三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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内閣府特命担当大臣

参議院 行政監視委員会(山下委員質疑)

平成24年8月20日(月)

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、兵庫県立こども病院の移転問題について質問をいたします。
 同病院は、一九七〇年、全国二番目にできた小児専門病院であります。先日、私も現地を視察させていただきましたが、循環器病棟では、人工呼吸器を付けた小さな子供がベッドの上に横たわり、その脇に御両親が付き添うという姿が何組も見られました。ICUでも、先天性の心臓疾患の子供が治療を受けていました。お母さんのおなかにいるときからこの病院にやってきて、生まれた直後に手術を受ける。その後数か月の間に何度も手術をして幼い命をつなぐそうであります。この病院が重い病気を抱える子供と家族にとってかけがえのない存在であると実感をいたしました。
 そのこども病院が老朽化、狭隘化に伴って建て替えが必要となり、兵庫県は病院を神戸市の人工島ポートアイランドに移転する計画を推進しようとしています。しかし、ポートアイランドへの移転には、兵庫県医師会を始め医療関係団体がこぞって反対しているんですね。
 資料の一枚目、二枚目に、私たちは兵庫県立こども病院のポートアイランドへの移転に反対しますと書かれた二回の意見広告を添付いたしました。そこには、兵庫県医師会、兵庫県歯科医師会、兵庫県薬剤師会、兵庫県看護協会、神戸市医師会、神戸市産婦人科医会、神戸市小児科医会、さらに、神戸市地域医療推進協議会、これは医師会などとともにNPO神戸市難病団体連絡協議会、神戸市重度心身障害児(者)父母の会などで構成される協議会ですが、こういった団体の名前が並んでおります。
 厚生労働副大臣、兵庫県が御地元ですが、この兵庫県立こども病院のポートアイランドへの移転に医療関係団体がこぞって反対していることを御存じですか。

○副大臣(辻泰弘君) 小宮山大臣、決算委員会に御出席でございますので私の方からお答えさせていただきますけれども、私自身兵庫県選出でございますので、この問題についてもかねてよりいろいろとお話を伺ってきたところでございますけれども、兵庫県立こども病院のポートアイランドへの移転につきましては、兵庫県の平成二十三年十一月の地域医療再生計画におきまして整備事業として計画されるというふうに承知をしているところでございます。計画におきましては、小児・周産期の専門医療機関である県立こども病院を総合的な診療機能を有する新神戸中央市民病院の隣接地、ポートアイランドに移転整備し、総合的救急医療を提供することになっているものと理解をしております。
 この計画に対しまして、今年三月に医療関係団体から兵庫県への反対の要望書が提出をされまして、大規模災害発生時での津波や液状化等、立地場所に関する御意見をいただいているというふうに聞いております。

○山下芳生君 県立病院の移転に県の医療関係団体がこぞって反対する、こんなこと、私、聞いたことありません。
 医師会などが反対するのはなぜか。最大の理由は、災害など緊急時に最も機能を発揮しなければならない高度医療機関を災害に弱い人工島に移転することにあります。余りにもリスクが大きいということですね。
 資料の四枚目に写真を付けました。これ現在兵庫県立こども病院がある、高台なんです。兵庫県神戸市須磨区から海の中に浮かんでいるポートアイランドにこども病院を移転しようというわけであります。
 十七年前の阪神・淡路大震災でこのポートアイランドがどういう状態になったか。約五十センチの地盤沈下と液状化現象による泥水の湧出が各所で起こり、道路は二十五か所でクラックなどの損傷が生じました。さらに、陸地とポートアイランドを結ぶ唯一の道路橋である神戸大橋は、内陸部の取付け部分が損壊をし、緊急車両のみ通行可などの交通規制が掛けられました。新交通システムポートライナーは、橋桁の落下、橋脚傾斜により不通となりました。
 実は、ポートアイランドに当時からある神戸市立中央市民病院が「大震災を体験した市民病院からの報告」という文書をまとめています。そこには、病院が埋立てによって造られた人工島にあったことによる特別の困難が報告されております。
 一つは、ライフラインの途絶であります。
 報告では、特に一か月余に及ぶ断水の影響は甚大であったとして、当院では平常時一日七百トンないし九百トンの上水を使用しているが、水道局や自衛隊の給水車による供給は当初一日二十トンで、絶対的に不足状態であったと述べてあります。断水というのは単に飲料水だけではなくて、人工呼吸器や消毒装置の使用不能などをもたらしたと報告されております。
 もう一つは、病院への交通の遮断であります。
 震災当日、来院した患者のほとんどはポートアイランドの住民であり、軽症の外傷患者が多かった、こう報告されております。要するに、あれだけの大災害なのに、道路もポートライナーも寸断されて、外から患者がこの病院に来ることができなかった。また、いち早く病院に駆け付けてきた島内に住む若手医師とか、一部職員は神戸大橋の通行規制に遭って当院への出務を断念ということも書かれてあります。要するに、患者も職員も島外から病院に行くことが困難となったわけです。これ震災当日です。
 さらに、制約はありながらも病院機能が維持できた段階において、患者の来院を妨げた当院へのアクセスの悪さは病院機能の有効利用を妨げる極めて大きな要因となったというふうに述べられてあります。ライフラインが復旧した後もアクセスが悪いために患者が来院できなかったということであります。
 当時の病院長は、この報告の中で、神戸市立中央市民病院は、神戸市の基幹病院として、また救命救急センターとして大きな役割を持っていますが、今回の震災に際し、ライフラインと交通、情報、通信の寸断の中で十分にその役割を果たすことはできませんでしたと、こう述べております。じくじたる思いであったろうと拝察をいたします。
 そういう場所にわざわざ県立こども病院を移転させることに医療関係団体がこぞって反対するのは私は当然だと思いますが、厚生労働副大臣、そう思いませんか。

○副大臣(辻泰弘君) 私ども厚生労働省といたしましては、新たに病院を建設するに当たりましては、病院機能に必要な敷地面積や病院までのアクセスなどの立地条件を総合的に勘案した上で立地場所を決定することが重要だと考えております。
 御指摘の新病院の防災面につきましては、設置主体である兵庫県から伺いましたところ、津波高を現在の防災計画の二倍に想定した場合でも浸水することのない地盤高とする、病院の整備に当たっては最新の免震構造を採用するとともに自家発電設備や受水槽などを二階以上に設置する、ライフラインに甚大な被害が生じた場合に備え、水や燃料などを最低三日分備蓄するとともに、給水車や給油車などによる補充を速やかに行うことができるシステムを構築するなどの対策を講じる方針であると兵庫県から伺っているところであります。
 このようなことから、設置主体である兵庫県として十分な検討を行っているのではないかと感じておりますけれども、いずれにいたしましても、最終的には県が関係者と調整の上、総合的に判断して決めていただくべきものと考えております。

○山下芳生君 県は対策を取ると言っているんですけれども、医師会の先生方が言うのは、対策を取らなければ駄目なリスクの高い場所に何でわざわざ移転するのかと、こういう批判なんですよ。そのポートアイランドにこども病院を移転させたらどんなリスクが予測されるか。
 兵庫県産科婦人科学会会長と兵庫県小児科医会会長が連名で県立こども病院のポートアイランド第二期用地への建て替え移転についての反対声明を出しておられます。
 そこにはこうあります。まず、県立こども病院は、県内最大かつ唯一の小児・周産期専門施設であるがゆえに、大災害発生時においては小児・周産期医療の拠点病院として多くの救急搬送を受け入れることを使命とします。したがって、その建設用地には盤石の立地場所を選択しなければならないことは自明の理であります。大災害時に県立こども病院の救急医療機能が制限されることは、まさに県の小児・周産期救急医療の破綻を意味します。こう言っているんですね。県立こども病院をポートアイランドに移すならば、県の小児・周産期救急医療の破綻を招くという指摘であります。
 続けます。また、県立こども病院においては、院内に常時四十ないし五十名の人工呼吸器装着患者を収容しております。大災害発生時には一時ライフラインの途絶は想定内とすべきでありますので、非常用ライフラインでもってこれらの重症患者に対して安心、安全な医療を長期安定的に施すことは極めて困難なことであります。かといって、この数の人工呼吸器装着患者を分散し、被災していない地域の小規模小児・周産期センターに搬送するにはそれらの施設の医療能力に限界があるため不可能であります。県の兵庫県地域医療再生計画にはこの視点が全く欠落していると言わざるを得ません。こういう指摘であります。
 災害に弱いポートアイランドに移転したら、人工呼吸器を付けて入院している子供たちの命を守り切れないという指摘なんですね。これ、子供たちの命を守る最前線で活動されている産科婦人科学会と小児科医会の会長の連名による指摘であります。これは非常に重いと思いますが、厚生労働大臣、到着されましたけれども、この両会長の指摘、どう受け止めますか。

○国務大臣(小宮山洋子君) これは県のいろいろ進め方の問題もあったというふうには聞いているんですけれども、やはり医療関係団体から、地震による病院機能の麻痺ですとか津波によるアクセスの遮断、新神戸中央市民病院と隣接することによりリスクの分散ができなくなるというようなことのリスクがあるというふうに指摘をされているというふうに承知をしています。
 こうした指摘は非常に重要なことですので、兵庫県立こども病院のポートアイランドへの移転を進める場合には、大規模地震発生後も医療機能を維持できるような建物の構造を採用すること、また、今後国が発表する予定の詳細な津波高ですとか浸水域などの被害の推定結果を基に、患者の命がしっかり守れるような対応を行う必要があるというふうに考えています。

○山下芳生君 対応をしなければならないようなところに移転しなかったらいいじゃないかと、今あるところ高台なんですからということなんですよね。川島龍一兵庫県医師会会長は、子供たちを最後のとりでに運べなくなると、私、直接聞きましたよ。
 それから、家族と患者の声も紹介したいと思います。全国心臓病の子どもを守る会兵庫県支部の皆さんの意見ですが、心疾患のため、小児救急医療センターでしょっちゅうお世話になっており、近くに引っ越し、学校を決め、住居も構えたのに、ポートアイランドに移転してしまったらかなり離れてしまうので、それだけで救命の可能性は低くなり非常に不安であるとか、バスや電車などは不特定多数の人が乗るため感染症のリスクが高く、月二ないし三回の受診をほとんどタクシーで通っているので、ポートアイランドに移転してしまったら経済的負担が大変大きくなってしまうとか、入院中自宅と病院やファミリーハウスの間を生活に必要な荷物を運ぶために頻繁に行き来することが多く、ポートアイランドに移転してしまったらそれも容易には行えず、非常に不便になるなどの声が集まっております。
 心臓病など重い病を持つ子供たちにとって、通院や入院で頻繁に利用しなければならない、まさに命のとりでなんですね。災害に弱い遠くのポートアイランドではなくて、すぐ行ける場所にあってほしいというのが子供と家族の願いだと思います。
 加えて、東日本大震災の教訓、津波被害の教訓も踏まえる必要があると思います。中川防災担当大臣、中央防災会議の南海トラフ巨大地震対策について中間報告が出されましたけれども、ここでは医療機関の津波対策についてどのように述べていますか。

○国務大臣(中川正春君) 先ほど御指摘のように、南海トラフ巨大地震対策については七月十九日にワーキンググループから報告が取りまとめられております。
 その中で、まず一つ目は、災害時要援護者にかかわる医療施設等は、発生頻度は極めて低いものの発生すれば甚大な被害をもたらす最大クラスの津波、これによって重大な被害が発生することは少なくとも回避をすべきであるということ。それから二番目に、このために、これらの建物の耐浪化、津波に対する対応ですね、これを推進することとともに、必要に応じて、これらの施設を浸水の危険性の低い場所に立地するような配置の見直しであるとか、あるいは近隣の高台等へ通じる避難路それから避難階段の整備、緊急的な避難場所となる屋上の整備など、各地域の実情等を踏まえた津波対策を講じることが必要であるというふうにされております。
 医療機関を含め津波対策を特に講ずるべき施設については、この南海トラフの巨大地震の津波対策について県等、地方自治体ですね、の地域の実情を踏まえてそれぞれが適切な判断を下していくということ、これが前提となっております。

○山下芳生君 今報告があったとおりですね。東日本大震災では、実際に津波被害によって沿岸部の拠点病院が軒並み機能しませんでした。それに対して、高台に位置していた日赤病院が非常に役割を果たしたと、石巻が典型だと思いますが。その教訓を踏まえて、浸水の危険性の低い場所に立地するような配置の見直しが、今、中川防災担当大臣が報告されたように提起されているわけですね。
 厚生労働大臣、一般論として聞きますけれども、災害時に拠点となる高度医療機関の新設や建て替えに際しては今の中央防災会議の中間報告の指摘を踏まえる必要があるんじゃないでしょうか。

○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃるとおりだと思います。災害時に基幹的な役割を果たす病院が移転する場合は、やはり中間報告の内容も考慮をして、しっかりとその地域の実情の中で検討していく必要があると考えます。

○山下芳生君 兵庫県神戸市も南海トラフ巨大地震に備える必要がある地域であります。
 兵庫県は、想定する津波高を二倍に引き上げて浸水する区域をシミュレーションいたしました。三月にその結果を発表いたしました。資料五枚目に浸水想定区域を図示してあります。ピンクと青い部分が浸水するであろう地域であります。
 それから、資料六枚目にその報道記事を付けてあります。シミュレーションの結果、人工島のポートアイランドは進入口などがつかって道路が途絶し、孤立状態になる可能性があるとされております。
 津波高を二倍に引き上げたという兵庫県のシミュレーション自体、二倍でいいのか、甘いんじゃないかという指摘が今出されている。それでもこのポートアイランドは孤立化するとされているわけですね。そういう場所にこども病院を移転していいのかと。これ、中央防災会議の提起に逆行することになるでしょう、浸水の危険性の高い場所にわざわざ配置を変えようとするんですからね。
 実は、兵庫県立こども病院の移転建て替え計画には厚生労働省の地域医療再生基金交付金が利用されることになっております。しかし、医師会始め地元の医療関係団体がこぞって反対している計画を強行して、果たして地域医療再生に資するのか。
 厚生労働大臣、これはやっぱり、これだけの医療団体がこぞって根拠を持って懸念し反対の声を上げているんですから、そしてそこに国のお金がかかわってくるわけですから、この計画の再検討が私は必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(小宮山洋子君) これまでの経緯としては、六月に医師会も入った兵庫県の医療審議会で手続を経て提出をされているということ、それから、これから更に関係者の理解を得なければいけないということで、今、医師会の方にもその運び方に不備があったということを県の方からも認める文書を出しまして、医師会の方でも更に話合いをという形に今なってきていると聞いていますので、そうした中で、委員御指摘のような御懸念がないように、厚生労働省としても、基本的にはその地域の中で話し合うということですけれども、おっしゃるように、この基金も使ったりとか、バックアップをしなければいけない立場ですので、そうした御懸念が生じないようには目配りをしていきたいというふうに考えます。

○山下芳生君 私、目配りでは足らないと思うんですね。医師会始め地元の医療関係団体がこぞって反対している計画を強行したら、これ安心、安全な地域医療構築に新たな障害をつくることにもなりかねない。
 それから、県立こども病院のポートアイランドへの移転を含む兵庫県地域医療再生計画が作られたのは昨年十一月ですよ。その後に、先ほど中川大臣が紹介された中央防災会議の中間報告が決められた、これ七月ですね。事情が変わったんですよ。津波対策にとっては場所を安全なところに移転させるぐらいの対策も必要なんだと。逆のことをやろうとしている。これ、事情が変わりました。それから、ポートアイランドへの移転、建て替えの設計も用地取得もまだ済んでおりません。
 ですから、このまま移転計画を進めて取り返しの付かない事態を招いてはならない、それが政治の責任ですね。厚生労働省としてしっかり調査をして、計画の見直しもこれは主導的に検討すべきではないですか。最後にどうぞ。

○国務大臣(小宮山洋子君) 御懸念がないように検討させていただきたいと思います。

○山下芳生君 終わります。
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