三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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衆議院 災害対策特別委員会 会議録? 蔽櫺式儖÷、木村委員、秋葉委員)

平成24年3月15日(木)

○村井委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

    ―――――――――――――

○村井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹下亘君。

○竹下委員 おはようございます。自民党の竹下亘でございます。

 大臣所信に対しまして質問をさせていただきます。

 まず、何をいいましても、今の原発の事故、日本にある五十四基の原子力発電所、まずは地震、津波に対する備え、その後どうなっておるか。堤防を高くするとか電源を確保するとか、いろいろなことをやっておるというふうに伝わっておりますが、現状がどうなっておるか、お話をいただけませんでしょうか。

○中根大臣政務官 おはようございます。竹下先生にお答えを申し上げます。

 今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ、原子力災害発生後の初動の危機管理は官邸主導で行うこととし、これを支える体制を強化することを基本的な考えとし、原子力規制庁の発足時期に合わせて、原子力災害対策特別措置法改正や、防災基本計画や原子力災害対策マニュアルの改定作業を進めているところでございます。

 また、原子力安全委員会における避難等の基準を含めた防災指針の見直しの検討の中で、緊急時に直ちに避難を行う予防的防護措置を準備する区域、PAZと言っておりますが、おおむねこれは五キロ圏でございます、や緊急時防護措置を準備する区域、UPZ、おおむね三十キロでございますけれども、等の考え方が示されたところでございます。

 こうした避難のあり方の詳細については、地域自治体が策定する地域防災計画に盛り込まれる必要があり、経済産業省といたしましては、ガイドラインをお示しするなど、地域防災計画の作成の支援をしていくことが重要と認識をしております。

 さらに、今般の事故対応では、原子炉データの転送、伝送や各拠点間の情報共有に極めて大きな障害が発生したことから、第三次補正予算等を手当てするなどして情報通信手段の強化を図ることといたしてもおります。

 加えて、改正後の原子力災害対策特別措置法等に基づき、原子力事業者に実践的な防災訓練を指導し、オフサイトセンターの見直し、充実や政府の対応体制の整備等を通じて、緊急時対応に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。

 以上です。

○竹下委員 何を言っているかわからなかったですね。

 具体的に、例えば十数メートルの堤防を全部設置を終わったのか、あるいは第二次電源が安定的なところに全て設置を終わっているのか。実はそれだけじゃなくて、私は、大事なことは全部オープンにしないということだと思うんです。どこにどんな電源があって、どこにどんな配線があって云々ということを全部オープンにするということは、安全保障上、これは本当は言いづらいことですが、テロ対策上やってはいけないこと。大事なことは全部オープンにしない、大事な部分はオープンにしないということも含めてしっかりとした対応をしていただきたい、このように考えておるところでございます。

 また、例えば島根県の場合、原発一号機、二号機、今とまっております。そして、三号機がもうほぼ完成をいたしておりますが、稼働していないという状況にございます。

 先ほど、政務官がお話しになった五キロ圏あるいは三十キロ圏ということがございましたが、島根県庁も、松江市役所も、オフサイトセンターも、島根県警本部も、原発から九キロのところにございます。もし何かあったらどうすればいいんだというのは、県としても本当に悩みに悩んでいろいろな対応を考えて、隣県にまで含めて、広島、山口、岡山、鳥取に避難をさせていただきたい、そのときには受け入れていただけますかということも含めて検討をいたして、準備をいたしております。

 これは、今すぐどうこうするというのではなくて、やはり、起きても安全な体制をつくるんだという、安心、安全のいわば礎をつくるための方策としてやっておる。いわば、ハードの面でしっかりと防御をとる、そして、ソフトの面で、それでも人間のやることですから、何かが起きないという保証はないわけでありますので、そのときへの備えをしっかりとしておく。さらに当然、避難訓練その他も含めて、やらなければならない点は多い、このように感じておるところでございます。

 ぜひとも、オフサイトセンターを含めてみんな十キロの範囲の中にあるという点は、多分昔はそれでいいだろうという判断であったんであろう。何せ、合併したからではありますが、県庁所在地である松江市の中に原子力発電所が三基あるというのが現状でございます。いわば、東京でいえば羽田空港あたりに原子力発電所がある、そういう状況にあるということを御認識いただいて、しっかりした対応を示していただきたいし、県に全部任せても、県庁で全て対応できることではありません。国としてどうするんだという方針みたいなものをもっともっとはっきり示していただきたい。

 私どもが危惧をいたしておりますのは、一つは、四月一日から原子力規制庁が発足をいたします。そこに向かって、例えば保安院とか原子力委員会、こんなことはあっちゃいけないんですが、俺たちの仕事は三月三十一日までなんだということで、そのつなぎ目の間に空白が生じないかということも我々真剣に心配をしておるところです。本当に四月一日にできるのか、きちっとした切れ目のない原子力行政というものが、あるいは安全の確保というものができていくのかということも含めて大変心配をいたしておるところでございます。

 規制庁の発足、そしてそれに向けての準備、切れ目が本当にあるのかないのか、あったら困りますが、しっかりとしたお答えをいただきたいと思います。

○中根大臣政務官 竹下先生御指摘の点は、大変重要な点ばかりでございます。

 まず、三十キロ圏ということでいえば、鳥取県なども含まれてくるということでございますので、そういう隣接県も含めた避難をどのようにしていくかということでございますけれども、島根原子力発電所におきましては、仮に今回の東京電力福島原子力発電所のような事故が発生すれば、近隣の鳥取県も含めた避難が必要になると想定をしておりますので、あらかじめ、こうした事態も想定した避難計画を検討しておく必要があるということにつきましては、竹下先生と認識を共有させていただいております。

 特に、医療や介護を必要とする被災者を受け入れる施設は、島根県内だけでは不足をするということでございますので、受け入れ先の確保が大きな課題になると認識をしております。既に、島根県におかれましては、近隣の県と連携をし、避難計画の検討を進めていると承知をいたしておりますが、国としても、必要な調整を行うなど、島根県等の取り組みを支援してまいりたいと考えております。

 また、島根県のオフサイトセンターは、先生御指摘のように、島根原発から約九キロ離れております。ただし、県庁から約三百メートルの距離にあるため、福島のような事故が発生した場合には、オフサイトセンターと県庁が同時に放射性物質の影響を受けるということが想定をされます。

 また、代替オフサイトセンターとして指定されている松江の合同庁舎は、同発電所から約十三キロ、オフサイトセンターから見ても四キロという距離にあり、今回の東京電力福島第一原発事故のようなことが発生した場合には、代替施設として活用できない可能性もあります。

 事故対応の拠点となるこうした施設のあり方については、原子力安全委員会の中間取りまとめにおいて、原子力施設から十分離れ、災害の影響の小さい位置、かつ緊急時スタッフの確保が容易な位置に設置する必要があるとされております。今後、地元ともよく相談をして検討してまいりたいと思っています。

 また、四月一日に原子力規制庁が発足できない場合においても、先生御指摘のように、切れ目のない対応をしていくのは当然必要なことであると認識をさせていただいております。

○竹下委員 ぜひ十分な体制をとっていただきたい、本当にこれは心から思います。

 そして、ゆうべもかなり大きな地震が二カ所で発生をいたしました。今、国の正式な文科省の見解では、三十年以内に七〇%以上の確率で、首都直下型地震マグニチュード七程度という想定のようでございますが、起きるというのが、これが公式な見解だと伺っております。

 では、そのときにどうなるだろうと大変危惧をいたすわけであります。火災の起きる時間だったらどうなるんだろうか、あるいは、夜間だったらどういうことが起きるんだろうか、いろいろなことを自分の頭の中でぐるぐる考えながら、本当に大丈夫かなということを考えざるを得ない。

 たしか、首相官邸の地下を初め数カ所に、いわば指令センターあるいは情報が集まるセンターというものが、防衛省とか立川とかいろいろなところにあるということは伺っておりますし、防衛省の施設も立川の施設も私はかつて視察に行ったことがございますが、首都直下型の地震が起きた場合、首都圏にそういうものが数カ所あっても全部一緒にやられちゃうんじゃないか、あるいは、そこはやられなくても、総理なり、防災あるいは緊急復旧に当たる役所の皆さん方が駆けつけられない状況というのが首都圏で起きるのではないかということも心配をいたしておるところであります。

 そこで、一つの物の考え方でございますが、数百キロ、五百キロとか千キロ離れたところにもう一つ防災の拠点をつくったらどうだという議論、我々も議員連盟の中で何十回と議論を重ねてきたところでございます。

 大企業に話を聞いてみますと、BCP、事業継続計画というものをそれぞれ持っておって、例えばインフルエンザでこの工場が閉鎖になったらどうする、あるいは首都圏の大地震があって本社が機能しなくなったらどうする、それでも事業が継続できるような計画をそれぞれ持っておるというふうに伺っております。

 そこで、政府にお伺いします。

 一つは、いわゆるバックアップシティーといったような考え方の準備ができているのかどうか。

 もう一つは、BCP、事業継続計画といったようなものがそれぞれの、少なくとも役所ごと、役所を一つの企業と考えてもいいんですが、役所ごと、そしてそれを統括する防災担当大臣のもとで、国家のBCPの考え方あるいは計画というのはどうなっているのか。

 我々、衆議院に所属をいたしておりますが、例えば大地震あるいは今回の原発事故といったようなことを考えますと、国会を東京以外のどこかで開かなければならない事態、長い間政府が移動するということになりますと、そういうこともあり得るだろう。では、衆議院、参議院に本当にそんな事業継続計画に近い考え方があるのかどうか。

 そういった点を含めて、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

○中川国務大臣 改めて、おはようございます。どうぞ、きょうもよろしくお願いをいたします。

 首都直下型地震に関しましては、特に東日本大震災の影響を受けまして、専門家の中では、地下の応力が変化をしてきているということがあって、前にも増した切迫感でもって対応をしなければならないということが指摘をされておりまして、先ほど御指摘をいただいたものに対する検討についても、私もこのポストについてから、とにかく時間との勝負だから、もっと計画を早めて、検討の結果を出して、結果を出したということだけじゃなくて、しっかりとその体制が組める状況にしていくようにという指示を今しておるところでございます。

 その上に立って、少し経緯をお話しさせていただきたいと思うんですが、これまでは、平成十七年に定めております、予防から応急、復旧復興までの対策のマスタープランの首都直下地震対策大綱、これが基本になっております。特に、発災後三日間程度の応急対策活動期においても、途絶することなく継続性が確保されることが求められる、これがこの大綱の基本的な要旨なんですが、それに基づいた対応をこれまで考えてきたということであります。

 今、この大綱について全面的に見直していこうという作業を始めておりまして、その母体というのが、平成二十三年十月に設置をしました首都直下地震に係る首都中枢機能確保検討会というものでありますが、これで検討をしてきたということであります。

 今月七日に、防災対策推進検討会議のもとに改めて首都直下地震対策を検討するワーキングチームというのをつくりまして、関東大震災クラスの地震も含めた対策の強化をしていくということで、今まさにその検討をしているさなかであります。

 その中で、先ほど御指摘されたように、専門家の中の分析で、これまで想定してきたよりも浅いところで直下型地震が起きる可能性があるということで、マグニチュード七でありますが、それが震度としてどういう形で表面に影響を及ぼすかということ、これをこのワーキングチームの中で、専門家集団で大体予測していくという作業が一つあります。

 それに基づいて、既に始めているんですが、先ほど御指摘の出たBCPですね、各省庁でどういう形でこのBCPを確保していくかという検討がずっとなされているんですけれども、今の想定がどうも私の感覚では甘いということを指示しておりまして、もう少し深掘りをした、想定をシビアなものにした形でBCPを再検討するようにということを指示しております。

 もちろん、各企業についても、先ほど御指摘ありましたように、それぞれの企業のBCPを検討していくということで、この間も、それぞれ産業界との説明会といいますか懇談会を持ちまして、私も出席をして、その辺の対策をさらに進めていこうということを申し上げたところであります。

 一つは、東京都と国との間で検討会をしているということ。これは、避難とか、それから首都圏の住民対策、避難対策を中心にした検討会を一つ設けておりまして、それが今議論を進めているということ。

 それからもう一つは、首都機能を、先ほどの各省庁のBCPも含めた形で、どのように確保していくかという議論をしているということ。

 これを全てワーキングチームにまとめまして、まとめた上で、さっきお話の出たバックアップ機能、首都圏そのものがダウンをしたときにそのバックアップをどうしていくかということ、このことも含めて、このワーキングチームでしっかり対策を立てていくということ、こんなことをシナリオとして今進めております。

 できれば、この夏ぐらいにワーキングチームの中間報告を得て、その中でまたさらに対策を進めていきながら、ことしの冬あたりで総合的な結論を出して、大綱の一つの見直しに結びつけていけるというふうなスケジュールで頑張っていきたいと思っております。

○竹下委員 いろいろやっていらっしゃることは今大臣のお話でわかりましたが、国民感覚といいますか庶民の感覚でいいますと、もっと事態は切迫しておる。目に見えるものをもう少し早く出していかないと、安心感は出てこないのではないかなという懸念を持っております。ぜひ急いでやっていただきたい。

 そして、大地震だけではない。アメリカがよくとる手法でありますが、首都直下型地震で機能が麻痺したときという前提ではなくて、原因は何でもいいんです、首都機能が麻痺したときにどうするか。原因はいろいろなことが考えられる。大隕石が落ちてくることだって考えられる。原因は何でもいいけれども、そのときにどうするかという物事の発想。地震という原因にとらわれずに、ぜひ、国家としてのまさに生き残り、そして国家機能を一日も早く立ち上げる、復活する道筋というのを示していただきたい、このように思う次第であります。

 それでは次に、通常災害といいますか、私は田舎者でございますので、田舎の防災対策。

 日本列島は、まさに災害列島の上に乗っておるわけであります。地震は日本じゅうどこでも起きます。さらに、去年、和歌山県、三重県で起きたような台風による災害、水害、山崩れ、今新潟で起きている土砂崩れといったようなものは、日本じゅうまさにどこでも起きる。そして、多くの場合、土砂崩れ、水害等々、人命に大きな被害が出るのは、中山間地帯で起きる。そこの防災力が、限界集落になっていくこと等々でどんどん弱まっているのではないか。

 しかし、田舎が壊れたら日本は壊れる、こう思っております。ここへの対応というのを、ますますというより、しっかりとやっていかなきゃならぬという点が一つであります。

 そしてもう一つは、今回の東日本大震災のときもいろいろ参考になりましたが、学校というものが防災の拠点、あるいは一時的なことも含めて避難場所になったり、その地域のコミュニティーのど真ん中に位置しておるわけでありますので、そういった点を考えますと、避難する場所の防災対策、例えば耐震化といったようなことが果たして十分できているだろうかと危惧を抱かざるを得ない、このように考えます。

 今、小中学校に限ってでもいいんですが、私が卒業した小学校は廃校になりましたけれども、その近くに統合小学校ができて、そこは、いわば耐震化工事を施した校舎に新たに生まれ変わったわけであります。

 今、日本じゅうで起きております現象は、もう廃校だらけ、そして統合する学校ができたり、あるいは防災拠点として、しかも防災を考えますと、学校というのは、スペースはありますが、トイレの数の問題ですとか毛布の備蓄ですとか、正直言って、二日、三日ぐらいは孤立するということも想定しなければいけませんので、そのときのとりあえずの食料の備蓄ですとか、学校を耐震化するだけではなくて、そういう準備ができているかどうか、おわかりになる範囲で結構ですので、お答えをいただきたいと思います。

○中川国務大臣 まず、前半の部分でありますが、それぞれ地方についての災害対策は、地方都市等における地震防災のあり方に関する専門調査会というのが今動いておりまして、数日でこの報告が出てくる予定であります。

 そんな中で、地震発生時における課題や教訓、実際の対応を踏まえて、検討結果と、自治体が実施すべき災害対応のチェックリストであるとか、起こったときに、これとこれとこれが満たされているかというのを具体的にチェックしていけるようなものであるとか、あるいは自治体がこんな対応をしているという事例集を発表して、それぞれに生かしてもらうというふうなことを考えております。

 その中で、先ほど御指摘のありました中山間地域については、いろいろな問題を抱えているということ。特に、支援する側の高齢化、消防団をつくるにしても、消防団そのものが高齢化をしてきている、そういう状況なども踏まえた対策を考えていかなければならないということだと思いまして、そこについても、この中で検討をしていくということにしております。

 それから、学校の対策についてはまさにおっしゃるとおりでありまして、私も文部科学省にいたときに、特に東日本大震災について復興計画を立てていくときに、まず学校を中心に考えろと。学校をここにするということを決定すれば、そこでコミュニティーができ上がってくるので、学校を中心にコミュニティーの再構築というのをやっていこうじゃないかということをプログラム化しました。

 その中で、先ほどの、いわゆる避難地といいますか避難所の拠点になっていくということを前提に考えていった場合には、学校機能だけじゃなくて、さまざまな避難所としての機能をそれに附帯させていって、トータルでこういう学校づくりをしていくんだというものができるようなプログラムを設定しまして、各県の教育委員会に、そうした前提で地域に学校づくりをおろすようにということを流しました。

 それは、今の東日本だけではなくて、でき得れば、日本全体の防災計画の中に学校を再定義していくという作業にぜひ持っていきたいというふうに考えておりまして、御指摘をいただいたことをしっかり受けとめさせていただいて頑張っていきたいというふうに思っています。

○城井大臣政務官 お答えを申し上げます。

 今、中川大臣から概略のところはお話ししていただいたと思いますので、細かいところを少しだけ申し上げさせていただきたいと思います。

 耐震化そのものということで申しますと、公立小中学校では、平成二十三年の四月一日現在が八〇・三%、そこから、今、地方自治体と相談をしながら、事業のできる限りの前倒しを図っておりますけれども、平成二十四年度の予算案が執行されますと耐震化率は九〇%までまいるということであります。

 先ほど大臣からありました防災機能の強化、避難所機能の強化でありますけれども、そうした耐震化とともに、これまではなかなか手がつけにくかった部分、例えば先ほどの備蓄倉庫でありますとか、炊き出しのために使えるような給食施設の整備ですとか、高齢者の方々が避難されてきたときにお手洗いが使いやすいようにトイレのバリアフリーですとか、あるいは非常用電源としての太陽光パネルですとか、そうした一つ一つ、いざというときを想定した部分と合わせわざであるならばというところでの整備を現在進めておるということであります。

 今後も、地方自治体の要望をしっかり聞きながら取り組みを進めてまいりたいと思います。

 以上でございます。

○竹下委員 ぜひしっかりとやっていただきたい。おっしゃったように、学校は地域のコミュニティーのど真ん中ですから、ここがしっかりしているということは、安心、安全の一番の基本であるというふうに痛感をいたしております。

 時間になりましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。

○村井委員長 次に、木村太郎君。

○木村(太)委員 おはようございます。

 大臣、皆さん、本当に御苦労さまです。二十五分という与えられた時間ですので、答弁の方、簡潔によろしくお願いしたいと思います。しかも、中川大臣は同期の桜ですので、よろしくどうぞ。

 ことしは記録的な豪雪になったわけでありますが、改めて、雪によって亡くなった方に哀悼の誠をささげながら、また、被害に遭った方々には心からのお見舞いを申し上げたいと思います。

 そこで、豪雪による最新の人的、物的被害状況ということを御報告いただきたいと思います。

○中川国務大臣 人的被害でありますが、これまでに把握されたところでは、死者が百二十一名、重傷者が七百八十八名、軽傷者が一千三十二名というふうになっております。

 住宅被害としては、全壊が八棟、半壊が六棟、一部損壊が二百九十棟ということであります。

 また、農作物の被害や文教施設等の被害なども、北海道や青森県を初めとする豪雪地を中心に生じておりまして、私も二月十八日に山形県に赴いたんですが、除雪作業の現場や農業被害の実態を調査してきましたけれども、被害の数値としてはあらわれていない現地での御苦労を目の当たりにしてきたということでありまして、改めて、地域住民の皆さんの視点に立った生活支援、あるいは復旧対策に取り組むことが必要だというふうに痛感をしております。

○木村(太)委員 今のお話を聞いても、大変被害の大きいことしの冬の豪雪であったということだと思います。

 私のうちの前も、平地ですが、まだ一メートル以上の雪が残っておりますので、豪雪地帯はまだ冬は終わっていない、こういう感覚でいますので、引き続き、よろしくお願いしたい。

 気象庁にお伺いします。

 気象庁は三カ月予報、一カ月予報を発表しますが、当初の今期の冬の予測、予報、そして結果的に記録的な豪雪ということになりましたが、どのように分析しておりますか。予報ですから、必ず当たるということはあり得ませんけれども、この辺、確認をさせていただきたい。

○羽鳥政府参考人 お答えいたします。

 北日本日本海側の降雪量につきましては、十二月二十四日発表の三カ月予報では、十二月から二月までの三カ月間において降雪量を平年並みの可能性が大きい、十二月二日及び一月六日の発表の一カ月予報では、それぞれ平年より多い可能性が大きいと予報しました。

 本冬の北日本日本海側の最深積雪は、気温の低い日が多かった影響もございまして、ほとんどの地点で平年を大きく上回り、全国的に見て、ここ十年では平成十八年豪雪に次ぐ大雪となりました。

 このような大雪となった理由は、北極からの寒気が南下しやすく、冬型の気圧配置が続いたためでございまして、その要因としてはラニーニャなどが考えられます。

 今回の三カ月予報については、この寒気の南下ということについて予測が難しかった点がございます。

 以上です。

○木村(太)委員 予報ですから外れることもありますが、結果的に外れた、こういうことですね。答えてください。

○羽鳥政府参考人 結果的に外れたということでございます。

○木村(太)委員 そこで、大震災の経験を踏まえて、津波の予報というか、それを見直しするということを聞いております。雪に関しても、いま一度抜本的に見直しをするという考え方はありますか。

○羽鳥政府参考人 季節予報というのは、予測技術という点ではかなり難しい点がございますが、気象庁といたしましては、スーパーコンピューターを用いた数値予報モデルというものの改善に努めてございまして、今後とも、三カ月予報や一カ月予報の精度向上というところに努めたいと思います。

 しかし、一方では、季節予報になりますとどうしても不確実性が高くなるということがございますので、確率等の情報も含めて発表の工夫をしていく、さらに、雪の多いといった可能性も、いかに伝えていくかということについて考えていきたいと思ってございます。

 以上です。

○木村(太)委員 記録的な豪雪でしたので、除排雪費に費やしたお金も莫大な金額になっていると思いますが、おおむねで結構ですので、市町村、道県、それから国、おおよそどのぐらいになっているんでしょうか。

○吉崎政府参考人 お答え申し上げます。

 本年度は、全国的に平年の一・五倍の豪雪になっているということでございまして、まず、直轄国道におきましては、当初予算百八十七億円を確保しておりましたけれども、これを上回る除雪費が必要ということでございますので、現在、関係の整備局等から情報を収集しているところでございます。

 また、地方公共団体の数値でございますが、これは、積雪寒冷地につきましては、道府県の除雪費を翌年度、各自治体から御協力いただきまして集計しているところでございます。したがいまして、現段階で総額の把握というのは行っておりませんけれども、市町村については、除雪費の臨時特例措置として補助を実施するために必要な調査を現在行っているところでございます。

 ちなみに、おおむねということでしたので、昨年度の積雪寒冷地の除雪費につきましては、関係道府県で約五百五十億円程度ということですが、今年度、昨年度よりも大分雪の量も多うございますので、それを上回っているのではないかと予測をしております。

 以上でございます。

○木村(太)委員 おおむねでいいので、五百五十億が昨年度でしたら、市町村でしょう、あと県レベル、そして国レベルと考えると、一千億は突破する、こういう感じですか、イメージとして。そのぐらいもお答えできませんか。

○吉崎政府参考人 ちょっとここで数字を申し上げる準備ができておりません。申しわけございません。

○木村(太)委員 通告しているんですから、おおむねと言っているんだから、ちゃんと把握していただきたい。

 私の質問が終わるまでにちょっと確認してください。

○福田大臣政務官 お答えをいたします。

 今、国交省が出す経費のほかに、総務省の方では、地方公共団体の除排雪経費について、各年度の普通交付税の基準財政需要額の算定において、積雪の度合いに応じて標準的な所要額を措置しておりますけれども、実際の所要額がその措置額を超える場合には、三月分の特別交付税によりさらに対処をしているところでございます。特別交付税については、今月下旬の決定、交付をめどとして、地方公共団体の実情を伺いながら、まさに今算定作業を一生懸命行っているところでございます。

 そんなわけで、地方公共団体が除排雪に要している費用について、確たることを現時点で申し上げることは困難だということでございます。

 いずれにしても、今年度は、記録的な豪雪により、除排雪経費が例年に比して多額に上ると見込まれ、また、関係団体においては、豪雪被害によるさまざまな財政需要が生じていると考えられることから、よく実情を伺い、財政運営に支障が生じることのないよう適切に措置してまいりたいと考えております。

○木村(太)委員 政務官の答弁は私も知っていますから。そういうこともわかった上で、きのう通告して、おおむね、大体どのぐらいなのか、五百億なのか、一千億なのか、一千二百億なのか、そのことを聞いているんでしょう。

 委員長、ちゃんと指示してください、答えるように。

○福田大臣政務官 お答えをいたします。

 国交省の分については我々わかりませんけれども、総務省においては、今我々が見込んでおりますのは、今冬の記録的な豪雪による除排雪経費は、平成十八年豪雪のあった平成十七年度の普通交付税と特別交付税の合計措置額千七百八十二億円や、昨年度の豪雪、千七百六十八億円を上回る状況になるのではないかということで今精査をしているところでございます。

○村井委員長 国土交通省は後で答えられますか、どうですか。

 では、最後にもう一回質問していただく形で。

○木村(太)委員 昨年を上回るのは誰から見てもはっきりしているんですよ。それを知りたいから聞いているわけでしょう。

 では、次に行きます。

 国交省が地域維持型契約方式というものを推進しようとしておりますが、コンクリートから人へというばかげたキャッチフレーズによって、建設産業の大不況が続いている。そこで、業者の皆さんも、機材を手放し、また、それをやっても赤字になると撤退する状況が雪国では多いわけであります。

 そこで、通年を通じた契約とか複数年の除排雪の契約を進めるということがもう一度必要じゃないかなということになってきますが、国交省が推進しようとしていることは、そのことをきちっとカバーする、こういうことでよろしいですか。

○佐々木(基)政府参考人 お答え申し上げます。

 今、先生からお話がありましたように、建設企業の体力が落ちてきておりまして、小規模化が進んでいる。こういうことがございまして、除雪のように、一定の技術者とかあるいは機械を常時確保していなければいけないんですけれども採算性が必ずしも高くない、こういったものの仕事を行う企業が減少しておりまして、地域社会の維持に大変な支障を来すという危惧が生じているわけでございます。

 そういうことがございまして、昨年の八月に、各発注者が行うべきガイドラインであります入札契約適正化指針を改正いたしました。

 その内容の中心的な柱は、こうした人材とか機械の効率的な運用、それから安定的に施工をしてもらう、こういう観点から、一つの契約対象を従来よりも包括的に発注する、今、先生からお話がありましたように複数年でございますとか、冬の除雪と夏の除草を組み合わせるとか、あるいは道路の事業と河川の事業を組み合わせる、そういった地域維持型の契約方式の活用について明記いたしまして、これらの取り組みにつきまして、地方公共団体に要請を行ったところでございます。

 今後とも、除雪等の地域維持事業が安定的に実施されるよう努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

○木村(太)委員 もう一つ聞きます。

 雪寒指定路線の抜本的な見直し、指定の追加、これは国交省の政務官が表明しまして、雪降る地域のマスメディアを通じて報道され、知事や市町村長も大変期待しているんですが、いつから始めるんですか。

○吉崎政府参考人 ただいまの御指摘の見直しにつきましては、今もいろいろなデータをとっていること自体が、その見直しについての検討の一つのステップだというふうに思っております。

 ただ、ことし、それから昨年、非常に豪雪になっておりますけれども、それ以前が暖冬だった年もあることとか、あるいは支援の方法が、先生御存じのとおり、かつて補助金で支援しておりましたものが、現在は交付金という形になっていることとか、あるいは雪国の冬の生活スタイルがいろいろ変化してきていること、そういったことを総合的に考えなければならないというふうに考えておりまして、今の段階でいつまでということは申し上げられませんけれども、必要なデータの収集等については、現在も同時進行的に進めているということでございます。

 よろしくお願いします。

○木村(太)委員 何月何日と聞いているわけじゃないので、ここ数カ月で見直しをするのか、半年なのか、ことしじゅうなのか、次の来年の冬を迎えるまでなのか、そのぐらい答えてくださいよ。

○吉崎政府参考人 まことに申しわけないんですけれども、ただいま申し上げましたとおり、いろいろ検討する観点といいますか、まず、それをどういったところから設定していくべきなのかといった議論から始めなければならないというふうに考えておりまして、現段階でいつまでに結論を出すということが、残念ながらちょっと申し上げられない状況でございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

○木村(太)委員 理解できません。

 委員長、通告しているんですから。

 政務官が答えたんでしょう、国会の場で。五年かかるんですか、ことしじゅうなんですか、そのぐらいのイメージ、答えてくださいよ。だめだよ、そういう答弁は。

○吉崎政府参考人 そもそも、どういった観点からどういう項目について検討すべきかということを、今現在、いろいろなデータも収集しながら検討を始めているところでございますので、先生の御指摘の趣旨、できるだけ早く結論を出すべきだとか、それから、地方の方がそういったことに対していろいろ期待されているということは十分に理解しておりますけれども、いつまでにということについてちょっと申し上げられないことについて、御理解いただきたいと思います。

 よろしくお願いします。

○村井委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○村井委員長 速記を起こしてください。

 ただいまのことについて、省に戻られて、本日中に打ち合わせをして、これまでの答弁なども調べた上で御返答を願えますでしょうか。よろしいですか。

○木村(太)委員 委員会でちゃんと報告していただきたい。

 災害ですから、政局にするようなことでもないし、お互い、与野党を問わず、災害にどう対応していくかという当委員会の機能を高めるためにも、誠意あるきちっとした対応をしていただきたい。

 政務官が答えているわけですから、それに対して、大まかな、いつごろまでということぐらい、しっかりと役所として答えていただきたいと思います。

 関連して、雪寒道路の指定基準のうち、地域要件につきましては、豪雪法において、地域の指定基準と別の基準になっております。近年、積雪量の変動が激しい状況から、現在の指定基準のままでは、同じ道路が、見直しのたびに指定、指定解除を繰り返すという事態も想定されるわけですが、除雪事業に対する財源の不安定によりまして、計画的な交通網の確保ということが困難になることもしばしば懸念されるわけであります。

 そこで、豪雪法の趣旨に鑑みまして、雪寒法に基づいても地域の指定基準を緩和するという考え方はありますか。

○吉崎政府参考人 雪寒法は、積雪寒冷の度が特に甚だしい地域における道路の交通を確保し、産業の振興と民生の安定に寄与するという目的のもとにこの法律は立法されておりますけれども、積雪寒冷地域の指定も、同趣旨にのっとり行われているところでございます。したがいまして、見直しに当たっても、この趣旨に基づき実施されるべきものというふうに思料しております。

 一方、支援の方法が、先ほどの繰り返しになりますけれども、補助事業から交付金事業に変わったり、あるいは地方公共団体の自主性をより重視する方向にある、こういったこと等も考慮して、総合的に検討することが必要と考えております。

 先ほどの指定道路の検討について、先生御指摘がございましたけれども、これと一体のものとして検討していく必要があると考えております。

○木村(太)委員 そういう前向きな答弁は私は評価しますよ、率直に。ぜひ緩和の方向をきちっと打ち出していただきたい。

 では、次に行きます。

 与野党一緒になって、豪雪法の改正に向けて準備をしてきたわけでありますが、改正になった場合に、豪雪地帯対策基本計画、これも当然に見直しをすべきである、こう思いますが、考え方をお示しください。

○小島政府参考人 お答え申し上げます。

 豪雪地帯対策特別措置法は、十四条、十五条に規定されております特例措置が三月三十一日で期限を迎えることから、その延長を含めた改正準備が進められていると承知しているところでございます。

 今後は、その改正内容を踏まえまして、関係省庁と連携しつつ、豪雪地帯対策基本計画の見直しも含め、所要の施策を推進してまいりたいと考えておるところでございます。

○木村(太)委員 見直しを含めということは、見直しをしない場合もあり得る、こういうことですか。見直しをするんですか。

○小島政府参考人 お答え申し上げます。

 見直しを視野に入れてということでございます。

○木村(太)委員 意地悪するわけじゃありませんが、では、一%でも見直しをしない可能性もあるんですか。見直しをするんでしょう。

○小島政府参考人 お答え申し上げます。

 見直しを検討してまいりたいと考えております。

○木村(太)委員 見直しをしてください。

 では、これは財務省になるんですかね。一般的に、私も含めて豪雪地帯に住む人は、灯油代とか冬物の衣料、あるいは車でいえばスタッドレスタイヤとか、必ず準備しなければならない必要経費的なものがあるわけですが、これは、標準的あるいはモデルケースの試算というものを国として計算したことはあるんでしょうか。

○中川国務大臣 暖房だとかあるいは除雪などが考えられるというふうに思うんですけれども、総務省の家計調査、これは二十三年データなんですが、札幌市の場合、光熱費にかかるもので、一世帯当たり年間二十万二千円で、青森市、委員の地元では二十四万一千円ということなんですね。これは、全国平均の十七万五千円を上回っているということであろうかと思います。

 それからもう一つは、除雪なんですが、これは学識経験者の試算ということなんですけれども、北海道大学のサステイナビリティ学教育研究センターの田中教授によるものなんですが、札幌市内における一般家庭の除雪に要する経費というのが、年間大体五万円から九万円というふうに試算をされています。内訳は、除雪機、燃料費込みで一・五万円、融雪機、燃料費込みで三から七万円、それから除雪道具で五千円、これをトータルして五万から九万ということであります。

○木村(太)委員 先般、都道府県ごとの県民所得というのが発表されました。私は、雪降る地域はそういう必要経費があるので、これを引いた場合、都道府県の県民所得の順位も、実際的にはかなり変化が出てくるんじゃないかなと思うんですね。

 そこで、私も詳細まで考え方をまとめておりませんが、豪雪地帯の個人また世帯に対して、財政的な支援、もしくは税制的な控除というか支援というものをいま一度考える必要があるのかなと思うんですが、この点、どう思いますか。

○中川国務大臣 大事な視点だというふうに思っております。

 現状なんですけれども、特に高齢者や低所得者にとって、除雪等に要する費用を課題として考えていくということになっておりまして、まず第一番目においては、災害救助法が適用されている場合には、高齢者や障害者など、みずから除雪ができずに、除雪を行えないために倒壊をし、それから隣に被害が生じるおそれがあるというような場合には、住宅等の除雪費用を国と都道府県が負担していくということになっています。

 それから、それぞれ独自の事業として、例えば長野県の栄村では、雪害対策救助員制度というのを設けまして、自力での雪おろしが困難な高齢者世帯等の雪おろしの作業を手伝っているということ。

 それから、低所得者に対しては、都道府県社会福祉協議会において、生活福祉資金制度という貸し付けが行われたり、暖房用燃料の購入費用や、日常生活上一時的に必要な経費についても貸し付けの対象としている。それからまた、生活保護に関して、積雪寒冷地における冬季加算というのがなされておりまして、そういう措置もあるということですね。

 こういうのを組み合わせているわけでありますが、関係省庁とまた連携しながら、そうした安心、安全な生活が確保されるベースというのはどういうことなのかというのを議論していく必要はあるというふうに思っております。

○木村(太)委員 時間が来ましたので、大変済みません、農林水産、経産、そして文部科学の政務官、大変失礼しました。

 ありがとうございました。終わります。

○村井委員長 次に、秋葉賢也君。

○秋葉委員 自由民主党の秋葉賢也です。

 きょうは、関係大臣初め三役の皆さんに、これからの防災のあり方について具体的にお伺いをさせていただきたいと存じます。

 まず最初に、防災基本計画でございます。

 年末の中央防災会議において修正案が新しく成立をしたことは、大変高く評価をさせていただきたいと存じます。とりわけ、地震災害の下に位置づけられていた津波対策というものが別建てで、第三編として独立して手厚く規定されたということは、大変意義深いものであったろうと思います。

 ただ、修正案の中にまとめられた対策というのは、これまでいろいろ指摘があったことを含めて全てが網羅されていると言っても過言ではない、それぐらい、やるべきこと、大事な点については十分取りまとめがなされているものと思っておりますけれども、問題は、この中身をいかに実現させていくのかということだと思います。

 これは、防災計画に限らずあらゆる計画について言えることですけれども、計画の中身と、その中身を実現するための予算措置というものが、必ずしも比例案分で連動しているわけではございません。したがって、いろいろなことをやっていかなきゃいけない中で何を優先していくのかということが一番課題だと私は思います。

 そして、大臣、もう一つ重要だと思っておりますのは、これは国の計画ですけれども、都道府県間あるいは市町村間における防災対策の現況の格差をどう埋めていくのか。

 私の選挙区は、御案内のとおり、仙台市の沿岸部は全て入ってくるわけでございます。リアス式ではない、本当に真っすぐの海岸線のところに十メーター近い大波が押し寄せるということは、なかなか想定しづらかった。実際、防潮堤も六メーターまでの高さしかつくっていなかったわけでございます。

 今回この修正案では、やはりハードでいかに巨大なものをつくっても限界があるということで、減災というような新たな視点も規定をされているところでございますけれども、私が申し上げたいのは、同じ宮城県でも、例えば、食料の備蓄あるいは避難所における発電機の整備、何一つ平均的に充足していたという実態がございませんでした。宮城県沖地震がかなりの確率で来ることはわかっておりましたから、学校関係の施設は、耐震は一〇〇%整備も終わっておりましたし、比較的防災意識が高い本県においても、そうした市町村間の格差がやはり見られたんですね。

 ですから、今回新しく取りまとめた防災基本計画を実際に実のあるものにしていくためには、やはり、この中でも何から優先的に整備していくのか、どういったものから予算措置を優先化していくのかというめり張りをつけていく必要があるんだろうということですね。そして、その際に、そうした市町村間の格差を生まないような仕掛けを考えていかなければいけない。

 私は、震災の後の東日本大震災特別委員会なんかの質疑でも取り上げたんですけれども、まず、国として、避難所の装備品をも含めた状況がどうなっているのか、統計をとっているんですかと言ったら、これは各省にまたがりますから、内閣府の問題でもあり、また防災担当大臣の所管になるんじゃないかと私は思ったんだけれども、一切そういうデータがないんですね。唯一、文部科学省は学校を所管しておりますから、学校が避難所になっている場合にはこうですよというデータがあるだけなんですよ。

 でも、地域では、学校だけじゃなくて、市民センターあるいは地域の集会所が避難所に指定されている場合もあるんですね。ですから、やはり防災大臣として、一元的にそういう状況を集めて、そして、さまざまなばらつきがあるわけですから、これを埋めるような一つの検証、実態を踏まえて、そこに国としてもかかわっていくような仕組みというのを考えていかなきゃいけないと思うんですね。

 ちょっと前段の意見表明が長くなりましたけれども、今回のこの修正案というのは、大変評価はできるんだけれども、これまでもそうであるけれども、問題は、この計画をしっかり実現していくためには、優先順位というのをしっかり決めていかなきゃいけないということと、ばらつきがあるものをどう埋めるのかということが大きな実際的な課題だと私は思っていますので、大臣の認識をまず伺っておきたいと思います。

○中川国務大臣 大変貴重な御指摘をいただいたというふうに思っております。

 私も、計画をつくるだけということではだめなので、それがいかに実行されるか、いざというときに機能するかということ、これを事前に徹底的にチェックしていく、そういうシステムが必要なんだろうというふうに思っておりまして、それをしっかり受けとめさせていただいて制度づくりをしていきたいということ。

 それからもう一つは、予算の裏打ち、これがないといけないということなんですが、いずれにしても、全てを満たすということがすぐにできるかというと、そこもなかなか難しい部分があるんだろうというふうに思います。ですから、まさに先ほどの御指摘のように、優先順位、まず今やらなきゃいけないことが何かということを整理して示して、予算化をしていくということ、これが大事なことだろうと思います。

 三点目、今度の大震災の中で改めて我々が学んだことというのは、国の情報収集が、ベースとして、普通のペースでいけば市町村があって県があってそれから国があってという、そういう段階的な情報の収集をベースにして対応していくということなんですが、こういう大災害、大震災については、一番基本になる基礎自治体がやられてしまったというふうなこと、あるいは県も混乱をしているというふうなところで、それをどういう形で改めて再構築しながら、国の中央指針といいますか、意思決定をしていったらいいのかということ、これは大きな課題だと思っております。

 そこのところの整理と、同時に、ひょっとしたら、中央に集中させるだけではなくて、横のネットワーク、平面的なネットワークの中でそれぞれ市町村が直接的に助け合っていくようなシステムであるとか、あるいは民間との連携の中で、それこそコンピューターでいったらクラウドの世界なんですが、そういう分散的な形の機能というのもつくり上げていくことが必要だろうというふうなこと、そんなことを思いながら、新たな計画をつくっていきたいと思います。

 中央防災会議における計画づくりというのは、これで終わったわけではなくて、そうした問題点がこれからもまだまだ出てきますから、それに応じて改正をしていって、さらに有効なものにしていくということで取り組んでいきたいというふうに思っております。

○秋葉委員 もう一度申し上げますけれども、大臣にも問題意識を共有していただいているとは思いますが、今回、第三編の中で、新しく三つの章立てでさまざま網羅していただいているわけですね。災害予防対策、あるいは災害応急対策、あるいは災害復旧・復興対策ということで、これらは本当に私も異論がないんですけれども、ソフトな事業もあればハードな事業もある。言っていること、指摘していることは重要なんだけれども、十分な予算措置が必ずしも伴わないケースがこれから考えられますので、限られた予算の中で、何から優先していくのか。

 この後触れますけれども、災害の周知のあり方、そうしたものを優先的に取り組むとか、まずやはり国として、全て大事なんだけれども、この分野はまずは最優先でやろうじゃないかという一つの指針を大臣として発信していくということが私は本当に大事だと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思うわけです。

 特に、本当に網羅的に、やるべきことが全てここに出ていると言っても過言ではないんですけれども、今回、津波に強い町をつくっていくんだという中で、車で逃げたことが、道路の渋滞を招き、多くの命を失うことにつながったという反省から、基本的には徒歩での移動、あるいは五分以内で避難できるようなことにしていくんだとかということをいろいろ書いているわけです。

 東日本大震災で被災したところは、原則高台移転ということに今後なってきますから、住居は極力海岸線にはつくらないということになってまいりますので、大きな人命の被害にはつながらないんだろうと思います。

 私が懸念しますのは、これから、南海トラフの震源を起因とする巨大地震、これによる東日本大震災と同じような大津波が来たときに、宮城県の中でも、正直、リアス式海岸を抱えている自治体は津波に対する意識が非常に高かったんですね。これはリアス式海岸ですから、遡上して非常に高くなる傾向がありますから、非常に警戒感も強かった。しかし、仙台平野のように、真っすぐの海岸線で、せり上がりがないエリアに住んでいた人は、まさかあんな大きいのが来るとは思っていないわけですね。

 ですから、東南海地区の沿岸部にお住まいの方も、やはりそういう意識がまだまだあるんじゃないか。そして、現実にまだ大きな津波被害というのは来ていないわけですから、東日本大震災を教訓に、特に夜間にああいったものが来たら被害の規模も二倍、三倍になっていくことも想定されますので、やはり、この防災計画を受けて、特に東南海の沿岸部にお住まいになっている皆さんに対する指導というものは、より優先的にしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 さて、もう一つ、今回、いろいろな対応にスピード感がないというお叱りを被災地ではいただいてまいりました。義援金の配付も、結局、区分を分けたことによって、現状を見なければ配分できないということもあっておくれたわけでございます。

 私は、昨年の十月、米国の海外災害援助局を訪ねました。バルトリーニ局長と面談させていただいて、私からも震災対応への御礼を申し上げ、大変有意義な意見交換をさせていただいてまいりましたが、その中で、一つ、なるほどなと思いましたのは、義援金の受け入れ先。我が国では赤十字になっているんですけれども、局長から、日本赤十字が悪いとは言わないけれども、もっと受け入れ先のあり方を多様化するなり、再考してみることも大事ではないかという貴重な御意見をいただいてまいりました。

 天災のときに迅速で効率的な義援金の配分を可能にするためには赤十字社だけではなかなか機能しない面があるんじゃないかということをまさか米国の援助局長に御指摘いただくとは思わなくて、私もある意味で非常に目からうろこの御指摘だったなと思っております。

 答弁はどなたが担当になるのか、政府として、義援金の受け入れ先の多様化ということ、そして、もちろん、それが結果的に迅速化につながっていくということが大事なわけでありますけれども、今後の対応方について意見を伺っておきたいと思います。

○中川国務大臣 御指摘のとおり、今回、さまざまな問題点が浮かび上がってきたんだというふうに思っております。

 受け入れ先を多様化するということ、これも一つ選択肢としてあるんだと思うんですが、もう一方で、今回特に問題になったのは配分だというふうに思うんですね。

 その配分基準をどうつくるかということであるとか、あるいは、地方自治体も巻き込んで、配分の対象者をどう設定していくかというふうなところでも非常に問題があったというふうに私も認識をしておりまして、そういうことも含めて、この義援金のあり方というのは再検証をしてみる必要があるというふうに私も思っております。

○秋葉委員 今、政府内での議論はどの程度進んでいるかわかりませんが、少なくとも、バルトリーニ局長は、日米両政府間でこのことについてお互い議論してもいいんじゃないかというようなことまで言っていただいていますので、こうした貴重な意見を真摯に受けとめて議論していただきたいというふうに思います。

 次に、先ほども触れましたけれども、やはり、津波の観測体制の充実とそれから伝達の的確性ということ、今回、大変大きな教訓を得たなというふうに思っております。

 私どもが与党時代、自民党では、沖合へのGPSの波浪計を今後整備していく必要があるということで、議員連盟をつくりまして、国交省にお願いして、平成十九年から、一基三億円もするものを随時取り入れてまいりました。今現在十五基ぐらいまでふえていると思いますけれども、一番最初に宮城県の沖合に入れていただいたわけでございます。

 ことしも三基ぐらい整備をいただく予定だと伺っておりますけれども、沖合二十キロのところにGPS波浪計を入れて、常日ごろの潮位の測定はもちろんですが、津波対策に生かすということを我々は明確な目的として位置づけてやってきたんですね。

 今回は、大変大きな津波だったということもあって、なかなかこのGPSで捉えたデータというものが実際の気象庁が行う警報というものにうまく生かされなかった面がございます。

 そしてさらには、東北沖合にもかなりの数を浮かべていただいていたわけでありますけれども、例えば、青森の東岸沖の八戸沖、ここに設置していたものがたまたま故障中であったということもございます。それから、宮城県沖にも二基入れていただいていたんですが、あの津波が通り過ぎてすぐ電源が途絶えて、第一報しか送れなかった。もう五分後にはデータがリアルタイムで活用できなかったという問題があります。しかも、宮城県の場合に深刻なのは、二基入れたうちの一基は全く壊れちゃって、いわゆる電源が落ちた後のデータも回収できないで終わっているんですね。一基分しか使われなかった。

 ですから、これから、ことしも三基入れる、十五基に終わらせずに計画的に沖合に入れていくときに、いかなる規模の津波が来ても強固なものにしていくということが大事なのと、やはり国交省と気象庁との連携の問題というものをしっかり見直していただきたい。これこそが、先ほど私が申し上げた優先順位の第一番目でなければならないと私は思っております。

 今回の東日本大震災、これは復興特でも何度も取り上げてきた課題ですけれども、ぜひ防災大臣にも御認識いただきたいという思いで、再度取り上げさせていただくわけでございます。

 今回、二時四十六分に地震が発生をして、気象庁が第一報を発令したのは、その三分後の四十九分でしたね。このときの第一報は大津波警報ではございましたけれども、大津波警報ということになりますと大体三メートルということで、これは関係者から見れば大変なことになったなということにはなるんですけれども、それがどういうものなのか、一般の市民、県民までには十分膾炙し切れていない面があったことは事実だろうと思います。

 そこで、昨年、気象庁も、この警報のあり方を変更していただきましたね。従来のあり方から、今回は、マグニチュード八を超える可能性がある場合、さらには八を超えない可能性がある場合に分けて、特に八を超えるような巨大な地震だという場合には、大津波警報も、具体的な高さに言及するというよりも、巨大津波が来るという言い方で危機感を高めるということに変更していただきました。

 こうした対応も大変大事なんですけれども、やはり一番は、より正確な情報を伝えること。

 GPSの波浪計で例えば宮古沖に設置したものは、もう十五時十二分の前の段階で六・三メーターという潮位が観測できているんですね。沖合から二十キロ離れたところでもう六メーターのあれを観測しているわけですから、それが沿岸に達しようというときには、当然八メーター、十メーターとなるわけですね。ですから、GPSを設置したことによって、五分でも十分でも、到達するまでの間、時間が稼げるようになったんだけれども、それが実際気象庁の予報の中には十分生かされていない。

 なぜならば、気象庁がこの二時四十九分の大津波警報を発令して、修正したのは、ちょうど約三十分後、三時十四分に、予想される津波の高さを、岩手、福島は六メーター、宮城は十メーターというふうに変更したんですね。

 しかし、先ほど私が言いましたように、十五時十分ぐらいの段階ではもう沖合二十キロで六メーターが来ているわけですから、本来は、岩手県においても六メーターなんという数字を発表すること自体が、私に言わせれば大きな問題なんです。そうですよね。沖合から二十キロのところで六メーターだというのがわかっているのに、そのデータがわかっているにもかかわらず、いわばそのデータを踏まえずに、もちろん気象庁でもいろいろな御努力もしているわけですから、これまでの経験値に合わせて、この六メーターという発表、六メーターもすごい数字なんですけれども。

 しかし、より正確な数字を伝播していくということが大事であることから、これから、やはり、GPS波浪計のリアルタイムでの情報収集、そしてGPS自体を強固にしていくという二つの問題がありますので、国交省と気象庁にそれぞれ簡単に伺っておきたいと思います。もう時間もありませんから、簡潔な答弁でお願いします。

○羽鳥政府参考人 お答えします。

 第一報あるいは第二報の切りかえという点につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、GPS波浪計が十五時十分に急激に上昇したということで切りかえ作業に入って、最終的には十四分に切りかえたということでございますが、十二分当時、既に切りかえ作業に入っていたということで、更新作業を変更しますとさらにおくれをとるという判断をいたしまして、十四分ということになりました。

 しかしながら、今回、切りかえ作業にやはり手間取ったといいますか、時間がかかったという反省がございますので、そこをしっかり教訓としまして、手順を見直して、できるだけ早期に発表できるようにしたいと思っています。

 また、観測情報を伝えるということは極めて重要でございますので、今回の津波警報の改善において、GPS波浪計等の沖合津波の観測データについて、新たに独立した観測情報として提供するというような改善を図ることとしてございます。

 以上です。

○吉田副大臣 国土交通省の方からお答えを申し上げます。

 まずは、災特の委員の皆様、御無沙汰いたしておりました。委員長を長く務めさせていただきました。発災のときには、野党の理事さんを初め皆さんには大変お世話になって、この難局を委員の立場でお互い乗り切ったということを改めて感謝申し上げます。その中におかれましても、秋葉委員はいつも鋭い質問をされておりまして、答弁者になったら大変やなと思っておりまして、答弁者になりましたので、何とか一生懸命答えたいと思います。

 今、秋葉議員が御質問されましたように、先生が本当に熱心にGPS波浪計のことについてはやってこられたということは、周知の事実でございます。今お話がございましたように、本来でしたらもっと活用できたものだ、活用しなければならなかったものだということは、私は事後になってこういうことを言うのはいかがなことかと思いますが、やはりそこは指摘のとおり。

 それを謙虚に受けとめまして、例えば、今お話がございましたような点につきましては、三次補正で三点、衛星回線を導入してデータ伝送経路を二重化していく、デュアルにしていくということ、そして電源の強化というもの、これは二点目であります、そして三点目といたしまして情報提供用のサーバーの強化、まずはこの三点を三次補正においてしっかり盛り込ませていただきまして、今先生御指摘のありましたように、GPSのより一層の活用というものをさせていただきたいと思います。

 以上でございます。

○秋葉委員 それぞれ前向きな御答弁をいただきましたが、要するに、こういう投資を無駄にすることなく、やはり気象庁と国交省で十分連携をしながら、気象庁ではリアルタイムでデータをとれる体制には少なくとも現段階でなっているわけですから、最終的に発表するときに、直前でもそういうデータを見て、より精度の高いものを発表できるような体制をぜひ気象庁長官にはお願いしておきたいと思います。積み上げでの議論というのは、もちろんそれはあるんですけれども、発表するときに、では、最新のがどうだと振り返ることというのは非常に大事なことですから、よろしくお願いしたいと思います。

 何しろ、世界じゅうの国で日本ほど津波や地震に対する観測体制がしっかりしている国はないわけで、かなり投資して、いい体制を組んでいるわけです、断トツなんですから。ただ、それが、実際の警報に精度の高いものが生かされていない。より精度の高いものにするために三億円もするものを何十基も入れてきた。そしてこれからも入れていきたい、こういう計画があるわけですから、この情報を今後ともしっかり生かしていただきたいということを重ねて申し上げておきたいと存じます。

 ちょっと時間がなくなってまいりました。放射能汚染対策は復興特なり違う委員会で取り上げさせていただきたいと思いますので、きょうは、文科省からもおいでいただいておりましたけれども、時間がないことから、次の、差し当たって大事な課題、たくさんございます中から、水門の自動化の問題も一言だけちょっと取り上げておきたいと思います。

 今回、東日本大震災で、多くの消防団の皆さん、本当に貴重な命が失われてしまいました。中には、気象庁の発表も十分伝わらなかった、そういう実態があったものですから、大きな津波が来るという情報がないために、水門を閉めに行って犠牲になったという方もたくさんいらっしゃるんですね。

 私は、国会へ来る前は地方で議員もしておりましたから、宮城県でも、やはり岩手県なんかに比べると水門の自動化率が非常に低いということは絶えず問題になってきたんですね。直近のデータで申し上げますと、例えば、幅が二メーターで高さが一メーター以上ある大きな水門だけに限って言っても、我が国には六千六百六十八の水門がございます。このうち、自動化していたり、あるいは遠隔操作で閉めることが可能なような状況になっているのは、わずかに七百四十二なんですね。整備率が一一%ですよ。ある程度大きな水門が十個あれば、自動的にやれるのは一個だけなんですね。

 全国の中で一一%という数字があるにもかかわらず、宮城県は五百施設のうち十二しかないんですよ。自動化率、遠隔化率というのはわずか二・四%なんですね。やはり、これを高めていくということは非常に大事な課題だと思います。今回のような大津波だと、果たして水門を自動化しても機能するのかということもあるんですけれども、大概の、きのうも大きな地震があって、ちょっと、二十センチぐらい水位が上がったところもありますね。そういうものには有効に機能していくわけですから、やはりこれもしっかり進めるべきだと思います。

 今後の整備体制、あるいは予算づけの見通しといいますか、どういう計画になっているのか、伺っておきたいと思います。

○吉田副大臣 水門のお話でございますけれども、特に宮城県が低いということはもう数字から明らかなようでございますけれども、これは水門を自動化するということが一つ方法としてあると思います。もう一つは、利用頻度の低い施設の水門は常時閉めてしまう、また、素材を鉄からアルミに変える等、それから、方式をドア方式から扉方式に変える等々の構造的工夫というものをして、まずは水門自身の、閉める時間であるとか、重さ、構造を変えていくということも一つ、方法にあると思います。

 そして、今、交通政策審議会の防災部門会議におきまして、水門等の整備、管理の方針について検討も進めているところであります。

 そして、三点目は、今申し上げましたように、やはり自動化、遠隔操作というものも非常に重要になってきておりますが、これにつきましては、かつてそれぞれ補助金という形でつけておりましたが、今は、地域自主総合交付金という形で地方自治体に一括お渡し、お預けをしておりますので、地方自治体の中で優先順位を決めていただくという方法になっております。

 私どもとしても、できる限り地方自治体には優先順位を高くということと同時に、今、秋葉議員がおっしゃられましたように、地方議会の中におかれましても、そういう声がしっかりと地方から上がっていただいて、地方の、県の予算の中で組み込まれるようにということも改めてお願いを申し上げたいところでございます。

 以上でございます。

○秋葉委員 費用対効果の問題もこれありで、全てにそういう対応をするというのは難しいとは思いますけれども、これもやはり優先順位をしっかりつけて、必要性の高いところから、適宜、自動化なり遠隔操作が可能なように、しっかりと整備計画をつくっていく、やはり一つ一つ着実にやっていくということは非常に大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それから最後に、今、被災地でも、この間も、戦後、戦前も含めて初めて復興交付金制度というのをつくっていただいたわけでございますけれども、我が宮城県も、第一回目は五七%ということで、大変査定率が低いのは残念でございました。いろいろな原因がある中で、なかなか、人手不足という問題もありますけれども、もう一つは、やはり業者が、余りにも公共事業の入札価格が低くて不調に終わっているということが、これも看過できない大変大きな問題なんですね。

 宮城県の去年の六月から十二月までのデータで申し上げますと、土木一式工事、一般競争入札、六月から十二月まで三百件ございました。このうち入札不調に終わったのは八十六件。不調発生率でいうと二九%。特に十二月は、四五%、半分が不調に終わったということで、大変大きな問題になりました。

 国交省も、この事態を受けて、年末に労務単価の見直しをしていただきました。おかげさまで、宮城県も、全体で、労務単価全職種平均値で七・八%引き上げていただきました。

 しかし、実は、引き上げの前から、これでいいのか、労務単価が余りにも、幾らデフレ経済とはいっても、実態に合わないんじゃないか、こういう御指摘があったんですね。ですから、不景気なころは赤字覚悟で受けるという会社もあったぐらいなんですけれども、今は、それなりに人手不足で忙しいですから、なかなかこうしたものが十分ペイできないということで不調に終わっているわけですね。

 恐らく、この二月、一月に見直してもらった、労務単価を引き上げてもらったばかりですから、三月ぐらい、あるいは四月の入札は少し様子を見るということにはなるんでしょうけれども、私は担当者の方にもはっきり申し上げたんですが、今現在を見ても、この引き上げでは今後も不調は避けられないことは明らかだと私は思うんですね。もう少し深掘りをした労務単価、実態に見合ったものに引き上げていただかないと、入札不調、入札不調で、実際の工事に大変な遅延を来しているんですね。

 これはやはり看過できない大きな課題でございますから、きょうはどんなお答えになるのかわかりませんが、この労務単価の一層の見直しについて、これからどうするのか、明確にお答えいただきたいと思います。

○村井委員長 時間を超えていますので、簡潔にお願いします。

○吉田副大臣 先生御指摘のとおり、被災地における小規模な入札につきましては、不調という形、参加者も発生しないということが多数発生しているのは事実でございます。

 その理由といたしましては、先生おっしゃられましたように、労務費、労賃の上昇というものもあります。また、瓦れきの処理を初めとして多くの復旧復興事業も発生しておりますし、これまでの事業量の減少により、建設企業が抱える技術者、職人も減少している、この三点が主な理由ではないかと考えられております。

 それゆえ、国土交通省としては、以下、三点、対応策を早急にと思っております。

 一点目は、被災地域の建設企業が被災地域外の建設企業と共同で技術者、技能者を広域的な観点から機動的に確保する復興ジョイベン制度の試行的な導入。また、二点目、主任技術者は、密接性、近接性を確保された上で、被災地域内で複数兼任を可能とすること。そして、三点目は、今先生御指摘をされました労務費の、実態を反映した単価を速やかに設定していくということでございますが、これにつきましては、できる限り、企業への毎月の調査、また、四半期ごとの統計調査という形で、しっかりと再評価を適宜適切に行っていきたい。原則としては三カ月必要でございますけれども、現場というものがございますので、その辺は必要な対応を行っていくということで考えております。

 以上でございます。

○秋葉委員 ありがとうございました。

 実際、工事に着手していただかないと、いつまでたっても目の前の事業が解決しない、進展しないわけですから、やはりその核心を担っているのがこの労務単価、実勢価格を反映したものに見直していただきたいということを強く申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

○村井委員長 次に、江田康幸君。
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