ひとこと2010

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6月3日(木)
行政事業レビューが始まります。これは、予算化されている具体的な事業に対して省内で仕分けをすることを言います。今回は、文科省で12事業を対象にしていきます。本来は、政策評価システムがちゃんと働いていれば、役に立っていない補助金は、そこで廃止となります。現実は、事業を存続させるための屁理屈を作り出すための政策評価になっているから、見直しが進みません。新しい事業の追加については、組織的な決済機能があって、それが文科省の政策要求として打ち出されますが、この事業を止めようというときには、どこでその決済をするか決めていないということもあります。行政事業レビューが毎年定着すれば、役に立たないものを廃止する有効な制度になると思います。


6月2日(水) 
鳩山総理が辞任しました。残念です。しかし、今日の演説は、まさに私たちが思い極まっているところを話してくれたと思います。この8か月、新政権で進めてきた政策は、着実に実現されて、やがて国民の実生活にも前向きの影響が出てくるという確信と自負が私たちにはある。しかし、そこが国民に届かずに、普天間に関わる総理の対応の失敗や政治と金の問題に国民の注意がとられてしまっている。そのことによって、総理が何を話そうと、国民が聞く耳を持たないという状況になってしまった以上、自ら辞任して、人心一新、民主党として出直すよりない。そこまで総理が突き詰めたとすれば、残念だが仕方がないことです。
私たちは、野党時代から今回のように、行き詰った上での党首交代を何度も繰り返してきました。本当に忸怩たる思いがあります。4日には、内閣総辞職、新しい総理の首班指名と決まったようです。このあと作る政権には、もう一度原点に戻って、基本的な政策目標の優先順位を確認して、ゆるぎない信念でそれぞれを実行していくバイタリティーを持続させて欲しいと思います。これまで、各省庁に配属された大臣始め政務三役には、それがあって、来年度に向かってまさにその弾込めをしている最中であったわけですから、残念でなりません。次に政権を担うのが誰であろうと、私たちにしか出来ない改革を、今、実行しているという思いは共通です。


5月30日(日)
韓国の済州島で行われた日中間サミットに、総理に同行して参加しました。29日の朝6時に羽田を出て、ソウルに立ち寄り、ヘリコプターで国立墓地に飛んで、哨戒艇への魚雷攻撃で亡くなった49人の兵士に花を捧げました。
韓国では、これが報道で大きく捉えられ、韓国国民の現在の思いを日本政府がしっかり認識しているということを伝えることができたのはよかったと思います。日本でも海外からの国賓が花を捧げてくれる国立墓地が必要だという議論をしてきたのを思い出しました。大事な話です。


3月26日(金)
アイパッドやキンドルなど日本でも電子書籍が話題になってきました。本が作者(著作権者)に無断で電子化されてウェブ上で流通すれば著作権の侵害だ、ということで話題になり、アメリカではグーグルの訴訟騒ぎになりました。また、作者に著作料を直接払って電子化するとしても、これまで本を編集して出版、流通させてきた業界が中抜きされ、商売が成り立たなくなる可能性も出てきます。図書館や新聞、雑誌の業界も大きく変遷し始めています。私は、電子書籍にまつわる様々な問題を出し合って、関係者の間での権利調整を出来得る限り早い時点でまとめ、必要とあれば法制化することを考えなければならないといっています。いずれは世界レベルでの基準作りが始まることを前提にすれば、日本のモデルを作って、それを世界に持ち出していくことです。先日来の関係者の会合では活発な意見が出ています。


3月24日(水)
ナトリウム漏洩事故から15年、運転再開を間近にひかえた原子力の高速増殖炉「もんじゅ」と解体中の転換炉「ふげん」の視察に福井県敦賀市に出かけました。地元自治体には「もんじゅ」についての国の安全審査が終了した状況を報告し、運転再開に向けて詰めの相談していきたいことを伝えました。
これまでの問題が、事故時のリスク対応に混乱があったことに加えて情報を十分に開示していなかったこと、点検が不十分であったために排気ダクトの腐食を見逃していたことなど、原子力の基幹技術そのものより、組織の管理体制や、責任者の安全管理に対する心の持ち方が問われました。その結果、信用回復に15年の歳月を要したということです。今回の再開に当たっては、その事業主体の原子力機構そのものの体制を再点検することはもちろんのこと、文部科学省の当事者能力と危機管理の体制が本当に出来ているのか、私自身が納得できるまで突き詰めることだと思っています。


2月23日(火)
政策研究大学院大学と国連大学の共催で、環境や持続社会をテーマにした国際シンポジウムが開かれ、そのレセプションに出席しました。国連大学は、日本が全面的に資金を出しているにもかかわらず、どのような役割を担っているのか見えない、と批判されています。私も、日ごろからもったいないことだと思ってきました。このレセプションでも関係者の皆さんと、国連大学を日本に生かしていく方向で知恵を出し合おうと話し合いました。特に、鳩山政権では東アジア共同体構想が打ち出されている時だけに、国連大学を舞台にアジアの共通課題を各国持ち寄りの共同ファンドで世界の中心的な研究センターと技術者の訓練センターに育ててはどうか、と私は提案しています。多くの仲間を結集したいと思っています。


2月15日(月)
江戸川区の夜間中学を訪問しました。70歳を超えたお年寄りから、中国残留孤児の家族、日本人と結婚して日常の生活の基礎を作ろうとしている人々など、多様な人生模様がそこにありました。特に高齢者の皆さんがとても楽しそうに勉強している姿には感動しました。勉強出来る喜びや、仲間や親身になって相談に乗ってくれる先生がいると言う情景は、素晴らしい教育の原点がそこにあるということを、私たちの心に思い出させてくれました。日本に来て2年余りだと言う若者たちが、日本語を習得出来て高校への進学の道が開けた喜びを語ってくれる様子に、昔と違った夜間中学の役割を改めて認識しました。日本の国際化がこれからも急激に進むであろうと言う中では、夜間中学校で日本語の習得を中心にした基本的な教育機会を作っていくことは、とても効果的な政策になっていく可能性があります。


2月3日(水)
アメリカでも財政赤字に対する危機感がオバマ政権の政治課題のトップにあがってきたようです。日本円で年間140兆円に及ぶ財政赤字はGDPの9.9%ですから、日本の44兆円、GDPの8.3%を追い越しました。オバマ大統領は1月27日の一般教書演説で裁量経費の歳出凍結という思い切った政策を打ち出したものの、これも年間2、5兆円の節約にしかならない額ですから、大変です。アメリカの議会では、歳出凍結の是非について大論議になっているようです。一方で、累積債務では限界を超えているとも言われる我々日本の正念場は、来年度予算です。4月頃から予定される特別会計、特殊法人、独立行政法人などへの事業仕分けや、補助金の統括補助金化などと同時に、税制改正論議が徹底して行われなければ、民主党政権への信任も崩れると言う覚悟でのぞむことだと思っています。
昨夜は、国立新美術館で行われている文化庁メディア芸術祭の表彰式がありました。国立マンガ喫茶の予算をバッサリ切った私たちとしては、逆に、作家やアーティストの活動がよりクリエイティブで世界にアピールできる環境を作ることが大事だと考えています。授賞式では、アート作品からアニメやマンガまで受賞作品のダイジェスト紹介がありましたが、出席者の雰囲気はそれは楽しいものでした。私自身は、正直、最初、面食らい、慣れて心を虚心坦懐、先入観なしのからっぽで楽しむことを覚えた時から、「これは、楽しいな。」という思いに至ったというところです。14日まで、国立新美術館でフェスティバルは続きます。ぜひ、皆さんもどうぞ。


1月30日(土)
なるべく多くの現場を踏まえて様々な議論をしていきたいと思っています。先日は国立新美術館を訪ねました。短時間でしたが幸福を描くルノワールの作品にも触れることができました。六本木には国立新美術館の他に、サントリー美術館、森美術館などの美術館があり、さまざまな連携をし六本木をアートに親しめる街にしていくことを目指して動き始めています。文部科学省でも、博物館・美術館が単体ではなく、それぞれが持っている資源を連携して有効に活用していくことで、国内だけではなく世界に対してもっとアピールして豊かな観光資源としての見直しをすることです。
地元に帰ると小沢さんの問題をきかれます。検察が出す結論を見て判断することだと言っています。しっかりとした証拠に基づいて出てきた結論であれば私たちもそれに基づいて判断すること。刑事訴追に至らず中途半端な証拠しかなければ、検察の姿勢を問わなければならない。いずれにしてもあまり長い時間をかけるものではないと思っています。


1月27日(水)
寄附税制の懇談会が始まりました。税制調査会の議論が本格的に始まる前に文部科学省の原案をまとめたいと思っています。今日の懇談会でも、専門家からは、寄附金の控除対象になる団体の範囲を大幅に広げること。寄附をするための動機づけの工夫、手続きの簡略化、教育現場での啓蒙などが指摘されました。話し合っているうちに、私の思いもだんだんはっきりして来るように思います。
第一に、寄附金所得控除対象となる団体の指定は、形式的な認定条件を厳しくして入り口でハードルを高くする今のやり方を根本から見直してはどうかということです。思い切ってハードルを下げて範囲を広げる代わりに、公益以外の目的に資金を利用した分については、普通より高い税率をかける。入口規制から出口の結果による課税をすることです。第二に、金融機関の活用をダイナミックに誘導する。高齢者の資産を信託制度で運用できる余地が日本にはいっぱいあります。金融サイドにメリットのあるビジネスモデルが組める形で税制の恩典を入れることができるはずです。第三に、寄附金控除の手続きを、サラリーマンであれば会社の年末調整でできるなど、身近で手軽な手続きの工夫の余地はいっぱいあります。さらに、研究開発資金などは、補助金とのマッチングを進めることで民間資金の導入の努力が研究者サイドにも芽生えて、イノベーションの引き金になる可能性もあります。大いに勉強して、具体的な政策にまとめていきたいと思っています。


1月25日(月)
明日は、大学の国際化について明治大学で懇談をすることになっています。東アジア共同体の打ち出しや留学生の大幅な受け入れ促進計画など、私たちが以前から主張してきた政策を大学教育の中で実現していく時だと思い積極的な具体策を話してきたいと思っています。
こうした前提の中で、明日はもう一つ、言葉の問題を投げかけてみようと思います。英語で完結できる学部創設に13校の指定がなされて、2億円ほどの予算で準備が進んでいます。さらに多くの学校でという希望もあったのですが、私は、ここで一旦事業を止めてもう少し幅広に留学生の受け入れ対策を考えようと言っています。その一つが言葉の整理です。例えば、学部レベルの受け入れです。交換留学など一部単位の相互認定のような留学では、基本的に英語。初年次からの入学で学士を取得していく完結型は、日本での就職機会の確保の保証や移民という選択肢も視野に入れて、原則日本語。大学院レベルでは、研究分野でのブレインサーキュレーションのプラットホームを作る前提で二類型を考える。自然科学、理工学系は英語。文科系は日本語。さらに、大学のファカルティー採用は外国留学経験を条件づけるなどと提案してみようと思っています。
私が留学生時代に、日本の大学で英文学を教えている先生が日本語の教師として派遣されてきました。ある日、彼の教え子のアメリカ人が私のところにやってきて頼みがあると言います。「私たちの先生は、日本語はよく分かるけど英語で説明を始めると途端に理解できなくなる。直接言っては彼を傷つけるので中川さんから言ってくれないか。」と言うのです。もう30年以上も前の話ですが、日本の伝統的な大学教育に未だにこんなことが無いよう確かめたいと思うのです。


1月21日(木)
先週の金曜日に茨城県つくば市の研究現場を訪ねました。大学の状況や加速器を用いた研究、宇宙開発の状況について現場を視察し、研究者と意見交換をしてきましたが、ノーベル賞の小林・益川両先生の理論を実験により裏付けるなど純粋な基礎研究を行ってきた研究所にも、例えば超伝導を利用して電子顕微鏡の性能向上につながる技術など産業に結びつく技術があることに気がつかされました。日本の将来の成長のためにこのような眠っている種をうまく活用できる枠組みを作っていきたいと考えています。


1月7日(木)
新年、明けましておめでとうございます。
お正月は、どのように過ごされたでしょうか。私にとってのお正月は、皆さんとの会話のチャンスだと、一日千人以上に声をかけようと地元を駆け巡ります。大晦日の年越しまいりから始まり、徹夜で、町々の氏神さんの初詣、朝起き会や自治会の初寄り合いなど、三が日で参加する挨拶まわりは分刻みです。今年は特に地元に戻ることのできる日が限られているだけに、当面の土曜、日曜は、精一杯の努力をします。
4日には総理の伊勢神宮参拝があって、私たち地元の議員も参列しました。熱烈な参拝客の「鳩山さん、がんばれよ〜」「民主党、負けるなよ〜」の声に心が熱くなりました。マスコミとの蜜月期間が終わり、政権に対する支持率が落ちても、私たちに対する期待、「この先まだまだ新しい政治に向かっての改革は続く。」という思いは、国民の中にしっかりとあると確信できた一瞬でした。これを死に物狂いで受け止めて、その期待に応えて行くことが、私たちのすべてだと思っています。
「科学技術に対する新しい民間投資スキームの構築」「外国人労働者とその子どもたちの問題に対する具体的対応策の実行」「日本の文化財やアニメなどの知的コンテンツを観光資源や海外へのアピールによって経済資源としての付加価値を作る事業」「著作権の調整によって、IT化への道筋をつけ、世界的なルール作りの一歩を踏み出すこと」などなど、取りかかったプロジェクトをやり遂げることと同時に、今年は、いよいよ独立行政法人や特殊法人、公益法人などの本格的な整理にも手をつけます。また、来年の予算編成に間に合うように、税制調査会では寄付金税制の見直しプロジェクトや地方分権での補助金の統括化などのプロジェクトが始まってきます。
今、私に与えられたポストで、できうる限りのことは徹底的にやりぬくつもりで今年の抱負を決意しました。毎日が楽しみです。