三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

  • Profile
  • 活動報告
  • 政策について
  • かわら版
  • 事務所案内
活動履歴
  • メニュー
  • 活動履歴
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • 内閣府特命担当大臣
  • ホームへ戻る
事務所案内

中川正春事務所

〒513-0801
鈴鹿市神戸7-1-5

059-381-3513

地図はこちら

国会事務所

〒100-8981
東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館519号室

03-3508-7128

地図はこちら

内閣府特命担当大臣

衆議院 災害対策特別委員会 会議録? 閉硬膂儖÷、谷委員、稲津委員)

平成24年3月16日(金)

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(今冬期の大雪等による被害状況等)

 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案起草の件

 豪雪地帯対策の充実強化に関する件

     ――――◇―――――

○村井委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、今冬期の大雪等による被害状況等について政府から説明を聴取いたします。中川防災担当大臣。

○中川国務大臣 おはようございます。

 平成二十三年からの大雪の被害状況及びその対応につきまして御報告をいたします。

 まず、この大雪により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 昨年末からの大雪により、三月十五日までに把握しているところでは、全国で死者百二十一名、重傷者七百八十八名、軽傷者が千三十二名の人的被害が生じております。このほか、三百六十一棟の住家被害、六百九十一棟の非住家被害、ビニールハウス等の損壊や樹木の枝折れ、野菜や花卉の損傷等の農林水産被害等が生じているところでございます。

 この大雪に対する政府の対応としては、二月二日に開催した大雪対策に関する関係閣僚会議における野田内閣総理大臣からの指示に基づき、除排雪体制の確保に向けた人的、物的支援や、社会資本整備総合交付金の追加配分及び特別交付税の一部繰り上げ交付等の財政的な支援など、さまざまな対策を政府一丸となって講じてきたところでございます。

 そして、二月二十一日に改めて第二回大雪対策に関する関係閣僚会議を開催し、大雪に対する政府全体の対応を平成二十四年大雪対策として取りまとめました。この中では、一、除雪費用等への財政支援、二、除雪体制の確保、三、被災者対策、生活支援、四、中小企業者、農林漁業者等に対する支援、五、ライフラインの確保、六、警戒体制の徹底について具体的な対策を掲げており、引き続き、平成二十四年大雪対策に基づく具体的な施策を、迅速かつ的確に実施してまいります。

 また、大雪対策の取りまとめに先立ち、被災地方公共団体における大雪の被害状況等を把握するため、現地調査を行いました。私も、二月十八日に山形県で現地調査を行い、山形県知事を初めとする地元地方公共団体の関係者から大雪による被害状況等について御説明をいただくとともに、農業施設等の被害状況を調査いたしました。今後とも、地域からの要望をしっかり受けとめ、迅速な対応を講じてまいります。

 今後、融雪期を迎えるに当たり、雪崩等によるさらなる被害の発生が懸念されます。三月九日には、中央防災会議会長から関係機関宛てに融雪出水期における防災態勢の強化について通知を発出し、防災態勢の一層の強化をお願いしました。引き続き、これらの被害についても警戒を怠らず、関係省庁とともに、的確かつ迅速に対応してまいる所存でございます。

 以上です。よろしくお願いします。

○村井委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

○村井委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官米田耕一郎君、総務省統計局長福井武弘君、厚生労働省大臣官房審議官西藤公司君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長新原浩朗君、国土交通省大臣官房長本田勝君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官佐々木基君、国土交通省大臣官房審議官渡延忠君、国土交通省国土政策局長小島愛之助君、国土交通省道路局長菊川滋君及び防衛省運用企画局長松本隆太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

○村井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長島忠美君。

○長島(忠)委員 おはようございます。大臣初め皆さんには、朝早くから答弁においでをいただきまして、大変ありがとうございます。

 ただいま、大臣から大雪に対する報告をいただきました。特に、この大雪のことについて質問をさせていただきたいと思います。

 それにつけても昨年は、新燃岳の噴火に始まって大雪ということで、一年じゅうが災害に明け暮れて、けさもまたぐらっと地震があるということで、日本じゅうがやはり災害に対する意識、備えに対する思いを高くしている時期ではないかな、そんなふうに思うところであります。

 感じることは、私も雪国に住んでおります。実は、去年、新燃の被災地に行ったときに、火山灰を宿命として生きていらっしゃる皆さんが、火山の灰の降らないところに行きたいという言葉をいただいたこと、そして台風十二号、十五号の被災地を訪れたときに、台風が来ないところに行きたいなという思いを聞いたこと、そして我々のふるさとでは、雪は財産でもあるんだけれども、余りに続く豪雪の中で、雪のない中で暮らしたいという思いを吐露される方が大勢いらっしゃるんですが、そこを何とか生活できるように、そしてそこできちんとふるさとを守れるようにするのもやはり政治の大きな課題だ、私はそう思っています。

 ことしも、残念ながら百二十一名というとうとい命を雪によって奪われることになってしまいました。私は、自分で毎日雪と暮らしながら、どうしてこんなに多くの皆さんを犠牲にしてしまうんだろう、毎年雪と闘いながらそういう思いを受けています。

 実は、雪に対する備えの中でやはり、雪が場合によっては牙をむく自然だということをきちんと我々は伝えなければいけない、また備えなければいけないんだろうと思うんです。

 ことしも、かまくらをつくっていらっしゃる方が犠牲になったり、屋根の雪がおっこってきたところで犠牲になったり、また、屋根の上に上がって、落ちて命をなくしたり、そして雪崩によって命をなくされたという、例はいっぱいあると思うんですけれども、やはり、雪に対する危険性というのをきちんと認知していただくということも、この際、我々の大きな役割ではないかなと思います。

 中央防災会議があって、融雪に対することについては通知をいただいたようでありますけれども、雪に対する知識というものをきちんとやはり国民に、特にことしは、ふだん雪の降らないところでも大雪になったということでそういう被害が広がったということを考えたら、そういうことが大切ではないかなと思うんですが、大臣から所見をお伺いしたいと思います。

○中川国務大臣 確かに御指摘のとおりでありまして、雪国、雪の中で生活をしておられる、あるいはまた、そこで雪を克服していくという形の中でいろいろなことを模索しておられるという姿、これに対して、私たちも何ができるのかということをもっと真剣に考えていく必要があるんだろうというふうに思います。

 先ほどの、百二十一名の命がことしも失われたわけですが、これももう少ししっかりと分析をしていくということが大切なのかな。

 私も、現場に入ったときに指摘をされましたのは、一つは、非常に地域として老齢化が進んでいるということの中で、同じ雪かきをするにしても、屋根へ上って、昔のように体が思うようについていかない、そういう状況の中での雪かきというのをどうしてもやっていかなきゃいけないという状況がある。

 それからまた、それぞれ地域のコミュニティーが成り立たなくなってきている。普通であれば、消防団だとかあるいは青年団だとか、そういうものが媒体になって雪に対して闘っていくというような体制が昔はできていたんだろうけれども、その消防団そのものが老齢化をして、団員も集まらないというような状況の中で、村としてどう克服していったらいいんだというふうなことだとか、さまざまそういう社会的な背景というのがあって、恐らく、昔以上に、雪を克服していくことが難しくなってきているということがあるんだろう、こんなことを現場で指摘されまして、そんなことに対してどういう施策ができるのかということ、そんな観点からしっかり切り込んで分析をして、それで体制をつくっていくということが必要なのかな、そんな問題意識を今持っております。

 さらに、さまざまきめの細かい対応を考えながら、地方自治体の皆さんと一緒に政策を考えていくということで頑張っていきたいというふうに思っています。

○長島(忠)委員 いみじくも、今大臣お触れになりましたけれども、雪国の暮らしというのは、しんしんと雪が降り積もって、屋根の雪のかさが毎日毎日ふえていく。それと同時に、雪国出身の方もいっぱいいらっしゃいますから、私も、夜寝ていると、うちが鳴くんですよ、ギシギシと。そうすると、高齢者であればあるほど、早く屋根の雪をおろしたいという一念に駆られて屋根に上がるということはあるんだと思うんですね。そうすると、今、大臣のおっしゃったように、かつて若いころとは違う、重い雪と格闘するうちに疲れて屋根から落下をしてけがをしたりということがあるんだと思うんです。

 そこで今回、法律案でも、やはり担い手、あるいはそういった高齢者の世帯の雪おろしを担ってくれるようなシステムだとか人材を確保しなければ、安心して高齢者が雪国で暮らせないという一面はあるんだと思うんです。

 その辺について、大臣、アイデアはありますか。

○中川国務大臣 地方自治体によっては、いろいろなボランティア組織であるとか、あるいは、ふだん、特に建設関係の企業で人材を抱えているところなどを動員しながら、どうしても高齢者で雪かきができないようなところ、あるいは所得の低い家庭で雪かきが頼めないというふうなところ等々を対象にして、公共といいますか地方自治体がそれを発注しながら雪かきをしていく、そんな工夫をしているような自治体もあると伺っております。

 私が行ったところはちょうど団地でありまして、そこのコミュニティーが、日にちを決めてみんなで一緒に雪かきをしようということを始めて、それと市の方と両方協力をし合いながら、そこで落ちてきた雪を市の方が排雪するというふうなことでタイアップしていました。

 そんな中で、自治会長さんに聞いてみると、みんなで一緒に雪かきをすると、隣で高齢者がいて、自分のところができないんだというところを、お互いが助け合いながら一緒にやれるという雰囲気も生まれてくるんだというふうなことも聞かせていただいたりしましたけれども、そういうきめの細かい組織をつくっていく、あるいは組み合わせをつくっていくというふうなことをやっていくというのが一つの方法だと思います。

 それに対して、資金的にどう支援ができるかという工夫をあとはしていくことかなというふうな、今一つ漠然とした思いを持っているんですが、ほかにもいろいろな先進的な取り組みがあるかと思うので、そういうものもいろいろな形でまとめて、こんなやり方もできるんですよというのをまた皆さんにお知らせしていくということもあわせて、対応を考えていくことだというふうに思っております。

○長島(忠)委員 昔、農村にもう少し人がいたころは、隣の父ちゃん、母ちゃんが高齢者のうちを担ってくれる、それこそ、地域の雪おろし、あるいは災害のときの担い手であったと思うんですね。

 ところが、今、過疎化が必要以上に進んでしまったために、農村が急激に高齢化をしてしまった。隣の父ちゃん、母ちゃんに頼みたくても、今、大臣がおっしゃった、一斉に雪おろしができるぐらいのところは多分いいんだと思うんです。毎日毎日雪と格闘しなければいけないところは、なかなか頼みにくい。

 自分のうちの雪おろしだけで大変な人になかなか頼みにくい状況が実は生まれていて、例えば、残念ながら空き家にして都会に出る人も、今までは、自分のうち、冬の間、雪おろしをしてくださいねと近所の人に頼みながら、それは費用負担をしながら出られた人が、自分のうちの雪おろしだけで大変な状況だというのがわかっているだけに、潰れてもやむを得ないかと泣く泣くの気持ちで、誰にも頼めず空き家にしておくという状況もやはりあるんだと思うんです。

 だから、地域としてそういったことを担うために、地域の父ちゃん、母ちゃんだけではもう対応できない状況もやはりあるんだと思うんです。建設業者もかなり疲弊をしているんですが、そこは何とか、市町村なりがそういう業界あるいはボランティアの団体と制度をつくって、雪おろしは一斉に危険性が増してくるわけなので、うちが鳴きながら待っているわけにいかないという気持ちを考えたら、やはりそういう制度を国が主導して市町村とともにつくっていっていただくことも大事なことかな。空き家対策にもなるんだろうと思うんですが、その辺について考え方があったらお聞かせをいただきたい。

○中川国務大臣 自助、共助、公助とまさにいいますけれども、さまざまな地域で取り組みがある事例を一度整理しまして、その中で、一つのモデルになっていくようなものを組み込みながら、国として、このモデルで一つやる場合には、新たな地方自治体を中心にした支援というのがあるというような、そういうモデルと支援のプログラムを組み合わせて対応していくということ、こんなことをぜひやっていきたいというふうに思います。

○長島(忠)委員 そこで、一つ大臣にお願いです。

 うちの方は雪おろしと言わないで雪掘りと言うんですね、雪から掘り出すので。もともと、それぐらい雪が降ったところなんですが、今は、住宅が自然落雪になったり、屋根の雪おろしからは少し解放されつつ、それは費用はかかりますけれども、克雪住宅に対する支援等をやって少しずつ解消されています。

 そこで問題になるのが下の排雪なんですよ。うちの周りに山のように積まった雪の排雪、これに対してやはり手当てがない。

 今、地域地域では、機械除雪、こんな飛ばすものじゃとても間に合わないので、ちょっと大型のブルとかを借り上げて、集落で共同で、費用負担を、ちょっと市から助成をもらったりしながらやっていく。それは、そこに残っているいわゆる現役世代の人がその役割を担う。機械に対する補助と燃料費を少し見てもらって、高齢者のところも自分のところも、全体的な自治会なり集落の排雪に努めているということがあるんだと思うんですね。

 だとすると、いわゆる集落自助の観点に立ったら、行政が手を入れるのは最終手段、そして機械に補助をしてやることができて、それで自分たちが集落でお互いに自助ができるんだったら、そういう考え方も私はあると思うんですけれども、どういうふうに考えられますか。

○中川国務大臣 まさに御指摘のとおりだと思います。

 それに対して国がどう関与していくかということだと思うんですが、私は、資金的には、なるべく自由に使える、自治体が優先順位を自分のところでつくりながら、地域の事情に合わせながら、自由に使えるような資金供給というのを組み込んでいくというのが一番いいんじゃないかというふうに思うんですね。

 これまで方式だと、一つ一つ細かいメニューをつくって、これとこれはいいけれどもこれはだめだと国は言いがちなんですけれども、恐らくそういうことではなくて、地域の事情に応じた形の資金を国の方から一定供給するというふうなシステムを考えていくということだと思います。

○長島(忠)委員 ぜひ、雪によって集落の自治が、きずな意識が壊れることのないように、高齢者の守りはそこに残っている現役世代がやっていくんだ、一義的にはそれが自治の原点、自助の原点だと思うので、そういうことが成り立つように、例えば、現役世代の人が高齢者の見回りができるように支援をしてあげることをぜひ考えていただきたいなというふうに実は思います。

 ちょっと観点を変えて、先ほど大臣からお聞きをしましたが、融雪災害のことについて、残念ながら既に新潟県上越市板倉で、去年地震で揺られた地域でもありますので、融雪がそのことを助長したということになるのかもわかりませんけれども、大規模な地すべりが発生をいたしました。そして、それによって住宅がかなり被災をしております。

 そんな状況の中で、これから本格的な雪解けを迎えればますます被害が広がることも想定をされますが、そのことの一義的な対策について少しお聞かせをいただきたい。大臣の方でしょうか、国交省かどこか。

○吉田副大臣 長島委員にお答えを申し上げます。

 今の融雪の話ですが、いわゆる地すべりという形で、三月七日、新潟県上越市板倉区国川地区で発生をいたしております。三月十五日現在、住戸四戸、非住戸七戸に被害が生じ、上越市二十一世帯八十人に避難勧告、五世帯二十人に避難準備情報を発令しております。

 現在、新潟県による二十四時間体制の監視観測が続けられるとともに、地すべりの移動をとめるための水抜きボーリングの掘削やポンプ排水、人家への被害の拡大を防ぐための大型土のうや異形ブロックの設置、土堤を設ける等の応急対策が進められているところであります。

 私ども国土交通省といたしましても、県からの要請を受けまして、土木研究所からの地すべり対策の専門家、そして国交省本省、北陸地方整備局からTEC―FORCEという形で緊急災害の派遣隊の派遣をいたしまして、監視観測及び応急対策への技術的指導を進めているところであります。また、機材等もさまざま応援、支援をしているところであります。

 国土交通省といたしましては、早期に地域の安全、安心が確保されるよう、引き続き新潟県の取り組みに対して強力に支援をしてまいります。

○長島(忠)委員 ぜひ、被害が広がらないようにお願いをしたいのと、時間がないので要望だけにしておきますが、全国、ことしの大雪の後、やはり春の融雪被害というのがかなり心配をされます。ですから、ぜひ見回りを強化していただきますようにお願いを申し上げさせていただきたいと思います。

 農水省からも来ていただいているんですが、この大雪で雪解けがかなり遅くなることが実は予測をされております。いわゆる田地、畑地の融雪については農水省もお考えいただいているようでありますけれども、そこに行く農道がなくてなかなか作業に行けないというようなことも実はありまして、春除雪について考えてくださいという要望がかなり私どもの地元等からはあるんですが、農水省として、その辺はどう配慮をしていただけますでしょうか。

○森本大臣政務官 長島委員には大変御心配をいただいております。ありがとうございます。

 今の国土交通省に関することでも、私ども、国営の水路関係が影響を受けておりますので、ここのところにもしっかり対応しなければならないということと、そして農道についても、非常に今、雪解け時を心配しています、地すべりがかなり出るということを我々もキャッチしておりますので。

 ここのところは交付税のことになるんですけれども、ここを総務省にもお願いしながら、しっかり現地で対応していく、そのことを今も確認させていただいているところでございます。精いっぱい頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

○長島(忠)委員 多分、農道除雪が年度をまたぐ、新年度になるので、その辺だけは少し、交付税の配慮についてもぜひお願いをしたいと思います。四月以降の除雪になるところがかなりあると思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

 きょうは、欲張って厚生労働省さんからも来てもらっているんです。

 雪のときに、やはり高齢者世帯の見守りというのが非常に、これから特に農村部、過疎の地域においては必要なのではないかなと思うんです。情報が伝わらないまま不安の中でいることと、きちんと情報をいただきながら信頼をして待てるという状況ではかなり心の負担が違うと思うんですが、豪雪地帯において、高齢者の見回り等について特段配慮をいただけることがあったら、少しお聞かせをいただきたいなと思います。

○津田大臣政務官 長島委員にお答えを申し上げます。

 私も長野県に住んでおりますので、御指摘いただいている点は大変心配な点であるというふうに思っております。

 特に、高齢者あるいは障害者の方々についてどう配慮ができるか。これは地域の中で、民生委員の方々に特に御配慮をお願いして、家が潰れるような豪雪の場合には救助対策を行っていただくようにお願いをしたい。あるいは、雪おろしの対策につきましても、高齢者や障害者のようにみずから除雪ができない方々については、災害救助法を適用した上で自治体が行うことができる。その費用は全て対応できるようになっております。

○長島(忠)委員 ぜひ要望させていただきたいと思うんですけれども、高齢者、先ほど言ったように、特に雪の深いところでは、担ってくれる人たちがいないと思ってじっと待っている人たちが実はいるんです。だから、自分の方から出したくても声を出せなくている人たちに、行政がやはり積極的に働きかけて、困った状況を聞いてあげる体制というのも大事だと思うので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 最後に、国交省さんに少しお聞かせをいただきたいと思うんです。

 実は、除雪の経費についてはいろいろ御配慮をいただいているところでありますけれども、特に、このように豪雪が続くと、生活形態や仕事の形態が多様化したために、夜遅くなって帰ってくるお勤めの皆さんがいらして、なかなか除雪経費が回らないので、中山間地においては夜間除雪まで実は手が回りません。そのために、泣く泣く引き返したり、途中まで来て上がれなくて帰ってしまったり、そして、そのことを待っているお父さんやお母さんは、いつまでも道路に出て待っていたりというような状況が実はあちこちで見られるんです。

 私は、夏にうちの方に来てもらうと、立派な道路ですねとよく言われるんですよ。冬に来てもらうと、あの道路はどこに行ったんですかと言われるんですね。実は、周りに雪の置き場がないものだから、雪を周りに積んじゃうから、ふだん二車線が一車線以下になってしまうような状況になるんです。

 だから、BバイCということはあるのかもわかりませんけれども、雪においては、やはり冬期間、安心してすれ違いのできるような道路を確保してもらうことが、そこに勤めながら若い人たちをとどめられる大きな一つの要因であると思うので、その辺の配慮については、BバイCもあるかもわからないけれども、やはり地域を守るという観点から特段の御配慮をいただきたいなというふうに思っていますが、国土交通省として、少しお考えをお聞かせいただきたい。

○吉田副大臣 長島委員の御質問にお答えをいたします。

 多分これは、一つは、道路をつくる段階での堆雪幅という形で、雪を置く場所を確保しようということであるかと思います。

 昭和五十七年より、道路構造令におきまして、除雪を勘案して幅を決めるということが定められております。積雪地域において新たに道路を整備する際には、本規定に基づき、堆雪幅等を適切に確保していくとともに、既存の道路におきましても、今御指摘ございました交通状況や降雪状況を踏まえ、雪寒事業という形で堆雪幅等の整備を行っているところでございます。

 委員御指摘のとおり、冬期における円滑な、防災的観点もございますし、生活道路という観点もございます、積雪地域の道路につきまして、除雪、堆雪を考慮することは重要であるということを認識しておりますし、今後とも、積雪地域の道路において十分な堆雪幅の確保など努めてまいりたいと思っております。

○長島(忠)委員 時間がそろそろ参ります。

 総務省からもわざわざおいでをいただいておりますので、今冬の追加配分、どれぐらいされたのかについて少しお聞かせをいただきたいと思います。

○福田大臣政務官 お答えをいたします。

 追加配分だけでよろしいですか。(長島(忠)委員「はい」と呼ぶ)追加配分といいますか、要するに前倒しですね。これは、百四十七市町村に対して百五十五億円を繰り上げ交付いたしております。

○長島(忠)委員 私も村長をしていたのでわかるんですけれども、豪雪対策、除雪費は必ず国から後できちんと来るんだと信じていながら、途中で予算が尽きてしまうと非常に不安になるものなんです。ですから、ぜひ次年度以降、前倒し配分等を含めて、より積極的に市町村に渡していただくことを要望させていただきたいなと思います。

 最後に、大臣にお聞かせをいただきたいと思います。

 今回、豪雪地帯特別措置法が期限切れになります。大臣、政府もあちこち御視察をいただいて、我々もそれなりに視察をさせていただいて、問題点は種々見てきたつもりであります。国としてできること、自治体としてできること、そして集落としてできること、そして何よりも、そこで生き生きと暮らす人たちがきずなを失わないような関係を持ちながらやっていけるように対処することがこの法律の趣旨でもあると私は思うんですが、大臣からぜひ力強く、これから日本じゅう、豪雪地帯においても、きちんと雪を克服しながら春を待てる環境だけは整えていきたいということを、一言メッセージとして承れればありがたいと思います。

○中川国務大臣 厳しい社会的背景の中で雪を克服していくということ、これは、それこそオール・ジャパンとして、国全体としてしっかりと取り組むということが大事だというふうに思います。

 今回、法律を延長していただくという段取りをしていただいておるのと同時に、雪を逆に活用して、その地域で生かしていくというふうな考え方もその中に取り入れていただいているということを聞いております。そういう意味でも大事な法律だと思います。

 よろしくお願いをしたいと思います。

○長島(忠)委員 私も、豪雪地帯に生まれ育って今日まで生きてきました。私が生まれて一番最大積雪は七メートル四十センチでした。それでも、私は、ふるさとを嫌いになったことは一回もないし、離れたいと思ったことは一回もありません。春、フキノトウが雪の下から芽を出す、それを見ただけで雪の苦しみを忘れられる民族であるとも思っています。

 でも、そのことをそういうふうに思わせるのは、やはり政治の力も大きな役割を果たすことができるのではないかなと思いますので、政府にはより一層の取り組みをお願いして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

○村井委員長 次に、谷公一君。

○谷委員 自由民主党の谷公一でございます。

 きょうは、三十分時間をいただきました。大きく三点に分けて、大臣以下、御質問をさせていただきたいと思います。

 一つは、災害対策法制の見直し、二つ目は、お手元の資料にございます、いわゆる中川私案についての大臣のお考え、三点目は、豪雪の特別措置法であります。

 二番目から入ります。

 お手元に、朝日新聞の三月九日、先週の金曜日の、「三週間後つまずき―幻の復興法案」という大臣の記事があります。この記事によれば、当時予算委員会の中川筆頭理事、大臣が、これは何とかしなきゃならない、恐らく、政府に任せていてもなかなか思い切ったことができないだろうということで、民主党内のどういうメンバーかよくわかりませんが、三月末にいろいろな復興の骨子をまとめた。しかし、原案が報じられると、各閣僚たちからいろいろ批判があり、与謝野大臣は、国債のいわゆる日銀引き受け、現在では法律で禁止されている、こんなものは絶対認められない、この報道によると、防災復興府というのは屋上屋を架すようなものだということで潰れた、封印されたと報じられております。

 大臣、この報道は間違いございませんか。

○中川国務大臣 東日本大震災の発生直後というのは、各省庁、現実対応に追われておりまして、なかなかその次を見通して政策を打っていくという体制が難しいだろう、そんなことがありました。私も予算委員会の筆頭として国対に参加をしておったものですから、次から次へと議員を通じて……(谷委員「簡単にお願いできますか」と呼ぶ)はい。情報が入ってきました。

 我々ができることとすれば、一つ、議員の中で、その法案についてのたたき台ですか、それをつくって準備をしておくということ、これができるんじゃないかということで、国対との相談の中でそういうチームを発足しました。実は、隣の後藤副大臣も、そのチームで中心になって頑張ってやっていただいたんです。

 ただ、途中でこうした形で報道が出たものですから、それが何か成案のような形で報じられたということがありまして、そのことによって次のステップを踏めなかったといいますか、そこで成案に持っていくような議論をするところまでいかなかった。同時に、キャビネットといいますか政府の方も、体制が立ち直ってきて、そこからさまざまな法律議論も始まってきましたので、そこを見て、次のステップは任せていこうということで、私の私案どまりになってしまったということでございます。

○谷委員 大臣、まことに申しわけないんですけれども、時間は三十分です。お尋ねしたいことは、これはおおむね事実ですかということでしたので、簡潔にお答え願えれば大変ありがたいと思います。

 今のお答えですと、事実ということですね。そういうふうに受けとめさせていただきます。

 いや、私は、何も非難しているわけではないんです。我々議員として、いろいろな立場で復興のあり方を考えることは当然だし、また、この報道によれば、新たな司令塔をつくり、また増税も行い、思い切った被災地支援策も講じるべきであるという、まさにその後の歩みを先取りするかのようなあれだったと思います。そういう意味で、中川大臣なり、後藤副大臣も、黒幕かよくわかりませんが、敬意を申し上げたいと思います。

 ただ、この記事を読んでいて、いかにも民主党らしいと思いました。つまり、そういう発想がある人をどうして与党の中でまとめて、それを施策に生かすことができなかったのかなと。厳しく言えば、政党として体をなしているのかなと。与党ですから。責任を持たなければならない政党ですから。そういう意味では大変残念であります。

 さて、大臣に引き続いてお尋ねします。

 では、そうすると、この新聞によればまだあらあらの中川私案ではありますが、その施策の骨格と今政府が取り組んでいる骨格とは、細かなことをいろいろ言ってもあれでございますけれども、基本的には変わりませんか。変わっているのは、国債の日銀直接引き受けが今はされていませんので、違いというのはそれぐらいですか。

○中川国務大臣 この私案というのは、でき上がったものじゃなくて、さまざまな選択肢をその中に入れたということで、さっきの日銀の直接引き受けも、それで決め打ちをしたわけじゃなくて、そういう議論もあるということの中で一つあったということなんです。

 そういう意味で、たたき台ということでありますので、この中から実現ができたことは、さっきのお話のように相当部分あったんだと思うんですが、そういう意味では、参考にしていただいたんだというようなところじゃないかと思います。

○谷委員 相当取り入れられた、参考にしたというか、例えば復興庁では、私も復興委員会で修正協議にずっと携わりましたけれども、あれは我々がそうしたんですよ。政府の案は、今の内閣府と全く一緒で、いわば中身のないあれでございました。ただ、私は、大臣、正直な話、この中川私案なるものをよく知りませんので、そういったことを念頭に置いて修正協議に臨んだわけではありません。ありませんけれども、結果的に、我々といいますか自民党の復興への取り組みの考え方と、この中川私案というのは大変近いものがあると思います。

 では最後に、この中川私案について、現時点での思いをお聞きしたいんですけれども、なぜ政府は、こういう原案といいますか、それを柔軟に取り込む、あるいは、それらを封印というようなやり方ではなくて、うまく取り入れるようなあれは可能ではなかったんですか。大臣としてどう思われますか。

○中川国務大臣 私が反省するとすれば、情報管理だったと思うんです。本来なら、議論の対象として、たたき台として生きていったんだと思うんですが、その前に、何か決め打ちで、新聞でぽんと出たということがいろいろな混乱と誤解を導いてしまったということでありますので、そこのところの難しさがあったんだと思うんです。

 ただ、あと、さっき申し上げたように、これを参考にしていただくところもあったということがあるとすれば、それは一定の意義があったというふうに思っております。

○谷委員 少し私の認識と違います。

 大臣は情報管理と言われますけれども、私は、情報管理ではなくて、こういうようなすばらしい、先見性のある考えを生かすことができない政党なり政府というのに問題があったということだと思います、私の受けとめ方は。

 しかし、それは、実は今も尾を引いているところがあると思います。きょうは災害一般ですから、個別の東日本大震災についての質問はいたしませんけれども、それはいろいろな意味で、震災復興への取り組みにもちょっと影響しているのではないかと感じているところであります。

 さて、質問を次に移ります。災害対策法制の見直しということであります。

 十七年前、神戸で大震災があり、私も神戸でその復旧復興に当たらせていただきましたが、このたびの三・一一の災害は、文字どおり未曽有の災害であったかと思います。そういう中で、いろいろ取り組みを反省する中で、そもそも災害に対応する法制、これは今の法制でいいのかということを政府の方でも検討しておられます。その中の幾つかの論点について、現時点での大臣の考え方、今後の取り組みについてお尋ねをしたいと思います。

 まず、現在の基本法である災害対策基本法、一九六一年、伊勢湾台風の後つくられた法律でございますけれども、復旧、応急復旧、復旧という言葉はありましても復興の規定がない、復興のための国の体制、復興計画の位置づけなども何もありません。

 私はかねてより、学会の方もそういう要望は前からありますけれども、復興ということをきちんと法的に位置づけるべきではないかということも、この災害対策特別委員会でも質問したことがあります。名前は出しませんが、はい、しっかりと受けとめてといつも答弁しますけれども、正直なところ何もしていません、その後の推移を見れば。厳しく言えば、危機感もないというのが状況ではなかったかと思います。

 受けとめるだけ、言葉だけ、表面だけで、具体的に取りかかろうとしませんでしたが、さすがに今度は、これだけの大震災を受けて、今のままではとても対応できないということで先ほどの作業に入っているかと思うんです。

 大臣、復興という概念といいますか規定、そういったものをしっかり、新たな、もう一度見直す災害の対策法制の中に入れるべきだと私は思いますけれども、大臣の所見をお尋ねします。

○中川国務大臣 結論から言えば、私もそう思います。

 谷委員が、以前からそうした御指摘をいただいて、この委員会でもその議論があったということ、私、改めてその議事録を読ませていただきました。それこそ、さっきのお返しのようなものですが、先見性を持って議論をしていただいたということで、敬意を表したいというふうに思います。

 実は、今やっております防災対策推進検討会議でもこのことが指摘をされておりまして、災害対策基本法に復興段階の制度的な枠組みがなく、その都度決定されるので時間がかかってしまうという問題点の指摘があります。それを受けて、次の大災害に備えて、東日本大震災においてとった制度上及び運用上の特別対策の効果、是非を検証して、有効な対策については直ちに発動ができる方策を確立すべきだというような指摘もありますので、今、災害対策基本法の見直しの枠組みの中にそれを入れて、具体的に検討を始めております。

○谷委員 ほかにも幾つかお尋ねします。

 今回の三・一一で市町村が大分やられました。役場がやられ、市役所がやられ、また、市の職員、役場の職員も、高いところでは三割以上の方が亡くなるという大変悲劇的なこともございました。ただ、現行の災害対策基本法は、そもそも市町村を基本にした法体系ということです。そうしたら、市町村が機能を全く喪失してしまったということは、そもそも、それこそ想定外だ、少なくとも法律上の想定外だということになろうかと思います。

 この点は、大臣、どういう方向で検討していると受けとめればよろしいんですか。

○中川国務大臣 そこのところも非常に大事な観点だと思います。

 いずれにしても、基本法制だけではなくて全ての計画を、今回の大震災の経験を徹底的に検証してそれを生かしていくということでありますが、その中でも、先ほど御指摘のあった、市町村そのものが機能喪失をしてしまったということ、あるいはまた、県の機能でさえ十分に発揮がされなかった、そういう指摘については、それをどう克服していくかということについて新しい枠組みを考えていくということだと思っております。

 先ほど申し上げました検討委員会でも、改めてそこのところの議論もございまして、中間報告が出ているんですけれども、大規模災害時における都道府県や国の調整による地方公共団体間の支援の仕組みを強化していくということ、それから、都道府県が広域避難に関する指示、調整を行うことができる仕組みを具体的に確立するということ、それから、被災地の要請がなくても物資を送り込むプッシュ型の制度の構築をしていくということ、こんなことも含めて具体的に指摘がされておりまして、改めて制度化をしていくことが大切だというふうに思っております。

○谷委員 ありがとうございます。

 今の市町村の機能の喪失の問題は、大臣、少し気になるのは、この災害対策法制の検討会議のメンバーに市町村の方は入っていないでしょう、我が兵庫県も入っていますし、泉田知事も入っておられますけれども。ここはまた、最終報告をまとめるまでに、実際に市町村の機能が喪失したところの意見もぜひ聞いてほしいと思います。

 なぜかといいますと、とかく中央では頭で考えて、市町村がだめなら県がやればいい、県がだめなら国がやればいい、こういう発想をする方もいます。ただ、現場では、県の職員が市町村に行っても役には立ちません。現場のことを何も知らないから。

 だから、実際に即した、それこそ災害対応というのは理屈ではなくて、現実にさまざまなことが指示ができて、物が動いて、住民の方々が安全に安心してとりあえず避難できるようなことをするのが第一ですので、ぜひ、これは要望でございますけれども、現場の意見、喪失した自治体の現実の意見をよく聞いて最終報告をまとめていただくよう御要望をしたいと思います。

 さて、災害対策法制の見直しで、長期避難者への対応です。

 これはなかなか本当に、今でも続いていますけれども、放射能の問題もあったにせよ、我が国の歴史上初めてだと思います。こんなに広範囲に、ほとんど全ての都道府県に分散して避難をしている。非常に広域的だということ、そして極めて長期ということが予想されます。

 仮設住宅は、建前は二年となっています。こういう委員会のやりとりでは建前で二年なんという答弁も時々ありますけれども、現実問題、被災地に一歩行ってみれば、そんなことは空理空論だというのは大臣もよく御存じかと思います。

 ですから、広い範囲の避難者への対応をどうするのか、また、非常に長期間にわたるであろう避難者をどう支援していくのか。それは、災害救助法の見直しにも当然入るかと思いますけれども、その点について、大臣、どうでしょうか。

○中川国務大臣 御指摘のとおりでございまして、とりあえずの避難ということと、そこが長期化していく問題、それから、さっき御指摘のあった広域避難、それに対する調整、これをしっかりとやっていく必要があるということを私も認識しております。

 その上で、今、同じように、この検討委員会の中でもこれは取り上げられて議論をしているというふうに認識をしておりますけれども、安全でライフラインが機能している場所への二次避難、被災者ニーズに応じた避難所の運営、生活不活発病の抑制、それから災害時要援護者へのさらなる配慮、これが当面の避難所でのさばきだというふうに思うんですが、これを今後の対応の方向性として指摘されております。

 さらに、救難救助、それから生活再建支援、自立の各段階での支援内容が必ずしも明らかでないということ、そういう課題があるということですね。

 それから、被災者支援関係諸制度の体系化、早い段階からの働く場の確保、コミュニティーの維持、再生、さらに広域、長期避難への対応や被災者支援制度の充実という観点から、トータルで広域的なシステムをつくるということも前提にしながら、こうした具体的な問題点を克服していくということだと思っておりまして、今、その検討を進めてまいりたいと思います。

○谷委員 いろいろ、この点についてもなかなか難しいところもあろうかと思いますけれども、一歩一歩、ぜひ前に向くように進めていただきたいと思います。

 大臣、これは事務的にお聞きしていますと、今後のスケジュールとして夏ぐらいに最終報告という予定ですけれども、最終報告を待って法制化ということなのか、それとも、順次法制化できるものからやっていきたいという考えなのか。その辺、今後のスケジュール、取り組み方針といいますか、確認させていただきたいと思います。

○中川国務大臣 既に中間報告も出ましたので、その中で具体化できるものというのは順次、できるだけ早く法制化をしていきたいというふうに思っております。

 最終段階で、夏に最終報告ということでありますが、また、その最終報告を受けた上でさらに具体化をしていかなきゃいけない議論もありますので、ここ一年かけて、でき得るところから順次やっていくという考え方で進めていきたいと思っております。

○谷委員 わかりました。しっかり案を見せていただいて、不十分であれば、より手厚い中身の法案にまたさせていただきたいと思います。

 時間がだんだん少なくなってまいりました。

 豪雪特措法の関係で、きょうは総務省の自治財政局の米田審議官にも来ていただいております。お尋ねしたいと思います。

 除雪とか排雪の経費は特別交付税で措置するということは、関係の皆さんみんな知っておられる。私は、ことしの豪雪で青森に行き、秋田に、何も好きこのんで行ったわけではないんですけれども、党の仕事で行きました。また、この衆議院の災害対策委員会の視察で、長野そして新潟にも行きました。

 いろいろ聞いてみると、ひっかかるところがあったんです。つまり、除雪とか排雪のランニングコスト、人件費も含めて、各自治体が総務省に、これだけ特別な財政需要がかかったということで要求する、そして、今の地方財政措置は、普通交付税にも一定部分入って、それで賄えない部分は三月の特別交付税で見る、こういうスキームですけれども、しかし、自治体の防災体制の現状は十年前とかなり変わっています。

 つまり、地元の建設業者の数も減っている、資機材も減っている、パワーも減っている。それで、自治体が除排雪をお願いしても、機器を貸してあげないと現実にはできない。一機数千万もする機器を抱えるだけの余裕がなくなっている。それで、青森でも秋田でも新潟でも長野でも、たしか半分程度はレンタルしていると言われていました。市町村はまだそこまでいっていない、お金がかかることですから。

 では、そうなると、そういった経費を地方財政措置でどう見ているか。私が調べた限りは、どうも見ていないんじゃないかと思いますけれども、審議官、どうでしょうか。

○米田政府参考人 お答えいたします。

 今も御指摘のとおり、地方財政措置におきましては、除排雪経費、普通交付税と特別交付税の二段構えで措置することとなっております。

 今御指摘いただきました資機材の購入費につきましては、私どもは、現在、普通交付税の中で措置をしているというふうに見ております。

 普通交付税の中では、購入費をそのまま見るという方法ではなくて、その償却額を基本的には毎年毎年普通交付税の中で算定している。具体的に申し上げますと、資材の償却分につきましては、地方公共団体が自分で除排雪をするということを前提として、資機材のリース、チャーター料、燃料費等の形で、資機材を地方公共団体がみずから所有しているか業者が所有しているかにかかわらず、一律にその中で算定をしているという形で入っているというふうに観念しております。

 そういう意味で、現在、御指摘のとおり、特別交付税においては、除排雪に直接関係する経常経費のみを対象といたしまして、この資機材の購入費については対象としていないという実態がございます。申し上げますと、購入費を単年度で措置するということではなくて、資機材の耐用年数に分割をして措置しているということで御理解をいただいているというふうに理解しております。

○谷委員 今答弁がありましたけれども、もう一つすっきりしません。

 現実に、それぞれの自治体ごとにそういうのが、しっかり交付税ということで手当てできているのかどうかというのを今後もよく検証していただきたいと思います。

 要は、それは中途半端な金額でないからです。一台数千万円もするんです。それをいっぱい、数十台、豪雪の県は買わざるを得ない。今までは業者が持っていただいていましたけれども。

 だから、そういうお金というのは、私が見るところ、特別交付税の要望の中にも入れていないし、普通交付税も、何か理論的には入っているかのようなことを言われますけれども、どうも十分だとは思えませんので、きょうはこれ以上申しませんけれども、総務省の方でしっかりと、その点についてまたじかに話をよくお聞きして、改善を目指して頑張っていただきたいと思います。

 時間が参りました。これで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

○村井委員長 次に、稲津久君。

○稲津委員 おはようございます。公明党の稲津久でございます。

 通告に従いまして、以下、順次質問をさせていただきます。

 きょうは、豪雪特措法に関してさまざま、確認の意味も含めて、政府参考人の方々にも多数お越しをいただきまして、それぞれ順次質問をさせていただきたいと思っています。

 まず、先ほど大臣からも、ことしの冬の豪雪の被害状況についての御報告がありました。昨年の冬の期間も含めて、二年連続して大変な豪雪に見舞われたという状況でございます。特に、予算措置をしっかり各自治体でしていたんですけれども、新潟県や青森県初め全国の各自治体で、もう一月の末の時点で除排雪等の予算が底をついてしまって補正の予算を組まなければならない、こういう状況になりました。

 私の住んでおります北海道もことしの冬は大変な豪雪に見舞われまして、とりわけ、岩見沢市、三笠市というところにおきましては、観測史上最高の積雪を記録しました。交通網はほとんどストップしてしまうような状況でございまして、加えて、除排雪がほとんど追いつかないということで、自衛隊の出動、支援をいただいたところでございます。家屋の倒壊、それから、農業用のビニールハウスも数多く倒壊しまして、今後、これらの被害にどう対処していくのかということが非常に懸念されております。

 こうした中で、私ども公明党におきましても、現地の視察ですとか、それから、二月に関係団体からの要望をいただいて、去る二月八日の日には、政府に対して豪雪被害に関する緊急提言をさせていただきました。その後、プロジェクトチームもつくりまして、さまざま対応してきたところでございます。

 それから、この緊急提言を、結果として受ける形というのはちょっと言い方はあれかもしれませんけれども、先ほどの質疑の中にもありましたけれども、政府としては、特別交付税の繰り上げということで早速措置をしていただきまして、これは関係者の方々も大変ほっと安堵しているという状況でございまして、ありがたく思っております。

 もう一方で、きょうはこれが一つのテーマになりますけれども、自治体によっては、豪雪対策としての自治体独自のさまざまな取り組みをしているところが数多くあります。例えば、仙台市などは町内会などが除排雪の機械を購入する経費を補助している、あるいは、北海道の深川市では、町内会が民間業者に除排雪を委託する場合に、ではここにも一部補助をつけましょうとか、そういう取り組みを各地でしております。

 私は、こういう背景には何があるかというと、やはり、除排雪の対策には、かゆいところに手が届くような、そういった迅速でかつきめ細やかな対応がなければいけない、また、それぞれの自治体がその地域に合った除排雪対策の事業をしっかり丁寧にやっていくということがあるがゆえに、さまざまな独自の取り組みがあると思うんです。

 そこで、まず大臣にお伺いしますけれども、こうした自治体等のバックアップの仕組みをつくって、自治体等に対して国としてしっかり支援をしていくということが豪雪対策の一番根本にあることだと私は思うんですね。したがいまして、大臣にまず、この豪雪対策において、国の自治体支援の考え方についてお伺いしたいと思います。

○中川国務大臣 私も現場に入りまして、それこそ地域のコミュニティー、自治会長さんだとか、あるいは民生委員さんを含めてお話を聞いたり、あるいは市長さんのお話を聞いたりしましたが、まさに御指摘のとおりで、それぞれの地域に応じた、本当にきめ細やかな支援体制と、もう一つは、自助で、そのコミュニティーがつくり上げているシステムというのを、うまく自治体と連携しながら対応していくというような体制をつくっていくということ、これが非常に大事な観点だというふうに理解をさせていただいています。

 それだけに、国の方が市町村に対してどういう形でそれを支援していったらいいかということになるわけですが、今は、それこそ使い勝手のいい資金ということになると、特別交付税で、特交で見ていくということがあるじゃないかということなんだろうと思うんですね。

 しかし、本当にそれだけでいいのかということをちょっといろいろ工夫して考える必要があるんじゃないか。その要因というのは、やはり、その地域自体が高齢化してきているということと、それから、社会構造が変わってきている、特に土木関係の事業所というのが縮んできているというようなこともあって、非常に組み立てが難しくなってきているだけに、さらなる国としての工夫も必要なのかなという思いを持っております。

 さらに検討しながら、何が対応できるかというのを考えていきたいというふうに思います。

○稲津委員 ありがとうございました。

 大臣から今、特に自助、共助の話から触れていただいたんですけれども、私は、共助という考え方は非常に大事だと思っているんですね。先ほども、町内会の除雪機の購入に対する自治体の補助の話がありました。こういう、町内会で独自に丁寧に共助という形で除排雪をやっていく。それから、これはもう御案内かと思いますけれども、営利を目的としない団体、いわゆるNPO法人ですとかボランティアの団体等による除排雪の協力を受けている自治体もあるというふうに承知をしております。

 私は、今後、こうした団体が除排雪の担い手として御活躍をいただくということは大変重要であって、かつ、これからそういうことをしっかり推進していくことがむしろ必要だろう、こう考えております。今後、NPOまたボランティア団体等による除排雪に係る、さまざま当然これは費用がかかりますので、これに対する市町村の補助、これは交付税云々という話になるのかもしれませんけれども、国として、財政上の措置、支援を私はすべきと思うんですけれども、これがどうかということについて確認させていただきたいと思います。

○中川国務大臣 NPOに対する事業の委託といいますか、そういう形というのは、除排雪に限らずさまざまな分野で今広がりつつある、あるいは、それを活用して、私たちの言う新しい公共の分野というのを担っていただくということ、これが大切なことだというふうに思います。

 そういう観点から、除排雪をうまく組み込んでいってシステムをつくるという、そんな工夫も、御指摘のようにあるんだと思いまして、しっかり考えていきたいというふうに思っております。

○稲津委員 先般、積寒協、全国積雪寒冷地帯振興協議会の会長の泉田新潟県知事から、ことしの豪雪の状況の説明と、それから要望をいただきました。その中で、私が非常に印象深く思っていたのは、新潟県が独自に行っている雪処理担い手確保スキームというのがありまして、この中に、雪処理の担い手として、ボランティア団体、これをスコップ隊ということで、御案内かもしれませんけれども、十年前から募集をしていまして、現在約千名の方がノミネートしていただいている。中には埼玉県から来る方もいらっしゃって、県外からの参加者も数多くいるようです。このスコップ隊の皆さんは全員手弁当で、もちろん交通費もそうですし、宿泊費とか、全部手弁当でやっていただいていると、知事も大変な感謝をしておりました。

 しかし、もう一方で、県としてもこういった方々への何らかの支援をしなきゃいけないなということも言っておりまして、私、今、大臣からの答弁をいただきましたけれども、ぜひそういったことについて今後御検討いただきたいと思っております。

 さて、社会資本整備総合交付金について、これは確認でお伺いしたいと思うんですけれども、この社会資本整備総合交付金は除排雪等々に場面によっては非常に使えるというふうに認識していますけれども、平成二十二年度は四兆四千九百億円。二十三年度、対前年度比八〇%で三兆五千八百億円。さらに、二十四年度は八三%の二兆九千五百億円ですね。

 私は、こういう状況であれば、これは非常にゆゆしき問題だと思うんですけれども、この減額している理由について御説明いただきたいと思います。

○本田政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、社会資本整備総合交付金自体は、二年にわたって対前年約八割という形で推移しておりますが、その事情といたしましては、まず第一、厳しい財政事情のもと、公共事業予算が削減されておること、もう一点は、この財源を活用させていただきながら、年度間、地域間の変動あるいは偏在が小さい事業につきましては地域自主戦略交付金へ移行させていただいたためにこういった形で減額になっております。

 ちなみに、平成二十四年度予算として計上させていただいておる分につきましては、全国防災枠を活用させていただき、かつ、今申し上げました地域自主戦略交付金に移行した分を含めますと、大体平成二十三年度並みの予算を確保させていただいておる、こういった状況でございます。

○稲津委員 地域自主戦略交付金、それから防災の枠というお話がありました。

 そういう意味はわかるんですけれども、しかし、この除雪、排雪、豪雪対策の根幹をなすような予算を切り込んでいくというのは、私はどうしても納得いかないですね。

 地域自主戦略交付金の中には、後ほどまたちょっと触れますけれども、空き家対策についての予算も入っておりまして、私は、これは少し自分の主張をさせていただきますけれども、やはりこの総合交付金についてはしっかり予算を維持していくということが大前提である、こう思っておりますので、そのことは主張させていただきます。

 さて、今度は空き家対策について伺っていきたいと思うんです。

 ことしの冬の豪雪で家屋の倒壊が相次いでいるということで、私の地元の北海道の空知地域というのがありますが、ここでは、この冬、三月十四日の末時点で、住宅や公共施設など八十一棟が倒壊しました。これは、人口が三十万ちょっとぐらいの地域ですから、しかも、この八十一棟の倒壊というのは、先ほど紹介させていただきました岩見沢市とか三笠市、こういったところに集中していますので、大変甚大な被害でございます。

 その中には、持ち主のいない、あるいはまた不明な空き家も少なくない状況でして、先般、私は、この岩見沢市の商店街で、雪の重みで倒壊した、持ち主が不明な空き店舗を視察させていただきましたけれども、市の職員の方から、解体撤去にかかる費用が約百五十万ほどかかる、これも市の持ち出しになってしまうと説明がありました。

 総務省の調査によりますと、平成二十年度の全国の空き家の戸数というのは七百五十七万戸、十年間で百八十一万戸ふえている。そのうち、居住世帯が長期にわたって不在な住宅、それから建てかえのために取り壊す予定になっている住宅、こういったものが二百六十八万戸ある。十年間で何と八十五万戸も増加している。これらの空き家の中には、持ち主がいないとか、また不明な空き家というのも多く存在する状況で、私は、この空き家対策というのは非常に重要な問題になっていると思っています。

 そこで、これらの空き家の除排雪や危険な状況をなくすことが必要なことであるから、空き家の除排雪や撤去規定を盛り込んだ自治体の条例、これを今、全国各地で制定する動きが始まってまいりました。

 そこで伺いますけれども、豪雪による空き家の危険性をどう認識されているのか。また、空き家対策への自治体支援などをどう考えているのか。この点についてお伺いしたいと思います。

○後藤副大臣 先生御指摘のとおり、全国で、豪雪地帯のみならず、空き家対策というのは、国土政策上も大きな課題だというふうに思っています。特に、先生御指摘のとおり、豪雪地帯における空き家、先ほど来御議論があるように、やはり所有者がいない、そして、所有者がいてもなかなかいろいろな形ですぐ市町村の要望に応じてくれないと。

 いろいろな課題がある中で、雪が降ってからの対策としては、先生も御案内のとおり、災害救助法で空き家の除雪というのが、国と都道府県の負担で除雪が対応できるという仕組みと、先ほどもお話があったように、通常時の空き家の撤去というのは、社会資本整備総合交付金を活用して、自治体の取り組みをサポートする仕組みがございます。

 いずれにしても、先ほど来の、自助、共助、公助という形で、どの方がというよりも、まずはもちろん所有者の方がみずからの意思で危険なものはできるだけ撤去をしていただく、そして所有者の方が、自分の家であればみずから除雪をしてもらうということは、まず一義的であると思いますが、やはりそれでできないような高齢化、過疎化というのが、特に豪雪地帯では進んでいるというふうな認識のもと、何がこれから国として支援できるかということは、関係省庁と連携をしながら検証、そしてこれからのあり方を、昨年の十二月にも、大雪に対する防災力向上方策検討会提言中間とりまとめというものもございますので、そういうものも参考にしながら鋭意検討してまいりたいというふうに思っています。

○稲津委員 撤去等の費用負担についてもさらにお伺いしようと思ったんですけれども、今一部御答弁がありましたので、そこは質問いたしません。

 その上で、この空き家のことについて再度お話を申し上げたいと思うんですけれども、空き家に対しての雪の被害をどうするかという、除排雪等の問題がありますね。

 それともう一つは、今御答弁ありましたように、空き家で存在していること自体が非常に危険なので撤去しようと。そこは社会資本整備総合交付金の中の空き家再生等推進事業で対応していくという話なんですけれども、この空き家再生等推進事業については、対象となっているところが、産炭地域、かつて炭鉱のあった地域ですね、それからもう一つは過疎地域というふうに、一応限定されているんですね。

 実際に、空き家の状況はどうなっているかというと、先ほど私が申し上げましたように、北海道の岩見沢市という、人口十万もある町の繁華街の中に空き家が幾つも存在していて、ですから、そう考えていくと、この空き家再生等推進事業というのは少し使い勝手が悪くなっているのかなという気もいたします。

 きょうは、その見直し等についてもここで要望だけさせていただきますけれども、そういったことで今後の対策をぜひ講じていただきたいということを申し上げたいと思います。

 次は、これは一点だけ確認ですけれども、雪をどのようにしてエネルギー資源として活用するかということなんですが、これは再生可能エネルギー等のテーマもあって大変関心が高まっていると思います。実際に、幾つかの事業に先進的に取り組んでいる、そういう地域もあると承知していますけれども、雪冷熱エネルギーの活用促進の取り組みの状況について、確認の意味でお伺いしたいと思います。

○新原政府参考人 経済産業省としましても、御指摘の雪冷熱エネルギーでございますけれども、エネルギーの地産地消、未利用エネルギーの有効活用といった観点から重要であると認識をしております。

 このために、平成十四年に新エネルギー法施行令というものの改正を行いまして、雪冷熱エネルギーを新エネルギーとして明確に位置づけを行いました。そして同年から、雪冷熱エネルギーを利用した設備の導入補助を実施してきております。これまでに二十二件の施設に対して補助を行ってきておりまして、このような活動によって認知度が高まりまして、私どもの調査によれば、今全国で百四十の施設に雪冷熱エネルギーが導入されているところでございます。この百四十の全事例について、後の方の参考にしていただくべく、雪冷熱エネルギー活用事例集というものを作成して普及活動に当たっております。

 今後も、設備導入補助や先進事例の紹介を通じまして、雪冷熱エネルギーのさらなる利用拡大に努めてまいりたいと考えております。

○稲津委員 ありがとうございました。

 既に各地で、雪室ですとかそういう簡単なものから、さらに、野菜とか農産物を雪の冷熱エネルギーで長期保管するとか、取り組みがあります。ぜひ予算も、微増みたいな状況だと思うんですけれども、拡充も含めて検討していただいて、この取り組みを進めていただきたいと思います。

 次は、これも確認ですけれども、自衛隊の災害派遣のことです。

 ことしの冬の豪雪、道、県の要請によって自衛隊の災害派遣が幾つかありました。全国で三市一町、合計四回ということを伺っております。大雪により道路の除排雪が追いつかなくなって、市民生活に大きな影響が出た。自治体の住民からは、自衛隊の出動に大変安堵、喜びの声をいただいたところでございます。

 今回の自衛隊の出動は、青森県横浜町の立ち往生している車の運転手等に対する安否の確認、それから北海道の道路の除排雪等の支援でございました。

 そこで、確認ですけれども、このような自衛隊の出動については、都道府県からの要請によって、所管の自衛隊の部隊が緊急性などを考慮して出動する、こういうふうに承知しております。

 道路等の除排雪をしていただいて、先ほど申し上げましたように、住民の方々は大変喜ばれたんですけれども、もう一方では、例えば、危険な家屋の雪の撤去ですとか、屋根の雪おろしとか、こういうこともあわせて、一部のところでも結構だからやっていただければな、こういう声もありました。

 聞くところによると、道路の除排雪等が基本で、そういう屋根等の雪おろしというのは具体的にはされていないんだ、こんな話も聞きますけれども、自衛隊の出動による、家屋の屋根の雪おろし等の出動はあり得るのかどうかということについて、確認です。よろしくお願いします。

○松本政府参考人 お答え申し上げます。

 自衛隊の災害派遣は、今先生から御指摘がありましたように、都道府県知事等からの要請に基づきまして、事態やむを得ない場合に、緊急性、非代替性、公共性という三つの要件を総合的に勘案して実施しております。

 御指摘の屋根の雪おろしにつきましては、今申し上げました三つの要件のもと、実はこれまでも、孤立した高齢者等の個人住宅の屋根からの雪おろしなどをやってまいりました。また、そのほかにも、先ほど先生から御指摘もありましたけれども、立ち往生した自家用車の救助もやっております。そういった意味で、可能な限りきめ細かな雪害に係る対応を実施してきております。

 今後とも、私ども、降雪の状況でありますとかあるいは地元の要請に対して、より的確に対応できるよう努力してまいりたいと考えております。

○稲津委員 ありがとうございました。

 時間が大分迫ってまいりましたので、次に移ります。

 次は、地方自治体が国道、県道、市町村道の一体的な除排雪を担うことの制度、それから財政的な措置、これがどうなっているのかということについてお伺いしたいと思います。

 一般的に、道路の除排雪というのは、国道は国、県道は県、そして市町村道は市町村、こういうわけでございますけれども、一部の地域では、効率化を図る観点から、地方自治体が県道、市町村道の一体的な除排雪を担って実施をしている、こういう事例があります。

 私の地元、北海道の奈井江町と浦臼町というところですけれども、ここでは、北海道から市町村への権限移譲に向けたモデルケースとして、北海道の道道の維持、除排雪の業務委託を受ける形で実施をしております。

 こうした事業が進められることの必要性を私は考えるんですけれども、このことに関しての所見というか、財政的な措置も含めてお伺いしたいと思うんです。

 私は、今後はできる限り、こういったところは可能性があれば進めていくことが、効率化、あるいは地域住民に直接サービスを具体的に提供できるという意味では有効かなと思うんですけれども、この点についての確認をさせていただきたいと思います。

○菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生から御指摘ありましたように、北海道におきまして、これは平成十九年からのようでございますけれども、一部、道道の除雪業務を奈井江町などに委託をして、町道と一体となった除雪作業、夏場の維持作業もやっているようでございますが、こういったことを試行的に実施しているというふうに聞いております。

 こういった委託の場合でございますけれども、例えば除雪の場合、道と町で除雪の出動基準が違うとか、そういったところの調整とか、あるいは管理者間の協議等ありますけれども、町道と道道の除雪を一体的に行うことで、作業効率の向上とか、あるいは地域に密着した迅速な対応が可能となる、こういった業務の効率化やサービス向上といった効果があるというふうに聞いております。

 地域の道路につきましては、自治体間で調整を図りまして、協力して効率的な除雪作業が行われる場合にこういった取り組みというものを推進すべきであるというふうに考えております。

○稲津委員 ありがとうございました。

 地域の住民の方にとってみると、国道であろうが県道であろうが市町村道であろうが、道路には変わりなくて、よくあることなんですけれども、市町村道の除排雪は早いのに県道が遅いとか、そういう話がよくあって、私は、こういった取り組みというのは、今後やはり十分検討して、必要であればこれを後押しするような、そういう取り組みをぜひお願いさせていただきたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、克雪住宅の整備についてということでお伺いしたいと思います。

 豪雪地帯は、まさに冬になると雪との闘いになっていきますね。特に、今、高齢化が進んでいる時代ですから、ひとり暮らしのお年寄りとか、高齢者の夫婦のみの世帯というのもどんどんふえてまいりました。こうしたことから、雪国に合った克雪住宅をしっかり整備していこうということがございまして、私は、一層の整備が必要だろうというふうに思っています。

 そこで伺いますけれども、克雪住宅整備に関する税制上の優遇措置、それから補助金制度の現状と今後の考え方を最後にお伺いいたしまして、質問とさせていただきます。

○渡延政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘がありましたとおり、雪おろしの負担、それからそれに伴う危険の軽減を図る観点から、住宅の克雪化に取り組むことが大変重要だと考えております。

 このために、地域にお住まいの方々が、雪を落とす、あるいは雪の重みに耐える、さらには雪を解かすといったさまざまな形式の克雪住宅を整備しようとされる際に、地方公共団体におきましては、雪害に強い公営住宅の整備等とあわせまして、そうした住民の皆さんの取り組みに、社会資本整備総合交付金等により国は支援を行っておるところでございます。

 また、これに加えまして、特別豪雪地帯等において積雪対策のために建築される高床式の住宅につきましては、固定資産税及び不動産取得税の軽減措置を講じているところでございます。

 こうした制度、補助あるいは税制につきまして、周知に努め、各自治体における取り組みと相まちまして利活用がなされますように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

○稲津委員 終わります。ありがとうございました。

○村井委員長 次に、高橋千鶴子君。

→3月16日衆議院災害対策特別委員会会議録?¢
戻る