります。
 さて、独立行政法人も国と同じような解釈でよろしいでしょうか。私が今いる北九州市には、九州労災病院が移転をいたしまして、ここで今跡地があります。この地域の方々は、葛原校区の連合会長さんなどを中心にしながら、こういった土地を福祉に役立てていきたいと、そういったような希望も持っているわけでありますが、もしも定期借地権などを設定していただくとそういうことが非常にやりやすくなると思います。
 一般論で結構でございます。独立行政法人通則法上、独立行政法人が自ら所有している土地を貸し出す、そういった国と同じような形で、成長戦略に資するものに対してそういったことは可能でありますか。

○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 個別具体のケースはそれぞれで考えられることです。一般論でということでございます。
 一般論で申し上げますと、独立行政法人の保有する未利用地が将来にわたり業務を確実に実施する上で必要がなくなったと認められる場合には、独立行政法人通則法の規定に基づいて、当該未利用地は不要財産として処分し、国庫納付しなければならないこと等とされております。これに対して、当該未利用地が今後法人の事業の用に供される予定がある場合には、それまでの間、各法人の個別法の規定に違反しない限りその土地を貸し出すことは可能と考えられる。
 いずれにせよ、個々の事例については、その法人の目的や業務範囲に関連する法令の規定に照らして各主務大臣において検討して判断していただきたいということになっております。

○秋野公造君 通則法上は可能ということですね。
 どうか国だけではなく独立行政法人も、新成長戦略に資するために、定期借地権の設定など国の役に立ってほしいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。

○委員長(石井一君) 以上で山本博司君、関連質疑として秋野公造君の質疑は終了いたしました。(拍手)
戻る