ひとこと2010

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10月18日(月)
予算委員会が一段落して、これまで先送りしてきた周辺の仕事に手をつけています。外交・安保調査会もたちあがってきました。日本EU議員連盟、北朝鮮の人権問題に関する議員連盟などいくつかの議員連盟の再編をしています。税制改正などの議論には、党のサイドから私なりの自由な意見を言える立場になったと喜んでいます。
先日の予算委員会では、尖閣列島での現場ビデオテープを予算委員会に提出する決議をしました。政府は、具体的な手続きを検討していますが、これを公開することについては、自動的な話ではありません。慎重な状況判断をしながら一義的には予算委員会の理事会で議論して決めていくことになっています。中国国内の不安定な状況も見守りながらの判断になります。


9月29日(水)
明日、尖閣諸島の問題をめぐって予算委員会の集中審議が入ることになりました。中国の国内のパワーバランスを読み込んで危機対応をしていくことが成熟した外交戦略だとすれば、私たち日本の経済界も含めた政治体制や防衛体制にそこまでの戦略が出来ていないということだと思います。普天間に続く今回の事件を教訓として、腹の据わった戦略を構築することが、外交・安全保障調査会の仕事だと思い、ピンチをチャンスに変えていくことです。
久しぶりに与野党間の交渉現場に戻りました。過去にいくつかの筆頭理事を務めてきましたが、与党と野党、立場が逆になっているということを、しみじみ感じています。精神的にすっきりするのは野党の立場の方かもしれないと、不謹慎な感想に浸っています。


9月22日(水)
文部科学省を卒業して、今度は、予算委員会の筆頭理事を務めることになりました。国会運営の要で、与野党の妥協点が見出していけるかどうかがかかっています。さらに、沖縄米軍基地の移転問題や、日米安保の再評価、アジア共同体の肉づけなど民主党の外交安全保障の基本政策を議論して、具体的な与党外交の戦略を作り行動するために、外交安全保障政策本部ができます。これを立ち上げて、本部長として活動するようにという事にもなりました。
文部科学省には、多くの政策の仕掛品を残してきました。二日ほどかけて、後任の笹木副大臣に引き継ぎをする予定です。高等学校の無償化のようなマニフェスト関連政策以外にも、定住外国人の子どもたちの教育政策、デジタル書籍に関連した著作権の調整モデルの構築、科学技術投資の多様化など、一年の間に、たくさんの課題を立ち上げてきたように思います。やりがいのあった一年だと思います。文科省の役人もよくついてきてくれました。


9月15日(水)
菅総理の再選、民主政権の新たな挑戦が始まります。話題は、党人事や内閣の改造に移っていますが、すべては、民主党の政策を実現するために、これから始まる難しい国会の運営をいかに乗り切るかを中心に考える、新たな政治の枠組みを作るための人材配置です。マスコミの取りあげる派閥均衡型人事の議論には与しません。選挙が終わった後のノーサイドは、小沢、菅を超えた党運営をすることにあるのだと思います。
選挙は、人の心や様々なしがらみを裸にします。特に、今回の選挙では、一人ひとりの議員がその中に立ちつくして精一杯考えた末の選択をしていた。そこのところに触れることが出来て深く感動しました。


9月7日(火)
民主党の代表選挙が進んでいます。私は、菅総理が引き続き政権を担うことが大切だと思っています。小沢さんは、政治と金の説明責任を果たして、すっきりしてから挑戦すべきで、このタイミングで出るのはおかしいという国民世論が大勢を占めています。そうした意味では、小沢さんが、今回にすべてをかけるような思いで臨んでおられることが残念でなりません。小沢さんの出番は今ではなく、この先、必ずその時があると思うのです。
文科省では、私の就任以来の課題プロジェクトが着実に動き始めました。外国人労働者の施策については、文科省でまとめた政策をベースに、内閣府主導のもと、厚生労働省、法務省、外務省などが参加して、総合的な政策指針がまとまり、その実現をここ一年でやるときまりしました。国際化については、さらに、日本語教育を改めて体系化しようということにしています。海外での日本語国際化戦略、国内での留学生や外国人に対する日本語教育など、基本的には、文化庁と文科省が責任を持って体系化し、進めることにしたうえで、その準備が始まりました。次の私のターゲットは、英語、中国語、韓国語など、日本人が外国語を少なくとも一ヶ国語以上は完全にマスターできる環境を作ることです。これだけ英語に時間を割きながら、しゃべれない教育とは何なんだと問いかけています。その他、科学技術投資の「明日に架ける橋」、電子書籍の普及に備えた「著作権」の整理と新しい仕組みづくりなど、具体的な課題が現実に動き始めたことに、充実感があります。


8月20日(金)
明日21日からカナダのトロントとオタワに行きます。北朝鮮の拉致、脱北者、強制収容所などの問題を韓国やアメリカなどの関係国の議員やNGOが一同に集まって議論し、共同して金正日軍事独裁体制に向かっていこうという機運を作りたいと思います。中井拉致担当大臣も出席します。関係するNGOの皆さんからは、金正日を国際司法裁判所に訴えることであるとか、国連の北朝鮮人権侵害に対する決議の中に、人権調査団を派遣するという一文を入れ込むことで金正日体制を牽制することが出来ることから、今回の会議でもそうした働きかけにつながる決議をするように問題提起がなされてきます。北朝鮮の状況は経済の失敗や世継ぎのプロセスの不安定な中で、混迷の度を深めているようです。日本の拉致問題はもちろん、在日朝鮮人の帰還運動で北朝鮮に渡った日本人妻、脱北者、韓国の離散家族や強制収容所政治犯などだけではなく、北朝鮮の国民そのものが、政治の独裁と破綻によって苦しみ、その犠牲となっています。


8月13日(金)
夏休み返上で予算の組み立てをしています。教育、科学技術、文化、スポーツの、どれをとっても今の日本を元気にしていく大事な牽引車です。メリハリをきかせて大事なところは予算を伸ばしたいと思っています。一方で、科学技術や文化などは、税の投入だけではなく資金の多様化を目指すことが大事だと思っています。官民合わせた科学技術投資、18兆円。そのうち税の投資は3兆円。そうした中で、大学や国の研究機関への民間からの研究投資と共同研究は500億円あるかないかです。大学や国の研究機関は産業分野で利用できる技術の種にあふれています。企業が大学や国の研究所を自分の中央研究所と同じような活用をして、ここに資金を投資すれば、科学技術の種はもっと大きく成長して花を咲かせることになる。そこを誘導するスキームを予算の中に組み込みます。また、教育、文化やスポーツも、「新しい公共」がテーマになっているだけに、寄付金税制の見直しで資金の面でも市民参加型を目指していきたいと思います。


6月23日(水)
電子書籍に関する懇談会の報告書がまとまりました。総務省関係のフォーマットの統一やテキスト化の基準作りについては、速やかに手をつけようということです。一方で、文化庁の領域である出版社の位置づけを含む著作権の権利調整、そのための権利の総合調整組織を作るかどうか、図書館にアーカイブ化されたデジタル情報をどのように活用するかという問題などは論点の整理に終わっています。一年かけて具体的な制度設計をすることとしました。関係者の間で、まず、制度設計をしていくことを期待しています。


6月22日(火)
兵庫県相生の山奥にある、スプリング8という放射光施設を視察しました。加速された電子からエネルギーの高い放射光を取り出して、たんぱく質やナノテクレベルの物質構造が解明できる、世界で最先端の施設です。そのうち完成するスーパーコンピューターと組み合わせて、人類未踏の領域に踏み出す心意気が、研究者の皆さんの言葉から伝わってきます。「現場に近づくほど、予算を積み上げたくなってくる」という役所の担当者の気持ちが分かります。


6月18日(金)
川端大臣のところにiPadが届きました。その機能が使いこなせることになれば、確かに既存の書籍文化にとっては脅威です。
来週には電子書籍にともなう著作権の問題を議論する関係者の懇談会から中間報告が出てきます。これから対処していく論点が整理されたような中身なので、本格的な仕組みづくりはこれからです。まずは、音楽著作権のJASRACのように、著作権の管理と権利配分をするための共同組織ができればよいのだがという気がしています。


6月17日(木)
参議院選挙に向けてマニフェストが発表されました。子ども手当や高速道路などが変更されて、「約束違反だ」と野党が批判しています。財源に限度があることは確か。しかし、それだけではなく中身の出し方に工夫を加えることが必要だとすれば、それは議論を尽くしていい方向に変更していくことの方が大事だと思います。
一方で、新しいマニフェストには、厳しい要素も含んでいます。財政バランスをとっていくという政府の意思を示すことが全体を通して色濃く出ています。
仕分けによる歳出への更なる切り込み、新しい公共という概念で寄附税制の見直しを期待したものがカットされ、消費税増税の議論も含めた税制の見直しなど、来年の予算要求の準備に入っている各省にとって厳しい内容になります。


6月14日(月)
60億キロの旅を終えて「はやぶさ」が地球に帰ってきました。JAXAの川口プロジェクトマネージャーをはじめ、チームのメンバーの科学者魂に脱帽。私たちに大きな夢と感動を与えてくれました。
今の時代、あらためて夢を育てることだと思います。日本の科学技術や宇宙政策も、未来の「夢」に支えられて活力を得ます。


6月9日(水)
改めて、副大臣の任命を受けました。文部科学副大臣として引き続き仕事が出来ることに感謝しています。
「今の課題を実現できるように頑張る。政権が崩れれば私たち政務三役に明日という日が来るかどうかは当てにできないと肝に銘じること。」
これが、今回の内閣総辞職で私が学んだことです。大臣始め政務三役の政治任用ポストは政権によって維持されるから、その都度の任命になることを改めて実感しました。一方、官僚組織は何があっても持続するわけですから、そこが強い。そのことを前提に、私たちは、新しい時代の課題を提起しながら、しっかりとしたリーダーシップでこの官僚組織をダイナミックに動かしていくことだと思っています。


6月4日(金) 
菅総理大臣が誕生しました。鳩山内閣が進めてきた新しい政治と思い切った政策転換は、菅総理の体制でさらに加速されて、安定感も出てくると思います。メディアや国民の目も、ここで大きく開いて、私たちを見つめなおしてくれることを期待しています。各省庁の現場で今起こっている政治革命を是非とも目を凝らして見ていただきたい。文部科学省の最後の省議では、官僚の皆さんから、「政治がリーダーシップをとれば、こんなに思い切ったことができるのだと実感して、この8か月は目から鱗でした。」と、感慨深い感想が出ていました。来年の予算に向けて新しい政策の芽出しをして、役所を具体的に動かす自信もできてきました。参議院選挙を通じて、これを国民にじかに説明して、中身を国民にわかってもらうことだと思っています。


6月3日(木)
行政事業レビューが始まります。これは、予算化されている具体的な事業に対して省内で仕分けをすることを言います。今回は、文科省で12事業を対象にしていきます。本来は、政策評価システムがちゃんと働いていれば、役に立っていない補助金は、そこで廃止となります。現実は、事業を存続させるための屁理屈を作り出すための政策評価になっているから、見直しが進みません。新しい事業の追加については、組織的な決済機能があって、それが文科省の政策要求として打ち出されますが、この事業を止めようというときには、どこでその決済をするか決めていないということもあります。行政事業レビューが毎年定着すれば、役に立たないものを廃止する有効な制度になると思います。


6月2日(水) 
鳩山総理が辞任しました。残念です。しかし、今日の演説は、まさに私たちが思い極まっているところを話してくれたと思います。この8か月、新政権で進めてきた政策は、着実に実現されて、やがて国民の実生活にも前向きの影響が出てくるという確信と自負が私たちにはある。しかし、そこが国民に届かずに、普天間に関わる総理の対応の失敗や政治と金の問題に国民の注意がとられてしまっている。そのことによって、総理が何を話そうと、国民が聞く耳を持たないという状況になってしまった以上、自ら辞任して、人心一新、民主党として出直すよりない。そこまで総理が突き詰めたとすれば、残念だが仕方がないことです。
私たちは、野党時代から今回のように、行き詰った上での党首交代を何度も繰り返してきました。本当に忸怩たる思いがあります。4日には、内閣総辞職、新しい総理の首班指名と決まったようです。このあと作る政権には、もう一度原点に戻って、基本的な政策目標の優先順位を確認して、ゆるぎない信念でそれぞれを実行していくバイタリティーを持続させて欲しいと思います。これまで、各省庁に配属された大臣始め政務三役には、それがあって、来年度に向かってまさにその弾込めをしている最中であったわけですから、残念でなりません。次に政権を担うのが誰であろうと、私たちにしか出来ない改革を、今、実行しているという思いは共通です。


5月30日(日)
韓国の済州島で行われた日中間サミットに、総理に同行して参加しました。29日の朝6時に羽田を出て、ソウルに立ち寄り、ヘリコプターで国立墓地に飛んで、哨戒艇への魚雷攻撃で亡くなった49人の兵士に花を捧げました。
韓国では、これが報道で大きく捉えられ、韓国国民の現在の思いを日本政府がしっかり認識しているということを伝えることができたのはよかったと思います。日本でも海外からの国賓が花を捧げてくれる国立墓地が必要だという議論をしてきたのを思い出しました。大事な話です。


3月26日(金)
アイパッドやキンドルなど日本でも電子書籍が話題になってきました。本が作者(著作権者)に無断で電子化されてウェブ上で流通すれば著作権の侵害だ、ということで話題になり、アメリカではグーグルの訴訟騒ぎになりました。また、作者に著作料を直接払って電子化するとしても、これまで本を編集して出版、流通させてきた業界が中抜きされ、商売が成り立たなくなる可能性も出てきます。図書館や新聞、雑誌の業界も大きく変遷し始めています。私は、電子書籍にまつわる様々な問題を出し合って、関係者の間での権利調整を出来得る限り早い時点でまとめ、必要とあれば法制化することを考えなければならないといっています。いずれは世界レベルでの基準作りが始まることを前提にすれば、日本のモデルを作って、それを世界に持ち出していくことです。先日来の関係者の会合では活発な意見が出ています。


3月24日(水)
ナトリウム漏洩事故から15年、運転再開を間近にひかえた原子力の高速増殖炉「もんじゅ」と解体中の転換炉「ふげん」の視察に福井県敦賀市に出かけました。地元自治体には「もんじゅ」についての国の安全審査が終了した状況を報告し、運転再開に向けて詰めの相談していきたいことを伝えました。
これまでの問題が、事故時のリスク対応に混乱があったことに加えて情報を十分に開示していなかったこと、点検が不十分であったために排気ダクトの腐食を見逃していたことなど、原子力の基幹技術そのものより、組織の管理体制や、責任者の安全管理に対する心の持ち方が問われました。その結果、信用回復に15年の歳月を要したということです。今回の再開に当たっては、その事業主体の原子力機構そのものの体制を再点検することはもちろんのこと、文部科学省の当事者能力と危機管理の体制が本当に出来ているのか、私自身が納得できるまで突き詰めることだと思っています。


2月23日(火)
政策研究大学院大学と国連大学の共催で、環境や持続社会をテーマにした国際シンポジウムが開かれ、そのレセプションに出席しました。国連大学は、日本が全面的に資金を出しているにもかかわらず、どのような役割を担っているのか見えない、と批判されています。私も、日ごろからもったいないことだと思ってきました。このレセプションでも関係者の皆さんと、国連大学を日本に生かしていく方向で知恵を出し合おうと話し合いました。特に、鳩山政権では東アジア共同体構想が打ち出されている時だけに、国連大学を舞台にアジアの共通課題を各国持ち寄りの共同ファンドで世界の中心的な研究センターと技術者の訓練センターに育ててはどうか、と私は提案しています。多くの仲間を結集したいと思っています。


2月15日(月)
江戸川区の夜間中学を訪問しました。70歳を超えたお年寄りから、中国残留孤児の家族、日本人と結婚して日常の生活の基礎を作ろうとしている人々など、多様な人生模様がそこにありました。特に高齢者の皆さんがとても楽しそうに勉強している姿には感動しました。勉強出来る喜びや、仲間や親身になって相談に乗ってくれる先生がいると言う情景は、素晴らしい教育の原点がそこにあるということを、私たちの心に思い出させてくれました。日本に来て2年余りだと言う若者たちが、日本語を習得出来て高校への進学の道が開けた喜びを語ってくれる様子に、昔と違った夜間中学の役割を改めて認識しました。日本の国際化がこれからも急激に進むであろうと言う中では、夜間中学校で日本語の習得を中心にした基本的な教育機会を作っていくことは、とても効果的な政策になっていく可能性があります。


2月3日(水)
アメリカでも財政赤字に対する危機感がオバマ政権の政治課題のトップにあがってきたようです。日本円で年間140兆円に及ぶ財政赤字はGDPの9.9%ですから、日本の44兆円、GDPの8.3%を追い越しました。オバマ大統領は1月27日の一般教書演説で裁量経費の歳出凍結という思い切った政策を打ち出したものの、これも年間2、5兆円の節約にしかならない額ですから、大変です。アメリカの議会では、歳出凍結の是非について大論議になっているようです。一方で、累積債務では限界を超えているとも言われる我々日本の正念場は、来年度予算です。4月頃から予定される特別会計、特殊法人、独立行政法人などへの事業仕分けや、補助金の統括補助金化などと同時に、税制改正論議が徹底して行われなければ、民主党政権への信任も崩れると言う覚悟でのぞむことだと思っています。
昨夜は、国立新美術館で行われている文化庁メディア芸術祭の表彰式がありました。国立マンガ喫茶の予算をバッサリ切った私たちとしては、逆に、作家やアーティストの活動がよりクリエイティブで世界にアピールできる環境を作ることが大事だと考えています。授賞式では、アート作品からアニメやマンガまで受賞作品のダイジェスト紹介がありましたが、出席者の雰囲気はそれは楽しいものでした。私自身は、正直、最初、面食らい、慣れて心を虚心坦懐、先入観なしのからっぽで楽しむことを覚えた時から、「これは、楽しいな。」という思いに至ったというところです。14日まで、国立新美術館でフェスティバルは続きます。ぜひ、皆さんもどうぞ。


1月30日(土)
なるべく多くの現場を踏まえて様々な議論をしていきたいと思っています。先日は国立新美術館を訪ねました。短時間でしたが幸福を描くルノワールの作品にも触れることができました。六本木には国立新美術館の他に、サントリー美術館、森美術館などの美術館があり、さまざまな連携をし六本木をアートに親しめる街にしていくことを目指して動き始めています。文部科学省でも、博物館・美術館が単体ではなく、それぞれが持っている資源を連携して有効に活用していくことで、国内だけではなく世界に対してもっとアピールして豊かな観光資源としての見直しをすることです。
地元に帰ると小沢さんの問題をきかれます。検察が出す結論を見て判断することだと言っています。しっかりとした証拠に基づいて出てきた結論であれば私たちもそれに基づいて判断すること。刑事訴追に至らず中途半端な証拠しかなければ、検察の姿勢を問わなければならない。いずれにしてもあまり長い時間をかけるものではないと思っています。


1月27日(水)
寄附税制の懇談会が始まりました。税制調査会の議論が本格的に始まる前に文部科学省の原案をまとめたいと思っています。今日の懇談会でも、専門家からは、寄附金の控除対象になる団体の範囲を大幅に広げること。寄附をするための動機づけの工夫、手続きの簡略化、教育現場での啓蒙などが指摘されました。話し合っているうちに、私の思いもだんだんはっきりして来るように思います。
第一に、寄附金所得控除対象となる団体の指定は、形式的な認定条件を厳しくして入り口でハードルを高くする今のやり方を根本から見直してはどうかということです。思い切ってハードルを下げて範囲を広げる代わりに、公益以外の目的に資金を利用した分については、普通より高い税率をかける。入口規制から出口の結果による課税をすることです。第二に、金融機関の活用をダイナミックに誘導する。高齢者の資産を信託制度で運用できる余地が日本にはいっぱいあります。金融サイドにメリットのあるビジネスモデルが組める形で税制の恩典を入れることができるはずです。第三に、寄附金控除の手続きを、サラリーマンであれば会社の年末調整でできるなど、身近で手軽な手続きの工夫の余地はいっぱいあります。さらに、研究開発資金などは、補助金とのマッチングを進めることで民間資金の導入の努力が研究者サイドにも芽生えて、イノベーションの引き金になる可能性もあります。大いに勉強して、具体的な政策にまとめていきたいと思っています。


1月25日(月)
明日は、大学の国際化について明治大学で懇談をすることになっています。東アジア共同体の打ち出しや留学生の大幅な受け入れ促進計画など、私たちが以前から主張してきた政策を大学教育の中で実現していく時だと思い積極的な具体策を話してきたいと思っています。
こうした前提の中で、明日はもう一つ、言葉の問題を投げかけてみようと思います。英語で完結できる学部創設に13校の指定がなされて、2億円ほどの予算で準備が進んでいます。さらに多くの学校でという希望もあったのですが、私は、ここで一旦事業を止めてもう少し幅広に留学生の受け入れ対策を考えようと言っています。その一つが言葉の整理です。例えば、学部レベルの受け入れです。交換留学など一部単位の相互認定のような留学では、基本的に英語。初年次からの入学で学士を取得していく完結型は、日本での就職機会の確保の保証や移民という選択肢も視野に入れて、原則日本語。大学院レベルでは、研究分野でのブレインサーキュレーションのプラットホームを作る前提で二類型を考える。自然科学、理工学系は英語。文科系は日本語。さらに、大学のファカルティー採用は外国留学経験を条件づけるなどと提案してみようと思っています。
私が留学生時代に、日本の大学で英文学を教えている先生が日本語の教師として派遣されてきました。ある日、彼の教え子のアメリカ人が私のところにやってきて頼みがあると言います。「私たちの先生は、日本語はよく分かるけど英語で説明を始めると途端に理解できなくなる。直接言っては彼を傷つけるので中川さんから言ってくれないか。」と言うのです。もう30年以上も前の話ですが、日本の伝統的な大学教育に未だにこんなことが無いよう確かめたいと思うのです。


1月21日(木)
先週の金曜日に茨城県つくば市の研究現場を訪ねました。大学の状況や加速器を用いた研究、宇宙開発の状況について現場を視察し、研究者と意見交換をしてきましたが、ノーベル賞の小林・益川両先生の理論を実験により裏付けるなど純粋な基礎研究を行ってきた研究所にも、例えば超伝導を利用して電子顕微鏡の性能向上につながる技術など産業に結びつく技術があることに気がつかされました。日本の将来の成長のためにこのような眠っている種をうまく活用できる枠組みを作っていきたいと考えています。


1月7日(木)
新年、明けましておめでとうございます。
お正月は、どのように過ごされたでしょうか。私にとってのお正月は、皆さんとの会話のチャンスだと、一日千人以上に声をかけようと地元を駆け巡ります。大晦日の年越しまいりから始まり、徹夜で、町々の氏神さんの初詣、朝起き会や自治会の初寄り合いなど、三が日で参加する挨拶まわりは分刻みです。今年は特に地元に戻ることのできる日が限られているだけに、当面の土曜、日曜は、精一杯の努力をします。
4日には総理の伊勢神宮参拝があって、私たち地元の議員も参列しました。熱烈な参拝客の「鳩山さん、がんばれよ〜」「民主党、負けるなよ〜」の声に心が熱くなりました。マスコミとの蜜月期間が終わり、政権に対する支持率が落ちても、私たちに対する期待、「この先まだまだ新しい政治に向かっての改革は続く。」という思いは、国民の中にしっかりとあると確信できた一瞬でした。これを死に物狂いで受け止めて、その期待に応えて行くことが、私たちのすべてだと思っています。
「科学技術に対する新しい民間投資スキームの構築」「外国人労働者とその子どもたちの問題に対する具体的対応策の実行」「日本の文化財やアニメなどの知的コンテンツを観光資源や海外へのアピールによって経済資源としての付加価値を作る事業」「著作権の調整によって、IT化への道筋をつけ、世界的なルール作りの一歩を踏み出すこと」などなど、取りかかったプロジェクトをやり遂げることと同時に、今年は、いよいよ独立行政法人や特殊法人、公益法人などの本格的な整理にも手をつけます。また、来年の予算編成に間に合うように、税制調査会では寄付金税制の見直しプロジェクトや地方分権での補助金の統括化などのプロジェクトが始まってきます。
今、私に与えられたポストで、できうる限りのことは徹底的にやりぬくつもりで今年の抱負を決意しました。毎日が楽しみです。