三重県第2区 衆議院議員 中川正春 / 選挙区(鈴鹿市・亀山市・伊賀市・名張市・四日市市南部)

中川正春 NAKAGAWA MASAHARU

立憲民主党

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第170回国会 衆議院 本会議 第8号 2008年10月28日

平成20年10月28日(火)

○中川正春君 中川正春です。

 民主党・無所属クラブを代表して、質問をいたします。(拍手)

 サブプライムローン問題に端を発する金融危機は、世界を大きく揺るがしています。アメリカやヨーロッパの金融政策当局が不良債権の買い取りや巨額の資本注入を決断しても、株式市場の不安は深まるばかりで、株価が大きく下落をしております。日本の市場でも、昨日、麻生総理が六項目に及ぶ市場安定策を打ち出しましたが、それにもかかわらず、株価は引き続き大きく下落をし続けました。

 市場は、思い切った金融安定策と景気に対する有効な刺激策を期待しております。今回の麻生総理の対応を市場は完全に見限ってしまいました。今の政権には何も期待ができないと市場は結論を出しているのであります。麻生内閣、不信任。

 現状の閉塞感を脱して、思い切った金融対策と日本経済の内需拡大につながる構造改革を伴う経済対策を打ち出せる状況を日本は今こそつくらなければならない。そのためにも、解散・総選挙で政権と政策の是非を国民が直接選択し、国家の意思をはっきりさせることが必要なのであります。

 総理、本当は、自民党の支持率の低下を気にして解散に踏み込めない、そういうことだと国民は見透かしています。それを、現下の金融情勢が不安定だからと、もっともな理由にすりかえて解散を先送りするようなことがあるとすれば、それは、この国の危機への対応をも同時に先送りすることになります。現状から逃げて対応を先送りすることは、断じて許されません。

 さて、法案自体の議論に入る前に、まず最初に確認をしておきたいことがあります。

 与謝野経済財政担当相は、日本の現状は世界と違う、ハチが刺した程度の影響しかないと言われた。これは、リーマンの破綻だけに目を奪われて、破綻債権の所有が日本でどれだけあるかということだけを基準に、大丈夫だと発言されたのだと思います。もし大臣がこうした狭い認識の前提だけで政府の第二次経済対策を打ち出そうとしているのであれば、大変な間違いを犯しています。

 世界の金融情勢をトータルで判断することがいかに大事か、日本の経済対策はそこが今問われているのであります。今回の法案も、そうした狭い意味の現状認識から出発している限り、市場で十分な機能を果たすことは期待ができない、そのことをまず指摘しておきたいと思います。

 そして、改めて質問します。

 世界の状況がいかに深刻でも、日本は大丈夫だという間違った認識を総理も持ったまま、これからの対策を進めようとしているのですか。まず、その出発点をはっきりとしておく必要があると思います。

 世界の金融市場は大きく収縮しています。これは、サブプライムで代表される劣悪なローンなどが証券化されて生み出された新たな金融商品全体が信用を失い、劣化し続けているという事実。さらに、それから派生した保険商品のCDSなど、こうしたもので膨らんだ簿外の金融商品がその回収の連鎖を起こそうとしている瀬戸際であるということが、関係者のトラウマになっております。その規模、六千兆円から七千兆円と言われています。日本だけがこうした簿外の高リスクヘッジファンドとは無関係だとは言い切れないのであります。

 こうした状況に、昨今の株価急落を踏まえれば、早晩、国民の中にも銀行に対する不安が募ってきます。私自身は、今回の資本注入の枠組みと同時に、預金の全額保護を打ち出すべきときに来ている、そう思っております。まず、政府にその意思があるのか、伺いたい。

 改めて、法案の中身について質問をします。

 今回の法律で、具体的に、どの金融機関に対してどのくらいの資金規模で資本投入をしようと考えているのか、具体的な計画を政府は説明する必要があります。これは、マーケットに対するメッセージとしても非常に大切なことであります。

 次に、法案自体の政策ターゲットを明確にする必要があります。公的資金による資本注入は、金融機関の破綻を阻止するためのものなのか、それとも、中小企業の貸出枠の縮小を食いとめていくことを目的にするのか、明確にする必要があります。

 民主党の部会を通じての調査で明らかになったように、金融機関の救済の例では、農林中金の経営の失敗を今回の法案による救済対策に含めたことにその典型があります。本来そこまで手を出すことは禁じ手であったハイリスク債券にまで資金運用を拡大して、大きくつまずいているのが現状であります。この責任は、経営者のリスク管理にあります。彼らの経営責任が問われることになるのは当然であります。

 また一方で、株価の大暴落という、自身ではコントロールのできない現状に対応し切れない、地方の金融を担う金融機関が存在することも事実であります。急激な資本収縮に対してBIS基準を満たすためには、それに対応する貸し出しの総額を縮小せざるを得ない。その結果、立場の弱い中小企業に対して、理不尽な貸しはがしや貸し渋りが現在既に起こっております。

 どちらも公的資金の直接投入の対象になっておりますが、結果、得られるものは違ってきます。一方は金融機関の救済、もう一方は貸出枠、特に地方の中小企業に対する貸出残高が縮小することを食いとめるということにあります。法の目的はどちらなのか、また、それを区別して、経営者の責任と情報の公開を義務づけているとすれば、具体的にどの条項で区別をしているのか、答えていただきたい。

 農林中金に天下りをしている役員の個別の具体的な報酬についても情報を開示するように求めます。また、新銀行東京に対しても資本注入をしていくつもりなのか、はっきりと答えてください。石原都知事の責任を明確にできないまま救済することはあり得ない。私は、新銀行東京は今回のフレームから切り離すべきだと考えております。銀行の救済は、何回も言いますが、経営責任を問うこと、これが大前提であります。

 さらに、法案が本当に機能するかどうか、具体的な運用を確かめる必要があります。

 第一に、資本注入の枠はできても、それぞれの金融機関が具体的に手を挙げて公的資金の受け入れに応じるかどうかということであります。手を挙げることは、あの銀行は危ないのではないかと後ろ指を指されるリスクが出てまいります。昨日も、大手銀行が、これは政府ではなく民間からの増資を計画していることが報道されただけで関連の株価が急落をするありさまであります。これが現実なのです。

 今回の法案でも、それぞれの金融機関に対して強制的な資本注入をしていく前提にはなっておりません。今回の法案ではそれを具体的にどのように克服していこうとしているのか、具体的に答えていただきたい。

 また、資本注入で貸出枠が縮むことは防げても、それが中小企業に対する具体的な貸し出しに結びつくこと、金融機関が積極的にリスクをとっていくことにつながっていなければ、本来の目的を達したことにはなりません。

 小泉改革の矛盾は、地域経済や中小企業に大きな打撃をもたらし、ただでさえ疲弊していた状況に追い打ちをかけて、原料高と販売不振が経営を非常に厳しいものにしております。それだけに、金融機関が思い切ったリスクをとらないと中小企業の真の救済策にはなっていかないことは、だれの目にも明らかであります。

 信用保証枠の拡大はもちろん、破綻時の二〇%銀行負担枠を撤廃していくこと、中小企業向け貸し出し検査マニュアルを弾力的に運用して実態に合ったリスクテークの拡大を促す意思は政府にありませんか。

 その他、この法案の運用の中で、具体的にどのような方法で実際の融資拡大をすることを担保しているのか、答えていただきたい。

 世界市場は急速に収縮をしています。関係各国がこの危機に対して歩調を合わせ、資金の流動性を確保していくこと、これに全力を尽くすべきであります。金利、為替、国家破綻の途上国の救済措置など、各国が連携する中で必要な対策を速やかに打ち出していくべきであります。

 一方で、サブプライム問題から始まった今回の世界の金融市場の破綻については、アメリカのギャンブル金融そのものに対して根本的な見直しのための議論を行っていく必要があります。証券化という手法を野放しにしたことが架空のマネーのバブルを招いたのではなかったか。格付機関の責任を問わなくていいのか。時価会計ルールは本当の企業価値を反映しているのか。破綻連鎖の可能性を秘めたCDSなどの派生商品の崩壊危機とこれからの市場ルールをどのように設定していくのか。そのための国際的な舞台を早急に設置すべきであります。

 総理、その会議をあなたはどうして日本で開こうと提唱しないのか。ここが今私たちの出番なのです。そのことを改めて指摘しておきたいと思います。

 私は、今こそ、日本の政治が世界の中でリーダーシップを発揮し、日本経済を支える基本的な価値観に基づいた世界の金融ルールの再構築を提唱するときだと思っています。総理の力の源泉は、国民の支持があるかないかで決まるのです。総理、アメリカにしっかり物を言っていくときが今なのです。しかし、残念なことに、今のあなたの政治基盤では国際的なリーダーシップを唱えることができません。

 改めて総理の解散・総選挙への決意を期待しまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)
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