三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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参議院 災害対策特別委員会?◆併害式儖÷、加治屋委員、佐藤委員、渡辺委員)

平成24年7月27日(金)

     ─────・─────
   午後一時三十分開会

○委員長(松下新平君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。
    ─────────────

○委員長(松下新平君) 休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 初めに、委員各位の御配慮で質問の順番を変更していただいたことに感謝を申し上げます。
 私からも、今回の災害で亡くなられた方々に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
 当委員会で行った災害の派遣調査でも、皆さんと一緒に福岡県それから大分県に私も参加をいたしました。行ってみて、今回の被害は、農業被害が非常に深刻であるということと、それから七月三日に受けた被害を復旧しているさなかに今度は十三日の被害が重なるという連続した被災であるということなどが大きな特徴ではなかったかなと思います。
 こういう点では、今ある制度をフルに活用することと併せて制度の柔軟な活用を図ること、そして今の制度ではなかなか対応できないことがあれば被害の実情に合わせて新たな支援制度も検討すること、こういうことも大事だということを感じましたので、まず冒頭そのことは申し上げておきたいと思います。
 その上で質問に入ります。
 まず、国土交通副大臣に伺います。
 今回の豪雨被害では、いわゆる国直轄管理の堤防も決壊をしたりなど、大きな水害になる要因となってしまいました。あの決壊さえ防げればこれほどの大被害にはならなかったのにと、被災地域の皆さんからは国に対する残念ながら失望の声も聞かれております。全国どの河川でも、国が直接に治水対策を担当する直轄管理区間というのは、その地域の治水対策上重要な場所が指定されているわけでして、その国管理の堤防が決壊すればやはり結果的に被害も深刻になるという関係にあると思います。
 そこで、まず、今回、国直轄の堤防が決壊してしまった原因、それから二つ目に、国が管理する堤防が決壊したことにより深刻な被害となっていることへの認識ですね、お答えいただきたいと思います。

○副大臣(奥田建君) 委員御指摘のように、国直轄区間の河川というものは、人口の密集であったり資産の集積という背景があってまた国直轄ということになっていることが多いわけです。そしてまた、今回の残念ながらの堤防決壊箇所という場所もそういった地域に該当するというふうに思っております。花月川で二か所、矢部川で一か所、国土交通省管理の堤防が決壊したということは事実であります。また、そのことを重く受け止め、今委員御指摘のように、原因といったものをしっかりと究明して、その結果を基にまた整備に対しての対応を取らせていただきたいと思います。
 その原因が何なのかということは、堤防決壊にもいろいろな要素がありますので、今現在これだという結論には至っておりませんけれども、雨量、水位、そしてまた痕跡といった調査を現在実施しておるところでありまして、またその結果を皆様にもお知らせしたいというふうに思います。

○山下芳生君 重大なこととして受け止めておられると、そして原因をしっかり検証して対応していきたいということだと思います。
 私、その際、直轄管理の箇所が決壊した直接の原因を検証することも大事ですけれども、同時に、背景をしっかり調査することも大事だと思うんですね。
 例えば、この間、公務員が随分減らされてきまして、国の出先機関の人員体制、河川を管理するなどの防災対策を行う人員体制もやはりこれ減らされてきている面があると思います。堤防に綻びや異常がないか、維持管理、点検する仕事も既に外注化されている状況があるわけですね。
 それから、防災予算の使い方の問題も、防災と名が付いてはいるものの、鉄道網ですとか高速道路網の整備、あるいは港湾の整備などにリンクされている場合もこれはなきにしもあらずということでありまして、やはり住民の安全、安心を守るための生活に身近な公共事業、防災対策事業というものがおろそかにそういうことによってされてきた面もあるんじゃないかと、こういうことも危惧しております。そういう直接の原因とともに背景もこの際しっかりと検証いただきたいということも申し添えておきたいと思います。
 次に、決壊した堤防、傷んでしまった堤防の応急復旧、あるいは河川にたまった土砂のしゅんせつなど、急がれると思います。これでまた台風が来たらえらいことになると、とにかく急いで応急工事をしてほしいというのがどこでも上がる声であります。
 国管理の箇所はもちろんですけれども、県や市町村が管理していて壊れたり傷んだ堤防などの応急復旧工事はどうなっているか。これ被害の状況だけではなくて、その応急復旧工事が今どうなっているかについてもちゃんと把握をして、必要な支援、市町村だけでは間に合わないということもありますので、こういうことも検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘の県あるいは市町村、自治体が管理している施設がございます。
 昨日までの県からの情報によりますと、九州北部豪雨により被災した県管理河川、被災箇所多うございますが、その中でも特に堤防が決壊したところ、あるいは家屋の近くで河岸決壊が発生した、こういった特に急ぐ場所に関しては応急復旧が完了しているというふうに聞いております。もちろんこの報告を受けた以外の箇所ございますので、こういった箇所以外についても、その被災状況あるいは応急復旧の状況については引き続き県の方でも調査をし対応を急ぐというふうにしているところでございます。
 また、迅速な災害復旧、これも必要でございまして、進めていかなければなりません。そういう意味では、道路や河川の施設管理者が被災直後から着工し、できるだけ早く災害復旧を進めるよう取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。
 なお、この際、いわゆる査定前着工ということがございます。災害査定の前にも柔軟に対応することによって、必要なものについてはできるだけ速やかに復旧工事に着手できるような、こういった形をより徹底してまいりたいというふうに考えております。
 また、今回、被災が相当広範囲に及んでいるということもございます。発災直後から、全国の私ども国土交通省の地方整備局等の職員から成りますテックフォース、緊急災害対策派遣隊、これを各地域、市町村あるいは都道府県等に派遣をいたしまして、被災箇所の調査、あるいは復旧工法に関する技術的指導を行うなど、被災自治体に対する支援も強化しているところでございます。
 また、さらに、実際にいろんなケースがございますので、そういった災害復旧を迅速に行うため、災害査定あるいは災害復旧事業の採択に関する手続、こういったものも弾力的に進めることによって、地域の被災自治体の状況を十分把握しながらしっかりと迅速な災害復旧に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

○山下芳生君 私どもが調査に行ったときにも、河川で、直轄の箇所だったと思いますけれども、国交省の九州地方整備局の皆さんがいろいろ不眠不休で当たっておられました。テックフォースが各自治体に派遣されているということは、自治体にとっては、私も台風十二号災害のときに非常に心強いという声も聞いておりますので、そういう対応は今後ともしっかりとやっていただきたいと思います。
 それから次に、ダムからの放流によって被害が拡大したという声があるんですが、どういう声があるか把握されていますか。

○副大臣(奥田建君) ダムの方の問合せということでいえば、耶馬溪ダムというダムの方に、山国川の上流ですけれども、問合せがございました。地元の方からダムの放流についての御質問があったこと。そして、七月十九日には、中津市議会の全員協議会という場でダム操作についての説明を求められております。この場では質疑応答と、河川事務所の者が出向きまして質疑応答をさせていただいております。
 ちょうど中川防災大臣が二回目の現地視察、七月二十一日でしたけれども、行きました折にはまた市長さんの方から説明をいただいて、説明には納得したというお話もあったというふうに聞いております。

○山下芳生君 私どもに聞こえてきている声も紹介したいと思うんですが、七月三日の豪雨で川があふれて大きな被害となった、今御紹介のあった大分県中津市山国川にある国交省管理の耶馬溪ダムの放流についてですが、中津市の耶馬溪町宮ノ馬場に住む方の話なんですけれども、三日の朝にダムの下流にある自宅近くから近所の方と一緒に川の様子を見ていたらしいんですが、もういっぱいいっぱいに流れていて、この状況でダムが放流されたら大変なことになると、こう思われて、ダムに川の様子を知らせようと話し合っていたところにダム放流のサイレンが鳴ったというんですね。その方はダムの放流で川があふれ被害が大きくなったと、そうおっしゃっておりました。
 ダムの放流と被害の関係についてきちんとこれ検証する必要があると思いますが、いかがですか。

○副大臣(奥田建君) ダムの操作要領というものは事前に河川整備計画の中でも決められておることでありまして、そしてまた、私も当日のダム上流からの流入量と、そしてゲートの操作といいますか放出量というもののデータも持たせていただいております。もちろん、問合せがあればその操作記録というものはしっかりと示すことになりますし、当然、協議会の説明会のときにもそういった資料を用意したものと推測させていただいております。
 今お話しの、ちょうど三日の朝方、午前七時前後ですけれども、大体、上流から洪水時の操作流量に達する見込みになるということで、サイレンを鳴らして放流量が増えますよということを知らせたというふうに聞いております。
 ただ、先ほど協議会で説明をさせていただいたというふうに言っておりますけれども、洪水時の放流量が二百六十トン、一秒に二百六十トンと、それ以上流さないようにということになっておりますけど、そのことで、瞬間に上流から来ている流量の大体ピーク時には八百立米をずっとカットしていると。激しい雨が続いていたときにはずっとダムの機能を発揮して、数量の変化はもちろんありますけれども、上流からの流量をカットをし続けていたということは記録に残っておりますので、またダムの操作方法について丁寧に地元の方にも御説明することが必要かなというふうに考えます。

○山下芳生君 私はやはり情報の提供、情報伝達が大事だと思うんですね。中津市の担当者の方との懇談で出された意見なんですけれども、雨の状況、それからダム放流の状況、下流への影響などについて、情報伝達、情報共有の方法について改善が必要だという要望でした。この点での見直しも必要ではないかと思いますが、いかがですか。簡潔にお願いします。

○副大臣(奥田建君) ダム操作をしますときには、関係自治体、関係部署には連絡をして、この場合も連絡してやっておりますけど、今先生おっしゃっておりますように、やっぱりリアルタイムに時々刻々と変わる、そしてまたその地点地点での状況がどういうものか、そういうことをしっかりと踏まえた上での操作の在り方というものは検討すべきことかと思います。

○山下芳生君 それと、ダムだけに頼る治水対策には無理があると思います。我が党の現地調査では、自治体や林野関係の方々との意見交換の際に、今回の水害、土砂災害に関連して、杉の植林を行っている人工林の間伐が遅れているという問題が指摘をされております。これ、山の保水力を高める対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(沼田正俊君) 森林は、適切な間伐の実施によりまして下層植生の発達でありますとか保水能力の向上が促されまして、洪水の緩和でありますとか土砂の流出防止などの効果が発揮されますので、間伐によります森林の手入れが国土保全上も極めて重要だというふうに認識しているところでございます。
 そういった意味で、災害に強い森づくりを推進する観点から、私どもとしても、各種治山事業、森林整備事業の実施の中できちんとした間伐を始めとした森林整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○山下芳生君 そこで、中川大臣に聞きたいと思います。
 昨年の台風十二号による紀伊半島大水害の際にも、奈良県、三重県、和歌山県を流れる新宮川流域で同じようにダム放流の在り方が問題となりました。ただ、その後、このダムの管理者と流域自治体との情報共有、情報伝達の方法を見直す必要があると、住民避難の方法も課題となっているということがありまして、国と県と、これは発電用のダムでしたけれども、ダムを管理するJパワーとが、言わば利水関係者が集まってダム操作に関する技術検討会を立ち上げました。一つの結論として、ダムでいいますと、事前放流を行うなどの運用の改善が図られたと承知をしております。
 私は、災害時の被害を最小化していくと、減災という考えに立つならば、やはり洪水対策としては、ダムの運用ももちろんこういう形で大事ですけれども、ほかにもできることはいっぱいあると思うんですね。例えば、今回気象庁から、これまで経験したことのない大雨です、厳重に警戒をという、こういう注意喚起がなされたわけですけれども、こういうことも生かされたかどうかも大事でしょう。
 中川大臣に是非伺いたいのは、やっぱり省庁縦割りではなくて、この新宮川ダムでの検討会の経験も生かして、ここはやはり防災担当大臣がイニシアチブを取られて各水系での総合的な洪水対策に取り組んでいくことが大事ではないか。やれることはいろいろあるわけですから、知恵を出して、集めて、手を打っていく必要があるんじゃないか。前回も、こういう問題提起されたら積極的に乗り出していきたいというお答えでしたけれども、その後、今回のような大きな災害、水害が起こりましたので、改めて質問したいと思います。

○国務大臣(中川正春君) まさに御指摘のとおりだというふうに思っております。
 一つは、予知能力といいますか、気象庁にも改めて対策をお願いしているんですが、降ってからこれだけ降りましたよといったって、それはもう降ってしまったわけですから使いようがない。その前に、集中的にここにはこれぐらいの雨量が予想される、については、例えばダム操作でそれを事前に放流をした上でそのダムの機能が最大限に生かされるようにやっていく、それを今度は下流部と連携をして情報をしっかり共有しながら、下流部の対策として避難等々に含めて生かしていくという、そういうシステム化した、連携した対応というのが必要、まさに必要なんだろうというふうに思っております。
 そのための組織をそれぞれの流域でつくっていく。あるいは、これは川の話だけではなくて、地震だとか津波に対してもそうした協議会をつくっていきながら、ふだんの訓練の中でそれを生かして、そして自分のものにしていくというような、そういう組立てを是非やっていきたいというふうに思っております。

○山下芳生君 次に、農業被害への対応について伺います。
 今回の被災地は、いずれも米どころ、それから特産品をたくさん出荷してきた農業地帯であります。我々が行ったときも、水田が石や泥で埋まってしまった地域、あるいは畑が濁流で流されていた地域など、もう甚大な被害がありました。田植したばっかりの水田が全滅してしまったとか、来年の作付けはどうなるのかと農家の皆さんは今大変深刻な状況にあります。
 それから、被害を免れた水田や畑でも、用水路が破壊されたり土砂に埋もれてしまったりして水を入れることができなくなって、今生きている作物も全滅してしまう状況にあるという場合もあります。
 農家の方からこんな声が上がっております。天候にもよるけれども、一週間、二週間と水が入らなければ今年の収穫が駄目になってしまうと支援を求められているわけですが、早急に対応する必要があると思いますが、農水省、いかがでしょうか。

○政府参考人(實重重実君) 農地、農業用施設の被害について申し上げます。
 今回の梅雨前線に伴う豪雨によりまして、九州北部を中心に農地、農業用施設についての甚大な被害が発生しておりますが、昨日までに九州北部だけで一万三千か所、約百九十五億円の被害が報告されております。
 農水省としては、岩本副大臣、森本政務官が直ちに福岡、熊本、大分各県の被災地で現地調査を行いました。また、別途、本省や九州農政局の職員延べ十八名、水土里災害派遣隊という形で、被害実態の調査あるいは災害復旧に向けた助言、指導のため現地に派遣しているところでございます。
 今委員御指摘のとおり、川のはんらんや山腹の崩壊による農地への土砂の流入、堆積が起こっております。また、川岸がえぐられることによって農地の損壊が見られるところもございます。また、ポンプ場の揚水施設にも多大の、多数の被害があることが判明しております。
 委員御指摘のとおり、まずは農業用水について手当てすることが重要でございます。地元の要請にこたえて確保することが急務でございますので、九州農政局から現時点で二十二台の揚水ポンプを貸し出しております。また、査定前着工といった応急工事ができるように、この活用を促しておりまして、この結果、現在、百十一件の応急対策工事に着手しているところでございます。
 被災農地につきましても、被災農家の方々の営農や生活の基盤でありますことから、緊急対策として、流入土砂を排除いたしましたり、あるいは更なる崩壊防止のための土のうの設置といったようなことを行っているところでございます。
 今後とも、迅速な本格復旧に向けまして、県、市町村等と連絡を密にしまして、技術者の派遣あるいは査定事務の簡素化など、できる限りの支援に努めていく所存でございます。

○山下芳生君 もうこれお答え要りませんけれども、今あった査定前着工なんですけどね、現地から聞こえてくる声として、国が被害を審査して農地復旧費の国庫負担割合を決めるので、この査定が終わるまで田畑や用水路の泥出しや流木の撤去は手が付けられないとか、国の査定が終わるのは数か月掛かるから復旧作業の開始は来年度の見込みという話が自治体の職員の方からも上がってきておりまして、現場では人手が足りなくて手いっぱいということもあるんでしょうけれども、要するに査定前着工という制度についてよく理解されていない面があるんじゃないかと。まずはもう着工して、植えられるところから植えていくなんということをやればできるのに、知られていない面もあるんじゃないかと思いますので、これはしっかりと周知徹底を、今回、もう直ちにやっていただきたいということも申し上げておきたいと思います。
 それから、中津市では用水路が被害を受けたのでポンプで水を入れているところがあるんですが、これ、ポンプは市で用意して対応されているんですが、燃料は農家、生産者の負担になっているというふうに聞きました。農家の方の話では、十軒ほどの農家で使っている用水路が使えないので、みんなで一緒のポンプを使っている。しかし、燃料代が一か月で四十万円ぐらい掛かりそうだというんですね。被災した農家にとってはこれ大変な負担であります。
 これ、市町村が実施する農地等の災害復旧事業の対象に、このポンプを使って水を応急的に入れるわけですから、この燃料代も応急復旧の工事の対象になるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

○政府参考人(實重重実君) 委員御指摘のように、用水路が被災いたしました場合に、水田等に用水を応急に補給することが重要でございます。この揚水ポンプの手当てが必要になります。そこで、貸出しという点では、先ほど申し上げましたとおり、九州農政局から北九州中心に二十二台貸し出しております。山国川流域の中津市では、市が応急に揚水ポンプを設置されているものと承知しております。
 こうした場合に、ポンプの燃料などを含めまして市や農業者の費用が一定額以上になる場合につきましては、補助対象となります災害復旧事業費の中に含めることができるという運用を取っておるところでございますので、そういう点についてもよく周知してまいりたいと思います。

○山下芳生君 最後に、中川大臣に伺います。
 市町村が主体で行う災害復旧事業で、全部じゃないんですけれども、市町村によっては条例を作って、農家から地元負担を求めているところもあると聞いております。国の制度としては農家からの負担が条件とはなっておりません、いろんな災害復旧制度について調べてみますと。
 私は、やはり農家の方に被災された上にこの負担を求めるのはなかなかこれは厳しいんじゃないかと、こう思っておりまして、是非大臣、これは市町村によって違うんですね、負担を求めていない市町村もあれば、農家に負担を求めているところもあると。しかし、被災された方ですから、それで国の制度の活用されているわけですので、これはやはり、まあいろいろ理由はあるんです、一部負担してもらうことによって何でもかんでもじゃなくなるんだとか、いろいろ理由はあるようですが、しかし一方で、被災された方にはもう災害の復旧ですから負担なしでやりましょうという自治体があるにもかかわらず、他方そうじゃないところがあると。
 これはちょっと、国としてもよく調べて、必要な調整といいますか物差しといいますか、そういうことを示すことも含めて、ちょっとこれ放置できないんじゃないかなと、こう私、声を聞いて感じたんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) そこを、市町村の事情と、それから一つの対策、政策によってある程度地方自治体のやり方というのを尊重していくという、そういうことも大事だなという反面、住民にとっては、あっちがこうなっているのにこっちはどうだという話があって、いろいろ、そこのところは地方分権なり地方自治というのを議論していくときにいつも難しいところだと思うんです。
 それに対して、じゃ、国がどういう形で関与できるかというと、個人で負担していただく部分を仮に市なり県なりが負担をするということになったときに、国の方としてはその分についても交付税措置して見ていきますよと、だからそこは、もし自治体によって財政的にお困りであれば、そのように措置をするのでやってくださいというふうなことが今の制度の基本になっているということであります。
 まあその辺かなというふうに思っているんですけどね。できる限り、それぞれの地方自治体の議会の中でそれは議論をして、主体的に解決を是非していただきたいというふうに思います。

○山下芳生君 終わります。ありがとうございました。

○加治屋義人君 自民党の加治屋でございます。
 奄美大島の三度にわたる豪雨災害、そして紀伊半島、青森県、そしてつくば市、今回の山口県を含めた北九州の豪雨災害、それぞれ私ども現地を見て思いますことは、災害の要因に二つあると感じております。一つは森林の崩壊です。二つには河川の増水による堤防の崩壊、先ほどから質問があるとおりであります。集落をのみ込んで、そして市街地をのみ込んで、尊い命を奪っている、そして生活まで奪っている、そういう状況であります。まさに目を覆うばかりでありましたけれども。
 まず、森林の崩壊ですが、私は間伐など山の管理が悪いと常々言わせていただいておりますけれども、その一つとして、かつて林野庁の職員は八万人、今幾らですか、五千人でしょう。そして、都道府県においては、一つの林務部という部で独立していたものがほかの部と統合して、職員まで大変減っている。それは私は調べてみました。ましてや市町村に至っては、それこそ専門職員なし。また、民間の林業従事者もかつてよりも十分の一の職員になっておりますね。
 こういう状況で、あの現場を見て、本当に山は守れるのかね、林地崩壊が守れるのかねと思っておりますが、副大臣、どうでしょうか。

○副大臣(岩本司君) 加治屋委員にお答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、昭和四十二年から今日まで林野庁は職員を九割削減しまして、一割の人員でやっております。それはもう、四十二年以降、各党の熱心な行革の結果とも言えますけれども、森林は国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止等の多様な機能を有しておりまして、特に近年、地震、集中豪雨等による大きな災害が発生しておりますことから、山崩れ、洪水などの災害を防止する働きに対する国民の要請は極めて強いものと認識をいたしております。
 このため、間伐等の適切な森林整備や治山事業を通じまして、健全で災害に強い森林づくりを進めるとともに、森林、林業の再生に必要な人材の育成に取り組んできたところであります。
 今回の山地災害に対しましては、国などから技術者の派遣を行うなどして技術的な支援も行いつつ、まずは災害復旧事業による緊急対策に全力で取り組むこととしているところであります。
 今後とも、先生などの御指導をいただきながら、台風等による山地災害の発生が懸念されることから、森林・林業再生プランに基づきまして、引き続き人材の育成、また森林の適切な整備を行っていくことにより、健全で災害に強い森林の保全整備に努めていく所存であります。

○加治屋義人君 きれいな言葉で、山が大切だと、そして間伐だねと、いろいろ言葉ではそのとおりなんですけれども、副大臣、毎年毎年の森林整備の予算、これは当初予算で全く確保できていないんですね。補正、補正、補正でやっとやりくりやっているでしょう。それで今の言葉で、山は守れませんよ。そのように思います。副大臣、山にはよく理解のある方だから私は申し上げているんだけれども、そういう意味でしっかり取り組んでいただかなければいかぬと思っております。
 今日は林野庁にもおいでをいただいておりますので、同じ質問をしたいと思います。守れますか。

○政府参考人(沼田正俊君) ただいま私ども副大臣の方からもお答えさせていただいたとおりでございますけれども、森林の整備、非常に大切なことでもございますし、国土保全上もきちんとそういった森林を整備していかなくちゃいけないというふうに思っているところでございます。
 確かに、先生おっしゃいますように、林野、林務関係の職員、減少してきているわけでもございますし、予算もなかなか厳しいという状況にはあるわけでございますけれども、そういった中でも、きちんとした対応、例えば人材の育成も含めましてしっかりとした対応を取って、遺漏なきように努力していきたいと思っているところでございます。

○加治屋義人君 ありがとうございます。
 国有林にしても民有林にしても、もうちょっと農林水産省、都道府県、市町村をしっかりリードをしながら取り組んでいただかなければ、一向に解決しませんよ。誰が山を守るんですか、これを頭にして考えていただきたいと思っております。
 次に、阿蘇市の一九九〇年の水害以降、民有林の山腹崩壊を防ぐとして、林野庁自ら、あの阿蘇一帯に百数十億を掛けていただいて治山事業を進めているとお聞きいたしました。鹿児島の桜島の治山もそうですね。直轄でやっていただいているんですね。今回の豪雨災害を検証する中で、防災対策としてのこの直轄事業の効果はどうだったのか、そのことをまずお聞きしたいと思います。
 未然に防ぐことができたのか。民有林の管理が進まない中で、林野庁自らこのような事業を積極的に取り組んでいただきたいと、そのように思います。いつも思いますのは、森林も人間社会と同じで少子高齢化ですよ。もうちょっと山が若返らないと守れませんね。そういうことを含めて、ひとつこの事業に積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、現状と将来についてお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(沼田正俊君) 先生からお話しいただきました阿蘇地区の民有林直轄治山事業でございますが、この事業は、昭和五十四年九月の阿蘇中岳の大噴火、そして、翌年夏の集中豪雨災害を契機といたしまして、熊本県からの要請を踏まえて、場所的には根子岳と高岳、中岳の北側斜面でございますけれども、昭和五十七年度から国の直轄事業として着手しております。着手後も、平成二年七月の集中豪雨災害、こういった災害にも対応しながら、総工事費で約百三十八億円でございますが、治山施設の整備を行いまして、平成二十二年度に事業が概成しております。
 今回、九州北部豪雨によりまして山地災害が多発しておりますけれども、現在、被災状況の詳細を調査中でございますが、民有林直轄治山事業の事業実施区域内におきましても実は一部崩壊は発生しております。ただ、ほかの区域と異なりまして、堰堤等の治山施設が土砂や倒れた樹木の流出を抑えまして、山腹崩壊の拡大でありますとか流れ木を防ぐなど、下流域の被害を軽減していることが確認されているところでございます。
 激甚な山地災害が近年発生しておりますけれども、今後とも民有林直轄治山事業の活用も含めて、治山事業等の適切な実施によりまして、まずは健全で災害に強い森づくり、そして国民の安全、安心の確保と、こういったものに努めてまいりたいと考えているところでございます。

○加治屋義人君 ありがとうございました。
 中川大臣にお尋ねをいたします。
 被災地の一日も早い復旧復興はもとよりでありますけれども、災害を未然に防ぐための防災・減災対策も極めて重要だと思っております。新聞報道によりますと、来年度の概算要求に向けて再生戦略特別枠を設けて、環境や医療などの成長が見込まれるところに予算を重点配分をする、こういうことを見させていただきました。
 私は、中川大臣がこの委員会の所信の演説で、よく頭に残って、印象に残っているんですけれども、防災は国家の基本的かつ重要な任務であり、災害に強い国づくりのために職務を遂行すると、こういう力強い決意が述べられました。住民の安全、安心を構築するために、何よりも優先すべき防災関連予算をこの再生戦略特別枠の中に入れて取り組むお気持ちはないか、お尋ねをいたします。

○国務大臣(中川正春君) 概算要求基準の議論というのはこれから始まってくるわけでありまして、日本再生戦略の中身についてもまだ正式にこういう形でというところまで行っておりません。ただ、私の立場としては、いずれにしても必要なものは必要だという形でしっかりと頑張っていきたいというふうに思います。

○加治屋義人君 大臣、是非御努力をいただきたいと思っております。
 次に、河川についてお尋ねをしたいと思います。
 熊本の白川水系をつぶさに見てきました。七年前の鹿児島の川内川の災害と私は重ね合わせて見ることでありましたけれども、川内川の上流は新燃岳です、霧島山です。白川は阿蘇山です。いわゆる火山地帯。この河川を見ますと、蛇行が非常に多いんです。極端な狭窄がありました。過去措置したところの堤防は強いんですね。これは治山も砂防もそうですけれども、過去措置したところの堤防は非常に強い、残っているんですよ。
 そういうことを見させていただいたんですけれども、川内川の場合は激甚指定をいただいて、当時の国土交通河川局と県と被災地の市町村が一体となって、五か年計画をしっかりしたものをお作りになりましたね。私は非常に今喜んでいるんですけれども。この計画の中身を見てみますと、上流の狭窄部の掘削、しっかりやられました。そして、この分水路の整備も、曽木の辺りでしょうか、立派なやつを造っていただきました。それから、蛇行部分の解消、これは地域住民の人たちの協力も必要なんですけれども、この解消がうまくいった。そして、途中に鶴田ダムがあるんですけれども、今年、来年辺りで終わるんでしょうか、この容量も倍の容量を蓄える整備を今進めていただいている。
 そういうことを考えますと、七年前のあの水量はこの整備によって十分耐え得る、そういうふうに今河川を見ながら思っているんですけれども、できますれば、二十二年前の白川水系あるいは菊池川の水系等を二度と繰り返さないためにも、是非、国土保全局と県、被災地と一緒になっていただいて、しっかりした五年、六年の整備計画を作っていただいて進めていただきたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。

○政府参考人(関克己君) ただいま先生の方から御指摘がございましたように、平成十八年になりますか、鹿児島の川内川で非常に大きな水害が発生いたしまして、これは宮崎県のえびの市から薩摩川内市にわたるほぼ全川にわたり、おおむね三千戸を超える、三千戸程度の被害が出たというふうに記憶しております。
 こういった災害に対して、上流から下流まで、県それから国、市町村一体となりまして、様々な地域に合った形での計画を作ることにより、激甚災害、河川激特、いわゆる河川激特を進めることにより一定の効果を上げる段階まで整備ができたというふうに思っております。例えば、昨年、平成二十三年でございますが、当時と同じような雨が降ったときに、おおむね大きな被害は解消することができて効果を上げることができたというふうに思っております。
 そういう中で、御指摘のように、今回、白川水系あるいは菊池川水系、特に合志川等では大きな災害が起きたところでございます。現在、この災害を踏まえまして、雨あるいは流量、被害の実態、こういったものを国あるいは県と連携しまして調査を進めているところでございます。
 こういった災害の状況の調査を踏まえまして、再度災害を防止するために必要な堤防あるいは護岸の整備、あるいは川を掘っていく、こういったことを組み合わせながら、御指摘の河川激特も含め、どのような方法が最も速やかにこの再度災害防止に向けて対応できる方法なのかということを熊本県あるいは地元の自治体と十分連携を図りつつ早急に検討を進めまして方針を決め、対策を取ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

○加治屋義人君 関局長には、川内川とそして同じときに被害を受けた米ノ津川、この二つを直接かかわっていただいて立派な河川を造っていただいた。私もよく知っておりますだけに、今回のこの熊本の二つの河川の整備に大きな期待をしておりますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。
 それから、少し視察をしながら現場の被災の方々から直接要望を受けたことが二、三あります。
 熊本の被災地の阿蘇、これはもう御承知のとおり全国の有数の観光地として繁栄しているんですけれども、風評被害を大変心配しておられました。それから、被災された皆様の住居の確保、これも心配されておりました。仮設住宅を造るにしても時間が掛かるよねと、それよりも市があっせんをして民間のアパートを一時的に借りてした方がいいではないかと、そのための国の財政支援を考えていただきたいと。それから、ホテルや旅館、スーパーなど、冷凍機器や厨房施設などの器具の買換えが発生しているんですね。その費用が膨大で事業存続にも大きな影響を与えている、これはどこの商店街もそうなんでしょうけれども、そう聞きました。こういう買換えにおける費用の負担軽減等を検討していただきたいと、こういう話でありました。
 風評被害対策、住居対策、備品の負担軽減措置などについて、それぞれの答弁をいただきたいと思います。

○政府参考人(井手憲文君) 最初の阿蘇の風評被害対策についてお答え申し上げます。
 先生おっしゃるとおり、阿蘇のエリア、地域は大変観光資源豊かな我が国有数の観光地でございますし、また、滞在型の観光ということに対する取組も大変先進的に進んでいる地域でございます。観光庁も、この地域につきまして様々な形の支援を今までもやってきたところでございます。
 おっしゃるとおり、今回の災害におきまして、風評被害の拡大あるいは発生を防止するということが大変大事でございます。そのためには、情報を正確に収集し、また発信するということが大変重要でございます。
 こういった観点から、七月二十日付けでございますが、私ども観光庁の方から、旅行業協会を通じまして全国の旅行会社に対しまして、被害の状況の全容の把握をしっかり行って、また関係機関の最新の状況を基に正確な情報をお客様の方に発信するようにしていただきたいというふうなことの要請をしておるところでございます。

○政府参考人(西藤公司君) 仮設住宅の件についてお答えを申し上げます。
 災害救助法による仮設住宅の提供につきましては、建設した仮設住宅だけでなく、自治体が民間賃貸住宅などを借り上げまして被災者に提供することも可能でございまして、その経費につきましても災害救助法に基づく国庫負担の対象といたしております。今回の災害におきましても、その旨、災害救助法を適用した直後に被災県に対して通知いたしますとともに、被災県の適用市町村に担当者を派遣いたしまして直接説明を行ったところでございます。
 厚生労働省といたしましても、引き続き、被災者や地方自治体の御意向を十分踏まえながら支援に努めてまいりたいと考えております。

○政府参考人(富田健介君) 先生御指摘の備品あるいは施設の買換えの負担軽減についてお答えを申し上げます。
 中小企業庁といたしましても、今般の豪雨によりまして大変大きな被害を受けられました大分県、それから福岡県、それから熊本県の被災中小企業の方々に対する金融支援策といたしまして、災害復旧貸付けという制度を今適用しておるところでございます。
 災害復旧貸付けでございますけれども、これは日本政策金融公庫等が被災中小企業に対して通常の融資枠とは別枠で最大一億五千万まで融資をさせていただくという制度になってございまして、委員が御指摘をいただきましたような、ホテル、商店が被害を受けて施設を新しく取り替える、買い換えるといったような場合にも御活用ができる制度でございます。
 また、日本公庫等の各支店におきまして現在特別相談窓口というものを開設をさせていただいております。被災中小企業の方々の事業再建に向けた資金繰りの御相談でありますとか、あるいは既往債務の返済の条件変更でございますとか、きめ細かい御相談に今応じているところでございます。
 いずれにいたしましても、被災中小企業の皆様方の実情に応じて、極力柔軟な対応に努めることで早期の復旧を目指していきたいという考えでございます。

○加治屋義人君 被災地の皆さんのひとつ相談窓口の役割をしっかり果たしていただきたいとお願いをしておきます。
 中川大臣には、鹿児島県の肝付町の国道四百四十八号線、二十二日の日にお入りいただきました。ありがとうございました。いまだ通行止めとなっておりまして、大変不便をしております。
 大臣の談話で、道路についての激甚災害指定には厳しいねと、こういうコメントをいただいておりまして、私もそうだと思っておりますが、ならば、早急に災害復旧事業として採択をいただいて、一日も早くひとつ開通できるように御努力をいただきたいのが一つ。
 もう併せてお聞きしますが、中川大臣には、今回の被害地を全て積極的に御視察をいただいて大変感動しておりますけれども、大臣がそれぞれの地域から受けられた要望、これは私どもも今度の視察で同じものをいただいております。そういう意味でも、九州豪雨災害の復旧復興、全力をお互い尽くさなければいけないと思っておりますが、最後に大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。

○国務大臣(中川正春君) ありがとうございます。
 肝付にお邪魔したときも、やっぱり地域で防災意識が高くて、コミュニティーとして、地域全体が見回りに行って家を空けているそのさなかにあの土砂崩れというのがあって、家屋は崩壊したけれども人は助かったというようなこともお聞きをしました。いかにそれぞれの地域の防災力、あるいは地域のコミュニティーとして絶えず訓練を繰り返しながら団結してやっていくということがこの防災には大事かということを改めて感じ取らせていただいたようなことでございます。
 先ほどいろいろお話が出ていました。私も地域へ向いて、それぞれの省庁の担当官と一緒にお邪魔をして、具体的に質問が出て、これをどう解決していったらいいのかという課題をいただきました。
 そのときに、それぞれの省庁丁寧に説明をしておりますが、改めて感じたのは、それがふだんは徹底していなかったんだなと。早期着工、いわゆる査定前の早期着工なんかもそうですが、まだまだそれができないというふうな感覚でおられた方も多いということが分かりましたし、その自治体が多いということが分かりましたし、あるいは仮設住宅も、ああした住宅を建てるまでもなく、簡易の形で旅館を活用したりあるいは公営住宅を活用したりということで、とにかくそこに入っていただくということ、この費用も救助法の中で見ていけるんだというふうなことも周知をしていくことができていないというふうなこと。こんなこともつぶさに分かってきましたので、改めてきめの細かい、それこそそれぞれの地方自治体と国が寄り添っていくような、一緒にやっていくんだというような気持ちで柔軟にそして迅速にやるということ、これを徹底していきなさいということで改めて指示をした次第であります。
 これからもそんなことを基本にしながら頑張っていきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

○加治屋義人君 ありがとうございました。

○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。
 同僚議員の質問を念押しするような形のところが多いんですけど、最初の方は大臣ちょっと聞いておいてください。
 今大臣、柔軟に運用というか、運用を徹底すると、こういうお話がありました。違うんです。違う。というのは、そもそも災害救助法も復旧法も平時の災害なんです、ごくごく部分的な。だから広域災害になると適用できないんです、はっきり言えば。というよりは、別のことを考えなきゃ駄目なんですね。これ、大震災のとき明らかだったんですけど、そのときは随分時間を掛けていろいろ直してもらいました、大震災用に。言っていることは大体九割方はオーケーしてもらいましたけど、時間が掛かり過ぎる。
 それで、私は、実はせっかくいただいた時間、こういうところは平時の災害だよと、ごく部分的な災害ですよと、それは直しておかなきゃ駄目だよということをちょっと関係省庁に念押ししておきたい。時間もったいないからイエスかノーかだけでいいですからね。イエスかノーかだけで、それぞれ、できるだけ。
 最初に救助法。参考資料を見ていただくと分かるんです、これ、ずっと三枚ぐらいある、救助法の災害救助基準。これ、大災害に使えるか。明らかにこの基準使えない。なぜか。避難所の設置って七日以内ですよ、災害発生の日から。七日以内で何で避難所が片付けられる。仮設住宅に取りかかるのは二か月以内だって、この二枚目にね、二枚目載っけていませんけれども、みんな一々言うわけにはいかない。
 だから、大きな災害のときはここまではいいんですと、取りあえず一月延ばしましょうとか、あるいは応急修理も一か月以内でやってくださいと、こうなっている。家の片付けもできないのに一か月以内でなんて、大きな災害のときに、そこらじゅうでやっている最中のときにはこれは無理だ。だから、大きな災害、あるいは標準そのものをこれ直しておいてもいいかもしれませんね、もうちょっと時間が取れるようにね。特に、それは今すぐ直せと言ったって難しいとは思うけど。去年の大震災の後ぐらいに直しているかと思ったらやっぱり直っていないから。
 今回みたいな災害は、それぞれ避難所、七日以内なんて無理よね、これ、二か月でも三か月でも必要になるかもしらぬ。そうしたら、取りあえずこのぐらいは延ばしますけど、それから以降も相談ですというようなことを言ってやらないと。しかも紙に書かなきゃ駄目、実は。厚労省が言って都道府県が言う、市町村が言う。一番最前線に市町村。都道府県はここに書いてあるこの救助基準でいこうとするから、これ無理なんだ。
 というわけで、審議官、直す方向で取りあえず全体を、災害対策基本法全体の法体系を直すと約束はしてもらっているから、次の国会用に。これ、ほんのちょっとだけ直して、途中で止めるのもなんだから、しようがないかと。本格的に直しますよね。災害対策基本法の体系そのものもそうだけど、そこに今まで、ほら、継ぎはぎみたいに救助法だ復旧法だ被災者生活再建支援法だと、こう積み重なってきているから、これ一旦きちっと見直ししなきゃ駄目なんだ。
 ただ、今回の災害、九州の豪雨災害でいえば、九州北部とは言いません、九州全体、鹿児島だって災害受けているんだから。九州の災害でいえば、こういう基準は二か月ぐらい延ばしますよとか、一旦はですよ、それでも無理ならまた相談してください、こういうふうにしてあげないと、市町村は動けない。罹災証明、被災証明も出さなきゃいけないんだから。しかも、復旧事業工事もやらなきゃいけない。そんなもの、両方なんてやれっこないんだから。ちょっと延ばすということを、これはイエスかノーか、検討しますでしようがないかもしらぬが、どうぞ。

○政府参考人(西藤公司君) 災害救助法の基準について申し上げますが、御指摘のとおり、今お配りされておられます基準を告示をいたしておりますが、仕組み上は、災害の規模でありますとか地域の実情によってはこの基準により難い場合がございますので、その場合には各自治体の方から私どもの方に御協議をいただきまして、それぞれ県ごとで特別の基準を定めることができるということになってございまして、その旨は今回も適用の市町村なり県に担当者を派遣いたしまして説明をさせていただいているところでございますので、それらを踏まえまして柔軟に対応していきたいというふうに考えております。

○佐藤信秋君 いや、だから、それぞれ個別に相談してこの項目はここまではいいですみたいなことはやるなと言っているわけ、私はね。県と相談したら、じゃ取りあえず二か月までとか三か月までとかいうのを明確にして、そして提示してやらないと、隣の町は一か月だったけどこっちの町は基準どおりで半月だとか何だとか言われても、こんがらがってしまうから。それが手足を遅くしている。市町村の職員そんなにいないんだからね。そこはしっかり考えてください。大臣、言っている意味分かりますよね。
 次に、復旧法に行くけど、災害復旧法もこれも平時の災害復旧なんだな、ルール自体はね。
 というのは、災害が起きてから一か月以内に災害の額を確定してくださいと、こういうルールになっています。できるわけがない。一か所崩れたのと訳違うから、できるわけがない。これも一定期限は延ばしましょうということを言ってやらないと、あれもやらなきゃいけない、これもやらなきゃいけない、ただでさえ救助の仕事、避難所のお世話というようなことをやっている人たちがあれもこれもできるわけがないんですよね。一か所二か所被災したんなら別です、災害、崖崩れしたんなら別。それも、こういう広域災害のときは明確に、今回はここまで延ばしますということを言ってやらないと動けませんよと。一月以内に被災の額を確定するなんてできっこないんだから。でしょう。どうでしょうかね、河川局長。

○政府参考人(関克己君) 今、先生の御指摘は、いわゆる災害報告に当たるというふうに理解してございます。
 これにつきましては、災害終息後一か月以内にというふうな整理をしてございますが、なお、これとともに大規模災害が生じた場合には別途指示を受けることとしておりますが、こういったその別途というようなところをより工夫をして分かりやすくしていくというようなことも含めて検討していきたいというふうに考えているところでございます。

○佐藤信秋君 救助法も復旧法も、だから今回の災害においては二か月あるいは三か月までは当面延ばしましょう、その範囲でもって更に相談事があれば相談を受けますと、そういう形にしていかないと、みんな困っているんです。途中段階で県が、いや、この規定はこうなんだから早くやれと。早くやれ早くやれでもって現場せかされても、今度は市町村は動けませんよ。だから、柔軟運用はそこまではいいんです。柔軟運用はそこまではいいけれど、いつごろぐらいをめどにとか、ここまで延ばしますよ、更にそれで難しければ相談してくださいということを両方とも共通してやってください。絶対駄目というのでなければ、あとお答え要りませんからね。
 次に、改良復旧の話、さっきありました。改良復旧の方はこれはやれることにはなっています、一定の範囲はありますと、こう言うんですが、それはそうですよね。どこまで改良復旧するかというのは、それはいろんな方法があるわけですからね、工法が。
 ただ、こういうところまでは改良復旧やりましょうよという考え方を示してあげないと、やれますと言うだけでは、途中段階で、さっきの話と連動するんです、時間がどのくらい掛かるのか、二か月、三か月じゃ決まりませんと。そうしたらいつまで、でも大急ぎだと、こう言われると、改良復旧まで行かずに取りあえず今のまま直さざるを得ないかと、こうなってしまったりもするので、改良復旧という場合のガイドラインなりマニュアルなりを出してあげないといけないと思いますが、今回の災害にもですね、どうでしょう。

○政府参考人(関克己君) 改良復旧についてのお尋ねをいただきました。
 改良復旧につきましては原形復旧を基本とするということはあくまで基本でございますが、一連区間で効果が増大する場合には当然、堤防のかさ上げ等、こういったことを積極的に進めるということでできている制度だというふうに理解してございます。そういった中で、改良復旧に関してより自治体の皆様方にもよく知っていただいて、より取り組みやすいというような形が必要であろうというふうに思っております。
 そういう意味で、これまでも説明会、あるいは実際にどういうふうに進めていく、こういった事例の説明、こういったことを提供しながら進めてまいりましたけれども、今回の災害に当たっても、被災自治体のそれぞれの状況を十分伺いながら、こういった事業を適切に活用して、改良復旧が必要なものについてはしっかり行えるよう取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

○佐藤信秋君 ということで、現場がきちっと動けるようにしようとすると、こういう応用動作があっという間にこれは半月、一月掛かるんです、たつんです、どうしていいか分からない間に。それで、せっつかれるだけと、市町村の担当者の皆さんなんかにしてみますと。
 ただし、激甚災害指定というのはこれはやっぱり急ぐんですよ。つまり、どれだけ自分たちの地方公共団体の負担が出るかというのが変わってくると、こういう意味ですよね、激甚災害指定、一番主たる部分は。それでもって、いや、こんなに負担が大きいんではとてもじゃないがすぐにできない、ゆっくりやらなくちゃみたいな話にもなりかねないんですね。そうすると、激甚災害指定はやっぱり大急ぎなんです。大急ぎなんですが、復旧費の積み上げ、今みたいな議論ですね、でいくと、それができ上がるまで待とうと片一方でなると、激甚災害指定がなかなかできない、こうなるんですね。
 これは基本的にはもっとハードル下げないかぬと思います。もっとハードル下げて、標準税収の百分の二十なんと言わずに、標準税収の百分の五ぐらいあったらもう切上げですから激甚災害指定しましょうかというぐらい、これは制度としてきちっとやらなきゃいけないという問題だと、こういうお答えになるんだと思います。
 ただし、今の九州の話でいえば、これだけ広範なんですから、何度も度々雨が収まったかと思ったら降った、箇所の数も猛烈に多い、調べ切れていない。そういう意味では、これはもう決断すべき時期だと思うんですね。積み上げをいつまでも、結局、土木施設の災害復旧はそういうことですから、さあ積み上げようとしても、本当のところはどこまで改良復旧できるか、あるいはそもそも山の中入っていけないところもまだたくさんありますからね。
 だから、これはもう大臣、総理と相談してやる。これは決断の問題だと思うんですね、既に。いかがでしょう。

○国務大臣(中川正春君) そういうこともありましたので、これはいけるだろうという想定のできるところは、知事や市長さんに対して、激甚だからやってくださいということをもう既にお話をしたということです、これは農業の分野でありますが。正式にこれ手続をもう来週にはやっていけそうなめども付いてきておりますので、早急に確定をしていくということで処理をしていきたいと思います。
 土木については、なかなか積み上がらないというのが現状でありまして、せめて局激で拾えるようなところは早く発表していければなということになっておりまして、これも、ここでいけるというところでは見切り発車でお話をしていきたいというふうに思っております。

○佐藤信秋君 それは、積み上がる積み上がらないも、まだどのぐらいの被害でどういうふうに復旧するかということがほとんど手付いていないときに、さて、どうしましょうかと。箇所で判断するとか、あるいは、まあおおむね一か所このぐらいだろうからというような形で出させるとか、そんな工夫が要ると思います。もう一月近くたつわけですね、七月、雨降り始めてから。いつまでもだらだらやっている問題じゃないと思います。よろしくお願いします。
 JR九州がまた困ったんですね、これ。二百か所も災害を受けている。これ、復旧の方、手を差し伸べるべきじゃないかなと。東日本大震災のときは、ときはというか、まだこれは進行形ですけれども、上場会社で体力もある、じゃ、どうやって応援しようかというのは、災害復旧そのものではなかなか難しいというので、一年ちょっと、一年四か月たっていますね。できる方策はいろいろやるんでしょうけれども、区画整理やるときに用地をどうするとか、復旧用の用地を。これ、JR九州の方は、これは直接的に災害復旧を応援しないと無理じゃないかなと、二百か所も被災していて。どうでしょうかね、鉄道局長。

○政府参考人(久保成人君) 御指摘のように、JR九州の、具体的には豊肥線と久大線でございますけれども、トンネル上部が陥没したり、あるいは橋梁の沈下、脚の部分ですけれども、沈下したり、その他、盛土の崩壊等、多数の被害を受けて運休をしております。
 鉄道事業者さんが自分の資力のみによって施設の復旧が困難な場合は、鉄軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助制度がございます。ただ、現行の制度の適用に当たりましては、災害復旧事業費の額が被災した当該路線の運輸収入の一割以上の災害であること、あるいは当該鉄道事業者において、被災前、被災の前三か年度が営業損失等となっていることなどが要件となっておりますが、国交省といたしましては、JRさんの被害状況も踏まえつつ、JR九州の経営状況をも勘案して、どのような支援が可能か検討していく考えでございます。

○佐藤信秋君 そのルールが省令だと、こう聞きましたからね、省令なんですから、大臣以下、一生懸命ここまでやってやろうというような形で支援の手を差し伸べるような省令の改正をしていただければいいな、是非頼みますと、こういうことであります。
 大臣、災害復旧、救助もそうですけれども、国の負担率、さっき個人負担の話も出ましたね。ただ、基本的には国の負担率、地方の負担率。地方の方は、広い災害を受けると金額的にももちろんそうですし、救助法、復旧の国庫負担、あるいは被災者生活再建支援法、それぞれ超過負担みたいなのもあって、税収は減りますから、やっぱりこの負担率のかさ上げなんかがいろんな点で必要になるんですね。目配りしていただければと思いますし、それから、今のJR九州の話でしたが、民有林なんかがそれこそ崖崩れ、地すべり、久留米なんかでも起きていますが、そうすると、これいろんな救助方法、救援方法、救護方法といいますかね、復旧も含めてやらないと、単純に民有林には国は手を出しません、出せませんよというだけじゃ駄目なんですね。
 そういう意味でいろんな工夫をせにゃいかぬと思いますし、まあ、関局長おられますからね。災害関連の地すべりの緊急事業みたいな、復旧事業やそれからそういう緊急事業を使っていろんな手でやっていかにゃいかぬと思うんです。その工夫を皆さんにさせますということを大臣の口から一言お願い申し上げます。

○国務大臣(中川正春君) 今の制度は、普通の公共事業に対して、災害復旧ということになるとそれにかさ上げを一旦やって、更に激甚でもう一つかさ上げをするという形で、それぞれの地方自治体の財政能力に応じた形での支援をしていくということになっているわけですね。
 もう一方で、実は裏負担の方、地方自治体が負担する部分について交付税措置をやって、実質的には一〇〇%に近い形、一般の災害復旧でいくと地方の実質的負担額というのは一・七%になるわけですね。こういう形で実質的には国が一〇〇%やっているようなものだから腹くくってやっていけということなんですね。
 ところが、やっぱりこの交付税措置ということになると、そこのところがまだ実質ぴんとこないというか、腹に収まらないんでしょうね。だから、補助率を上げるということを皆さんおっしゃるんだと思うんですね。ここのところはどういう形でこれから考えていったらいいのか、ちょっと皆さんと一緒に、それこそ野党の皆さんも一緒に議論をしていただきたいというところだと思います。

○佐藤信秋君 大震災のときにずっとそういう話がありまして、私は八か月全部国で持てと言っていたら、最後、全部持つことにしました。つまり、交付税で措置して、起債で許可して後で交付税で見ますと、十年か二十年で返しますと、市町村長や知事たち誰も信用しません。信用するわけないですよね、これ。五年後に幾ら交付税措置しますよと、こうやっていても、そんなものもらった覚えがないと、そのうち幾らもらっているか分からなくなりますから、これは駄目なんです、それはね。
 私が申し上げているのは、そのほかに適用対象外みたいなのがあるから、例えば水道なんか二分の一なんですね、あれ。水道が壊れましたと、配水、送水管どうしましょうとか、施設どうしましょうとか。上げないと、ただでさえいろんな財政需要があるのに、これは上げてやらないと無理ですよと。また料金値上げすればいいじゃないかと、こういう話ですけれども、今そういう状況じゃないですよね。そういうことを大臣に是非いろいろ目配りをお願いしたい、こういうことであります、水道とか簡易水道とかですね。
 最後に、建設業の苦労、活躍と、もっと広報すべきだと思いますよ。資料の一番最後に、これ専門紙ですけど、熊本、大分で十二日からみんな地元の建設業が徹夜でやっていますということがようやく十七日に出してくれました。テレビとか新聞にすぐ出ないんですね、一般のマスコミにね。そういう努力をすると、これ一言だけでいいんです、一言だけ言ってください。

○政府参考人(佐々木基君) 建設産業が本当に重要な役割を果たしているんですけれども、それについてなかなか一般に知られていないという問題意識を私ども持っておりまして、今後いろんな関係者、個々の企業とか業界だけじゃなくて、それから行政とか、あるいは、例えば学校とか学会とか、いろんなところで一緒になって考えていきたいと考えているところでございます。

○佐藤信秋君 時間が来ましたのでやめますが、資料の二と三に、雨がいかにばらつきが大きくなってきたかということと、それから大分で、ダムのある方は浸水せずに、稲葉川の方ですね、玉来川の方はダムを止められたものだから、民主党政権に、こんなに浸水していますよというのを出させていただきました。
 今日はここまでにしておきます。ありがとうございました。

○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 梅雨の時期に発生しました九州北部豪雨災害に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 まず、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 まず、被災地よりの強い要望である激甚災害の早期指定については、これまでも質問等ございましたけれども、政府に格段の配慮をお願いをしたいと思います。
 それでは、まず質問に入らさせていただきますが、今回の九州北部豪雨による社会福祉施設の被害並びに災害弱者関連施設に対する土砂災害防止について質問をさせていただきたいと思います。
 今回の九州北部豪雨によりどのような社会福祉施設がどのような被害を受けたのか、例えば浸水や土砂崩れ被害などでございますけれども、厚労省にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(西藤公司君) お答え申し上げます。
 社会福祉施設にも、児童福祉施設でありますとか高齢者福祉施設でありますとか障害者福祉施設、多々ございますが、そういった種々の社会福祉施設につきまして私どもで掌握しているところによりますと、雨漏りでありますとか床下浸水、床上浸水、あるいは土砂の流入による建物損壊など、こういった被害を生じたという報告を受けている施設につきましては、七月二十六日までの把握したところでございますが、福岡県で六十三か所、熊本県で二十六か所、大分県で十三か所の計百二か所の施設に被害が発生していると報告を受けております。
 なお、いずれも人的な被害については報告を受けておりません。

○渡辺孝男君 国土交通省の方では何か追加とかございますか。

○副大臣(奥田建君) 箇所数については厚労省と同じで、人的被害は確認していないということですけれども、こういった土砂災害の方では、国交省の方で九州地方整備局管内で百九十二か所の土砂災害を確認しております。

○渡辺孝男君 次に、社会福祉施設の入所者とか利用者、あるいは職員等の避難や災害復旧支援の状況につきまして厚生労働省にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(西藤公司君) お答え申し上げます。
 まず、今回の九州北部豪雨により被災した社会福祉施設の避難状況についてでございますが、七月二十六日までに自治体からの報告により把握したところ、被災した社会福祉施設百二か所のうち十七か所において別の施設などへの避難を行ったとの報告を受けているところでございます。
 また、災害により被害を受けた社会福祉施設の災害復旧工事に当たりましては、社会福祉施設等災害復旧費補助金による国庫補助でございますとか、福祉医療機構による無利子融資の対象とするといった支援を行うことといたしております。

○渡辺孝男君 今回、多くの社会福祉施設等被災をしたわけでありますけれども、中には土砂崩れ等々で被災をしたところもあるということであります。
 この点に関しまして、九州北部豪雨による土砂災害で被災した社会福祉施設の防災、減災への今後の対応につきまして、奥田国土交通副大臣にお伺いをしたいと思います。

○副大臣(奥田建君) 今般の豪雨の中で、社会福祉施設というところに限っては大変深刻な被害というものは少なかったわけでありますけれども、これまでどおりではありますけれども、こういった要援護者関連施設という場所において危険箇所、この砂防堰堤の整備などの対応、これを都道府県とまた密接に連絡調整の上、進展させてまいりたいと考えております。

○渡辺孝男君 一九九八年の八月に福島県を襲った集中豪雨により、当時の西郷村の福祉施設の裏山が崩れまして五名の犠牲者が出た、そういう災害がありまして、私もその視察に行ったわけでありますけれども、その後、災害弱者関連施設に対する土砂災害対策の強化がどのようになされてきたのか。また、そのことに関しまして、土砂災害防止法での対応もしているということでありますので、この点を含めて国土交通省にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(関克己君) 先生御指摘のように、平成十年八月に福島県の西郷村でこういった被害が発生したところでございます。
 この土砂災害を受けまして、当時の厚生省、建設省、現在の厚生労働省と国土交通省でございますが、連名で、災害時要援護者関連施設を土砂災害から守るための砂防事業の実施、あるいは施設の管理者に対する土砂災害危険箇所等の情報提供を行うと、さらには避難警戒体制の整備を実施するよう働きかける等の内容を盛り込んだ通知を都道府県に向けて発出しているところでございます。
 また、この災害や、平成十一年に広島県を中心に大きな土砂災害が発生しまして、こういったことを受けまして、平成十三年に土砂災害防止法が施行されたところでございます。この土砂災害防止法に基づき指定されました土砂災害特別警戒区域におきましては、災害時要援護者関連施設等の開発行為は都道府県の許可制ということとしており、土砂災害に対する安全性が確保されなければ施設が新たに建築できないということになってございます。また、市町村では、災害時要援護者関連施設等の利用者の円滑な警戒避難が行われるように、警戒避難体制の整備を行うこととしてございます。
 国土交通省といたしましては、災害時要援護者関連施設の土砂災害対策を進めるため、この土砂災害防止法に基づく取組の促進に引き続き取り組み、都道府県と連携して進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○渡辺孝男君 そのような対策を進めてきたわけでありますけれども、二〇〇九年七月に山口県の防府市で特別養護老人ホームが土石流で被災したことがありました。それを受けて、国土交通省は、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設の全国調査を実施をしたと。その結果を踏まえて更なる対策強化を行っているということでありますけれども、その全国調査の結果の概要について、まず国土交通省にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(関克己君) 御指摘の調査は、平成二十一年八月末現在で行ったものでございます。この調査を、平成二十二年の六月にその結果を、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設の全国調査として公表したところでございます。
 調査の結果でございますけれども、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設は全国で一万三千七百三十施設でございました。そのうち、土砂災害対策工事が行われている施設が三千五百九十八、それから、土砂災害警戒区域に指定され警戒避難体制の整備等を行う必要がある施設は四千百六十五、いずれの対応も行われていない施設が七千百二十という結果でございました。

○渡辺孝男君 このように、まだまだそういう危険な施設、施設の周りが危険な状況にあるということで、それに対する土砂崩れの防災対策が十分に進んでおらないということが分かったわけでありますけれども、この結果を受けて行った対策の強化の内容及び技術的助言を受けての都道府県の対応の状況につきまして、奥田国土交通副大臣並びに厚生労働省の方からお伺いをしたいと思います。

○副大臣(奥田建君) ただいま水管理・国土保全局長の方から御報告のありましたように、平成二十二年の調査結果、このことを踏まえた上で、砂防堰堤あるいは急傾斜地の対策工事というものを重点的に実施するとともに、土砂災害警戒区域の指定といった形での危険箇所の明示、さらに、ソフトの面で避難体制の整備あるいは訓練、こういったことを都道府県の方に要請をしております。
 先生御指摘にもありますけれども、今回の豪雨災害でいえば、九州地区のこういった警戒区域の指定というものがはかどっていないということも現状でありますので、是非こういった施設がそういった危険区域にないように、また、あるものについてはしっかりと防護措置がとられるように、また厚生労働部局とともに推進をしてまいりたいというふうに思います。

○政府参考人(西藤公司君) お答え申し上げます。
 奥田副大臣の答弁と重なるところもございますが、私ども厚生労働省におきましては、国土交通省の調査結果を受けまして、平成二十二年七月に、国土交通省と連名によりまして都道府県に対しまして通知を行っております。その中で、具体的には、福祉部局と砂防部局が連携して、土砂災害のおそれがある場所に立地する災害時要援護者施設の情報共有と防災訓練の実施、また、土砂災害のおそれがある場所での新たな施設建設計画の情報共有を促すなど、土砂災害対策の推進について要請をしたところでございます。
 厚生労働省におきましては、また、土砂災害のおそれがある場所に立地する社会福祉施設の移転整備に対する国庫補助の優先採択でございますとか、また、全国都道府県課長会議などあらゆる機会を通じまして、市町村や地域住民との連携による避難時の協力体制の確保などの対策の周知徹底を図っているところでございます。
 また、地方自治体においては、福祉部局と砂防部局が連携し、土砂災害のおそれがある場所に対する社会福祉施設の防災訓練の実施でありますとか、施設建設計画の情報共有、あるいは避難体制の整備などの取組が行われているところでございますが、厚生労働省としましては、今後とも、国土交通省と連携しながら土砂災害対策の情報把握に努めるとともに、土砂災害対策の徹底を図ってまいりたいと考えております。

○渡辺孝男君 二〇〇九年に全国の調査をしたと、そのときにはまだまだそういう危険な地域に社会福祉施設等が立地をしておると、それに対するいろんな規制はしてきているけれども、まだまだ十分な砂防対策とか移転をして別なところで施設を運営をするというようなことは進んでおらないということでありますので、近年様々な大きな災害等も起こっておりますので、今後そういう施設で被害が、大きな被害が起こるというようなことがないようにしっかり対策の方を進めていただきたいと、国土交通省と厚生労働省、そしてまた都道府県の自治体が協力して進めていただきたいと思います。
 それで、この関連での最後の質問になるんですが、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域での社会福祉施設において人的被害を伴うような災害事例が全国調査の後で起こっているのかどうか、この点だけ確認をしたいと思うんですが、国土交通省、よろしくお願いいたします。

○政府参考人(関克己君) 二十二年の七月に、先ほども触れましたけど、厚生労働省と連名で要請を出しておりますが、それ以降については、いわゆる人的被害を伴う被害が発生したという報告は受けていないところでございます。

○渡辺孝男君 不幸中の幸いというようなことではなくて、災害のときにもうこれ以上の多くの犠牲が出ないようにしっかり対応をしていただきたいと思います。
 次に、九州北部豪雨での各省庁の支援状況について質問をさせていただきたいと思います。
 まず、国土交通省の緊急災害対策派遣隊の活動状況並びに今後の被災地に対する技術的な支援等についてどのように検討されているのか、この点を国土交通省にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(関克己君) 今回の九州北部豪雨におけますテックフォース等の活動について報告をさせていただきます。
 国土交通省では、被害発生後、全国の地方整備局、中国地方整備局など六地方整備局、それから国土技術政策総合研究所等からテックフォースを福岡県、熊本県、大分県の被災現場に派遣し、また災害対策ヘリコプターにおける被災状況の調査、あるいは排水ポンプ車等の災害対策用機械を用いた浸水地域の排水、あるいは応急復旧に当たっての技術的支援を行ってきたところでございます。
 テックフォースにつきましては約延べ六百人、こういった排水ポンプ車等の車両については約百台の実動により現地を支援させていただいたところでございます。また、被災自治体の災害対策本部にリエゾン、情報連絡担当官を派遣させていただき、特に市町村長の右腕となるようなということで被害状況の収集あるいは情報提供、それから、自治体からの要望に速やかに対応するとともに、被災状況調査に関する支援をさせていただいたところでございます。
 今後は、これが災害復旧事業の本格的な実施、促進というふうに場面が変わってまいりますけれども、技術的支援や助言など被災自治体の要請を踏まえた支援を実施し、早期復旧に向けて支援をさせていただきたいと考えているところでございます。

○渡辺孝男君 国土交通省の土砂災害の専門の方々、国土技術政策総合研究所あるいは土木研究所の方々も派遣をされて活動をしているということでありまして、その活動状況と今後の被災地に対する技術的指導等の支援をどう検討されているのか、この点も国土交通省にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(関克己君) 被災地におきまして、先ほど申し上げましたが、国土技術政策総合研究所あるいは独法の土木研究所の土砂災害の専門家を派遣したところでございます。特に、当面の警戒避難あるいは応急対策等、危険度の判定あるいは判断、こういったことをベースにアドバイスをさせていただき、また、自衛隊等とも、自衛隊等も二次災害を避けながらの活動になりますので、自衛隊等とも連携し、こういった危険度に関する判断等も支援をさせていただいたところでございます。また、被災道路の復旧あるいは通行規制の解除に関する技術的な指導もさせていただきました。
 国交省といたしましては、今後とも、被災県等からの要請に応じまして、土砂災害専門の専門家の派遣を通じ、警戒避難あるいは応急対策、本格復旧への対応を積極的に支援させていただきたいと考えているところでございます。

○渡辺孝男君 それから、林野庁の担当官とか森林総合研究所の専門官の派遣もありまして、当地で活動されていると。そういう方々が今後の地すべりや土砂災害等による人家被害等が起こらないように、そういう防止対策、減災対策等にどのように貢献をされるのか、その点につきまして林野庁にお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。
 今回の災害の発生直後からでございますけれども、国有林を管理しております九州森林管理局がヘリコプターを飛ばしまして、関係する県の担当者も同乗いたしまして上空からの被害調査をまず実施しております。また、被害分析や今後の対応を検討するために林野庁の担当官、そして森林総合研究所の治山関係の研究者も現地に派遣いたしております。さらには、熊本県からの要請を受けまして、阿蘇地域の被害調査のため、森林管理局・署から国有林の技術者を数十名規模で派遣いたしておりまして、積極的な人的支援を行わさせていただいているところでございます。
 今後は、これらの結果を踏まえまして、地元の県、そして市町村と連携させていただきながら災害復旧事業による緊急対策に全力で取り組むと、そして技術的な支援も引き続き行いながら各種復旧、そして健全で災害に強い森づくりに迅速に対応してまいりたいと考えているところでございます。

○渡辺孝男君 被災をされました現場の首長さん、また職員の方々、やはり専門官の応援をいただきながら現在の災害の対策あるいは今後の防災対策等々進めていかなければなりませんので、そういうマンパワーの、強力なマンパワーの応援をしっかりしていただきたいと、そのように思っております。
 次に、ちょっと時間がないので質問を省かせていただいて、外国人旅行客に対する防災対策に関連しまして質問をさせていただきたいと思います。
 平成二十三年度に定めました五か年の新たな観光立国推進計画では、平成二十八年度、訪日外国人の目標を一千八百万人として、訪日外国人の満足度の向上についても新しく目標を立てて進めているところであります。
 ところで、平成二十三年度の観光の状況と平成二十四年度の観光施策の冊子が国会議員に配られておりますけれども、それを見ますと、やはり東日本大震災直後の訪日外国人の大きな落ち込みがありまして、その理由としましては、訪日旅行への不安が大きかったことや、各国が自国民に対し、我が国への渡航の自粛、延期や我が国からの退避を求める情報を発出したこと等が訪日外国人旅行者数の動向に大きく影響したと、そのようなことも記されているわけでありまして、外国人旅行客に対する防災情報の提供並びに災害発生時の対応についての充実が求められていると、そのように考えます。
 これに関しまして、今回の九州北部豪雨災害により被災地で宿泊して避難を要した、あるいはけがをしてしまったというような外国人旅行客の有無の把握状況について観光庁にお伺いをするとともに、外国からの旅行客の安否確認の問合せ等が外務省にあったのかどうか、この点もお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(井手憲文君) お答え申し上げます。
 今回の九州北部の豪雨災害でございますが、私どもの方では、主な日本にございます観光関係の事務所、こういったところを通じて確認を既にいたしましたが、幸い特段の被害、外国人旅行者についての被害の情報はございません。また、別途、県を通じまして、被害のあった地域の宿泊施設の状況、これも把握してございますが、ここにおきましても、床上浸水等何件かございましたが、人的被害はなかったというふうに情報を受けております。

○政府参考人(岡浩君) お答え申し上げます。
 外国人の安否確認につきましては、私ども外務省といたしまして、外国からの旅行者についての安否照会があったという情報には接していないところでございます。

○渡辺孝男君 東日本大震災で被災された外国人旅行客の調査というものがなされていれば、その点に関しましてその結果をお伺いをしたいと思います。観光庁、いかがでしょうか。

○政府参考人(井手憲文君) 東日本大震災の関係についてお答え申し上げます。
 昨年三月の東日本大震災の際も、先ほどの日本にございます主な外国の観光の事務所の発表あるいは調査等は行いましたが、昨年の三月のときも主要な、アジアの主要な国からの団体旅行客について、被災した旅行者はおられなかったというふうに確認してございます。

○渡辺孝男君 九州地方、外国からの旅行客も多くいらっしゃっているということでありますので、そのことも含めまして、外国人旅行客に対する災害情報提供あるいは風評被害の防止対策等、観光庁、どのように対応されているのか、この点をお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(井手憲文君) お答え申し上げます。
 ちょっと過去の話で恐縮でございます。去年の三月の東日本大震災のときは、特にあらかじめ準備した仕組みというのが残念ながらまだその当時はなかったわけでございますが、アドホックでではございますが、外国のお客様、日本におられる外国のお客様に二十四時間のテレホンサービスを多言語で提供するというふうなことを日本政府観光局、JNTOでございますが、を通じて行いましたり、また、ここの観光局のウエブサイトを通じまして外国人の方に、これも四つの言語で旅行情報あるいは災害情報などを発信してきたところでございます。
 今年度になりまして観光庁の方では、昨年、一応取りあえずの対応はそういうことでやったわけでございますが、まだまだ不十分な点もあるんじゃないかということで、自然災害全般についての情報提供の在り方をどういうふうに改善していけばいいかということを今調査研究しておるところでございます。
 これを受けまして、また、訪日外国人の旅行者の方が必要とする自然災害時のいろんな安全関係の情報、あるいは避難する場合の交通関係の情報、こういったものを整理をし、またそれをどういうルートでどうやって提供していくと一番効果的かというようなことを勉強した上で、この仕組みを構築していきたいというふうに考えております。

○渡辺孝男君 外務省として、災害発生時の、もし外国人が日本におられている場合の災害発生時の情報提供等の在り方について、どのようにお考え、またどのように対応しているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

○政府参考人(岡浩君) 大規模災害発生時の外国人への災害情報の提供の在り方でございますけれども、私ども、昨年の東日本大震災の発生をも踏まえまして、今年の三月に国際移住機関と共催をいたしまして外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップを開催いたしました。その中で、実際に外国人被災者への支援にかかわった関係者を交えて議論を行ったところでございます。その際にも、外国人の被災者は情報弱者の立場にあって、多言語による迅速な情報提供が重要だという御指摘がございました。
 こういう観点を踏まえまして、私ども外務省といたしましても、関係省庁、自治体、関係団体等と連携をしつつ、大規模災害が発生しました際の外国人への多言語によります効果的な情報提供の在り方について鋭意検討してまいりたいと思っております。

○渡辺孝男君 最初にも申し上げたとおり、平成二十八年度の目標として一千八百万人、訪日外国人の数を増やしていくということでありまして、またそれと同時に、訪日外国人の満足度、日本に来てよかった、いろんな面でも日本は非常に旅行しやすいところであったという、そういう満足度の向上も新規の目標としておりますので、そういう、万が一災害に遭ったときに困らないような対応をしっかりやっていただきたいと思います。
 最後、ちょっと時間がなくなったのですが、一つ、今回、七月五日にも弘前市で竜巻被害がございまして、たまたまその住家の被害は、十世帯以上の住宅の全壊被害が発生したときに支援を行うという被災者生活再建支援制度の対象外と、そういう数が少なかったということでありますが、前回のこの委員会でも、竜巻被害の特殊性を考慮して、この被災者生活再建支援制度、これを緩和をしたらどうかと、そういう検討をしてもらいたいということを申し上げたわけでございますけれども。
 このことを改めて向こうの弘前の市長さんからも検討してもらいたいという要望をいただいているんですが、中川災害担当大臣、ここを検討していただけますでしょうか。

○国務大臣(中川正春君) あのときにも問題の提起をしていただきましたので、それから今ちょっと議論を重ねております。
 それで、同時に、これ互助会、前にも申し上げたように互助会のようなものでして、県の方で半分、それに対してこちらが半分積んで基金化して、それを財政的に、いわゆる甚大な被害によって財政的になかなかカバーがし切れないところへ向いて地方自治体に対して互助的に資金を流すという仕組みになっておりますので、そこから漏れるところについては、本来は、それぞれの自治体にそれなりの財政力があるという前提で、そこで、自分のところで工夫していただいて条例化していただいて、漏れるところはそれぞれの自治体がカバーをしていく、いわゆる県がカバーをしていくということが前提になっているということをお話し申し上げました。
 しかし、そういう措置がしていない県というのもかなりあるものですから、してあるところとしていないところで、あの竜巻のときも、どうなんだろう、被災者にとっては同じことじゃないかということ、青森についてもやっぱり同じような主張があるんだろうというふうに思います。
 それで、被災者にとって本当に今の制度でいいのかということ、これを知事会の方にもちょっと投げさせていただいて今話合いをしているところなんですが、どちらでやったらいいか。もう県で全部そこら辺やっていくというのか、それとも、また違った思想でというか違った考え方で基盤をつくっていくのかという、その法律の性格が変わってくるというところもありますので、もう少し時間いただいて結論をまとめていきたいというふうに思っております。

○渡辺孝男君 よろしくお願いします。ありがとうございました。
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